平成25年2月定例会(第5日目)

2013年2月27日

質問内容

駿河区の主要幹線道路整備について

◯26番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして、大きく3点の質問をさせていただきます。
今回が市議会における最後の質問になろうかと思いますので、よろしくお願いします。
初めに、田辺市長の施政方針中、分野別計画V活発な都市活動を支える快適で質の高いまちについてであります。Vは、都市基盤についてでありますが、さらに踏み込んで道路の整備について、特に駿河区の主要幹線道路整備についてお聞きしたいと思います。施政方針では、駿河区の話がされておりませんでしたので、よろしくお願いします。
最近、聴講した講演会での話に大いに共感したのでありますが、要点は次のとおりです。他人と乗り合わせる公共交通機関と違って、自家用車は走る個室としてプライベートを確保できる移動手段であることから、自動車は今後も絶対になくならないというのであります。自動車は、一人でもカップルでも家族でも友人でも、より親密な人とともに自由に移動できる乗り物です。そして、その自動車が走るための場所こそ、道路なのであります。
我が国における近年のモータリゼーションの動向は、人口減少社会の進展やコンパクトシティー化、二酸化炭素排出や高齢ドライバーによる運転事故の多発、そして原油価格の変動に伴うガソリン価格の不安定など、多くの問題点が浮上し、車社会からの脱却への動きも一部では見られているところであります。
そこで、公共交通機関の再評価がなされ、例えば次世代路面電車LRTの導入や、高度道路交通システムITSを用いた高機能化・円滑化によるバスの利用向上などが取り組まれてきております。本市においても、バスの利用促進のため、サイクルアンドバスライド、自転車等駐車場や交通弱者への対応としてバリアフリーの超低床ノンステップバスの導入助成も行われております。
しかしながら、このような動きが顕在化しているからといって、幹線道路整備の意義が小さくなるというものではありません。例えば、高規格道路の整備が進み、大型の輸送車両の導入により、流通コスト、所要時間の大幅な削減は、産業やそれを支える物流の形態にも大きな変化を発生させています。また、新東名や中部横断自動車道の活用などにより、他市、他県からのお客さんを呼び込むためにも、幹線道路の整備は必要不可欠であります。
また、裾野の広い自動車産業の発展やエコカーなど、低燃費開発に伴う新技術の開発と消費者の購入は、地域経済の振興にも大きく貢献しています。
ウィキペディアによりますと、日本はモータリゼーションが進んでいるものの、東京、大阪の2つの大都市圏で公共交通の利用度が高いことから、先進国の中では、最も自動車への依存度が低くなっています。旅客輸送人キロで見た鉄道のシェアは日本が27%、イギリス6.4%、フランス5.6%、アメリカ0.6%となっています。
しかし、東京圏、大阪圏以外の地方圏はどうでしょうか。鉄道網は十分に発達しておらず、路線バスや自家用車なしには日常生活に支障を来す場合が多いのであります。
本市も同様の事情を抱えております。本市が目指すまちの姿は、静岡型コンパクトシティーであります。都心部やJR線駅といった交通結節点を中心に、路線バスやタクシー等の公共交通と自家用車による都市交通体系となっています。
このような実態からは、幹線道路の整備が引き続き求められています。加えて、中心部には、自転車の利用や歩行者空間の確保も大切であります。
以上、述べたような観点に立ちますと、これからの幹線道路の整備に当たっては、市の都市総合交通体系にのっとり、重点路線を決定し、効果的、機動的に整備していくことが望ましいと考えます。
そこで、各論に入っていきますが、駿河区における最重点道路は、都市計画道路丸子池田線であります。お手元の資料をごらんください。八幡2工区と八幡3工区において施工中であります。2工区については工事期間が長く、周辺住民からはいつまで行うのかという声も寄せられております。また、3工区については車の通行量が非常にふえ、既設道路が傷み出しています。用地買収についてはほとんど完了しておりますが、NTT八幡ビルなど一部の建物がいまだ残存しており、歩行者や自転車を利用する地域住民からは、通行上の危険性も指摘されています。また、そこだけ1車線の道路でありますので、渋滞も頻繁に起こっており、地域住民だけでなく、利用者の全市民が早期の完成、整備完了を願っているのであります。
続いて、静岡駅南口から真っすぐ南に向かう静岡下島線、通称石田街道であります。北から稲川3工区、石田2工区、4車線拡幅については、沿線の建物はほとんど新築や建てかえが終了しているにもかかわらず、歩道の整備が一向に見えてこず、数年がたちました。さらに、南の石田工区4車線拡幅は、一部歩道の未整備箇所が残っており、東名を越えた南側の下島地区4車線拡幅は道路整備として行っておりますが、スタート時は非常に早く進捗したものの、その後の進みぐあいは顕著とは言えないようであります。
そこで、お伺いをいたします。丸子池田線と静岡下島線の整備完了に向けた今後の取り組みについては、どのようになりますか、お答えください。
次に、資料の丸子池田線八幡2工区と南北に交差している都市計画道路日出町高松線八幡工区4車線新規事業であります。私が大学4年生のころですから、平成6年のころだと思います。市役所から八幡地区の土地区画整理の地元説明会の通知をいただき、説明会に参加したことを覚えております。土地の減歩という言葉をそのとき初めて知りました。2回目の説明会のときには、会議の冒頭から反対ありきの住民の方々が大きな声で叫び始めましたので、それを見て即座に帰りました。怖い大人たちだなと学生ながらに思ったことでした。住宅密集地においての土地区画整理手法を使った幹線道路整備は、一定の限界があったのかもしれません。そこで、平成8年度、この計画は白紙となりました。その後、平成11年に私は市議会で議席をいただくことになったのであり、多くの地元住民の方々と意見を交わす機会がふえたわけであります。
このような中で、日出町高松線は、区画整理の話がある前は、街路事業で行う予定であったが、土地区画整理で一緒にやるとなって、その件は立ち消えになってしまったこと、八幡地区の住民は、この都市計画道路の整備を強く望んでいること、地権者の皆さんは反対して来なかったということなどがだんだんわかってきました。そこで、平成15年に道路開発にかかわる要望書を市に提出、地権者の方々の話を聞きながら、ようやく平成18年に地元住民を対象としたふれあい講座を開催し、白紙から10年後にようやく市役所と地域住民が話し合いのできるテーブルに着くことができました。そして、市の方針を街路事業に戻していただき、事業の実施に向けた話し合いを行いながら、平成21年度に測量実施に関する説明会を行い、平成22年度には整備計画案の説明会を開催し、現在に至っているところであります。
丸子池田線八幡2工区4車線拡幅工事完了の翌年度から、スムーズに日出町高松線の事業実施を行えるよう、本年度は取り組みをしてきたとお聞きしておりますので、お伺いをいたします。日出町高松線整備に向けた今後の計画についてはどのようになりますか、お答えください。
次に、地図上の駅前の道路、駅南口前の市道泉町豊原町線についてであります。駅南口周辺整備については、平成14年6月定例会にて質問をさせていただきました。駅南口の整備については、5,150平米から8,000平米に拡張し、北口の整備が完了した後に指定都市にふさわしい玄関口として整備していくとの前市長の御答弁をいただきましたが、用地買収もあり、なかなか進捗していないようであります。今は田辺市長に期待をしております。そのときの質問では、一度、泉町豊原町線の整備と、南口の歩行者が安全で利用しやすい平面通行ができるよう、道路整備についても質問をいたしましたが、当時の答弁では、ペデストリアンデッキを使ってもらうので、その予定はないと答えられ、他の議員の皆さんから笑われてしまったことを覚えております。当時は、南口の広場拡張の後に、歩行者の平面通行も計画していたことでありましょうが、これだけ広場の拡張がおくれてしまいますと、整備の進め方が変わってくるのも否めないことでありましょう。前回の議会で、他の議員からの質問では、歩道を整備をしたい旨の御答弁がありましたので、具体的にお聞きできればと思います。
お伺いをいたしますが、JR静岡駅南口周辺の道路整備の概要と今後の取り組みについては、どのようになりますか、お答えください。
次に、道路整備手法についてお伺いをいたします。国道150号であります。静岡市の外環状線を構成している重要路線であります。中島地区は平成21年度にバイパス4車線化による平面通行の供用がなされ、車の通行も非常にスムーズになりました。現在は、高架道路整備の途中であり、南安倍川橋と接続されれば、今以上に安全な道路として機能し、便利になることは明らかであります。また、久能地区の4車線拡幅に関しては、海岸線沿いの反対側である北側沿線上にイチゴ狩り農園の受付場が並んでおり、中央分離帯を設置することになれば、清水地区から西へ向かう車はイチゴ農家の受付に入場することができなくなり、迂回するなどの工夫も必要となります。清水地区から新設されたバイパスは、道路が高くなっているようですので、道路の高さを合わせると、イチゴ狩りのお店へ車が入るには高さの調整も必要になるのではないかと考えます。
また、資料の一番左端、安倍川を渡った左側なんですが、赤く印をつけてあります市道下川原南土地区画1号線橋梁整備は、長田地区の丸子川に新たに橋を建設する事業であります。下川原地区の土地区画整備が完了し、広野地区へと通じる新しい道路として期待されているところであります。さらに西へ向かうためには、広野地区の地権者の理解が不可欠だと思いますが、まずは新設される橋の完成が気になるところであります。
そこで、お伺いをいたしますが、国道150号及び下川原南土地区画1号線の整備完了に向けた今後の取り組みについては、どのようになりますか、お答えください。
次に、施政方針、分野別計画II心豊かな人を育み、しずおか文化を創造するまちの中から、徳川家康公顕彰四百年記念事業についてであります。我が会派の代表質問の答弁では、事業目的は2つあり、1つは市民に対することで、この事業により、家康公を市民の誇りとする意識の醸成を図り、市民の皆さんと連携して事業を行いたいとのことでありました。2つ目は、家康公と静岡市とのつながりを全国へ情報発信することで、本市をさらにアピールしたいとのこと。要約すると、そういうことでしょうか。私は、全市民をどのように巻き込んでいくのかが大切であると考えておりまして、ひいてはそれが誇りとなり、家康公と静岡市への愛着が生まれることになると思っています。
現在のところ、推進組織として、静岡商工会議所を中心として、企画委員会を立ち上げております。市内の組織では、そのもとに静岡部会を置き、部会では久能山東照宮事業と静岡商工会議所事業と静岡市事業という形で、3つに分かれて事業を行うことになり、例えば家康公検定は市事業で、徳川みらい学会は商工会議所で行うとか、久能山東照宮では金時計の国宝指定などがそれに当たるのかと思います。
また、市長は、一過性によるものにはしたくないとのことでありました。私は、現組織体制による事業もよいものであると思っておりますが、では、地元住民や全市民は、どのように徳川家康公顕彰四百年記念事業にかかわっていくのか、また、どのような位置づけなのかがわかりづらい。もう少し具体的にわかりやすく言いますと、記念事業は大切でありますが、2年後の平成27年には徳川家康公顕彰四百年祭を開催するでしょうし、市民総出で開催参加する方策が必要ではないかと思うのであります。三百年祭の白黒の写真か映像を最近どこかで見た記憶がありますが、その写真には、小学生と思われる子供からお年寄りまでの多くの市民が力を合わせ、お祭りや記念事業を盛り上げておりました。
そこで、お伺いをいたしますが、記念事業は市民総出で取り組むべきものと考えますが、その仕組みづくりをどのように進めていこうと考えていますか、お答えください。
以上で、1回目の質問を終了します。

◯市長(田辺信宏君) 佐地議員の質問をお聞きしながら振り返ってみますと、長いおつき合いをさせていただいておりますけれども、市議会本会議で議員の質問に答弁するのは、これが最初で最後、心して答弁をしたいと存じます。
大項目3番の心豊かな人を育み、しずおか文化を創造するまちのうち、徳川家康公顕彰四百年祭について、記念事業は市民総出で取り組むべきと考えるが、その仕組みづくりをどう進めようと考えているのかとのお尋ねにお答えいたします。
佐地議員は、どうつくったらいいとお思いでしょうか。私は、例えて言うならば、富士山型の仕組みをつくりたいと、そう思っています。御指摘のとおり、家康公の偉業や知恵、功績を未来に語り継ぐことは、ゆかりの地である本市の責務でありましょう。そこで、その責務を果たすために、行政や商工会議所の事業のみではなく、市民の皆さん一人一人の裾野の広がりが必要であり、草の根的な活動が必要であり、またそれが、記念事業に多くの市民参画を得るための最も重要なポイントであると思っています。つまり、五右衛門風呂に例えて言うならば、カッカカッカお金を使ってやりましょう、しかし、上のほうだけチンチン熱いんだけど、手を突っ込んでみると、底のほうは全く冷たいというのでは、市民総出にはなりません。そうではなくて、市民総出になるには、富士山型、つまり頂は高いけれども裾野が広い、そういう仕掛けづくりが必要だというのが私の考えであります。
では、どうしたら裾野を広くしていくことができるだろうか。総出で取り組むべきではあり、行政は後世に伝えるべきでありますが、「べき」だけで市民は参加をしてくれません。なぜならば、市民には参加をするかしないかの自由があるからであります。強制的に参加をさせるというものではないはずであります。では、市民が参画をしたくなるような仕組みにするには、どうしたらいいのかという発想が必要です。それは一言、おもしろくなきゃだめなんです。それに、興味をそそられなきゃだめなんです。つまり、インタレスティングじゃなきゃだめです。つまり、市民の立場に立って、その事業が興味があるかどうか、参加しておもしろそうかどうか、そういう仕組みを整えるかどうかが、裾野を広くできるかどうかの最も大きなポイントです。
その点で、私たちは今年度、昨日、企画局長からも答弁をいたしましたが、国連軍縮会議の経験で、自信を深めております。当初、会議をやるとき、私たちが一番心配したのは、あの丘の上で難しいことを専門家たちが毎日話してはいるけれども、私たち庶民の生活にとっては全く関係ないよねと、そう思われやしないかという心配でした。中長期的には、行政のレベルではMICEの推進という目的があるわけですけれども、しかし、市民の皆さんに少し身近に感じてもらえるような、そういう国際会議にしたいというのが当初の狙いでありました。
そこで、企画局を中心にその仕組みをつくりました。その仕組みがうまくいったからこそ、認知度も高い、私たちにとっての初めての国際会議になったわけです。例えば、ボランティアの方々に協力をしてもらって、青葉シンボルロードに竹灯篭で幽玄の明かりをつくる。それをテレビで放映をしてもらって、よし、行ってみようか、ロマンチックなムードだなというような仕組みをつくった。あるいは、関心のあるボランティアの団体、例えばYWCAとか、ガールスカウトとか、平和資料館の方とか、福竜丸の皆さんとか、そういう方々にその活動の取り組みを発表する舞台をつくったと。あるいは小学5年生の教材の中に平和学習の項があるから、それと国連軍縮会議を結びつけるパネル展をやった。あるいは、少しでも繁盛させたいと思っているお店に呼びかけて、60店舗以上の、そして市民の皆さんにはお徳用のこのチケットで3カ所のはしごができるよという異色の遊びをつくった。さまざまなレベルで自分が参画をする窓口をつくった、器をつくったと。市民の皆さんは、軍縮に関心があったわけではないと思いますが、そこへ行ってみたら、これはこういう意味なんだよ、店の前に明かりがろうそくで灯がともされているのは、この期間、少し平和都市宣言をしたまちに住んでいる市民として、軍縮のことに思いをはせてみようかと感じさせる、そういう仕組みを整えた。それによって、裾野の広い国際会議ができたというのが今回の経験でありました。
この徳川家康公顕彰四百年祭は、潜在的にはもっと関心を持ってもらえる素材でありますので、そういう仕組みをどのぐらい整えることができるのかということが、大きなポイントであろうかなと思っています。
そこで、本市としては、そのような裾野の広い活動を広げていくために、まず市役所各部局のネットワークを活用し、家康公に関する新たな地域資源を掘り起こすとともに、多くの団体や市民の皆さんに積極的に声をかけ、地域の主体的な活動と記念事業における連携を働きかけてまいります。
そして、結果的に国連軍縮会議は裾野を広くしたことによって情報量も多くなって、肝心かなめの日本平で行われる会議自体にも我々の予想を大きく上回る方々に傍聴をしていただきました。こんなに世界情勢について考える静岡市民がいらっしゃったんだということは、私たちにとってはうれしい悲鳴でありました。ですので、裾野を広げれば、歴史に関心がある、家康公に関心があるという市民は、潜在的にはたくさんいます。だから、そうやって積極的に情報発信をしていきます。とりわけ、久能山東照宮や静岡浅間神社、清見寺など、家康公にゆかりの深い観光歴史資源がある地域の皆さんとは、強い連携を持ってその活動の広がりを図っていきたい、そう思っています。
そういう家康好き、あるいは歴史好きという市民を中心にして、プレ事業として、平成25年度はウオーミングアップといいますか、スタートアップといいますか、助走期間です。生涯学習という観点から、子供さんからお年寄りまで学んで楽しめるような仕組みづくりとしての家康公検定、これは、岡崎市の先行事例がありますので、大いに学んで、静岡市でもこの家康公検定という制度をつくってもらう、あるいは健康やスポーツに関心のある市民を対象に、この家康公を冠にしたフルマラソン大会を開催をしていくと。あるいは将棋に関心のある市民の皆さんに対しては、家康公の400年にかこつけて、将棋の名人戦A級順位戦というものを誘致。このようなさまざまな仕組み、プレ事業、裾野の広さを担保をしながら市民の皆さんが楽しみながら興味を持って、おもしろそうに家康公に近づいてくださる、興味を持ってくださるということで、本番の平成27年の事業への参画意欲を高めてまいりたいと思います。
このように、市民の皆さんに身近なところで家康公を感じられる仕掛けを積極的に講じ、市民総参加の記念事業にしていきたいと考えております。
かつて1970年に、日本で大阪の万国博覧会が開かれました。まだ議員も記憶にあろうかと思います。

◯議長(石上顕太郎君) 市長、端的な答弁にしてください。

◯市長(田辺信宏君)(続) あれは、最初は行政指導でありました。通産省の堺屋太一さんが官製でつくった。しかし、最初は行政指導だったけども、だんだんそれが仕組みが大きくなって、国民総出の大イベントになりました。そして、70年が過ぎたら、太陽の搭というモニュメント、記念物が残るということになりました。平成27年もそのぐらいのスケール感を持って、私は徳川家康公の四百年事業に取り組んでいきたいと思います。平成27年に議員がおっしゃるような、市民総出の徳川400年のお祝いができたならば、27年で一過性で終わることなく、何かその後も400年をやったからこれが残ったねというような形で、後世にこの400年がつながっていけば大変うれしいなと思っております。
今後とも、佐地議員には、市民総出のみならず、県民総出の400年になると、そんな気持ちで御活躍をしていただきますようエールを送りたいと思います。
以上です。以下は、局長に答弁させます。

◯都市局長(松本昌作君) 最初に、都市計画道路丸子池田線、静岡下島線及び日出町高松線の取り組み状況についてお答えいたします。
まず、丸子池田線は、駿河区の東西を結ぶ幹線道路で、丸子六丁目の国道1号交差点を起点とし、池田を終点とする延長9,070メートルの道路です。このうち、6,150メートルの整備が完了しており、現在、八幡五丁目付近の八幡2工区320メートルと、その西側3工区356メートルの整備を進めております。八幡2工区は、本年3月末に整備を完了する予定となっております。3工区は、平成26年度までに事業用地を取得し、その後、街路築造工事に着手して、28年度の整備完了を目指しております。
次に、静岡下島線は、駿河区の南北を結ぶ幹線道路で、静岡駅南口を起点とし、国道150号との交差点を終点とする延長3,940メートルの道路です。このうち、1,270メートルの整備が完了しております。現在、丸子池田線交差点から旧150号までの延長2,470メートルの区間を4つの工区に分けて整備を進めております。この区間は、平成25年度に事業用地の取得や街路築造工事を行い、26年度の整備完了を目指しております。
次に、日出町高松線は、駿河区の南北を結ぶ幹線道路で、日出町の国道1号交差点を起点とし、国道150号との交差点を終点とする延長4,040メートルの道路です。このうち、2,070メートルの整備が完了しております。今回、整備を予定している南幹線から丸子池田線までの550メートルの区間につきましては、平成25年度に県から事業認可を取得し、26年度から地域の皆様の理解と協力を得ながら、用地取得などの本格的な事業に着手する予定です。丸子池田線、静岡下島線及び日出町高松線は、駿河区の道路ネットワークを構築する上で重要な幹線道路であることから、早期に整備効果を発現できるよう、今後も引き続き、積極的に事業を進めてまいります。
続きまして、JR静岡駅南口周辺の道路整備の概要と今後の取り組みについてお答えいたします。
JR静岡駅南口周辺の道路については、歩行者の安全性と回遊性を高め、政令市の南の玄関口にふさわしい道路環境の整備が必要であると考えております。このため、南口駅前広場に隣接する市道泉町豊原町線の2カ所で整備を計画しております。
まず、1カ所目は、静岡駅前南町10地区市街地再開発事業に隣接する約70メートルの区間で、再開発と一体となった道路整備を進めるとともに、電線類の地中化を計画しております。平成25年度は道路整備に関する詳細設計を行い、再開発事業の竣工に合わせ、27年度の整備完了を予定しております。2カ所目は、ホテルセンチュリー静岡北側の約130メートル区間で、現況幅員14メートルを22メートルに拡幅し、道路北側に歩道を整備するとともに、電線類の地中化を計画しております。25年度は、現況測量等を行い、26年度以降、道路整備に関する詳細設計や事業用地の取得など、整備に取り組んでいきたいと考えております。

◯建設局長(長谷川 篤君) 国道150号及び下川原南土地区画1号線の整備完了に向けた今後の取り組みについてお答えいたします。
1点目の国道150号は、清水区、臨港地区から駿河区を通り浜松市に至る静岡県の経済観光を支える重要な路線であり、現在、静岡バイパス区間と久能拡幅区間の事業を推進しています。
まず、静岡バイパス区間の本市施工部は、駿河区西島から中島に至る延長1,410メートルのバイパス整備事業であり、平成22年度には暫定平面4車線で、一部供用を開始しました。引き続き、市内の渋滞ポイントである中島交差点を立体交差する高架道路整備を進め、25年度は、用地、補償及び西側ランプと高架橋の工事を実施します。
また、久能拡幅区間は、清水区蛇塚から駿河区大谷に至る延長4,200メートルの4車線化事業であり、23年度には大谷側550メートルについて部分供用を開始しています。25年度は、用地、補償を中心に事業を実施します。事業完了時期につきましては、両事業とも20年代後半を目指しています。
2点目の市道下川原南土地区画1号線ですが、当路線は国道150号から丸子川を渡り、市道広野海岸線に至る延長680メートルの道路であり、丸子川への新橋架設を含めた道路の新設を行っています。現在、用地補償と左岸側の橋梁下部工工事を実施しており、25年度は右岸側の橋梁下部工事に着手し、20年代後半の供用を目指しています。
国道150号及び下川原南土地区画1号線は、ともに駿河区の道路ネットワークとなる重要な路線でありますので、早期完成を目指し、積極的に事業を進めてまいります。
〔26番佐地茂人君登壇〕

◯26番(佐地茂人君) 御答弁をいただき、ありがとうございました。
2回目は、初めに、その他の道路について、都市計画道路西脇大谷線の廃止区間の今後について、お伺いいたします。
この道路は、駅前南口の道路、静岡下島線、通称石田街道を南に向かい、通称SBS通りを越えて石田街道と交差する道路で、高松浄化センターや登呂遺跡の北側を走る東西の道路であります。全ての都道府県と指定都市では、現在、都市計画道路の見直しのためのガイドラインを策定し、都市計画道路の見直しを進めています。
本市においても、都市計画道路の拡幅や廃止などの路線を決定し、随時手続を進めているところであり、次年度からは都市計画公園の廃止も進めるとのことであります。
私は、時代に合った都市計画の変更は、手続が大変でありますが、大いに結構なことであると考えておりますし、計画されている民地には長い間、少なからず建築規制がかけられておりましたので、遅いぐらいであるとも思っております。また、都市計画道路の見直しに当たっては、整備のあり方も含めて検討していることが多いようであります。
さて、この西脇大谷線ですが、静岡下島線から登呂遺跡までの区間は一部整備を行っており、そこから東の区間と静岡下島線から西に向かう区間は、廃止が決定したのであります。
私が問題提起したい区間は、この西側の区間2と呼ばれている道路であります。静岡下島線との交差点には信号も設置されており、実際は道路として多くの車が現在も通行しているのであります。現状は、幹線道路と同じ機能を果たしていると言ってもいいのであります。この道路は、拡幅せずとも、現在の道路幅で整備すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
そこで、お伺いをいたしますが、都市計画道路西脇大谷線の廃止区間の今後の道路整備についてはどのようにお考えですか、お答えください。
次に、施政方針分野別計画Iみんなで健やかにいきいきと暮らせるまちについてお聞きします。
初めに、保育園の待機児童解消策についてであります。待機児童数は、今年度から100名を超える人数に急増しているとのことであります。いまだ経済の底上げがままならず、共稼ぎの世帯がふえていることや、特に次年度の2歳児は、就学前の各歳児の平均児童数より70名ほど多いとのことであります。
このような状況でありますが、現場の窓口である3区の保育児童課入所担当の職員は、各家庭の状況に親身になって相談に乗りながら、一刻も早い家庭の不安の払拭をすべく、現在も日々職務に当たっておられ、感謝いっぱいで頭が下がる思いであります。本当によくやっていただいております。
今のところ、次年度の第1次入所決定の通知書が各家庭へ送られており、その後も毎日第2次の入所決定をされ、待機児童数は日々減少している状況とは思いますが、わかる限りで結構ですので、お伺いをいたします。平成25年度当初の待機児童数はどのようになると見込んでいますか、お答えください。
我が会派の代表質問の答弁では、待機児童園や認証保育園の増設、市立保育園の増床等による50名の待機児童解消や、グループ型小規模保育事業、保育園の分園設置などの対策により、緊急性のある家庭に早期に対応できる対策を講じていくとの前向きな、そして、素早い決断に敬意を表します。
これらの対応は、国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消先取りプロジェクト第2弾での対応であり、昨年度、子育て支援対策臨時特例交付金、いわゆる安心子供基金の積み増しを行い、8つの事業メニューから各市に合った待機児童ゼロ計画を提出し、交付申請を行い、事業実施につなげるものであります。この事業計画により、平成25年以降も第2次総合計画の見直しにより、施設整備に取り組むとのことであります。
そこで、お伺いをいたしますが、第2次総合計画改定第3期実施計画における保育園の建てかえや定員増に伴う施設整備については、計画をどのように見直し、今後は具体的にどのように進めようとしていますか、お答えください。
保育園に入所できない家庭は、父親も母親も日々の生活の中で仕事や家事に追われ、いっぱいいっぱいの生活の中で育児をしている状況です。子供が園に入所できず、自分たちの生活にも先行き不透明ということになれば、精神的にも不安定になります。それが、子供に当たる原因となり、つい自分の思いとは裏腹に虐待につながることもあろうかと思います。また、現在の本市の入所実施基準、入所判定を行う選考指数表では、兄弟の入所も1点加点されておりますが、実際には兄弟で違う保育園への入所も多いとお聞きしております。年度途中ならまだしも、年度初めから兄弟で違う園へ入所することが、果たして子供たちにとってよいことなのか、親がそれを希望しているとは考えづらく、私としては、そのようなことは仕方がないで済むことではないと、強く思っております。
そこで、お伺いをいたしますが、兄弟で別々の保育園に年度当初から入所しなければならないことについて、市としてはどのように考えますか、お答えください。
入所審査は、実施基準の選考指数の点数によって優先が決定されるわけでありますが、多くの待機児童の家庭は、パートで就労時間が短い家庭であります。生活の安定度を考えれば、常勤で収入が比較的多い家庭では事業所の育休制度も安定しておりますので、私は優先すべきは日々の生活に苦労している家庭ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
そこで、お伺いをいたしますが、入所の判定については、収入の少ない世帯を優先すべきではないかと思いますが、市はどのようにお考えですか、お答えください。
次に、介護者支援と認知症疾患医療センターについてであります。
市高齢者保健福祉計画によりますと、介護認定者数は、23年度2万7,931名、24年度推計で2万8,921名、25年度2万9,752名で、26年には3万327名と3万人を超える大台に乗ることになります。中でも、現在、認知症の高齢者数は増加をたどる一方で、国の認知症高齢者の介護サービス利用については、24年度305万人で、5年後の29年度には373万人と推定され、在宅介護での対応が149万人から5年後には186万人となり、自宅での介護支援がかなりの増加となり、喫緊の課題であります。
このような状況の中、国では25年度から29年度までの計画として、認知症施策推進5カ年計画、オレンジプランがスタートすることになります。認知症については、認知症ケアパスという認知症の人やその家族が、認知症と疑われる症状が発生した場合に、いつどこでどのような医療や介護サービスを受ければよいか理解できるよう、状態に応じた適切なサービス提供の流れを作成し、そして普及し、市町村の介護保険事業計画へ反映していくとのことであります。
私が最近受ける認知症に関しての幾つかの相談では、力の強い男性に対しての認知症対策であります。忘れることが多くなってしまったことや、自分の思うようにならないことへのいら立ちか、つい周囲の方への乱暴な行動や大きな声を張り上げてしまったり、介護者も対応に苦慮するというものであります。以前からあることであったと思いますが、認知症の増加や低年齢化などにより、かなりの数、力の強い男性の認知症もふえてきているのではないかと推察します。この人が悪いわけではありませんが、このような人は病院へ行くことも嫌がりますし、施設への入所も拒むことが多く、結局は周りの介護者に肉体的にも精神的にも負担がかかることでありましょう。
今後は、認知症初期集中支援チームを設置し、早期診断、早期対応を行う窓口もできるようでありますが、現在のところは、先ほどのような難題を抱えている相談についても、地域包括支援センターが窓口になろうかと思います。地域包括支援センターは本当に大変な仕事でありますが、相談だけでなく、介護者が安心して生活ができ、介護支援等が必要な人が適切なサービスを受けることができるまでの方向性や対応策までが求められるのであります。
そこで、お伺いをいたしますが、地域包括支援センターでは、認知症を抱えている介護者の相談にどのように対応していますか。地域包括支援センター以外に認知症に関する相談窓口があれば、それも含めてお答えください。
25年度は、新規事業として、早期診断や治療を行う認知症疾患医療センターが開設するとのことであります。最近では、軽度認知障害MCIや早期発見された認知症は、予防、治療による改善の可能性もあるとのことであります。発見には、脳ドックでの画像診断があり、自費検診では多額の費用を要するのが一般的であります。一方、市町村によっては、認知度チェックテストの導入により、早期発見を行い、早期診断、早期治療につなげることもあるようであります。私が期待することは、この認知症疾患医療センターの開設により、先ほど話した暴力行為などがある認知症高齢者の相談や、解決策の一翼を担うことができるのかということであります。
そこで、お伺いをいたしますが、暴力行為などがある認知症高齢者について、認知症疾患医療センターではどのように対応ができますか、お答えください。
次に、障害児・者への虐待対策についてであります。特に、自分の思いを言葉や文字にして伝えることのできない知的障害児・者への虐待については、早期発見が難しいものであると考えます。保護者や介助者と施設、学校の信頼関係によって、周りの人間が気づくことで大きな事件になることを防げます。虐待の発見については、防犯カメラ等の設置による抑制も考えられますが、カメラのないところで虐待があっては意味がないし、信頼関係にも問題が生じます。

◯議長(石上顕太郎君) あと1分で終了してください。

◯26番(佐地茂人君)(続) 25年度は、24時間365日の相談支援体制によって、早期発見し、支援するということでありますので、お伺いをいたします。
本市では、どのような効果を期待して、24時間365日対応の相談窓口を設置するのですか、お答えください。
また、虐待相談を受けた案件については、解決のためにどのような支援を行っていきますか、お答えください。
以上で、全ての質問を終了します。

◯建設局長(長谷川 篤君) 都市計画道路西脇大谷線の廃止区間の今後の道路整備についてお答えします。
都市計画道路西脇大谷線は、平成24年度の都市計画道路の見直しにおいて、地元説明会など、所定の手続を経て、一部区間の廃止を決定しました。廃止区間のうち、議員御指摘の市道下島幹線排水路沿い線から石田街道までの延長約230メートルにつきましては、現状は私道であります。しかしながら、周辺の皆さんにとって、重要な生活道路として機能しています。また、地元からも整備要望が提出されていることから、今後につきましては、関係者との合意を図りながら、市道認定に向けた検討をしてまいります。

◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) みんなで健やかにいきいきと暮らせるまちに係る御質問にお答えをいたします。
初めに、待機児童解消策の4点でございます。
平成25年度当初の待機児童数の見込みについてお答えいたします。平成25年4月の入所については、現在、随時申し込みを受け付けていることや、不承諾となった方に空きのある保育園を紹介する等の調整をしております。そのため、現時点で4月の待機児童数を推測することは困難でありますが、1月現在の待機児童数が昨年同時期に比べて129人の増となっていることや、4月入所の申し込み者数が昨年よりふえていることから、待機児童は依然として多いものと見込んでおります。
次に、第2次総合計画における保育園の建てかえや定員増に伴う施設整備について、計画をどのように見直し、今後具体的にどのように進めていくかにお答えいたします。
最初に、保育園の建てかえについては、現在、本市の第2次総合計画では、Is値0.7未満の保育園を対象に、耐震化による建てかえを優先して実施しており、市立保育園は既に完了し、私立保育園は市の助成による建てかえを計画的に実施しています。具体的には、平成25年度は清水区の矢部保育園、26年度は1園を計画しており、26年度は建てかえにあわせて定員増を図る予定です。
次に、定員増を伴う施設整備計画については、平成24年度の待機児童の増加を受けて計画の見直しを行いました。見直しの内容は、平成26年度に計画していた市立保育園2園の増築工事を25年度に前倒ししたこと、及び国の待機児童解消先取りプロジェクトを活用した保育園の新設、分園の整備、大規模改修を新たに追加したことです。新たな待機児童対策は、いずれも民間による整備に対して助成するもので、今後、募集に向けて準備を進めていく予定です。
次に、兄弟で別々の保育園に入所しなければならないことについてどのように考えているかにお答えいたします。
保育園の入所審査に当たっては、兄弟で同時入所を希望する場合は、同時入所のない世帯より優先順位が高くなるよう配慮を行っています。しかしながら、低年齢児の保育ニーズの高まりにより、年齢の低い児童のクラスが空きがない等の理由で、兄弟が別々に入所する場合があります。このような状況に対応するため、今後の待機児童対策では、特に低年齢児の受け入れをふやしていく方針でございます。
次に、入所の判定について、収入の少ない世帯を優先すべきではないかにお答えいたします。
保育園の入所は、保護者が家庭で保育できない理由や勤務時間等を考慮して判定しています。原則的には常勤で勤務している世帯や勤務時間が長い世帯を優先しておりますが、世帯の特殊事情も考慮して、収入の少ない生活保護世帯やひとり親世帯の優先順位が高くなるよう配慮をしております。
次に、介護支援と認知症疾患医療センターに係る2点の御質問にお答えいたします。
地域包括支援センターでは、認知症を抱える介護者の相談にどのように対応していくかでございます。地域包括支援センターでは、認知症高齢者に暴力を振るうなどの問題行動がある場合、本人には精神科の専門医を受診できるよう医療機関との調整や同行受診等の支援をしています。家族には介護方法のアドバイスを行い、ショートステイ等の介護サービスを利用できるよう支援して、介護負担の軽減を図ります。認知症の相談は、地域包括支援センター以外に区役所の高齢介護課や保健福祉センター、専門の医療機関等で行っています。また、介護家族の会でも同じ介護者の立場で相談に応じております。
次に、暴力行為などがある認知症高齢者について、認知症疾患医療センターではどのような対応ができるかでございます。
認知症疾患医療センターでは、認知症専門の医療相談や鑑別診断を行い、入院が必要と判断された場合は同センターにおいて入院治療を行います。また、退院が可能となった場合は、グループホームや小規模多機能型居宅介護などの介護サービスが提供できるよう、地域包括支援センターやかかりつけ医などと調整を行っていきます。
次に、障害者の虐待防止に関する2点の御質問で、市はどのような効果を期待して、24時間365日対応の相談窓口を設置しているのかでございます。
平成24年10月1日の障害者虐待防止法施行に伴い、基幹相談支援センターと市内10カ所の相談支援事業所に虐待防止センター業務を委託し、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト及び経済的虐待に関する相談、指導、助言を行っております。24時間365日の対応窓口を基幹相談支援センターに設置することにより、生命に危険が及ぶなど、緊急性の高い虐待案件に対し、早急かつ適切に対応できるという効果が期待できます。
最後の御質問でございます。虐待相談を受けた案件については、解決のためにどのような支援を行っていくのかにお答えいたします。
虐待の通報や相談を受けた場合、家庭や施設等を訪問し、状況を把握した後、行政や関係機関、虐待防止センターで構成するケース検討会議を開き、虐待の有無やその対応などを検討します。検討の結果、一時保護の実施や障害福祉サービスの適切な利用、成年後見制度の活用などにより、虐待を受けた人はもとより、擁護者への支援も行ってまいります。さらに、障害の特性により、虐待の事実を正確に伝えられない人もいることから、虐待の早期発見や防止のためには、家族や地域の人々、サービス事業所、医療機関などが通報義務を理解し、協力していくことが重要です。このため、虐待の対応への理解を深めることを目的に、市民や関係機関を対象に研修を実施するほか、さまざまな虐待に適切に対応するため、医学的、法的観点から助言を得るための体制を確立するとともに、関係機関の連携を強化し、障害者の権利擁護を基本とした切れ目のない支援体制を構築していきます。