平成14年第7回定例会(第3日目)

若者のライフデザインを行政としてどのようにサポートしていくのか

◯4番(佐地茂人君) 通告に従いまして質問をさせていただきます。
 今回は、最近の身の回りの状況に基づいた質問です。
 私は、先月から今月にかけて結婚式の御招待を5件いただいております。妻の分を足すと6件となり、いわゆる祝儀貧乏という生活が続いております。
幸せ者がふえるということは喜ばしいことで、私もおかげさまでまだ銀行のカードローンを活用するには至っておりませんので、問題はありません。
 質問は、幸せ者たちが2人の生活を始めるに当たり、本市がどのようにかかわっていくかであります。住宅問題に絞って質問させていただきます。
 結婚をしたカップルは新居を構えるわけですが、理想としては新しいマイホームを建設することや新築のマンションを購入することでしょう。
しかし、私や丹沢議員、相坂議員は、そして山本議員も、残念ながら持ち家やマンションは持っていません。
実際新婚カップルはアパートや借家を借りることが多いことは言うまでもありません。
 現在、土地やお金を持っている人たちに対しては、国において相続税や贈与税の優遇措置が検討されているのに際して、
借家住まいの人たちに対しては、余り優遇等がありません。さらに、特別配偶者控除も廃止されるとなれば、
本当にぎりぎりで頑張っている若者カップルには夢など何もないということになってしまう。私の周りでは厳しい現実と将来の計画がなかなか立てられなく、
家賃へ収入の3割以上を充てている者もいます。
 さらに言うならば、静岡市のまちは地価が高く、当然賃貸料も高く設定されています。最近は賃貸料も年々下がってきてはいますが、
まだまだ他都市に比べて高いわけです。今後は今以上に所得の差も開いてくることも予想されます。
若者は静岡に住みたくて頑張って高い賃料を払っているのです。民間住宅は高いとなると、では市営住宅はということになりますが、
これもまた高い競争率で簡単に入居できる余地などありません。対象戸数に対する入居世帯数は4,236件で、若年世帯である40歳未満の夫婦世帯は、
このうち420件の入居状態であり、率にして9.9 %にしか及びません。
 本市の人口の減少が続く中、このような静岡が好きで住んでいる若者の存在は貴重であり、この層がやがては担税力のある市民に育っていくわけであります。
住宅事情を考えますと、本市では総戸数が総世帯数を上回っており、量的には充足しているということがわかります。
 しかし、1つ、市民ニーズに即した質の確保がなされていないこと、2つに、市民のライフステージに応じた住みかえのシステムに対応していないこと、
3つ目に、公的住宅と民間住宅との役割分担がうまく機能していないこと、4つ目に、
住宅問題への公的関与のあり方が問われているということ等の問題点を指摘できると思います。
 まず、第1の市民ニーズに即した質の確保ということであります。これは近年の市民生活の向上により、住宅の質に対するニーズも高まってきており、
いわゆる共同炊事場、共同ぶろというようなレベルの住宅はもう敬遠される状況になっています。量的に充足していても、
民間住宅にありがちなこのようなストックを再生しない限り、本当の意味で充足しているとは言えないわけであります。
 第2点の市民のライフステージに応じた住みかえのシステムの問題であります。市民は、世帯をつくったときから、やがて家族数が増加し、
その後子供たちの独立、老後の夫婦だけの生活というふうに、ライフステージごとに住宅の立地場所、規模、形態や質も変化していくわけでありまして、
理想的にはこのステージごとに対応した各種の良質で低廉な価格の住宅が社会的に用意され、住みかえを行っていけば住宅の量的、
質的な需要と供給のバランスがとれることになります。しかしながら、なかなかこううまくいかないのが現状であります。
 第3点は、公的住宅と民間住宅との役割分担であります。
公的住宅は収入面などでハンディのある市民層に対して住宅を提供することをその基本的使命にしているものでありますが、
現実には良質の公的住宅も見受けられ、一度入居した市民は低廉な価格で内容のよい住宅に住めることから、
担税力のある市民として成長していくことがなかなかできにくくしているとも考えられます。
さらに、立地条件の悪い人気のない公的住宅などは空き家の状態の即出していることもあり、実にストックとしてもったいないと思います。
 第4点は、住宅問題に対する公的関与であります。
 私が今まで述べたような問題、特にライフステージに対応して住みかえシステムがうまく機能するような公的関与、
誘導方策が行われるべきと思います。特優賃など一定の努力は見受けられるところでありますが、実際のところ、
それだけではうまく機能しないように見受けられます。そこで、少子化対策や定住対策として、
私は借家に住む若者を対象とした助成制度をとりあえず検討する必要があるのではないかと考えます。
 当局にお尋ねします。
 静岡市において、若年層世帯に対する住居促進対策はどのようなものがありますか、まずもってお答えください。


68 : ◯市長(小嶋善吉君)
◯市長(小嶋善吉君) 佐地議員の切実な御質問に、御期待に沿えるようにお答えできるかどうかわかりませんが、
30年前を思い出しておりましたけれども、大分時代も変わったものですから、やっぱり違う世代かなというふうに今、感じておりましたけれども、まあいいです。
 少子高齢化が進む中、都市の活性化と発展に欠かせない若者の定住化を図る必要性から、特に少子化対策として若年層世帯が入居できる公的住宅の建設は、
今後の住宅行政を進める上での大きな課題であるとは思います。
 こうした中で、静岡市としては現在建設中の富士見団地内には子育て支援センターを併設をした保育園を建設するなど、
若者にとっても大変魅力のある団地づくりを進めてまいったところであります。
 さらに、共働きなどにより収入が高くなり、市営住宅に入居できない若年層も入居対象となります特定公共賃貸住宅30戸を建設をし、
若い世代の住宅対策をより一層推進していく考えであります。


69 : ◯建築監(徳谷律一君)
◯建築監(徳谷律一君) 若年層世帯に対する住居促進対策でございますけれども、民間が建設する住宅に対しては、
特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき、国の補助を受けて建設される中堅所得者向け住宅としての特定優良賃貸住宅があり、
現在既に12棟、224戸が建設されております。この住宅は、家賃に対しても国の補助が受けられ、家賃も比較的安く設定されており、
若年層世帯も入居しやすく、住宅対策として重要な施策であることから、今後も積極的に推進してまいりたいと考えております。
 以上です。


72 : ◯4番(佐地茂人君)
◯4番(佐地茂人君) 御答弁の方、ありがとうございました。市長もありがとうございます。
 共働きで入居できる世帯が30世帯ということでありました。おしゃれな言い方をすると特公賃と言うそうでございますが、
特公賃は30世帯ということでありました。それでもうれしい限りであります。ありがとうございます。また、きっと物すごい倍率になるのでしょうか。
財政に余裕があるのであれば、本当はもっと予定してほしいところでございます。
 特優賃におきましては、ここ何年か計画がなされていないようでございます。現在の社会情勢に少しばかり合わなくなってきているのではないでしょうか。
 2回目の質問は、先ほど申し上げました借家に住む若年層世帯に対する助成制度についてと、
ワンルームアパートを2人以上の世帯用に改造するための補助について当局の御意見を承りたく、質問させていただきます。
 6月に発表された日本の出生率は1.33まで低下しました。子は国の宝であるとして子育てに対する支援策は徐々にふえてきていることは言うまでもありません。
私は、子育て支援策とは別に、若者に将来における自分自身のライフプラン、生活設計を立ててほしいと願ってやみません。
ひとり暮らしのときはなかなか考えづらいと思いますが、変化が当たり前の社会の中で、自分のライフデザイン、つまり生き方を実現していく生活技法を学んで欲しい、
若者に対してそう願っているところでございます。
 そこで、1つの機会として、結婚を境に将来の計画づくりになればと考えました。助成制度をきっかけに将来の2人の生活、
子を産み育てることも含め考えてほしいと思ったわけです。ただの助成制度ではお金がもらえてうれしいで終わってしまいますので、
新居を構えようとしたとき、不動産屋さんからこの助成制度の説明を受けて、将来は静岡で家を持ちたいとか、マンションに住みたいと考えてほしいのです。
 平成12年の国勢調査によれば、民営の借家を借りて生活している世帯は31.8%、5万4,393世帯で、このうち2人以上で暮らしているのが2万7,331世帯です。
残念ながら年代別の統計が出ておりませんので予測となりますが、静岡県の統計をもとに計算すると、民営の借家に住んでいる20歳から24歳の夫婦のみ、
また夫婦と子供から成る世帯は静岡市にして739世帯、25歳から29歳では3,736世帯、30歳から34歳で4,743世帯、35歳から39歳では3,486世帯となり、
20歳から40歳までのカップルで借家に住んでいる世帯はおおよそ1万2,704世帯となります。実際はもっと多いと思います。
この1万2,704世帯の中の裕福な家庭や、既に会社などから住宅手当を受けている世帯を除き、
ある程度の収入で生活をしている世帯に絞って助成制度を行いたいと思います。
 内容は、私がまずもって自分で考えてみたのですが、民間アパート、借家への助成制度と題しまして、
目的は、この助成制度は若年夫婦に対して将来設計を若いころから考えてもらうための支援制度であるとして、
適用者及び適用物件は、結婚をした夫婦で39歳以下の世帯主、世帯収入が手取り300万円未満で、子供1人につき36万円上限に上乗せすることができる。
会社等で住宅手当を受けている者は除く。家庭用の間取りで家賃は月額6万5,000円以上の物件。
制度の内容は適用者の賃貸料に対し月額1万円を補助する。申請は大家または不動産屋が行い、補助金は大家の口座に振り込む。
助成期間は5年間を上限とする。36歳の人は4年間ということになります、というものです。この民間アパート、
借家への家賃補助制度についてどのようにお考えになりますか、お答えください。
 また、ここ最近、ワンルームアパート、マンションの空き家が多くなってきているようです。だれもがそうですが、
特に学生たちは新築の物件を好む傾向があるようです。お金がある人はいいです。特に、小鹿や大谷、池田地区の学生が多く住んでいる賃貸は、
今空き家だらけであるということを耳にします。
 そこで、ひとり世帯用のアパートを2人以上の世帯用に改造し、少し割安でカップルに住んでもらったらどうかと考えました。
ワンルームの壁をぶち抜き、キッチンを少し広げるぐらいで2人用の部屋にリニューアルできるのではないかと思います。
この改造費に助成をして、民間の賃貸を借りる手助けをすれば、若年層のカップルとともに、賃貸の空き家解消のきっかけにならないでしょうか。
 そこでお伺いします。
 1人世帯用アパートを2人世帯用に改造するための改造費補助についてどのようにお考えになりますか、お答えください。


73 : ◯建築監(徳谷律一君)
◯建築監(徳谷律一君) 民間アパート経営者への家賃補助についてどのように考えるかという御質問についてお答えいたします。
 民間アパート経営者への家賃補助については、先ほど御説明させていただきました中堅所得者向け特定優良賃貸住宅に対して実施しております。
 しかし、他都市においては、新婚世帯、若年層などの定住促進対策として、期限つきで家賃補助を実施している例もあることから、
今後他都市の実施状況などを調査研究してまいりたいと考えております。
 次に、1人世帯用アパートを2人世帯用に改造するための改造費補助についてどのように考えるかという御質問でございますけれども、
静岡大学周辺には、学部の移転により単身者用アパートに多くの空き家が生じていることは聞いておりますが、
民間アパートに対する改造費補助制度については、現在のところ考えておりません。
 以上でございます。


74 : ◯4番(佐地茂人君)
◯4番(佐地茂人君) 御答弁の方、ありがとうございました。(「あんな答弁でありがとうございましたか。怒れ」と呼ぶ者あり)
意見、要望を述べさせていただきます。
 伊東議員はいいかと思いますが、小嶋市長が20年後にお年を召されたときに、私たちが頼られて寄りかかられても、
今の状態では私たちはきっと一緒に倒れてしまうんじゃないかと。今の若者は、私も含め弱い部分も厳しさをこれからいただきながら、
そういう優しい部分もいただければと、そういうふうに思います。 民間アパート、借家への助成制度に関しては、いろいろな問題点も考えられます。
例えば、家賃を滞納した世帯に対しての問題や若年層に対しての一時的なものでしか受け取られないのではないかとか、
全体の助成金額の不安もあるでしょうし、何より不動産屋が理解を示してくれないといけないなど、しかし、問題はクリアできると思います。
ぜひ今後も議論していただき、制度の確立をお願いしたいと思います。
 先ほど山本議員の御答弁にございました事業計画の392億円、私はこの補助制度を2,000世帯と考えました。2,000万円と考えますれば、
1,960年間の補助ができるということになります。なかなか金額にしてそんな長い期間はするべきではないとは思うんですけれども、
ぜひともそのぐらいの補助制度をひとつお考えの方を。
 民間アパートの改造費についてですが、先ほど申し上げましたように、住宅問題に対する公的関与の必要性を考慮していただき、
民間の住宅提供者との密接なる話し合いのもと、実現することを望みます。ぜひもこの2つの制度を4月以降の静岡市で取り上げてほしいと思います。
小嶋市長、よろしくお願いいたします。
 それから、長い目で見た住宅行政について、一言述べさせていただきます。
 公営住宅の今後の対策として、私は思い切って老人住宅専用に改造していくことを提案したいと思います。老人の2人暮らし、ひとり暮らし世帯は、
民間住宅からは入居を敬遠されますし、所得面からも余り高い家賃は払えない、段差などバリアフリーにも対処しなくてはならない、
これからの高齢社会を考えると、ますます老人住宅というニーズは高まりこそすれ、低くなることはないと思います。
 そこで、立地条件の悪い建築年の古い公営住宅を老人住宅に改造してはいかがでしょうか。長年住んだ家から離れること以上のメリットが整えば、
老人世帯は立地条件が悪いところで生活することにも理解を示してくれるのではないでしょうか。
 例えば、専用の送り迎えのバスの整備があれば、いつでも仲のよいお友達に会いに行くことも可能でありましょう。
また、緊急用のシステムの確立や治安の強化など、何よりも日当たりがよい質の高いバリアフリーの住宅に入居できることのメリットを享受できるはずであります。
若年世帯の住宅対策とあわせて御検討ください。
 以上で、要望、意見とさせていただきます。ありがとうございました。


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