平成24年9月定例会(第4日目)

2012年9月27日

質問内容

環境施策について

◯26番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして、静岡市の環境施策について質問を行います。
昨年3月11日に発生した東日本大震災は、大災害の脅威や悲惨さをすべての国民の脳裏に強く焼きつけたところでありますが、同時に我が国、内政外政に対しても一大インパクトを与えました。このインパクトは必ずや変革をもたらし、後世の歴史家は日本の歴史の一大転換点になったと評価することでありましょう。
今回の震災で多くの国民が気づいたことといえば、大きく次の3点であります。
1点目、自然力の脅威と安全神話の崩壊。安全だと人間が勝手に思い込んでいただけでした。
2点目、市井で生きる国民や救援に駆けつけた市町村職員たちのすばらしさと、国家レベルの専門家、官僚、指導者と言われる人たちの能力のなさ、無責任体質の露呈が白日のもととなりました。
3点目、我が国が国際社会に生きていることの再確認。世界じゅうの共感と支援があり、特に原発に関する国や専門家と言われる人たちの情報操作はすぐに見透かされました。
これら3点からは、中央集権システムの限界、地域力の再確認、グローバル社会の実感というキーワードが導かれます。
一方で、震災前から我が国には人口減少社会への突入、高付加価値型産業構造への転換、国家財政再建という課題がありましたが、今回の大震災は、いやが上でも我が国経済社会の構造改革を促進させる契機となるでありましょう。
さて、前置きが長くなりましたが、このような観点から静岡市の環境エネルギー政策を考えてみますと、今や一大チャンスを迎えていると言っても過言ではありません。
原発災害は、中央集権型エネルギーに依存することや放射能汚染の危険性をいやが上にも認識させました。今こそエネルギー政策分野でも、地方分権の機は大きく熟しているのであります。
本市には、小水力発電、太陽光、木材バイオマスなど全国でも有数の再生エネルギー資源がありますし、これに国の再生エネルギー買い取り制度などを組み合わせて、スマートグリッドの普及など都市再開発などのプロジェクトにも民間資本を呼び込み、新産業の創出につなげていき、都市そのものを新時代の環境エネルギー型都市に変えていくといった大きな絵がえがけるのであります。このような見地に立った本市の環境エネルギーグランドビジョンがぜひともほしいところではあり、2回目の質問で具体的にお聞きしてまいります。
そのような絵こそ、新総合計画のメーンテーマになるものでありましょう。今回の質問では、大きな志は志として、まずは身近な問題について順次お尋ねしてまいりたいと思います。
初めに、省エネルギーの推進についてであります。
シロクマのロッシー君の表紙でおなじみでありますが、平成23年3月に市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)が策定されました。国の2020年までに温室効果ガス1990年比25%削減の目標達成のための地球温暖化対策に係る中長期ロードマップの提案を受けてのものであります。
この計画は、産業部門、民生業務部門、民生家庭部門、運輸部門、廃棄物部門という排出部門別に分かれて、削減の目標達成に向けて取り組むことになっております。さらに、各施策に分かれてリーディングプロジェクトを展開することとなっております。
リーディングプロジェクトの中で、省エネルギー対策では、ストップ温暖化!100万人参加プロジェクト省エネ市民活動と省エネ事業者活動や静岡版「もったいない運動」推進プロジェクトがそれに当たります。もちろん庁内でも、環境マネジメントシステムを構築、運用し、資源の再利用や省エネに努めています。
加えて、ことし4月1日に田辺市長は、静岡市環境方針を決定し、全職員及び事務事業に関係する委託業者に周知し、そして一般にも公開することで、「人と環境が共生するまち・静岡」の実現を市民へ約束いたしました。
さらに市省エネ推進本部では、5月に市省エネ対策基本方針と実施計画及び対策手順書の改定を行いました。この方針では、行政の取り組みと市民の取り組み、事業者の取り組みに分かれ、行政の取り組みでは、市民の牽引役となる全庁挙げての省エネ対策の実践に加え、各施設のLED照明への設備更新や電力デマンド監視システムの導入等をうたっております。その一環として、使わないときのパソコンの電源を落とすことなどにも取り組んでいます。
また、市民への省エネ支援や啓発活動とともに、事業者に対してはエコアクション21の取得に対する支援策など、さまざまな施策を講じることになっております。これらの取り組みの効果はどうなのか、気になるところであります。
そこでお伺いをいたしますが、平成23年度から実施している省エネ対策としては、どのような取り組みを行っていますか、お答えください。
本年度の省エネ支援策として、市民の取り組みとしては、新規事業として防犯灯のLED化に対する助成を行っております。これは、従来制度を利用しやすいものへと見直しを行い、実施することになりましたが、その要約は、管のみの交換ではなくLED仕様の防犯灯に器具ごと交換する方法を補助対象とすることで、実際の整備に即した推進策となりました。また、管と器具が一体で交換となるため、設置費の補助限度額を1万円から2万円に引き上げたのであります。
一方、管だけを交換できないことから、1灯当たりにかかる経費が上がって自治会の負担につながることや、電気交換事業者の電圧変更にかかる手数料というものに費用がかかることなども判明し、また今の器具が取りかえ時期になった際に交換すればよいという当然といえば当然の考え方など、交換には制約があり、電力消費量、いわゆる電気代の削減という有効な効果がすぐには見えづらくなっていることが残念でなりません。
そこでお伺いをいたしますが、防犯灯LED化事業の申し込み状況について、どのようになっていますか、お答えください。
私としては、できる自治会は積極的に省エネに対する効果である電気代の削減のほうにかじを取っていただきたいところでありますし、10年もすれば市内すべての防犯灯がLEDにかわり、省エネはもちろんのこと、新規の防犯灯の設備は別でありますが、将来は電球をかえなくて済む静岡市になってほしいと考えます。次年度以降の補助金の利用がふえることが、省エネへの市民意識が拡大することにもつながると思うのです。
そこでお伺いをいたしますが、防犯灯LED化事業の次年度以降の事業実施については、どのように取り組んでいきますか、お答えください。
以上で1回目の質問を終了します。

◯環境局長(杉山浩敏君) 平成23年度から実施しております本市の省エネ対策、これの取り組み、そして効果はどうかということでございます。
議員からもお話がございましたけれども、浜岡原子力発電所の全面停止を受けまして、平成23年5月、昨年になりますが、省エネ推進本部を設置したところでございます。省エネ推進本部では、省エネ基本方針を策定し、すべての市の施設を対象に平成22年度比12%の電力使用量の削減を目標に設定いたしました。
主な取り組みといたしましては、今もお話がございましたが、照明の間引き、退庁時のパソコンの電源オフ、プリンター、コピー機の電源オフなどを行いました。この結果、3庁舎の6月から3月の電力使用量は平成22年度比15.2%と大きな削減をすることができました。また、3庁舎以外の施設につきましては、平成22年度比5.9%、市の施設全体では6.4%の削減率となりました。
また、平成24年度も取り組みを継続しておりまして、8月の3庁舎の電力使用量は平成22年度同月比で13.4%と大きな削減をしております。
以上でございます。
◯生活文化局長(三宅 衛君) 防犯灯LED化事業の2点の御質問にお答えいたします。
1点目の申し込み状況につきましては、8月末時点で約1,300灯の申し込みがあり、各自治会・町内会で補助制度を積極的に活用していただいております。この状況から、今年度は当初見込みの2,000灯のLED化が達成できるものと考えております。
2点目の来年度以降の取り組みにつきましても、計画的に事業を実施し、省エネルギーの推進に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
そこで、各防犯灯の設置時期が異なり、取りかえの時期がまちまちであることから、現在、各自治会・町内会に対して、今後5年間の設置意向調査を実施しているところであります。
以上でございます。
〔26番佐地茂人君登壇〕
◯26番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございました。
2回目は、新エネルギー等の活用について質問をしていきます。
本市では、既に太陽光発電、風力発電、水力発電、木材チップ、バイオマス燃料の活用による新エネルギーの利用は推進しておりますが、まだまだお試し状態であることは否めません。
個人的には、駿河湾を活用した波力発電や洋上風力発電などが今後の主流になればと感じております。ぜひとも国家プロジェクトなどとも連携した大きな取り組みを期待したいと思います。
そのほか、地熱や太陽熱、燃料電池など多くの資源やシステムがありますので、次世代のエネルギーへの可能性は大きく膨らんでいるところであります。
本市は温暖な気候と日照時間の長さが太陽光発電に適しており、風力発電も適性はあるとのことでありますが、建設費と維持経費を考えると、風電君の2台目を考えるよりも、買い取り制度が今後定着することを考えて、太陽光発電にまず力を入れるべきであると考えます。
そこで今回は、太陽光に焦点を当てたいと思います。
太陽光発電の活用について、行政の施設については、学校など各施設の屋上に助成制度を活用して設置していますが、まだまだ不足していると考えます。市の単独費を投じてでも、今後数年間ですべての公共施設へ設置すべきではないでしょうか。特にツインメッセなど大きな効果が期待される施設については、すぐにでも実施してほしいと思います。
市民への支援策としては、皆さんご存じのとおり住宅用太陽光発電システム設置事業費補助金があります。具体的に利用するとなると、まず国の補助金交付決定通知書が必要であります。そして、1キロワット当たり1万7,000円で上限5万1,000円ということは、単純計算で3キロワットまでが上限ということになります。
しかし、ここ最近、各家庭の平均設置ワット数は4.7キロワットでありますので、最低でも1キロワットアップでプラス1万7,000円の6万8,000円の上限でもよいのではないかと思います。
一方、県の補助金は1キロワット当たり2万5,000円で上限は10万円で、4キロワットを前提としているようであります。
このように、市と県の補助金の併用で15万1,000円の活用ができます。国の補助金が4キロワットでおよそ14万円でありますから、全体で29万1,000円程度の補助金を活用することができるのであります。設置費自体は年々安くなってきていますので、1キロワット当たり設置費を40万円と仮定すると、掛ける4で160万円引く補助金30万円、よって130万円で家庭の建設費は賄えることになります。
しかし、ここで疑問になることは、国の制度の申請を行い、市と県の申請は県地球温暖化防止活動推進センターで同時に行います。3つの申請書を提出しなければならないという制度であり、制度自体を統合すれば手続がもっと楽なのにと感じるところであります。
いずれにしましても、住宅への太陽光発電の設置については、実施しやすい状況になりつつあり、24年6月の新聞報道によれば、住宅太陽光発電の県内の導入について、22年度から23年度にかけての伸び率は静岡県が全国トップの157%であります。導入件数については、昨年度県内で1万1,666件という結果が発表されたのであります。
そこでお伺いをいたしますが、本市の住宅用太陽光発電については、現在の設置状況について、どのようになっていますか、お答えください。
さらに住宅用太陽光発電の推進を図るため、新築住宅について、太陽光発電の設置を推進する施策を行うことも1つではないかと考えます。
そこでお伺いをいたしますが、新築住宅に対する設置の義務づけについては、どのように考えておりますか、お答えください。
県の制度については、年間11億円の予算でおよそ1万1,000世帯を見込んでいるとの報道がありましたが、県全体で140万世帯余りありますので、集合住宅も多く存在しますし、推進すれば価格の低下等により購入する家庭もふえますので、一概には言えませんが、すべての住宅に太陽光発電が設置されるには、単純計算で140年程度かかることになります。本市においては、予算額6,000万円で年間約1,200件程度の件数で推移するとお聞きしていますが、世帯数は30万余であります。すべての住宅に設置することができれば、再生可能エネルギーでの電力の確保にも随分と貢献できると考えますが、いかがでしょうか。
そこでお伺いいたしますが、住宅用太陽光発電につきまして、本市の設置目標については、どのようにお考えですか、お答えください。
次に、太陽光発電の事業者への支援策についてお尋ねします。
大規模太陽光発電施設、通称メガソーラーが中部電力により本市の三保貝島地区に建設されることになりました。当時、中部電力は長野県飯田市と愛知県武豊町にメガソーラーを建設することが決まっていましたので、静岡市には当分来てくれないかもしれないかもと思っていた矢先の決定でありましたので、メガソーラーしみずの実現はうれしい限りであります。
着工は来月の予定で、運転開始予定は27年2月であります。8メガワットの発電出力で年間発電量は840万キロワット、一般家庭の約2,300世帯分の年間使用電力に相当するとのことであります。
私は、国の制度の追い風を十分に活用し、事業者の進出をさらに進めるべきではないかと考えます。浜松市においては、養鰻池跡地の活用で市街化調整区域内での民間事業者のメガソーラー建設が実現することになりました。本市においても、さらなる民間事業者の参入を促進すべきであると考えますが、いかがでしょうか。
そこでお伺いをいたします。メガソーラーなどの活用について、民間事業者の誘致については、どのように考えていますか、お答えください。
市長は、観光の田辺との呼び名も定着しつつあるようでありますが、ぜひとも環境の田辺としても活躍していただきたいと思います。
今年度、市環境方針を発表し、今月21日には都内で開催されました、エネルギーを効率的に利用し環境に優しい社会を目指すための製品見本市での関連シンポジウムにて、講演を行ったとの記事を拝見しました。まさに環境に優しい静岡市の推進のため、その能力を発揮していただきたいと思います。
駅前や市街地にはソーラーLED照明灯や小風力発電を設置したり、中心市街地には車の乗り入れ規制やLRTを走らせるなどの事業展開や、例えば三保地区に環境関連の事業者を積極的に誘致するなど、環境都市を目指していただきたいと思います。
現在の市地球温暖化対策実行計画にさらに踏み込んだ形で、市再生可能エネルギー推進シティ構想を立ち上げていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。第3次総合計画について議論する時期も来たと考えますが、当局の見解を伺います。今後に向けての環境施策については、どのようにお考えですか、お答えください。
以上で2回目の質問を終了します。

◯環境局長(杉山浩敏君) 新エネルギー活用に関します何点かの御質問について答えをさせていただきます。
まずは住宅用の太陽光発電設置状況はどうか、新築住宅に対する設置の義務づけについてはどうか、本市の設置目標はということでございます。
現在の設置状況でございますけれども、中部電力株式会社の資料によりますと、本市におきます低圧、いわゆる100から200ボルトの太陽光発電契約件数は平成22年度末に4,749件だったものが、23年度末には6,735件となっておりまして、1年間に約2,000件増加しております。
新築住宅に対する設置の義務づけの関係でございますが、震災等発生時における電力確保に有効であること、太陽光発電施設自体の低価格化が進んでいることから、現在多くの新築住宅に太陽光発電施設が設置されております。本市といたしましても、国の動向等を見ながら、より多くの住宅に太陽光発電施設の普及が進められるよう、施策のあり方について検討をしてまいりたいと考えております。
本市の設置目標ですが、住宅用太陽光発電施設につきましては、議員御指摘のとおり、なかなか難しい面はございますが、平成23年3月に策定いたしました静岡市地球温暖化対策実行計画に基づきまして、27年度末時点で約2万世帯、約8万キロワットの設置を目標にさらなる普及に努めてまいります。
次に、メガソーラーに関係いたしましてメガソーラーの事業者の誘致はどうかということでございます。
誘致に当たりましては、メガソーラー候補地に関する情報提供が重要であることから、本市といたしましては、静岡県が本年7月より開設しましたふじのくにメガソーラー情報バンクの活用を推進しています。これは、発電事業を検討しています民間事業者等に対しまして、土地の所在地、面積、地目、現況、利用条件等の情報を、市町を経由して県ホームページ等により広く公表していくものでございます。これまでのところ、土地情報を掲載したいという市民からの問い合わせが数件あるのみということですが、全量買い取り制度に対する関心が非常に高いことから、今後は実際の情報掲載も増加していくものと考えます。これらをきっかけにいたしまして、本市といたしましても民間事業者への働きかけを強化してまいりたいと考えております。
そして、最後でございますが、今後に向けてどのような環境政策をということでございます。
国においては、革新的エネルギー・環境戦略に基づき、省エネルギー、再生可能エネルギーの導入を最大限に引き上げる対策が示されてくるものと考えております。
これを踏まえまして、本市としての施策を検討してまいります。また今後、災害に備え、水、食料のほかにも太陽光発電、燃料電池、蓄電池を組み合わせた創エネが必要であるとの観点から、一定の街区のエネルギーの地産地消を進めるため、スマートハウスを普及し、スマートコミュニティーの実現を進める施策を推進していきたいと考えております。
以上でございます。
〔26番佐地茂人君登壇〕
◯26番(佐地茂人君) 2回目の御答弁をいただきありがとうございます。期待していいのか、期待したいと思います。よろしくお願いします。
3回目は、廃棄物の処理について質問していきます。
地球温暖化の推進に関する法律第20条に基づき、静岡市においては、18年3月に市環境基本計画が策定され、私は19年9月に本会議にて質問しました。また22年3月に策定されました下水道ビジョンにつきましては、21年9月に本会議にて質問いたしました。
今回は、23年3月に策定されました市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)と並行して策定された市下水道における地球温暖化防止実行計画の中で、中期対策として実施する予定の下水汚泥のエネルギー利用の中身についてお尋ねしたいと思います。

現在、中島浄化センターに集約された汚泥は、ごく一部を除き焼却処理されております。現在の汚泥焼却炉は下水道施設全体の約3割に相当する温室効果ガスを排出しており、汚泥焼却施設の老朽化対策とあわせ、削減効果の大きい新たな対策として汚泥のエネルギー利用の実施施設を建設することになり、今年度予算に組み込まれているのであります。
本市においては、炭化技術に着目し、脱水汚泥を乾燥後、「低/無酸素状態」で蒸し焼きにし、燃料資源化させる、いわゆる炭化方式を活用するとお聞きしております。この炭化方式は蒸し焼きにする際、焼却方式に比較し、エネルギーを多く使用しますが、下水汚泥が燃焼しないことから温室効果ガスの発生を抑えることができます。また蒸し焼きにすることで、乾燥方式に比べ、炭化燃料のエネルギー発熱量は多少低くなりますが、臭気は発生しません。
一方、乾燥方式は、炭化装置に比較すると設備は安価でありますが、炭化方式に比べ、臭気の問題があります。
このような状況の中、熊本市では、低温炭化燃料化方式という低温域──炭化温度が250度から350度程度で炭化を行うことで、炭化物の高発熱量化を図り、燃料としての価値を高めた技術を採用し、燃料化施設の設計、施工、維持管理、運営、燃料化物買い取りを一括して民間事業者に委託するDBO方式──デザイン・ビルド・オペレートというんですが、25年4月から運営することが決まっております。
また、横浜市においても、低温炭化燃料化方式によるもので、PFI事業のBTO方式を活用するとのことであります。
そこでお伺いいたしますが、静岡地区における下水汚泥の新たな有効利用として建設する燃料化施設について、炭化方式を採用した理由については、どのような理由でありますか。また建設に当たっては、どのような契約方式で取り組んでいきますか、お答えください。
現在、中島浄化センターでは、センター内の汚泥に加え、管路と陸路により、高松、城北、長田の3浄化センターの汚泥についても、中島浄化センターで脱水処理を行い、後に焼却処理しております。新たな汚泥燃料化施設は、これらすべての汚泥を処理することになるのでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、建設する炭化炉に受け入れる下水汚泥の量については、どのようにお考えですか。また、受け入れの対象となる処理区域については、どのようになっていますか。さらに、でき上がる燃料の量についてはどの程度になりますか、お答えください。
先ほどは他市の事例を述べましたが、本市におきましても、でき上がった固形燃料の受け入れ先、つまり購入してくれる施設が決まることが重要な課題であります。この課題については、今回クリアすることができるのでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、でき上がる燃料の受け入れ先については、どのようになっていますか、お答えください。
清水地区については、現在汚泥を脱水処理するまで本市が行い、脱水した汚泥は民間業者へ委託し、有効利用や産業廃棄物として処理しております。清水地区の汚泥は業者に持ち運びいただき、焼却後に埋め立て処分を行っているとお聞きしております。できることならば、将来的にはどのような事業方式であれ、再利用できることが望ましいのではないでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、清水地区における今後の下水汚泥の有効利用については、どのようにお考えですか、お答えください。
次に、最終処分場と飛灰についてお聞きします。
本市の一般廃棄物最終処分場は大きく2つあり、1つは沼上最終処分場で、残余埋め立て容量は23年度末時点、17万4,357立方メートルであります。もう1つは清水貝島最終処分場で、残余埋め立て容量は23年度末時点、2万181立方メートルであります。
まずは、最終処分を受け入れていただいている沼上地区住民の方々に改めて感謝申し上げます。
現在、本市の廃棄物行政の課題としては、1人当たりのごみの排出量が他市と比較し、多いことや、減量の意識が他市よりも低いことなどが挙げられ、最終処分場の延命にもつながるであろう市民への協力体制については、本年度、ごみの有料化について市民の意見集約を行っているところであります。
ごみ問題につきましては、CO2の削減や地球温暖化も大切でありますが、やはり最も重要なことは、最終処分場がしっかりと確保できることであります。
少し話が変わりますが、東日本大震災の瓦れき木材チップの受け入れにつきましては、本市では今回の9月補正予算案に放射能濃度などの測定費用916万円を計上しました。10月からいよいよ西ケ谷と沼上の両清掃工場で、1日当たり計40トン程度の災害廃棄物を2施設で交互に処理を実施することになります。今年度は3,900トンの災害廃棄物処理を行う予定であり、少し当初の予定よりおくれてしまいましたが、報道でも田辺市長も準備万端とのことでありました。
災害廃棄物の処理につきましては、1日でも早い本格実施を望んでおりますが、市外の廃棄物を受け入れることにより、少なからず本市の最終処分場の残余埋め立て容量に影響が出ることは否めません。
私が思うことは、今回の瓦れき受け入れについて、処理費用を国が出すのは当然でありますが、本来、国や県は、市長の瓦れき受け入れがよりスムーズに行くための支援をすべきではないかということであります。支援が欲しいから瓦れきの受け入れを表明したわけではありませんが、最終処分場の残余埋め立て容量についてなど、今後の協力体制を考えるなどの支援があってもいいのではないかと思うのです。
そこでお伺いをいたしますが、災害廃棄物の受け入れに当たって最終処分場への影響が考えられますが、国や県の新たな最終処分場建設等に対しての支援はどのようになっていますか、お答えください。
清掃工場で焼却、溶融された廃棄物は、飛灰や溶融スラグとなり、飛灰は最終処分場へ埋め立てされることになりますが、本当に飛灰は再利用できないのか。できれば最終処分場の延命策につながるのではないかと思います。安全性の確保が最優先でありますが、溶融飛灰は焼却灰の中にある亜鉛、鉛、カドミウムなどの重金属類については、資源化が可能ではないかとも考えます。
そこでお伺いいたしますが、現在、飛灰については埋め立て処分を行っていますが、埋め立て以外の活用方法については、どのように考えますか、お答えください。
本市の一般廃棄物最終処分場の残余埋め立て容量につきましては、先ほど述べましたが、処分場がいっぱいになるのは、沼上、貝島ともに8年ほどであると当局よりお聞きしております。新たな最終処分場を確保することは、当局として課題であり、最も重要な使命であると感じておりますが、候補地の決定や地域住民への理解をいただくことや建設期間なども考慮すると、残り8年は長くはありません。昨年度は、候補地の可能性調査を予算づけし、実施したところであります。今後は、どのように最終処分場について取り組んでいくのでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、第3次総合計画では、最終処分場の整備については、どのように位置づけをしていきますか、お答えください。
以上で質問のすべてを終了いたします。

◯上下水道局次長(藤岡 進君) 廃棄物の処理、下水汚泥の処理にかかわる4点の御質問についてお答えをいたします。
まず1点目、炭化方式を採用した理由と、建設に当たっての契約手法についてでございます。
炭化方式を採用した理由でございますが、現在、中島浄化センターでは、高松、城北、中島、長田の4つの処理区の汚泥を集約し、焼却処理しておりますが、同浄化センターの焼却炉は老朽化が著しいことから、更新することといたしました。
更新に当たり、下水汚泥の有効利用や地球温暖化対策等の観点から検討した結果、燃料化方式を選択いたしました。また、燃料化の方式には乾燥方式と炭化方式がありますが、環境面への配慮から、臭気が少ない炭化方式を採用することといたしました。これにより、燃料として再資源化することで二酸化炭素の削減につながり、本市の静岡市地球温暖化対策実行計画に資することができ、また焼却灰が発生しなくなることで処分が不要となり、経費節減が図られることとなります。
次に、契約手法でございますが、炭化炉の建設は高度で専門的な技術が必要であるとともに、燃料化物の利用先の確保がきわめて重要となります。このため、設計、施工、維持管理に加え、利用先の確保を一体とした契約を考えております。
2点目の炭化炉に受け入れる下水汚泥の量と受け入れの対象となる処理区域、でき上がる燃料の量についてお答えをいたします。
炭化炉に受け入れる下水汚泥の量については、年間約2万4,000トンを予定しています。また、生成される燃料化物は重量が約10分の1となることから、年間約2,400トンとなります。なお、炭化炉の処理能力は1日当たり75トンです。
次に、受け入れる対象となる処理区域は、中島浄化センターで集約処理している高松処理区ほか3処理区を引き続き対象としております。
次に、3点目、でき上がる燃料の受け入れ先をどのように考えているかとの御質問についてでございますが、燃料の受け入れ先の確保は、先ほど答弁したとおり、本事業にとってきわめて重要でございます。利用先が安定的に確保できなければ、再資源化や地球温暖化対策など本事業の目的を達成できないことになります。そのため、設計、施工の契約時に合わせて、長期間の維持管理、燃料化物の利用を確約する協定を結び、受け入れ先の確保に努めてまいります。
なお、具体的な受け入れ先については、大型ボイラーを所有する火力発電所、セメント工場、製紙工場等が考えられます。
最後、4点目、清水地区における今後の下水汚泥の有効利用についてですが、現在は民間事業者へ焼却及び埋め立て処分を委託しているほか、堆肥化等の有効利用を行っております。しかしながら、近年、汚泥を利用したさまざまな取り組みが進んでいることから、清水地区においても環境や経営などの観点を含め、総合的に検討をしていきたいと考えております。
以上でございます。
◯環境局長(杉山浩敏君) 廃棄物処理に関します3点の御質問にお答えをさせていただきます。
まずは、災害廃棄物の受け入れに伴う最終処分場への影響に対する支援策はどうかということであります。
平成24年4月17日付け、総務省地域創造グループ地域政策課通知、東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理についてによりまして、災害廃棄物の受け入れを実施した自治体に対し、将来の最終処分場の整備に当たって、広域処理の受け入れに使用した最終処分場の容量に相当する費用が国費及び地方財政措置により措置されるとされております。
次で2点目ですが、飛灰の埋め立て以外の活用方法はどうかということでございます。
飛灰は灰分、重金属、その他金属類及び塩類などで構成されており、埋め立て処分する以外の活用は困難とされております。しかし、最終処分場の極小化を進めるため、本市におきましては、飛灰に含まれる金属類の回収が可能となる方法がないか調査研究を進めているところでございます。
最後になりますけれども、第3次総合計画への最終処分場の位置づけという御質問でございますが、飛灰及び溶融不適物については、現状、埋め立て処分する方法以外にないこと、東日本大震災の経験から、災害廃棄物を迅速に処理する上で必要な施設であること、そして廃棄物の安定的な処理を確保しなければならないこと、こうしたことから、第3次総合計画におきまして最終処分場の整備を位置づけていく必要があると考えております。
以上でございます。