平成28年6月静岡県議会定例会

2016年6月30日

質問内容

質問者: 佐地 茂人議員
質問分類 一般質問
質問日: 2016/06/30
会派名: 自民改革会議

○副議長(藪田宏行君) ただいまから会議を開きます。
議事日程により、知事提出議案第九十五号から第百七号までを一括して議題といたします。
質疑及び一般質問を行います。
通告により、十番 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇 拍手)
○十番(佐地茂人君) おはようございます。それでは、通告に従いまして自民改革会議の一員として知事、関係部局長に対し質問をいたします。今回は大きく五点の質問を一問一答方式で質問させていただきます。
私は、静岡県は環境で食べていくまちでありたいと願ってやみません。本県の恵み豊かな自然環境を将来の世代に引き継いでいくこと、ものづくり県静岡が知恵を絞りさまざまな環境に配慮した産業を起こしていくこと、現在の製品にさらに環境負荷に気を配る商品として開発することなど本県の特性を生かした環境による県づくりこそ静岡県にふさわしいのではないでしょうか。
それではまず、海洋産業の創出についてであります。
国における政府関係機関移転基本方針が平成二十八年三月二十二日に公表されました。県が県内の市町に聞き取りを行い提案した五機関については、唯一静岡市の提案した水産総合研究センターの共同研究の実施が認められました。
旧静岡市と旧清水市の合併では、清水港を起爆剤としてさらなるまちの発展を遂げることが期待されており、二十九年度予定の中部横断自動車道の開通によりますます清水港の利活用の可能性も広がります。今回、水産研究・教育機構等との共同研究はまさに時宜を得たと考えます。
そこでまずお伺いをいたしますが、本県は、現在までも国の機関と連携してさまざまな研究を行っていると思いますが一番重要なことは研究成果をどのように経済発展に生かすかであり、いかに県内企業や県民に還元していくのかであります。本県の取り組みについてはどのようになっていますか。また水産研究・教育機構等との共同研究を契機として、本県では食品加工などの企業が集積する清水港を核にすばらしい地域海洋資源をどのように地域産業の創出に生かしていきますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 篠原経済産業部長。
(経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 佐地議員にお答えいたします。
海洋産業の創出についてであります。
静岡市は、本年五月駿河湾の豊かな海洋資源や清水港周辺の食品加工産業の集積を生かし新たな産業の創出を目指して商工団体や国の研究機関などが参加する静岡市海洋産業クラスター協議会を発足させたところであります。
県はこれまでも、海洋の資源を生かした産業振興は重要なことと考え駿河湾深層水の活用や沿岸漁業振興のための種苗生産、水産物の六次産業化などに取り組んでまいりましたが、今般静岡市からの要請を受けこの協議会に参加しております。この協議会の中で県水産技術研究所はこれまで蓄積してきた周辺海域における魚の生態、漁獲量に関するデータや黒潮の変動等による海洋環境への影響に関する研究成果を活用し、東海大学海洋学部や国の水産研究・教育機構などとともに駿河湾における海洋観測システムの研究開発プロジェクトに取り組むこととしております。
県といたしましては、今後とも市町や大学、研究機関等と連携して研究開発プロジェクトの成果を速やかに漁業者や地域の企業に還元することで水産業の発展はもとより新たな海洋産業の創出につながるよう積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
それでは、再質問いたします。
私は、本県の海洋研究実績について高く評価しております。市町ではできない研究を県は行えると思います。
そこでお伺いいたしますが、本県は今回の先ほど御答弁でもありました海洋産業クラスター協議会へ参加することによりどのような役割を担うことができますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 県の役割についての再質問についてお答えいたします。
先ほども答弁をいたしましたように、県といたしましては、このプロジェクトの中で東海大学海洋学部や国の研究機関等と連携して駿河湾あるいは海洋におけるいろんな形での研究を進めていく役割が果たせるというふうに思っております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁ありがとうございます。
できればまた、海洋産業クラスター協議会の中で県も参加しているわけですから、どういう形で今後積極的に、現状だけではなく将来につなげていきたいかというところを伺いたいと思うんですけれども再々質問させていただきます。
今回の水産研究・教育機構等との共同研究では、静岡市海洋産業クラスター協議会が主軸となりますが今後の連携体制強化について県はどのようにイメージをしておりますか。どのようになっていくと考えておりますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 再々質問についてお答えいたします。
現在、クラスターが立ち上がっておりますが、研究プロジェクトについてはそれぞれ県と大学あるいは研究機関と調査内容等を進めて行っております。
県といたしましては、そういう成果もですね、参加しております静岡商工会議所が海のみらい静岡友の会を設立して五十余りの企業、団体が入っておりますけれども、そういうものとも連携して産業振興について取り組んでいきたいというふうに思っています。以上です。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。一問一答はなかなか難しいなと思います。
まず、意見、要望を申し上げます。政府関係機関移転が端を発したこうした取り組みが海洋産業の……
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君に申し上げます。
ただいまの発言は四回目となりますので、次の質問に移ってください。
○十番(佐地茂人君) はい、承知しました。
次の質問に移らせていただきます。意見、要望はだめですね。失礼しました。
それでは、次の質問に入らせていただきます。
次に、環境政策についてのうち、初めに低炭素型の地域づくりの推進について質問します。
先ほども申し上げましたが、静岡県が環境で食えるまちになってほしいと考えております。海洋産業、そして我が党でも力を入れておりますCNFについても広く捉えれば新産業で環境に配慮した分野に位置づけられるのではないでしょうか。
平成二十七年三月改定のふじのくに地球温暖化対策実行計画では、五年後の二〇二〇年度に二酸化炭素などによる温室効果ガスの排出量を二〇〇五年度比で二〇%削減するという大きな目標を掲げております。この実行計画での新たな大きな取り組みとしては地域基盤、エネルギーの最適化を地区単位で取り組むことにより低炭素型の地域づくりを行い、スマートコミュニティーの形成につなげていくところであると考えます。
静岡市では、ことし三月に策定しました地球温暖化対策実行計画において災害に強く環境に優しいエネルギーの分散化を基本目標の一つに掲げ防災スマート街区の形成に取り組んでおります。防災スマート街区は太陽光発電や燃料電池などの分散型エネルギーだけでなく、防災倉庫やマンホールトイレといった防災施設を備えることで平常時のエネルギーの効率化に加え非常時の防災力の強化を目指したものとなっております。この防災街区のように地域における環境保全に関する取り組みを進め低炭素な地域をつくっていくことは、環境面での改善だけではなく例えば危機管理対応などの地域が抱える課題解決に貢献することになるのであります。このような低炭素型の環境に配慮した地域づくりを本県においてももっと進めていくべきではないでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、本県では低炭素型の地域づくりにどのように取り組んでいきますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 髙木くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(髙木利夫君) 環境政策についてのうち、低炭素型の地域づくりの推進についてお答えいたします。
地域単位でエネルギーの最適化を図るスマートコミュニティーの形成は、低炭素型の地域づくりにおいては有効な手段であり、議員御指摘のとおり静岡市の防災スマート街区のように災害に強い分散型のエネルギーシステムの一つとしても期待されております。このため県ではスマートコミュニティーを促進するため、昨年度市町や関係事業者を対象として先進事例や支援制度、行政に求められる役割などをテーマとした研究会やセミナー等を開催いたしました。
県内の先進事例としては、長泉町でマンションの建設に合わせて家庭用燃料電池を活用して建物内の電力融通を行うスマートタウンプロジェクトが進められております。また浜松市、沼津市、富士市では住宅や工業団地、卸売市場などにおける六件の事業化可能性調査が国の採択を受けて実施されたところです。
今後は、この調査案件の事業化を促進するとともに、大規模な投資を必要とする新規開発だけでなく既存の商業施設や工場などを活用し、コストを抑えつつ地域の特性やエネルギーの需要を踏まえたスマートコミュニティーの事例をふやすなど取り組みの加速化を図り、低炭素型の地域づくりを推進してまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
次に、新・再生可能エネルギーの活用について質問します。
本県では、地産エネルギーとして小水力発電やバイオマス、温泉エネルギーなどの導入について実績や取り組みがありますが、海洋再生可能エネルギーやメタンハイドレート等の海洋資源の取り組みについては現在進行形であると認識しております。本県では二十五年度に海洋再生エネルギー導入可能性基礎調査を実施し、その結果潮流発電、海洋温度差発電、海流発電については適する海域がないとし、波力発電と洋上風力発電についてそのポテンシャルが認められたと認識しております。
現在、県内の大学で波の位置エネルギーをプロペラによる回転運動に変えて発電する新たな方式による波力発電の研究が進められていますが、これが実現できれば他にはない静岡初の新エネルギーとして地域経済への波及効果も期待できるのであります。この研究は、やんごとない理由により一時中断をしていると伺っておりますが、県が財政面や調整役として波力発電の実現に一役買って出ることを望みます。
また、豊かな海に面した本県としては、恵まれた海洋資源を活用しエネルギーの地産地消を目指していく必要があると考えます。メタンハイドレートにつきましては地球深部探査船「ちきゅう」も調査しており、東部南海トラフ海域において相当量のメタンハイドレートの賦存が確認されております。本年度は産出試験が行われる予定であるともお聞きしております。
そこでお伺いをいたしますが、新たな再生可能エネルギーである海洋エネルギーの波力発電の実現とメタンハイドレートの活用についてはどのように考えておりますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 環境政策についてのうち、新・再生可能エネルギーの活用についてお答えいたします。
県は、新エネルギー等導入倍増プランにおいて平成三十二年度の導入量を現状から倍増することを目標とし、太陽光発電を二百万キロワット、ガスコージェネレーションを八十五万キロワットなどとしております。なお海洋エネルギーにつきましては、その具体的な利用は長期的な課題となっていることから目標値を設定しておりません。
しかしながら、本県は海洋エネルギーの開発先進地域となり得る高い可能性を有しております。県内の大学が考案した越波式波力発電につきましては、現在実証試験の実施体制、機器の設置場所、周辺海域利用者の理解、経済性などの課題が明らかとなっております。
県といたしましては、これらの課題解決に向け、市町と連携して支援を行うこととしております。
また、メタンハイドレートにつきましては、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が渥美半島から志摩半島の沖合で行う第二回産出試験に向け、事前掘削等を本年五月から進めていると承知しております。
県は今後とも、海洋エネルギーを初め本県の有する多様なエネルギー資源をできる限り活用するため国や研究機関、市町、大学等と連携し再生可能エネルギーの活用に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございました。
再質問をさせていただきます。
ただいま、越波式波力発電等波力発電の現状、そして課題をお示しをいただきました。今後、先ほども私申し上げたとおりで、これが実現していくという形になればまずもって静岡としても非常に重要な財産になると考えております。
そこで、現状を打破するために我々県がもう少し一歩踏み込んで研究の財政的な面、そして課題の克服等の内容について一緒になって、市だけではなく力を入れていっていただきたいと思っておりますが、この波力発電の実現に向けて一歩踏み込んだ県の対応としては考えられることがありましたらお示しいただきたいと思いますが、お答えをいただけますでしょうか。
○副議長(藪田宏行君) 篠原経済産業部長。
○経済産業部長(篠原清志君) 波力発電の実現に向けての対応についてお答えをいたします。
実は数年前からこの話がありまして、私も担当いたしましてハワイとの交流でですね、東海大学とハワイ大学との交流等もこういう研究を行う上で進めておりまして、そのマッチング等を担当させていただいた過去がございます。
ぜひ、この実現に向けていきたいと思っておりますが、事業の実施体制が、参加の企業あるいは大学との関係とか非常に今難しい状況になっていまして、そういうものをしっかりした上で県としてもいろんな地域とのかかわり等協力をしていきたいというふうに思っています。以上です。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) ありがとうございます。
大きなものを生み出すには、非常に、民間や研究されている学者さんだけではできないところって非常に多いと思います。意見、要望でございますが、そうした県の知識、技術、そして財政的な内容として、実現に一歩でも早くそして確実に進むように御支援をお願いします。
次に、効果ある行政運営についてのうち、人員削減と出先機関の配置について質問します。
指定都市となりました静岡市と浜松市への権限移譲に伴う職員数の削減について申し上げますと、十五年から二十八年の十四年間で二百六十五名の職員を削減したとのことであります。他市町への権限移譲に伴う職員数の削減はこの間五十六名であり合計して権限移譲に伴う職員数の削減は三百二十一名となり、職員一人当たりの人件費を八百五十万円として積算した場合二十七億円の削減効果があったとのことであります。
では、市町はこの権限移譲に伴い職員数をどの程度増加させているのでしょうか。
保育士の確保による職員の増加は否めない昨今ではありますが、今いる人員でかつ削減をしながら市町は行政運営を行っているのであれば本県は効率的な行政運営に向けてさらなる人員削減を断行していく必要があると考えますが、みずからの事務の見直しによりどの程度の人員を削減したのでしょうか。
出先機関の配置についてお尋ねします。
県が行政サービスを提供する上では出先機関と本庁の配置のあり方が重要であると考えます。財務事務所、健康福祉センター、農林事務所、土木事務所について平成十六年から二十七年を比較しますと、機関数は支所から駐在に格下げしたものを差し引いて十六機関の削減となっております。出先機関の人員は七百四十六名の減少で、ちなみに本庁は百四十七名の増加であります。効率的な行政運営に向けた集約化とそれに伴う廃止は重要なことと考えますが、県民サービスの低下を招いてしまっては本末転倒になります。特に身近な県民サービスを提供する使命を担う福祉・介護分野において出先機関の果たす役割は非常に大きいと感じます。
そこでお伺いをいたしますが、出先機関の配置の考え方についてどのように考えますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 効果ある行政運営のうち、人員削減と出先機関の配置についてお答えいたします。
県では、これまで五次にわたる定員管理計画を進め一般行政部門におきましては平成九年度から二十八年度までの二十年間に一千四百七十二名の職員の削減を行っており、市町への権限移譲に伴う三百二十一名を除きますと削減人数は一千百五十一名であります。その内訳でありますが、経済情勢の変化に対応するため新たな行政需要の増加に伴い八百六十六名の増員を行う一方で、業務の完了や効率化などにより九百十七名を減員し合わせて五十一名を削減いたしました。このほか事務の集中化、出先機関の見直しなど組織体制の見直しにより八百七名、業務の委託化等により二百九十三名の削減を行っております。
今後も、事務事業の見直しを進め新たな行政需要に的確に対応するとともに、職員のワーク・ライフ・バランスや時間外勤務の状況にも配慮しながら適切な人員配置を図ってまいります。
県民に身近な出先機関の配置につきましては、行政の安定性、継続性や県民サービスの維持向上に配慮しつつ市町村合併の進展も踏まえて土木事務所等の統廃合により組織の簡素化を図る一方で、増加する児童虐待に対応するため富士児童相談所の新設や地域における振興体制強化のため賀茂振興局を新設するなど現場の実情を踏まえた組織改編を行っております。
今後とも、県と市町また本庁と出先機関の役割分担を踏まえ、県民ニーズの変化に対応した簡素で能率的な組織づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
次に、各課の事業見直しについて質問します。
行政に対する県民ニーズが多様化、専門化していく中で、人口減少対策や経済対策、地震・津波対策など喫緊の課題にスピード感を持って県費を投じ対応していかねばなりません。これらの行政需要に限られた人的資源、財源で対応をしていくためには、業務の効率化、生産性の向上を図り、質の高いサービスを提供していくことが重要であると考えます。
今後も引き続き厳しい財政環境が見込まれる中、新しい施策、事業を行うには既存の業務、事業の廃止を含めたさらなる積極的な見直しに全庁を挙げて取り組む必要があると考えます。二十八年度の当初予算編成方針では事業の徹底した見直しを行い、行政目的が達成された事業や必要性の低下した事業の廃止がうたわれておりました。
そこでお伺いをいたします。知事就任以降これまで取り組まれてきた行財政改革の具体的な成果をお示しいただくとともに、今後の事業見直し等についてはどのような取り組みを行おうとしていますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 効果ある行政運営についてのうち、各課の事業見直しについてお答えいたします。
本県では、総合計画で各政策分野の目標を明確にしその達成のための作戦書である施策展開表を作成して施策の推進と改善を図り、進捗状況につきましては県議会でも御審議をいただき客観的な評価と施策への反映に努めております。また、ひとり一改革運動で身近な業務の改善を進め、ふじのくに士民協働事業レビューで県民意見を取り入れるなどPDCAサイクルを各場面で徹底して機能させることにより、事業などの効率的な見直しを図っております。
こうした取り組みを通じて平成二十二年度から二十八年度までの七年間で一千百億円を超える財源を捻出するとともに、将来世代の負担となる県債につきましても通常債の残高は平成二十一年度と比べ二十七年度末見込みで約三千億円減少いたしました。また、ひとり一改革運動は都道府県で一位の改善件数を維持し、さらに人口減少を見据えて賀茂広域消費生活センターを共同設置するなど市町との連携も推進しております。
一方で、職員の時間外勤務は近年右肩上がりで増加しております。限られた人員と予算の中で総合計画の前倒し達成など重要な課題に迅速かつ効率的、能率的に対処するためには、議員御指摘のとおり既存の事業や業務についてさらなる抜本的な見直しを行い優先度の高い分野に資源を重点的に導入することが極めて重要であります。
このため、今年度は全庁で「生産性の向上に向けた取組~やめて・へらして・かえて・つくる~」に徹底して取り組んでまいります。全庁的な管理業務も含め全ての業務の廃止を含めて見直すとともに、職場環境の改善など生産性の向上に向けた取り組みを一体的かつ集中的に行い、さらなる効果的、効率的な事業等の執行に努めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
次に、県有地の処分について質問します。
不要となった県有地の処分につきましては、売却計画に沿って毎年度計画的に進めているとは思いますが、事業のおくれや売却ができない、買い手がつかないなどの理由により売却できていない物件もあろうかと思います。
そこでお伺いをいたしますが、計画に含まれていない新たに処分することになった物件も含めて売却計画の進捗状況はどのようになっていますか。また土地の処分方法につきましては、買い手にとって都合のよい条件や隣接地と込みで売却するといった工夫を凝らした手法や市町との土地の交換という手法も有効であると考えます。なお売却がなかなか進まない土地については何らかの活用策も検討すべきであると考えます。
そこでお伺いをいたしますが、不要となった土地の処分や活用を促進する方法として何か工夫していることはありますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 伊藤経営管理部長。
○経営管理部長(伊藤篤志君) 効果ある行政運営についてのうち、県有地の処分についてお答えいたします。
施設の廃止等により未利用となった県有地につきましては、歳入の確保を図るため平成二十五年度から二十九年度までの五年間で総額八十九億一千万円余の県有地の処分をする計画を策定し売却を進めております。平成二十七年度までの三年間の売却実績は計画策定後に新たに処分することになった物件を含めて四十五億一千万円余であり、進捗率は五年間の総額に対して五〇・六%となっております。土地の処分に当たりましては、迅速に売却するため建物つきで売却する手法や単独では利用が困難な県有地を隣接する市有地と共同で売却するなどの工夫をしております。
また、県市連携による土地活用手法として、交番建設用地を確保するため平成二十四年度でございますが未利用の県有地と静岡市有地を交換した事例や、平成二十六年度でございますが浜松市との間で複数物件を一括して交換した事例があり、等価であること、相互に必要としているなどの条件が整えば新たな財源の負担を伴わず双方にメリットのある公有地の処分と活用が図られております。なお入札に付しても売れない土地や境界の確定等で処分までに時間がかかる土地につきましては、平成二十四年度に短期貸し付けの制度をつくり売却処分に至るまでの間、借り受け者を公募し希望者に貸し付けるなど活用を図っているところであります。
今後も、さまざまな工夫を用いながら県有地の処分を進めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 次に、県都から活力を吹き込む政策について、初めに内陸フロンティアを拓く取り組みについて質問します。
県では、内陸フロンティア推進区域において財政支援や金融支援などかなり効果がある支援策を用意していますが内陸フロンティア推進区域の指定はことしの十月が最終の指定となっており、この支援策の適用は原則平成二十九年度までとなっております。ちなみに先ほど話しました防災スマート街区について静岡市ではこの地で推進していくことを望んでおります。
第五次で指定を受けた静岡市の小鹿・大谷地区では、平成二十九年度には土地区画整理事業の実施計画に着手すると聞いておりますがまだ道半ばであり、静岡市を初め他の推進区域においても引き続き県との連携等が必要な地区も多くあるのではないでしょうか。推進区域の事業を進めるためには、主体となる市町の声に耳を傾け一緒になって課題を解決していくことも求められるのであります。地方創生の実現や静岡県版総合戦略の確実なる推進のためには、内陸フロンティア推進区域指定の延期や支援策の適用期間の延期も場合によっては必要であると考えます。また支援策は立ち上げるまでではなく、推進区域での事業等がうまく回るまでの支援が大切であると考えます。
そこでお伺いをいたしますが、推進区域の事業が軌道に乗り始めている中で、今後内陸フロンティアを拓く取り組みの具体化を県はどのように考えてどのように進めていきますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 県都から活力を吹き込む政策についてのうち、内陸のフロンティアを拓く取り組みについてお答えいたします。
まずは、県都という言葉を自覚的に使っていただきましてありがとうございました。
内陸のフロンティアを拓く取り組みは、地域の活力を引き出すためという目的があります。一方でこれは東日本大震災を受けまして津波から自由になれる地域ということが内陸ということでそこをフロンティアと捉え、平成二十五年に国のほうから十一市町、十一地域の御指定を受けたわけです。その後、平成二十六年から年に二回やりまして、二十六、二十七、二十八、現在第五次、十月で第六次になると。第五次におきまして三十三市町、六十六区域になります。残されているのは御前崎市と下田市だけでございますが、しかしこの十月には両市におきましても指定の見込みでございます。この結果三十五市町全域におきまして、仮に国からいただきました十一区域を加えますと六十六に二つ足しまして六十八、さらにそれに十一を足しますので、優に八十近い区域ができるということでございます。
なかんずくこの県都というのは静岡市でございますが市域が広うございます。そうした地域における活力を生み出すには、域内の人々が元気であることがとても大切です。そうした中で、例えば井川は人口が一千人を切ったまま放置されています。あるいは二峠六宿プロジェクトは全然進んでいないように見受けられます。三保松原の適応区も同じです。桜ヶ丘病院におきましては言うまでもありません。こうした地域がぎくしゃくしていると活力が生まれません。こうした意味におきましては三つの行政区における自治能力が高まるということが不可欠であると存じます。と同時に県都というのは何といいましても県庁所在地として、しかも府中と言われたところでもございますのでいわば駿河の国の国府としての風格を持つ必要がありますので、県市一体となってこの風格のある県都において自治能力の強い基礎自治体をつくり上げていくということが中長期的な目的になるというふうに存じます。
さて、この現在の三十三市町、六十六区域についてでありますが、そのうちいわゆる内陸のフロンティア、これは経済発展と危機管理と両方をあわせたものでありますが、その合計が三十三区域です。そして沿岸都市部のリノベーション、これは安全を確保しかつ人々の平時における活力を生み出すためのものでありますがこれが九地域になりました。合わせますと四十二の区域になります。全体が六十六でありますから、六十六から四十二を引きますと二十四地域がライフスタイルにかかわるものなのであります。
もちろん、経済発展も危機管理も大事ですが、一等最後は県民の幸福、市民の幸福ということでありまして、佐地議員のように八人の元気なお子たちをつくられている佐地一家のライフスタイルと春風亭昇太さんのようなお一人のライフスタイルとではおのずと違いがあります。
しかしながら、それぞれの故郷を大事にするというところから出てくるライフスタイルには共通性があるでしょう。これが全体として、英語でいうならばウエー・オブ・ライフ、つまり静岡型のウエー・オブ・ライフになると。このウエー・オブ・ライフ、それぞれの人々のライフスタイルが個性豊かにかつ人々から嘆賞されるというか、いいなと思われるようになっていき、その全体としての静岡型のライフスタイル、言いかえると静岡ウエー・オブ・ライフ、ふじのくにのウエー・オブ・ライフ、これをアメリカンウエー・オブ・ライフにまさるとも劣らぬものにしていくというのが最終的な目的、人々の幸福のためにするのがこの目的に入っておりまして、そうした中でガーデンシティーをつくっていこうといったような試みがこの合計いたしますと二十四地域の中に入っているというのを喜んでおります。
しかしながら、これはふじのくにそれ自体で閉じられているものではありませんで、そういう意味におきましてはお隣の愛知県、長野県、山梨県そして神奈川県、首都圏にも開かれているものでありますので、三十五市町、六十六区域、プラスアルファになっていきますと、それとあわせましてこれからは内陸のフロンティアは県外にもあると。実際における内陸というのは、静岡県にとっての内陸は山梨県でありあるいは長野県であり、さらには日本海にまで一応にらんでいるのであります。
そうした意味におきまして、ことしからはもう、この秋におきましては、首都圏におきましては、東京で二回、長野、山梨におきましてはこの秋にそれぞれ一回ずつ、中京圏におきましても一回、この内陸のフロンティアの取り組みをPRいたしまして、県境を越えてこの取り組みについていわば共同作業をしていこうという、そういう考えでおります。
それからまた、先ほど御質問にございました支援制度は、本年度で閉じられることになりますけれども今後市町の取り組みの進捗状況を見定めた上で柔軟に対応してまいります。
今後とも、市町や経済界の皆様と一体となって、新しい産業の創出や自然と都市機能あるいは生活とが、あるいは産業とが調和した美しく、強く、しなやかなガーデンシティーの形成に向けた取り組みを推進し、ふじのくに静岡県から新しい日本の姿を全国に発信していきたいと考えております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 意見、要望を申し上げます。
内陸のフロンティアを始めたころはどんな感じになるのかなというようなイメージがあったんですが、今非常に県民の評価が高いと認識してます。ぜひこれからも柔軟な対応として、実現が遅くなるところもあろうかと思いますので、最後まで御支援をいただきたいとお願いします。
次に、東静岡駅南口の県有地の整備についてであります。
私は、東静岡駅南口に整備される文化力の拠点が県民にとっても事業者にとっても魅力ある施設にするためには、若者の発想を取り入れ、また静岡市と連携し、導入する機能をより一層充実させることが重要であると考えます。若者を初め多くの人々が注目する世界水準の本県の産業であるホビー産業を紹介する機能を加えることにより若者の交流促進やにぎわいの創出、地域経済活性化のきっかけになるであろうと考えます。特に、検討されている国際学生寮の留学生や県外の学生たちをターゲットにした際には本県また世界を代表するホビー産業のアピールは欠かせないものと考えており、必ずや国内外の交流の拡大につながるものであると確信しております。
そこでお伺いをいたしますが、本年夏ごろの策定を目指す基本計画には専門家会議で検討されている施設への導入機能を盛り込むことと聞いておりますが、文化力の拠点のより一層の機能充実を図るため今後基本計画としてどのような機能を盛り込んでいきますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 森政策企画部長。
○政策企画部長(森 貴志君) 県都から活力を吹き込む政策についてのうち、東静岡駅南口の県有地の整備についてお答えいたします。
県では、東静岡駅南口県有地への文化力の拠点の形成に向けてこれまで四回にわたり専門家会議を開催し、導入する機能や規模などについて御議論いただいてまいりました。施設の機能につきましては、富士山を初めとする世界水準の魅力を国内外に向けてアピールする多目的情報発信スペースを初め大学コンソーシアムの拠点や国際学生寮、民間活力による宿泊施設やレストランなどの導入を現在検討しているところでございます。
議員御指摘のとおり、学生や留学生など若者の交流を促しにぎわいを創出していくことが重要でありますことから、施設の内外にさまざまな交流スペースを設置するとともに、レイアウトや動線を工夫するなど開放的な空間づくりに努めてまいります。
また、本県が世界に誇るホビー産業につきましても、多目的情報発信スペースで歴史・文化を紹介したり作品の展示やふれあう機会の創出に努め、その魅力を発信してまいります。
こうした機能を盛り込んだ基本計画案を八月下旬に開催します専門家会議において御議論いただき、成案を得てまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
再質問いたします。
第四回会議での委員の意見では、大学とのバスルートや文化施設回りの輸送、ここのみの機能として今までと違うパターンの輸送でバスの活用がおもしろいのではないかという文化力の拠点を生かすための提案がありました。
そこでお伺いをいたしますが、ソフト面での斬新な意見の取り組みについては基本計画の中でどのように反映できますか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 森政策企画部長。
○政策企画部長(森 貴志君) 東静岡駅南口の県有地の整備の再質問にお答えいたします。
現在、専門家会議において御議論をいただいている基本計画につきましては、文化力の拠点施設の導入機能や施設の整備条件等を中心に取りまとめる予定であります。そういう点では周辺の大学や文化施設等の具体的なバスルート等につきましては盛り込む予定はございませんけれども、文化力拠点の施設と周辺の学術、文化、芸術、スポーツ施設間の円滑な移動や交通アクセスの利便性を高めること、これは議員御指摘のとおり学生を初めといたします若者が集いにぎわう施設づくりを進める上でとても重要なことだと認識しております。
いただいたソフト面での斬新な御意見を踏まえ、その実現に向けて今後民間交通事業者の皆様とともに検討してまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
次の質問に行きます。
地震防災センターについて質問します。
地震防災センターは平成元年に開館し、県民へ地震や津波に関する知識を伝え、対策について啓発を行う役割を果たしています。平成二十七年度までで約百十五万人の来館者がありました。展示のリニューアルも少ない財源で工夫を凝らし行われてきましたが、あと数年で開館から三十年に届くところとなり施設の老朽化に伴い補修が必要となっており、ここで展示内容を考え、必要であれば改築してもよいのではないかと感じております。私は県の施設の中で一、二を争うほどの有効な施設であると考えております。
地震や津波については、事前に適切に備えることで確実に被害を減らすことができ本県においても想定される犠牲者の八割減少を目標に施策が実現されているところであります。このためには県民一人一人が自分の命は自分で守ることを自覚しみずからの対策を実施していただけるよう働きかけ続ける必要があります。この点で展示や体験により地震・津波対策を学ぶことができる地震防災センターの果たす役割は、今後ますます重要になるのではないでしょうか。
全ての県民が活用する地震防災センターとして、他県に例のない県民の期待に応えられるような姿を考えるべきと考えますが、今後地震防災センターの整備についてはどのようにお考えですか、お答えください。
○副議長(藪田宏行君) 外岡危機管理監。
○危機管理監(外岡達朗君) 県都から活力を吹き込む政策についてのうち、地震防災センターについてお答えいたします。
地震防災センターでは、地震に関する知識と対策について展示内容等をその時々に発生した災害の状況等にあわせて適宜変更し、県民への啓発を効果的に行うようにしております。近年では平成二十三年に二百三十インチの大画面で津波の実態を実感しながら学習するTSUNAMIシアターを、平成二十六年に津波や地震の揺れのメカニズムなどを見て動かし理解する実験装置を整備いたしました。また今月十五日には地震の揺れを体験しながら室内被害の映像を見ることで家具の固定などの対策の重要性が臨場感を持って実感できる小型地震動シミュレーターを設置いたしました。
本年四月の熊本地震では地震の揺れによる住宅の倒壊等により多数の死傷者が発生し、住宅の耐震化や家具の固定の重要性が改めて認識されたところであり、地震防災センターのさまざまな設備や機能を活用した啓発は一層重要性を増しております。
県といたしましては、地震防災センターが平成三十一年四月に開館から三十周年を迎えることから、これに向けより効果的な啓発ができるよう、展示内容の充実や施設の改修などの検討を進めてまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) 佐地茂人君。
(十番 佐地茂人君登壇)
○十番(佐地茂人君) 意見、要望を申し上げます。
東静岡駅南口の県有地の整備につきましては、政策企画部が担当しております。これは県市連携のためだけではなく、文化力の拠点とは一般的な文化と呼ばれる分野に限らず、例えばホビー産業は静岡市と焼津市を中心とした中部地区の文化であり、地震・津波対策についても東海地震や我が静岡県の文化であることを考えれば東静岡の文化力の拠点の一部として検討することが必要ではないかとも感じております。
ぜひとも、地震防災センターの今後について今回の予算等でも一部審議される予定でございますが将来像をまた御検討願いたいと思います。
次に、スポーツによる地域活性化についてであります。
二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、日本のスポーツを取り巻く環境を変える起爆剤となることを期待するものであり、その後のスポーツによる地域活性化につなげていかねばなりません。
こうした点を踏まえ、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致について質問します。
既に、本県の働きかけにより藤枝市の柔道と焼津市のレスリング、陸上競技、そして伊豆の国市の柔道の誘致が決定しております。できることであればリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックにおいて直接参加国と交渉できる機会をさらに有意義なものにするために、県は市町の自発性を尊重すると言っておりますが再度市町へ働きかけて事前キャンプ誘致希望市町を増加させて、一市町一キャンプ誘致まで目標を高めていただきたいと願っております。
そこでお伺いをいたしますが、東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプ誘致について市町へキャンプ誘致のさまざまな効果を伝え、さらにキャンプ誘致希望市町をふやし静岡県全体で東京オリンピック・パラリンピックを迎え入れる活動についてはどのように考えますか。
また、オリンピック前もオリンピック中もその後も他国との友好をスポーツでつなぐことが重要であることは言うまでもありません。しかしながらオリンピック事前キャンプ誘致の市町の希望種目は施設によって異なりますが種目が重なっているものもあります。県では国との交流による誘致作戦により現状の四つの誘致に成功しておりますが、今後誘致合戦に熱が入ってくればさまざまな角度からの誘致活動が求められるのではないでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、サッカーやバスケット、バレーボールや今後種目として採用されるであろう野球やソフトボールなど国内において注目度の高い競技や有力チームを県内に数多く誘致するべきであると考えますが、今後どのように取り組んでいきますか、お答えください。以上で全ての質問を終了します。
○副議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) スポーツによる地域活性化についてお答えいたします。
東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿誘致についてでありますが、事前キャンプの誘致はトップアスリートとのふれあいによる子供たちへの教育効果や自治体の知名度の向上、スポーツを核とした国際交流の進展等と効果がさまざまに期待できます。このため県、市町、競技団体等で構成する事前キャンプ誘致推進協議会におきまして誘致戦略を策定し、県が旗振り役となりまして市町と連携して継続的な誘致活動を展開している真っ最中です。
具体的には、これまで各市町の施設や周辺環境の情報を掲載した英語版の動画あるいはパンフレットを作成し国内で行われるさまざまな国際競技会で外国チームに配布するなどPRを行ってまいりました。この結果、昨年十二月に開催された柔道の国際大会ではイタリア柔道チームのヘッドコーチ等との面談ができまして、これを契機として藤枝市とイタリア柔道連盟との間に合意書締結に向けた交流が進んでおります。
また、国際競技団体が求める基準を満たす施設がなく、誘致の意思表明に踏み切れないでいる市町に対しましては、例えば千葉県山武市とスリランカ、神奈川県箱根町とエリトリアなど他県における覚書締結の成功事例を御紹介申し上げまして誘致に前向きに検討していただけるように働きかけているところであります。できる限り多くの市町が外国選手団をお迎えし幅広い交流が実現するよう努めているところであります。
さらに、サッカー、バスケットボール、水泳など県内に施設水準の高い競技場がある十七の競技種目につきましては重点的に誘致活動を進めることといたしまして、今月設置した欧州現地連絡員がイタリア、ドイツ、フランス、オランダなどのオリンピック委員会や競技団体を訪問しており幹部との関係構築を図るなど誘致に向けた足固めをしている最中であります。特にイタリアにつきましては昨年度から開始いたしましたフリウリ・ベネチア・ジュリア州との交流や、駐日イタリア大使とのいい会談ができまして、これらを通じまして関係の構築に今努めているところであります。
また、八月のリオデジャネイロオリンピックにおきましては、開催地リオデジャネイロにおけるホテル代が急騰しており最少費用で最大の効果を上げるべく少数精鋭で現地入りをすることとし、現地に滞在する、例えばイタリアのオリンピック委員会等の幹部に対するキャンプ候補地のPRを行うなど、県として市町の誘致活動の後押しをすることを予定しております。
私どもといたしましては、県内の多くの市町で二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプが行われ、大会後もキャンプ実施国とのスポーツを通じた活発な交流が継続して実施されるスポーツ交流の先進県を目指して全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(藪田宏行君) これで佐地茂人君の質問は終わりました。(拍手)