平成24年11月定例会(第4日目)

2012年12月5日

質問内容

子供施策、市民の施設利用について

◯26番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして、今回は大きく子供施策と、市民の施設利用についての2点の質問を行います。
初めに、静岡市の子供施策についてであります。
親にとって、子供が感性豊かに健やかに成長していくことは何よりの喜びであります。子供と暮らすことが本当に楽しくてたまらない。そんな家庭がふえることが私にとっては一番の望みであります。そして、できることであれば、次世代を開く子供たちに関する予算が増額され、それを効果的に使っていくことこそ、将来の静岡市にとって意義あることと考えています。
子供を社会の宝として社会全体ではぐくんでいこうという考え方が浸透してきました。このため、さまざまな子供に関する施策が打ち出され、社会システムとして機能を始めてきました。当然そこには多額の公金が投入されてきているわけですが、このような政策が効果を上げていくには、何よりも本市において、子供たちや保護者のために的確で効果的な支援を、どのように打ち出していくことができるのかが重要であります。
そのため、まず、静岡市の子供の支援策はこうしていくんだという骨太の理念を提示し、その理念に基づく政策体系にのっとって、具体の事業を推進していってほしいと思います。
このような基本的な考え方を踏まえて質問を行ってまいります。
子ども未来局の新設が当局より提示されました。局長が一人ふえ、将来、局内に複数の部が置かれることになるならば、部長もふえることになります。なぜ、増設が必要なのか。具体的に何をしたいのか。成果や目標も明確でなければなりません。当局は今回の子ども未来局の組織、機構改正等について、目的を3つ示し、1つ、平成27年度の子ども・子育て新制度に対応するため、2つ、幼児期の学校教育、保育、地域の子育て支援を総合的に推進するため、3つ、妊娠から出産、乳幼児から青少年までをトータルして担当する部署として、少子化対策、子育て支援に取り組むとともに、待機児童対策や児童の健全育成、児童虐待への対応などにも力を入れる組織体制を構築してくためとのことであります。
それでは、現体制ではこれらの目的が達成できないのでしょうか。私はそうは感じていません。ポスト増加や組織の拡大がねらいであってはいけないと思います。組織の改正に当たっては、これをやりたいのであるが、現状の組織ではこれこれの問題があってうまくいかない。したがって、このような組織にスクラップ・アンド・ビルドしたいという姿勢や考え方が、前提にあると思うのです。例えば、子どもプランと並行して、子供・若者育成プランを何としてでもやり抜きたいとか、子供が生まれる前から妊婦健診を充実したい。その後の乳児健診、予防接種など、保健衛生部局の分野も一体的に、そして、障害児や発達障害児への対応も、関係部局一体で支援をしていきたいといった動機が前提にあれば、納得できるのであります。
昨日の市長答弁をかいつまみますと、国の制度改正による準備をしたいと、また、国の制度に備え、私立幼稚園の助成金を子ども局に移すとのことであります。ならば、子育て支援課に担当を1つふやし、子育て支援課長と子ども青少年部長でやれるのではないかと、口を挟む権限はありませんが、そう感じました。
今回の改正案は、市長のマニフェストである課を減らし、事業を行いやすくするという考え方に反するのではないかと思うのです。
そこで、お伺いいたします。
子ども未来局の創設の経緯はどのようなものですか。また、その所管事務についてはどのようになりますか、お答えください。
次に、待機児童策についてお伺いをしていきます。
先般、6月15日に合意した国の社会保障、税の一体改革に関する3党合意による子ども・子育て関連3法案の修正等の中身について少しだけ触れておきます。
総合こども園法という新法は取りやめることになり、認定こども園法の改正で子ども・子育て支援新制度を実施していくことになりました。そして、消費税が10%に引き上げられる27年4月から、その財源をもとにスタートすることになりました。具体的には、改正後は施設型給付という制度で財政措置を確保し、いわゆる幼保一元化を行い、認定こども園と幼稚園と保育園の施設体系は現行どおりでありますが、一体化して指導監督していくというものであります。
また、地域型保育給付という居宅訪問型や小規模型で制度を補完していきます。指定制では悪質な業者への排除等が難しいことなどから、認可制を前提とすることで安全性の確保を優先することになりました。そして、子ども・子育て支援新制度では、待機児童の解消について幼稚園を活用する方法と、小規模保育園等を活用していくという、大きく2つの方向性で進めることが確認されました。
このような状況を踏まえ、本市においては国の考えに先行し、認証保育園制度を独自に事業化し、認可外保育園の設置に補助金を上乗せすることや、新たに待機児童園という独自なものの事業を行ってきました。「おひさま」のことであります。そして、今議会では清水地区の待機児童園の新設予算が計上されています。
私は、待機児童園は年度によって子供の産まれる数の増減もありますので、あくまで年度途中に入園できないゼロ歳児から2歳児が対象で、苦肉の策としての事業であると理解しております。実際に公金を投入すべきところは、待機児童園をなくす保育園の施設整備で、増築や新築であると考えます。将来を考えるのであれば、公設民営で新設し、運営することや私立保育園の増築が最も有効ではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。保護者も正規の保育園に入所できることを最も望んでいるのです。
また、増築と新築に関しては、地域の待機児童の推移や予測を的確にとらえ進めていく必要があります。
そこで、お伺いをいたしますが、待機児童園の地域的な現状についてはどのようになっていますか、お答えください。
今回の清水区待機児童園について言えば歓迎する政策でありますが、いわば期間限定の応急対策的なものであるということを忘れてはならないと思います。
本市は、子供にとって安全でソフト面においても質の高い政策・事業を行うことを究極の目的としていたと考えていますが、私の思い違いだったのでしょうか。やはり主体となる政策は保育園の増築と新設ではないでしょうか。とはいえ、市長のマニフェストで待機児童園を3区公平に設置するとのことでありますから、これ以上、申し上げませんが、今回の清水区待機児童園は駿河区にある、「おひさま」と同様の運営をされるのか気になるところであります。
そこで、お伺いをいたしますが、清水待機児童園の設置場所についてはどのように決定しましたか。また、今後の運営期間についてはどのようにお考えですか、お答えください。
今年度は、保育士を例年よりも多く募集したという話を耳にしました。
そこで、お伺いをいたしますが、清水区待機児童園の設置により、保育園については増員をすることになりますか、お答えください。
先ほども申し上げましたが、保護者の希望は保育園への入所であると思います。待機児童園は、あくまで一時避難するための施設であります。早急に保育園の施設整備について計画を立て、実施していただきたいと思います。
そこで、お伺いいたしますが、公立、私立保育所の建てかえ、増改築、新築等の施設整備については、今後どのように考えていきますか、お答えください。
次に、中央子育て支援センターについてお伺いいたします。
中央子育て支援センターは、子育て支援に対する本市の特徴の1つであります。事業内容は、子育て交流サロン、相談業務、地域子育て支援センターとの連携と情報提供などで、加えて一時預かり事業があります。一時保育は夜間や土日、祝日も実施しており、働く保護者にとっては力強い味方であります。しかしながら、清水中央子育て支援センターについていえば、子育てサロンの利用度は必ずしも多いとは言えず、一時預かり事業では月決めでの預かりを行っており、これに加えて清水区待機児童園が新設されることになれば、利用目的も重なり、利用者の減少が想定されます。そもそもなぜ中央子育て支援センターが2カ所に必要なのでありましょうか。
市内の地域子育て支援センターでは、中央と同じように子育て交流サロンが実施されておりますので、2カ所の中央子育て支援センターの役割はわかりづらいところでもあります。
そこで、お伺いいたしますが、中央子育て支援センターの意義はどのようになっていますか。また、現在の利用状況はどうなっていますか、お答えください。
中央子育て支援センターの意義が明確となり、清水中央子育て支援センターを継続するのであれば、3区の均等ある発展という観点から、駿河区においても独自性のある中央子育て支援センターが設置されるべきではないでしょうか。例えば、駿河区は分譲マンションも多く建設されていますので、マンション世帯対応の利用も兼ね備えた中央子育て支援センターなどが有効ではないでしょうか。
また、平成17年の総括質問での当局の答弁で、駿河区の中央子育て支援センター設置について研究するとされています。
そこで、お伺いいたしますが、現在、設置のない駿河区への整備についてはどのように考えていますか、お答えください。
次に、子ども医療費助成事業についてであります。
一昨日の朝のことですが、私の家内が携帯電話を見て、243分の待ちだってと私に話しかけてきたので、何のことだろうと思ったら、かかりつけの小児科の待ち時間のことでありました。月曜日の朝ということと、最近の寒さがきつくなってきたことが重なり、加えてインフルエンザの時期も到来しましたので患者が多く、待ち時間も長いだろうと思いましたが、それにしても最近は携帯電話で診察の申し込みができることに感心し、時間を調整し、診療所へ無駄なく行けるシステムは大変便利だなと感じました。
話が少しそれてしまいましたが、まだまだ体が未熟で、体調を崩しやすい乳幼児にとって、医療費助成事業は大変ありがたい事業であります。
今年度スタートしました、子ども医療費助成事業についての市民事業評価の議事録を拝見しました。この制度は、子供の健全な育成に寄与することを目的に、すべての子供が健やかに育っていけるためのセーフティーネットであるとの説明に感銘を受けました。
一方で、なぜ中学3年生までやるのかということについては議論がなされなかった。静岡市は、このような理由により、中学3年生まで適用しているという理由はいまだわからずにおります。果たして、大人に近く、体力もある15歳の青年に医療費の助成が必要なのでありましょうか。ちなみに、現在の本市における医療費助成事業と同様に、中学生の通院まで助成しているのは指定都市で5市あります。そのうち2市では負担金がないことがわかりました。なぜ500円を支払うのかということについては、市長が議会でお話しをされましたので、よくわかりましたし、説得力があると感じました。
さて、今年度から実施している、この子ども医療費助成事業については、実施状況について、安易な受診が多発していないかという心配もありますので、お伺いいたしますが、子ども医療費助成について、制度の拡大後の状況についてはどのようになっていますか、お答えください。
今回の事業拡大については、一部の時間外診療に償還払いを取り入れたことが、適切な受診を行うための工夫といえます。市民事業評価のお話では、夜間、休日の小児救急医療体制について、特に2次救急のための公的病院が、軽症患者の診療により重篤な患者の受診がおくれてしまうことや、医師のストレスにつながる等の問題点が指摘されておりました。
子宝に恵まれている私の家では、子供が夜間に熱が出れば、氷枕を当てるなどし、余りにひどい場合は解熱剤の使用などで様子を見て、あれ、いつもと様子が違うなと感じたときに初めて夜間救急に車を走らせるわけでありますが、それはやはり経験から来るものではないかと思います。1人目の子供だったら心配で、すぐに救急に向かってしまい、診察後、ただの微熱だったなんていうことも起こっていると思います。
また、中学生まで対象を拡大したことによって、小学校高学年や中学生では、平日でも安易に受診するくせがついてしまわないかと心配します。例えば、テーピングやシップ剤等をワンコインで購入するために受診することがないとは、言い切れないと思うのです。
そこで、お伺いいたしますが、適正な受診に向けてどのような取り組みを行っていますか、お答えください。
次に、発達障害の可能性がある幼児の幼稚園受け入れについては繁田議員が前回質問しましたので、私は今回、保育の方面で質問したいと思います。
発達障害児の支援強化については、ぜひとも新設の子ども未来局における重点事業にしていただきたいところであります。
発達障害児については、まずは保護者の理解が重要であります。本来であれば一般の幼稚園や保育園でほかの子と一緒に生活できれば、それにこしたことはないし、それが理想であるとは思いますが、現実ではまだまだ一般の幼稚園や保育園での受け入れが難しい状況であります。発達障害の相談窓口は「きらり」で行っており、大人も含めての相談業務であります。発達障害児や、その可能性がある子供について、就学前の行き場としてどの程度の整備が必要であるかは、その現状をしっかりと分析する必要があります。
そこで、お伺いいたしますが、就学前児童の発達障害に関する人数を把握していますか、お答えください。
児童発達支援の整備については、通所により利用する身近な療育の場として、地域において量的な拡大を図ることとともに、適切な支援が受けられるように児童発達支援センター、本市においては、「いこいの家」との支援ネットワークにより質を確保しつつ、児童発達支援事業として、許可を得た事業者が運営していくということであります。
そこで、お伺いいたしますが、今後の発達障害児を含めた障害児支援策としては、どのような取り組みをお考えですか、お答えください。
次に、児童クラブについてであります。
平成24年度の整備予定はなく、設置箇所数は現在の75カ所のままです。利用に当たっては、受益者負担の考え方から運営費の約半分を保護者負担金として利用者が負担するという制度は、ほぼ定着した感があります。小学1年生から3年生までが入会できる前提で、受け入れ枠に余裕があれば4年生以上でも利用可能というルールであり、基本的な考え方はしっかりしていると感じています。
また、当局の柔軟でスピーディーな対応により、利用希望児童の解消に積極的に努めていることは評価されるべきと思います。一方、年度ごとの利用希望者にもむらがあるためか、待機している児童も今年度、40名程度いる状態であります。
今後についてですが、共働きが普通となった現状を考えると、3年生まででも利用希望児童がふえる可能性は否めません。私としては、質を確保しつつ、料金の考え方や適用年齢についても現状で行っていくことが妥当であると考えております。
そこで、お伺いいたしますが、現状を踏まえた児童クラブの今後のあり方については、どのように進めていきますか、お答えください。
以上で1回目の質問を終了します。

◯総務局長(小長谷重之君) 子ども未来局の設立の経緯、所管事務についてお答えさせていただきます。
本市では、現在、市政の最重要課題の1つとして、まちみがき戦略推進プランとともに、平成25年度の重点施策の1つとして子育て、教育環境の整備を掲げて、待機児童園の設置などの子育て施策を実施しているところであります。この子育て施策をさらに積極的に推進するため、子供をキーワードに複数の局が実施する施策を集約し、窓口を一本化することで幼児期における保育と学校教育の連携、保育の量的拡大の確保、地域の子供・子育て支援の充実など、さまざまな課題に総合的に対処できるよう、子ども未来局を設置することといたしました。
また、これはすべての子供への良質な成育環境を保障する新たな一元的制度として、平成27年度からスタートする、子ども・子育て新制度への円滑な移行も視野に入れたものとなります。そのため、保育園だけでなく、私立幼稚園との調整を開始するとともに、子ども・子育て会議の設置や、子ども・子育て支援事業計画の策定も進めてまいります。このほか、子ども未来局では、妊娠期から青少年期までのライフステージに応じた施策を一体的に進めるため、現行組織の再編強化を図ることによりまして、待機児童解消に向けた施策の推進や、児童虐待防止体制の強化、子供、若者に係る相談体制の充実を図ってまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、子ども未来局の設置は、子ども・子育て施策の充実の強化の第一歩でありまして、保健福祉子ども局はもとより、教育委員会事務局、生活文化局等と緊密な連携を図ることによりまして、子ども・子育て施策の充実強化を図ってまいりたいと考えております。

◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 保育行政等の何点かの御質問にお答えいたします。
初めに、待機児童の地域的な現状はどのようになっているかにお答えいたします。
保育園の待機児童数は本年の10月1日現在297人で、区別では葵区が122人、駿河区が109人、清水区が63人となっています。特に多い地域は葵区の安東から瀬名地域までの東部、駿河区の全般、清水区の中心部及び有度、飯田地域となっています。
次に、清水区待機児童園の設置場所について、どのように決定したのか、また、今後の運営期間はどのように考えているのかにお答えいたします。
待機児童園は年度途中の待機児童の軽減を図るため、平成22年、特に待機児童の多かった駿河区に設置したものですが、その後、清水区、葵区においても待機児童が増加していることから、まちみがき戦略推進プランで平成24年度に清水区、26年度に葵区への設置を計画しております。
清水区の設置場所については待機児童の多い地域で、活用できる市有地の中から交通の便などを考慮して決定いたしました。また、運営期間については経済状況や国の施策など、保育需要が変化することが予想されるため、駿河区と同様におおむね10年で見直すこととしております。
次に、清水区待機児童園の設置により保育士は増員するのかにお答えいたします。
清水区待機児童園の運営に必要な保育士は増員により確保したいと考えております。
次に、公立、私立保育園の建てかえ、増改築、新設等の施設整備について、どのように考えているのかの3点にお答えいたします。
1点目、保育園の建てかえについては、現在、本市の第2次総合計画ではIs値0.7未満の保育園を対象に、耐震化による建てかえを優先して実施しており、公立保育園は既に終了し、私立保育園は市の助成による建てかえを計画的に実施しています。さらに、公立保育園については、Is値0.7以上あるものの、静岡市公共建築物耐震対策推進計画で耐震性能がやや劣る施設に分類される保育園が8カ所あり、その中には老朽化した保育園も含まれるため、今後はそれらの建てかえも早期に実現できるよう努力していきたいと考えております。
2点目に、増改築については、待機児童対策として特にゼロ、1歳児の保育室不足を解消するために、今後、受け入れ増を伴う増改築に取り組んでいきたいと考えております。
3点目、保育園の新設については、本年4月の待機児童の増加を受けて、施設整備計画の見直しを行っており、新設を含めた幅広い対策を検討しているところです。
なお、保育園を新設する場合には民間から公募する方法が基本となります。
次に、中央子育て支援センターの現状と駿河区への整備についてお答えいたします。
中央子育て支援センターは、子育て親子の交流の場や子育てに関する相談の場の提供などを行う交流サロンと、乳幼児の一時的な預かりを行う一時保育の機能をあわせ持つ、地域子育て支援の拠点となる施設です。現在、葵区呉服町の札の辻ビル内にある静岡中央子育て支援センターと、清水区島崎町の清水テルサ内にある清水中央子育て支援センターの2カ所を開設しています。
現在の利用状況ですが、平成23年度におきましては、静岡中央子育て支援センターの交流サロンの年間利用者数が延べ約4万2,000人、一時保育が約6,200人、同様に、清水中央子育て支援センターの交流サロンの年間利用者数が延べ約1万3,000人、一時保育が約6,700人となっており、多くの方に御利用いただいております。
現在、中央子育て支援センターは駿河区内に設置されておりませんが、中央子育て支援センターは、市内に16カ所配置されている地域子育て支援センターなどの子育て関連施設や、子育て支援を行う団体等を支援する役割をも担う、子育て支援策の推進の中核となる施設であることから、駿河区への設置は課題として認識しております。
次に、子ども医療費助成制度拡大後の状況についてお答えいたします。
制度拡大後の状況につきましては、平成24年度、6カ月分の助成実績が出ております。小中学生の通院が助成対象となったことや入院時の助成方法が、償還払いから現物給付になったことなどから、平成23年度に比べて、入院では件数で約15%の増、助成額で39%の増となっており、通院では件数で90%の増、助成額で118%の増で、入院と通院の助成額の合計では93%の増となっています。これは、おおむね予測の範囲内となっています。
また、2次救急、当番病院における時間外の小児患者数については、平成23年12月から調査をしていますが、制度拡大前の4カ月と拡大後の7カ月を比較したところ、季節的な要因もありますが、一月当たりの受診者数は増加していません。
新たに助成対象となった小中学生の通院につきましては、6カ月で25万9,000件余、3億8,000万円余を助成しております。このうち小学生の割合は件数で74%、助成額で73%、中学生は件数で26%、助成額で27%を占めています。
今後につきましては、例年と比べて突出したインフルエンザの流行等の特殊要因がない限り、この程度の水準で推移していくものと考えております。
次に、適正受診に向けてどのような取り組みをしているのかにお答えいたします。
制度拡大に当たって本市が最も懸念したのは、いわゆるコンビニ受診の増加による小児救急医療への影響です。このため平成24年度は、これまで行ってきたキャンペーンなど、適正受診のための活動に加え、さまざまな啓発事業を実施しています。
1つ目は、チラシや依頼文書などを保護者に直接配布することです。特に時間外受診のため、償還払いの手続に見えた方に対しては、再度勧奨を行っています。
2つ目は、市の広報紙やパンフレットに加え、民間のフリーペーパーで特集記事を掲載するなど、広報活動を充実させています。
3つ目として、保育園や児童館など、地域活動の場や子育てイベントでの啓発活動を年間を通じて行っています。先ほど申し上げたとおり、現時点においては市民の皆様の御協力もあって、時間外受診の大幅な増加はないものと判断しています。
今後も時間外受診を含めた受診の状況を検証するとともに、子育てサークルとの連携など、あらゆる機会をとらえて市民の皆様に向けて適正受診を働きかけてまいります。
次に、障害児支援の就学前児童の発達障害に関する人数を把握しているかとの御質問でございます。
平成23年11月に静岡市内のすべての保育園及び幼稚園において、発達障害児に関する実態調査を実施しました。その結果、175園中153園から回答があり、園児2万1,258人のうち、支援が必要と思われる子供の人数は729人、3.4%でした。
次に、今後の発達障害児を含めた障害児支援策としてどのような取り組みを考えているかにお答えいたします。
現在、発達障害を含めた障害児支援策は、主に保健福祉センターにおける1歳6カ月児健診や3歳児健診等で発達のおくれなどを発見し、障害の特性や程度に応じて療育機関や遊びの教室、教育委員会の幼児言語教室、保育園、幼稚園等において支援を行っております。
さらに、専門機関である発達障害者支援センター「きらり」が、保育園、幼稚園に相談員を派遣するとともに、研修などを開催し、支援スキルの向上に努めているところです。
また、本年4月から施行された改正児童福祉法では、身近な地域での通所施設として位置づけられた児童発達支援事業所等で、発達障害を含めた障害児及びその家族に対する支援を行うこととされています。
今後とも増加する発達障害児等に対応するため、発達障害者支援センター「きらり」が、12カ所の児童発達支援事業所を初め、関係機関との連携を強化することにより、支援体制のさらなる充実に努めてまいります。
最後の御質問でございますが、現状を踏まえた児童クラブの今後のあり方について、市はどのように考えているかにお答えいたします。
放課後児童クラブにつきましては、平成18年度からの緊急3カ年整備計画に基づき、待機児童や未設置学区の解消に向けた施設整備に取り組むなど、事業の充実に精力的に取り組んでまいりました。これにより、本年5月1日現在、児童クラブは市内75カ所で開設し、平成18年度に比べると1,000人以上多い3,560人の児童が入会しております。
しかし、現時点においても児童クラブの待機児童は解消に至っておらず、また、開設時間の延長など、利用者のニーズも多様化、高度化してきております。
今後は、本市の子ども・子育て支援事業計画を策定するために実施するニーズ調査の結果を踏まえ、他事業との連携を含めた子育て世帯への支援のあり方、行政の果たすべき役割等を総合的に勘案した上で、児童クラブ事業のあり方について検討してまいりたいと考えております。
〔26番佐地茂人君登壇〕

◯26番(佐地茂人君) 御答弁をいただき、ありがとうございました。非常によくわかりました。局長の御答弁も何かいつもよりいいのでうれしかったです。
それでは、2回目の質問に移る前に、先ほどの御答弁に対して意見を述べさせていただきます。
偉そうに言って申しわけないんですが、市長におかれましては、福祉政策全体に対しても言えることであると思いますが、ぜひとも鉛筆の芯のように強い理念や考え方を基本とし、静岡の子育てはこういうもんだと、市民に納得される子育て支援をお願いしたいと思います。
待機児童園や中学生までの子ども医療費助成制度は、鉛筆の芯を囲むやわらかい木の部分であり、理念ではないと思います。
次に、機構改正ですが、これをやるという具体的な目標や強い意思を今以上に示していただきたいと思います。また、保育園の増築や新設等についても、第3次総合計画を待つことなく、積極的に進めていただきたい。また、公立の小黒保育園と八幡保育園の建てかえについては、どうなったのでありましょうか。公立の施設整備についても検討をお願いしたいと思います。
加えて、子ども・子育て支援新制度では、潜在待機児童についての対応も必須になるのではないかと思います。ぜひとも目配りを十分にして対策をとっていただきたいと思います。
それでは、2回目の質問に入ります。
「しずおか☆未来をひらく子どもプラン」、いわゆる後期子どもプランの改訂別冊版は、実施計画は平成22年度から26年度までであり、翌年度から子ども・子育て支援新制度がスタートすることにより、新制度に合わせた実施計画を市町ごとに新たに策定することになります。
子ども青少年部の主な子育て支援事業については、26年度末が最終目標でありますが、設定された目標の多くは既に達成されていますし、通常保育事業では既に110%以上の達成率となっております。よくやっています。
子どもプランは、子育て支援課が中心となり、プランに掲載されている各事業が計画どおり進捗しているかを決算を踏まえてチェックし、PDCAサイクルを行っています。24年度の各事業課の主要事業では、例えば子どもクリエイティブタウンや学力アップサポート事業が新規事業であります。子どもプランに記載されている事業数は221件であり、今年度はちょうど中間の年度でありますので、実施が困難な事業や課題のある事業については、残りの2年間でどのように克服していくのかも考える時期ではないでしょうか。
そこで、お伺いをいたしますが、子どもプラン後期計画の進捗状況はどのようになっていますか、お答えください。
福祉施策に限らず、例えば若年世帯への住宅利子補給制度もそうですが、私は子供を大切にするという基本理念のもとに、子供にとって環境のよい静岡市を、さまざまな角度から取り組んでいただきたいと考えております。子ども・子育て支援新制度への取り組みについても、まずは主要となる事業を重点的に実施していくことでありますが、その他の各課にあっても関連する各種の子育て支援事業により、本市が本当に子供の成長に最適なまちであってほしいと思います。
そこで、次回の計画では、さらに子供施策を充実していただきたいと思います。
お伺いいたしますが、今後の計画についてはどのようになりますか、お答えください。
次に、大きく2点目の市民の施策利用の向上について質問します。
一昨日に公明党の井上議員から同様の質問がありましたので、答弁がかぶるところにつきましてはお答えいただかなくても結構であります。
私は、市長が答弁されました外からの集客も重要でありますが、本来はまず、市民がどのくらい市の施設を有効に活用しているのかが優先されなければならないのではないかと考えるものであります。そもそも本市が観光を主要産業にすると考えるのであれば、観光都市であることの自覚を市民自体に持ってもらうことが、まず必要なことではないでしょうか。県外や市外からやってくる親戚や友達に対して、だれが本市を売り込むのでありましょうか。
市長のトップセールスには頭が下がる思いであります。しかし、個々の市民が静岡市の文化や歴史、伝統などに触れて理解し、それに誇りを持って市外のお客さんにアピールするという姿勢が重要であります。この観点から考えると、まずは市民の市内公的施設の利用向上こそが地道な観光都市への一歩ではないでしょうか。静岡市民の文化力が問われるのであります。
今回は、観光とは一線を画して市民の文化意識の向上という観点から、施設利用の向上についてお聞きしたいと思います。
すべての施設の利用状況をお聞きしたいと思いましたが、各局ごとに数が多く、統括されていないということでありますので、幾つかに絞ってお尋ねします。
静岡駅前の静岡市美術館、静岡音楽館、駿河区に設置されている静岡科学館、日本平動物園、登呂博物館、芹沢美術館の、市民の施設利用状況についてはどのようなっていますか、お答えください。
当局では、施設利用者の分析を行っているところもあるようでありますが、施設利用の向上を戦略的に行うには、まずは分析を行い、施設相互の連携や組み合わせなどを考え、リピーターや新規の利用者をどのようにふやしていくかを考えていくべきであります。ここまでは取り組んでくれる指定管理者もあろうかと思いますが、さらなる増加入場者の目標を設定し、目標を達成するための各種取り組みを施設所管課は行っていただきたいと考えます。
そこで、お伺いいたしますが、市民利用の目標数値については設定をしていますか。あるのであれば、その数値についてお答えください。
私も、こちらの願うように人を動かすということが、動員が難しい作業であることは理解しております。また、施設を訪れたことがない人ほど、その施設の価値についての理解が薄いのではないかと思います。まずは知ってもらう機会をふやすことからではないでしょうか。例えば、障害者と同様の条件とも言える介護保険利用者についても、付き添いは無料にするということは、新しい入場者やファン獲得につながるのではないでしょうか。
また、施設入場無料の日を数多く設定することも新しい利用者の獲得につながるのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたしますが、市民に対して施設を無料で利用していただければ、市民利用の増加につながると考えますが、例えば無料開放日のような取り組みについては、どのようにしていますか、お答えください。
11月13日付の新聞報道によれば、当局は施設利用料を見直し、施設の性質も踏まえた上で使用料の設定基準を統一するとのことでありました。見直しのポイントでは、利用率の増加を図った上で使用料の見直しを行うとありますが、そんなことができるのは今のところ、日本平動物園と大浜プールしかないと思います。
日本平動物園では駐車場の料金も取りますので、これ以上上げられるのでしょうか。

◯議長(石上顕太郎君) あと1分で終了してください。

◯26番(佐地茂人君)(続) 実際、園内の乗り物は値上げを行った結果、乗る子供が減っているのが実情です。大浜プールも駐車場料金やバス代がかかります。日本平動物園も大浜プールも、お金が余りかからないで子供と遊べる本市の誇れる施設です。また、駿府匠宿や登呂遺跡も駐車場の料金がネックではないかと考えられます。NPO活動センターだけ無料では不公平であるのではないでしょうか。
そこで、お伺いいたしますが、受益者負担の原則に基づいて、使用料の見直しが行われるとのことであります。料金が上がる施設については、市民の利用者減少につながるのではないかと危惧をしておりますが、このようなことについてはどのようにお考えですか、お答えください。
以上で、すべての質問を終了します。

◯保健福祉子ども局長(小野田 清君) 子どもプランの2点の御質問にお答えいたします。
まず、子どもプラン後期計画の進捗状況についてでありますが、子どもプラン後期計画は、平成22年4月1日から27年3月31日までの5年間の計画で、現在中間点を迎えています。この計画では、静岡市は子供を大切にしますという基本理念のもと、16の基本施策において221の事業を実施しています。平成23年度までの2年間の実績では、計画目標のおおむね8割以上を達成している事業が179事業と、全体の約81%に上がっております。重点事業では、平成24年5月、草薙に旧清水市域初の児童館が開館し、25年度に急病センターが葵区柚木に開設されるなど、おおむね順調に進んできておりますが、今後も引き続き目標達成に向けて取り組んでまいります。
今後の計画はどのようになるのかにお答えいたします。
現在の子どもプラン後期計画は、平成27年3月末までの計画で、その後は本年8月に成立した、子ども・子育て関連3法に基づく新制度による、子ども・子育て支援事業計画に引き継がれることとなっています。平成27年度から開始される子ども・子育て新制度では、実施主体である市町村が地域のニーズに基づき計画を策定し、給付や事業を実施します。静岡市でも平成25年度から計画策定作業に着手し、10月ごろには市民ニーズ調査、幼稚園や保育園等の施設調査を行い、需要と供給を把握いたします。そして、新制度が開始される27年度の幼稚園や保育園等の入所事務が始まる26年9月末を目標に、計画を策定してまいります。
市民ニーズ調査のほかにも平成25年度から設置する子ども・子育て会議において、子育て支援関係者等の意見を聴取し、これから静岡市ではどのような施策を、どこまで実施するべきかを検討し、事業の需要見込み量や提供体制の確保の内容、実施時期等を盛り込んだ子ども・子育て支援事業計画を策定していく予定でございます。

◯生活文化局長(三宅 衛君) 静岡市民の施設利用のうち、静岡市美術館、静岡音楽館、静岡科学館、日本平動物園の入場者数に対する市民利用の割合についてですが、入場の際に静岡市民であるかどうかの確認は行っておりませんので、それぞれの施設で実施していますアンケート調査等から類推することになります。それによりますと、静岡市美術館が約45%、静岡音楽館が約65%、静岡科学館が約60%、日本平動物園が約40%の市民利用となっております。
次に、市民利用の目標数値の設定についてですが、各施設とも多くの方々に利用していただくよう、企画展ごと、コンサートごと、または年間の来場者数の数値目標を設け、その達成に向けて鋭意努力しておりますが、市民利用に限定した数値目標は設定しておりません。
次に、各施設における無料開放日のような取り組みについてですが、まず、静岡市美術館ではエントランスホールには自由に入っていただき、喫茶や多目的室等で実施する無料の展示を楽しんでいただいております。有料の企画展におきましては、事前に応募いただいた方々を毎回開幕式に招待しております。
次に、静岡科学館ですが、平成23年度に静岡科学技術月間の最終日を無料開放しました。また、高校生と子供たちが出会う「科学の広場inる・く・る」及び「教員のための博物館の日in静岡」では、教員、高校生、大学生に無料開放しています。
続いて、静岡音楽館ですが、昨年度よりアマチュアアンサンブルの日を設けまして、ホールを演奏者、鑑賞者とも無料で開放しています。
最後に、日本平動物園では8月1日の開園記念日を無料開放し、毎年多くの方々に御来場いただいており、市民の皆さんに身近な施設と感じていただくよう努力しているところでございます。

◯教育次長(望月和義君) 教育委員会所管の静岡市民の施設利用にかかります3点の御質問にお答えいたします。
1点目は、登呂博物館、芹沢けい介美術館の市民の施設利用の現状についてですが、まず、登呂博物館につきましては、平成23年度中におけます来館者数が延べ20万7,613人でございました。このうち市内の小学校は82校で6,053人、市内の中学校は17校で320人来館しておりまして、市内の小学校の約84%、市内の中学校の約30%が利用しております。
また、平成24年4月から8月に小中学校等の団体を除く観覧者8,638人に行いました実態調査によりますと、約18%が市内の利用者でございました。
次に、芹沢けい介美術館ですが、平成23年度中におけます来館者数は、延べ1万9,344人で、そのうちアンケートに御協力いただきました860人の約46%が市内の利用者でございました。
次に、2点目の市民利用の目標値の設定についてですが、登呂博物館も芹沢けい介美術館も、ともに静岡市の歴史や文化を広く知っていただくという役割を担っていることから、市外からも多くの方々に訪れていただきたいと考えております。
したがいまして、両施設とも総来館者数の目標値は設定しておりますが、市民利用に限りましての目標値は設定いたしておりません。
最後に、3点目の無料開放日等の取り組みについてですが、登呂博物館と芹沢けい介美術館では現在、無料開放日は設けてはおりません。しかし、多くの方々に訪れていただくため、安価に設定いたしましたさまざまな講座の開催や呈茶サービス、無料ワークショップなどを実施しております。
また、関連各課や市民団体等との連携により、水田を利用しました自然観察会や結婚活動、いわゆる婚活など、登呂遺跡を利用いたしました新しい事業を展開しております。これらの取り組みにより、市民利用の増加にもつながっていると考えております。

◯総務局長(小長谷重之君) 公の施設の使用料見直しにより料金が上がる施設につきましては、利用者数減少につながるのではないかとの御懸念についてであります。
今回策定をいたしました公の施設にかかる使用料の設定基準では、利用率低下に対する取り組みとして4点ほど配慮することとしております。
1つ目として、使用料見直しの前提として、利用率の向上策を図ること。
2つ目として、改定に伴い、大幅な増額が生じることで利用者に過度の負担が生じないよう、限度額として現行使用料の1.5倍を超えない額を目安とすること。
3つ目として、利用率の低下を招くおそれがある場合は、改定額を調整することで適正な使用料を算出すること。
4つ目として、利用者への事前周知を徹底するとともに、市民への説明責任を十分果たすことなどを掲げております。
特に利用料金が上がることとなる施設に関しましては、これらの取り組みを十分行うとともに、利用者数の減少につながらないよう、市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。