平成26年6月静岡県議会定例会

2014年6月30日

質問内容

質問者: 佐地 茂人議員
質問分類 一般質問
質問日: 2014/06/30
会派名: 自民改革会議

○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を開きます。
議事日程により、知事提出議案第百二十三号から第百三十四号までを一括して議題とします。
質疑及び一般質問を行います。
通告により、六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇 拍手)
○六番(佐地茂人君) おはようございます。それでは通告に従いまして自民改革会議の一員として一般質問を行います。今回は大きく六点の質問を分割質問方式で質問させていただきます。
初めに、県と静岡市との連携事業についてのうち政策連携の強化について質問します。
現在、本県と静岡市では平成二十四年度から地域政策会議を設置し六つの重要課題について個別に政策調整を進めていますが、より効果的にスピード感を持って成果を出していくことを望んでおります。
そこで、今後県と静岡市の政策連携をより強力にするよう、どのように進めていきますかお伺いいたします。
また、両県市の政策連携を強力に推進するためには、知事と静岡市長によるトップ会談などを設けることによりトップダウン方式で方針を決めていくことも必要ではないかと考えますが所見をお伺いいたします。
次に、六つの重要課題でありますテーマごとにお伺いをいたします。
初めに、日本平山頂周辺の整備についてであります。
日本平山頂には県有地が約四万平米存在します。静岡・清水の合併での新市建設計画には日本平の山頂整備が新市のシンボル的事業として記載され、平成十五年から二十四年までの十年間の事業として約百一億円かけて整備を行う予定でありました。しかしながら公共事業はおくれ民間事業が先行し、日本平ホテルが建てかえられました。その後、公共事業は第一期の平原ゾーン整備が平成二十二年からスタートし、二十六年の完成予定。駐車場整備の第二期は二十七年から三十一年の五年間、展望台整備の第三期は三十二年から三十六年の五年間という計画となっていました。ところが先般、第一期工事の終了予定期間が二十九年と実に三年間の工事期間の延長が明らかにされたのであります。そこで市主体の事業とはいえこれ以上のおくれがないように、県には強い牽引力を発揮してほしいと願ってやみません。現在市では、解決していない県有地の取り扱いと土産屋や食事をするためのセンターゾーン、静鉄のロープウエーが存在する民設民営ゾーンへの民間への接触について課題があるとお聞きしております。また進めることができる区域から整備を始めることを県が提案することも一案ではないかと考えます。
そこでお伺いをいたしますが、日本平山頂の公園整備を推進するためにさらなる提案や話し合いを積極的に行いスピーディーに事業推進を図ってほしいと考えますが、このような課題解決を含めどのようにお考えですかお答えください。
次に、東静岡駅周辺の土地利用についてであります。
昨年十二月には、知事は我が会派の深澤議員の質問に対して、県・市それぞれの所有地の連携した利活用方針について協議し統一感に十分留意しながら取り組みを進めていることや、今年度には具体的なまちづくりや拠点機能について御意見をいただく有識者の構想委員会の開催を考えている旨の答弁をされました。また静岡市では、多目的アリーナの建設が市民有志の要望として提出されたところであります。私は、東静岡地区の県有地と市有地、合わせて五ヘクタール超えの未利用地の活用をどのように統一感を持って活用していくのか、県と静岡市は県民や市民の双方が納得する方針を速やかに示すべき時がきていると考えております。
そこで、県では本年度、有識者の構想委員会を開催するとのことでありますが、この委員会ではどのような検討を行っていきますかお伺いをいたします。また大学コンソーシアム以外にどのような機能が必要と考えていますか。知事が思い描く東静岡地区の活用方針についてあわせてお答えください。
次に、南アルプスのユネスコエコパークについてであります。
六月十一日に南アルプスのユネスコエコパーク――生物圏保存地域登録が決定しました。南アルプス国立公園の利用者数を見ると、平成二十四年は山梨県では五十一万二千人、長野県では十一万一千人であるのに対し静岡県においては実に三万人と少ないことから、県民のユネスコエコパークの制度の理解はもとよりそこまで行くための公共交通やアクセス改善が早期に求められます。またニホンジカ等の食害対策や生物多様性の保全から地域振興まで、管理運営計画の策定に静岡県側区域においては県の果たす役割、支援も重要であります。
そこで、ユネスコエコパークの登録決定を受けて今後ユネスコエコパークについての計画、整備等はどのように進められていきますか、県の所見をお伺いいたします。また県としてはどのような取り組みを行っていきますかお伺いをいたします。
次に、清水港周辺整備についてであります。
平成二十四年度に静岡市が策定した清水都心ウォーターフロント活性化プラン(案)には、江尻・日の出地区のにぎわい創出のための短期、具体的施策が絞り込まれており、県と市との役割分担と協力体制が求められております。具体的には、清水マリナート前から江尻漁港までのペデストリアンデッキの延長や日の出埠頭空間の市民開放であります。
そこでお伺いをいたします。憩いとにぎわいの空間である江尻・日の出地区の状況と今後の整備と見通しについて、具体的にどのようになるのか伺います。
次に、麻機遊水地の有効活用についてであります。
静岡市では市麻機遊水地周辺地区グランドデザインの素案を策定し、麻機遊水地活用方策の検討調査を行い実現に向けたアクションプランを作成するとのことであります。このグランドデザインでは、麻機遊水地周辺地区は周辺の環境と調和した多様な機能の立地を図り、遊水地は治水機能を確保しつつ、地域の自然環境や立地の特性を生かした自立発展型の地域振興に資する取り組みを検討することとなっております。
そこでお伺いをいたします。今年度市が進めているグランドデザインの実現に向け、自然豊かな麻機遊水地を有効活用していくために静岡市とどのように連携し、どのように進めていきますか。今後の見通しについてお伺いいたします。
次に、三保松原の保全についてであります。
平成二十八年二月にはユネスコへ世界遺産に係る保全状況報告書を提出することとなります。三保松原の世界遺産としての価値を継承していくためには、松原を保全するための適正な管理体制を確立し、防災林としても健全な松林の育成に努めていく必要があります。そのため市では、松くい虫の防除対策の拡充や無人ヘリによる薬剤の試験散布、松林土壌改良剤等の研究及び実証実験を行いつつ管理基本計画を策定するとのことであります。
一方、本県では現在の松くい虫被害対策を抜本的に見直し最新の知見を集結した新たな対策提言を得るため、有識者による三保松原松林保全技術会議の第一回目の開催を六月二十二日に行ったところであります。三保松原の海岸防災林としての機能の高度発揮とともに富士山世界文化遺産の構成資産にふさわしい松林として維持管理していくため、この会議において最新の知見による総合的な松林保全対策の提言をいただくとお聞きしております。
そこでお伺いをいたします。本県では三保松原の松林保全へ向けて、この提言を生かし富士山世界文化遺産にふさわしい松林として保全するために静岡市とどのように連携していきますかお伺いをいたします。以上について答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
(知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 佐地議員にお答えいたします。
県と静岡市の連携事業についてのうち政策連携の強化についてであります。
静岡市は言うまでもなく県都でありますので、この静岡市を中核とする中部地域につきましては、求心力のある都市機能・交流機能の強化、フーズ・サイエンスヒルズを初め活力ある産業づくりを通してふじのくにの県都にふさわしい中枢都市圏の形成を目指しております。これは総合計画後期アクションプランにしっかりとうたわれているところでございます。
これを実現するには静岡市との連携が不可欠です。そこで従来からございます県・市地域政策会議を活用して関係する部局間で課題を共有し今後の展開方針を協議してきたわけでありますが、一向に事業がはかどらないという現実がありまして、議員先生が言われた日本平、東静岡、南アルプス、清水港周辺、麻機遊水地、三保松原。これはいずれも市が主催をしてやるべきことなわけですが、なかなからちが明かないということで日本平と東静岡は一体的につくり上げるべきであるという考えを持っております。
南アルプスにつきましては、これはリニアが通るので水の供給、環境、あるいは生態系、生活、こうしたものへの影響がないようにという、そう言うことは簡単なんですけれども、今まさに佐地議員御指摘のとおり、平成二十四年ですか、長野県と山梨県で南アルプスに登る人が六十万人を超えていると。うちは三万人、二十分の一以下です。ですからこの畑薙から二軒小屋までアクセスが非常に難しいわけです。しかも危険ですね。それをどう整備するかという観点が入っておりません。そうした問題についての提言をなかなかするのは難しいと。
それからまた、清水港周辺につきましては平成二十九年に中部横断自動車道が甲府まで行きますから、そこの後背地をどのように手を入れるかという観点は静岡市は持っていらっしゃらないですね。
それからまた、麻機遊水地というのは、あそこは新東名が開通しまして遊水地はビオトープなり、あるいはいわゆる水環境の保全地域として利用するということは当然のことですけれども、一方ではあそこにさまざまな福祉・医療センターが集結しているわけですね。ですからあそこを全体として福祉・医療のメッカにしていこうという提言をこちらがしても、今のところは聞く耳を持っていらっしゃらないです。
それからまた、三保松原について、今現在こちらが相当の厳しいリーダーシップをとってやって、これは何といってもイコモスに対して保全状況報告をしなくちゃいけませんので、もうこれは市が県がと言っている段階ではないということでやっているわけであります。
ですから私どもとしましては、どういうふうにしたら市と連携を深められるかということで、まず今企画局の理事に初めて人を採ってくださいました。山田君です。彼は大変すぐれた能力のある方で、それがどのようにまだ実力が発揮されているのかはつまびらかにしないところでありますけれども、市当局の役人の方々と私どもが本当に手を携えてやらなくちゃいけないということです。
一方ですね、トップ同士の顔の見える関係が重要であると言われるとおりでありまして、既に毎年のことですけれども、浜松市長と静岡市長さんと、例えば昨年十月の下旬にいわゆるサミットをしました。あるいはつい二週間ほど前、一献傾けながら田辺市長さんとじっくり話し合うと、そういう機会はあるんです。ただそのことがこういう連携強化につながるかというと十分でないので、したがって私どもとしましては、まさに議員がおっしゃったように県に強い牽引力を発揮してほしいと願ってやみませんと。ありがとうございます。そうさせていただきます。
そして、静岡市との政策連携を一層強化することで両方がスピード感を持って施策の実現に努めて、この静岡市がまさに県都にふさわしい、真にトップ自治市を目指すくらい、少なくとも政令指定都市として自立した都市として飛躍されることを大いに期待するものであります。
次に、東静岡駅周辺の土地利用についてであります。
東静岡駅周辺から名勝日本平に至るまでは、言うまでもなくまずグランシップがあります。それから大谷川の放水路があります。そして草薙の総合運動場があって動物園があり、県立美術館、大学があり、そして芸術の殿堂であるSPACの劇場があり、そして日本平ホテルがあり、そして上には鉄塔のある、三百六十度見渡すことの本来できる頂上があるわけですね、有度山の。そこまでを一体にしなくちゃいかんというふうに思っているところであります。
そうした一体的な地域の玄関口が、まさに東静岡駅であるということであります。ここは今申しましたような学術、文化、芸術、スポーツ。仮にその向こう側の清水エスパルスのスタジアムも入れ、かつまた今度地球環境史ミュージアムもできますので、そうしたものを入れますと、まさに文化とスポーツのいわば殿堂と、スポーツと文化の殿堂の顔というものを持った、そういう駅周辺のたたずまいにするというふうにしております。
大谷川放水路ですけれども、あれだけのでかい三面コンクリートを人が目にすると、これ見苦しいんですね。ですからここを水のある景観としてもっと親しめるようにしなくちゃいけないとも思っておりまして、ここはですね、もうこちらが絵を描きまして、そして頂上のトップのところまでしっかり見定めると。そして特に清水側と一体でなくちゃなりませんので、清水側のストロベリーロードのところから柑橘センターに入って、柑橘センターが今度移動いたしますのでそこのところを拠点にして、民間の、今ロープウエーが日本平から久能山に走っていますけれども、これがそろそろ耐用年数に来ているということでこれの改修、修繕あるいは場合によってはつけかえといったようなことを踏まえてですね、日本平に清水側からそうした車によらないで大量の人が短期間に登れるようにするといったようなことを踏まえて、ストロベリーロードと三保松原はもう目と鼻の先ですから、そして久能山それから日本平を一体にすると。
日本平は、これは方角がとても大事です。久能山のお社に、徳川公は西を向かれて埋葬されているということですね。そして富士山の方向の向こうに日光があると。そしてまた東京、江戸の北に日光があると。こういう方角の持っている重要性が最近指摘されているわけでありますが、まさにそういう全ての方角を目指すことのできるのが、日本平ホテルではありません、頂上です。頂上には鉄塔しか立っていませんね。その周りにですね、例えば八角形の、八角形といえば夢殿でありますが、夢殿というのは八角形。これは東西南北を区切りますと東西と南北の横軸縦軸がはっきりしまして、それを四十五度で区切りますと東北、東南、西南、西北がはっきりします。三百六十度で、どの方向に富士山があり、どの方向に焼津があり等々がはっきりするわけですね。そうしたものをその頂上に持ちますと、まさに絶景ということになり、方角をしっかり頭に入れることができると。これを、差し当たって仮称ですけれども夢殿と。今たまたま市立の美術館ですばらしい展示がなされております。法隆寺の夢殿の絵伝にございます夢違観音が肉眼で見られるような形で展示されておりますけれども、そうしたことも奇縁でございまして、これを日本の最高のものにすると。ここの都市のたたずまいは余りにも見苦しい。私は、県都の所在地としてこれほどの玄関口に計画性のないところはないんじゃないかと。
しかし、東静岡というすばらしいところがあって、今乱開発といいますか、周りのところに雨後のタケノコのようにパチンコ屋を初め住環境が整っていきますけれども、あれはもう少しきっちりと、顔として恥ずかしくないようにしたいと。ですから文化力の拠点、文化とスポーツの殿堂として東静岡を整備すると。その絵を描いて、その企画担当の理事を通して市長さんとの信頼関係をベースにして、しっかりと県当局、市当局が連携をして働いてもらおうというふうに思っている次第でございます。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 伊藤文化・観光部長。
(文化・観光部長 伊藤秀治君登壇)
○文化・観光部長(伊藤秀治君) 県と静岡市との連携事業についてのうち、日本平山頂周辺の整備についてお答えいたします。
日本平は世界遺産富士山や伊豆半島が駿河湾越しに見える、全国に誇る、日本の宝とも言うべき景勝地であり、徳川家康公ゆかりの国宝久能山東照宮も存在し、その歴史的、文化的価値に対する評価や将来への期待など県の日本平に対する思いは大変強いものがあります。
静岡市の日本平公園整備計画は、日本平の文化的価値を継承発展させていくことを基本理念に掲げ、「風景美術館、日本平」を基本テーマに交流拠点を整備するすばらしい計画であり、その実現を期待しているところであります。
県といたしましては、日本平周辺は県や市、民間の文化、芸術、歴史、観光関連の施設が立地し、これまでフレンドシップ協定を締結するなど官民の垣根を越えてさまざまな取り組みを行っております。昨年度は静岡市と相互に連携して、県立美術館と市道を結ぶ遊歩道の整備やハイキングマップの作成に取り組んだところであります。
日本平山頂部におきましても、これらの取り組みを参考に市の公園整備がスピード感を持って推進されるよう、県・市地域政策会議に設置したワーキンググループにおいて静岡市の担当部局と十分に連携し、県としてもその実現に向けてより一層協力してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 池谷くらし・環境部長。
(くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 県と静岡市との連携事業についてのうち、南アルプスのユネスコエコパークについてお答えいたします。
静岡市、川根本町など関係十市町村は今後、国、県、地元関係者なども含めた南アルプスユネスコエコパーク地域協議会を設置し、管理運営計画を策定して各種事業を推進することとしております。
県は核心地域である山稜部などに十の山小屋を有し、またこれまでも希少動植物等の実態調査やニホンジカの食害対策など南アルプス地域の保全と振興に深く関与してまいりましたことから、この協議会に参画し幅広い協力をしていくとともに、生物圏保全・保存という観点から南アルプスにおけるレッドデータブックの作成も進めてまいります。
また、登録により南アルプスの国際的な評価が高まり、富士山静岡空港を利用した国内外の観光客誘致、さらには世界遺産富士山など他の国際標準とあわせた本県の一層の魅力向上も期待されます。
今後は、六月二十三日に庁内に設置した連絡調整会議などにより、地域の自然や文化の保全と振興はもとより県全体の観光交流人口の拡大にも取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 野知交通基盤部長。
(交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 県と静岡市との連携事業についてのうち、清水港周辺整備についてお答えいたします。
県と市では、港の魅力が体感できることで多くの人々が集まる江尻地区と日の出地区の魅力をより一層高めるとともに、両地区をつなぎ中心市街地との一体化を図るため、清水都心ウォーターフロント活性化検討委員会で議論を重ねプランを取りまとめたところであります。このプランに基づき市は今年度から歩行者ネットワークを構築し、回遊性の向上を図るため中心市街地と江尻地区をつなぐペデストリアンデッキの延伸に着手したところであります。
県では、物流機能と交流機能が混在する日の出埠頭の市民への開放エリアを広げるため、中部横断自動車道が開通する平成二十九年度を目途に日の出埠頭の上屋機能の一部を興津第二埠頭に移転してまいります。また清水港の安全・安心を確保するため、市とともに清水港海岸江尻・日の出地区津波防災対策検討委員会を立ち上げ、津波対策施設の位置や形状等を検討してまいります。
県といたしましては、今後も市との連携を深め、中心市街地と一体となった江尻・日の出地区のにぎわいを創出し清水港周辺の活性化を推進してまいります。
次に、麻機遊水地の有効活用についてであります。
麻機遊水地は、巴川の総合治水対策の根幹をなす施設として全体約二百ヘクタールを五つの工区に分け段階的に整備を進めております。これまでに第二工区を除く約百十ヘクタールの整備が完了し、大谷川放水路とともに浸水被害の大幅な軽減に効果を発揮してきております。このうち治水対策として平成二十二年度に完成した第一工区につきましては、都市緑地と兼用する多目的遊水地として計画され今年度から市が緑地整備に着手いたします。この遊水地は多様な野鳥が飛来し希少な水生動植物が生息する豊かな自然環境を有しており、周辺道路網の整備が進み地域振興の拠点としての期待も高まっていることから、静岡市では、その他の工区も含めて自然環境の保全だけでなく都市的な活用も視野に入れた遊水地全体のグランドデザインを策定する予定であります。
県といたしましては、このグランドデザインの策定に当たり今年度設置した巴川改良事業に係る連絡調整会議において市と連携して利活用の検討を進めるとともに、地域の安全・安心に資する治水施設の整備を着実に推進してまいります。
次に、三保松原の保全についてであります。
世界文化遺産富士山の構成資産である三保松原の有する普遍的価値を後世に残していくためには、松林をより健全で美しい姿に保つことが重要であります。しかし近年三保松原では松枯れ被害が増加しており、この松枯れ被害を克服し松林を保全していく必要があります。今月二十二日に開催した第一回三保松原の松林保全技術会議では、松林の保全について最新の知見による技術的意見を伺ったところであり、ことし十月を目途に提言をいただくことにしております。またこの技術会議と並行して、県と静岡市の関係課で構成する三保松原の松林保全推進検討会を設置したところであり、技術会議での意見を踏まえ具体的施策に反映することとしております。
県といたしましては、提言に基づく施策の速やかな実施に向けて、静岡市が実施する松枯れ被害対策や効果検証のための調査分析への技術的指導を行ってまいります。こうした取り組みにより三保松原の美しい景観を守り育て、世界文化遺産の構成資産としてその普遍的価値を次代に継承してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇)
○六番(佐地茂人君) 御答弁いただき、ありがとうございました。
意見を申し上げます。知事がお話をしていただきましたこと、全くもって共感するところもあります。静岡市の大きな課題として指定都市とはいえども、もう十年たつわけなんですが、まだまだ自立した都市として経営されていくことに対して今一歩、もう一踏ん張り頑張らなければいけないところがあろうかと。それが一つの課題だということは自分自身も認識しているところでございます。県都静岡でもあります静岡市が厳しくなってくれば、当然県都である中心がだめになってくるということで、静岡県にも影響が出てくるわけでありますので、ぜひともそうした牽引力の発揮に今後期待していくところでございます。
また、日本平山頂整備につきましては夢殿という夢のあるご提案をいただいております。こうした展望周辺の区域の整備について、三十二年とは言わず積極的に市と話し合いをしていただき先行して進めていくのも一案ではないかと思っておりますので、ぜひ御検討を願いたいと思います。
一点再質問させていただきます。
東静岡駅周辺の土地利用についてであります。先ほど御答弁をいただき、一体的に文化とスポーツ、芸術の殿堂にしていきたいというお話もいただきましたが、本年度有識者の構想委員会を開催するわけでありまして、この構想委員会の中で期待する内容、大学コンソーシアム以外の点ですね。まだまだこれから始めるものではあろうかと思いますが、期待している点がございましたらお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 再質問にお答えいたします。
有識者会議、まだ人選を始めているところでございますけれども二十名弱になると。その構成は日本を代表する有識者、ふじのくに、富士山を擁するこの国の玄関口としてふさわしいようなたたずまいを東静岡駅から日本平周辺、さらに日本平まで行きますと清水港以下見えますので、そこ全体に入る鉄道の入り口と玄関口というような位置づけで、目下のところは委員長に、まだ公表されていませんけれども高階秀爾先生に御快諾いただいております。
また、人数が多うございますので、できれば八月中には第一回の会議を開きまして全体構想を論じていただくということで、駅周辺のみならず、それがこの文化、スポーツ全体を集約するようなものになるにはどうしたらいいか。先ほどおっしゃった大学コンソーシアムも学生と学住一体の、そういう若い人たちが集うようなエリアになるといったようなことは従来の議論に入り込んだ上で、もう少し高いレベルで、玄関口にふさわしいような、そのようなことを議論していただくことになろうということでございます。以上でございます。ありがとうございました。
○副議長(伊藤育子君) 六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇)
○六番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
次に、人口減少社会における県内市町の行政体制について質問します。
増田元総務相らでつくる日本創成会議の人口減少問題検討分科会では、二〇四〇年までに全国自治体の半数に当たる八百九十六市区町村が消滅可能性都市に当たるとの推計を公表しました。まず消滅可能性都市になる前に市町ごと努力することが大切であります。そして本県の役割としては、県内市町の行政体制に注視し指導していくことができるのではないでしょうか。例えば広域行政の推進は最も有効な手法ではないかと思いますし、市町合併も一つの手段ではないかと感じております。また人口減少に対応するため、他県からの新住民のスカウトや他国からの移住希望者や外国人労働者のあっせんも一案であるかもしれません。
現在本県では人口減少を踏まえ、市町と県とで共通する行政課題の解決に向け行政経営研究会なるものを立ち上げたところでありますが、今後県内市町において人口減少に歯どめがかからず、税収減等によって現在の行政体制の維持が困難な団体が生じることが安易に想定されます。そのような事態に陥ってからではなく、まさに今から手を打つ必要があるのではないでしょうか。
そこで、今後の人口減少社会を見据えた市町の行政体制に対し県はどのように考えていきますかお伺いいたします。以上について答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 下山経営管理部長。
○経営管理部長(下山晃司君) 人口減少社会における県内市町の行政体制についてお答えいたします。
日本創成会議の提言では、このまま対策がとられない場合、静岡県内でも十一市町がいわゆる消滅可能性都市となるおそれがあり、人口減少社会への対応は早ければ早いほど効果があるとしております。人口減少、流出に歯どめをかけ地域の再生を図るためには、安心して子供を産み育てられる環境の整備や経済の活性化と雇用の創出、高等教育機能の充実、安全・安心な県土づくりなどの施策について市町と県が協力して進めていく責任があります。
このため国においては、人口減少社会への備えとして地方の行政体制における広域行政化を一層進めるため、自主的な市町村合併や機関の共同設置などに加え、ことし五月の地方自治法改正では連携協約制度や事務の代替執行制度を新たに整備しております。こうした法制度も踏まえ、県と三十五市町で設置した行政経営研究会では地方公共団体間の連携部会を設け、教育委員会や監査委員の共同設置や観光振興の広域連携など市町からの要望が多いテーマについて具体的な検討を行い、実現を目指しています。
こうした成果をスピード感を持って積み重ねていくことで、人口減少社会においても県民が将来に明るい展望を持つことができる持続可能な行政体制を構築してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇)
○六番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございます。
次に、浜岡原発の現状と今後の動きについて質問します。
本年二月に、中部電力から国の原子力規制委員会へ四号機の新規制基準への適合性確認審査の申請書が提出されました。一方、大飯原発の運転差しとめについて、地裁のリスクがゼロでなければノーという判決は衝撃的でありました。社会における全ての事案においてゼロリスクは無理な話でありますので、最終的にはどこで誰が判断するかということであります。
そこで、国の適合性確認審査の結果後、国はどのような流れで再稼働を判断していこうと考えているのかお伺いいたします。また本県の安全協定には事前了解の規定がないと伺っておりますが、県として再稼働への判断はどのような流れで行っていこうと考えていますかお伺いいたします。
原発の再稼働には周辺市町との連携が重要であると考えます。三十一キロ圏内の市町とはどのように連携していきますかお伺いいたします。また県内の市町全体の意見の集約についてはどのように考えますかお伺いいたします。以上について答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 岩田危機管理監。
○危機管理監(岩田孝仁君) 浜岡原発の現状と今後の動きについてお答えいたします。
原子力発電所の再稼働に関し、国はエネルギー基本計画において、原子力規制委員会により規制基準に適合すると認められた場合には原子力発電所の再稼働を進める。その際、国も前面に立ち、立地自治体等関係者の理解と協力を得るよう取り組むとの方針を示しております。
浜岡原子力発電所は唯一政府の要請により停止した原子力発電所でありますことから、この方針に加え再稼働の是非については別途政府として判断がなされるべきものと考えております。県といたしましては、国の審査とは別に静岡県防災・原子力学術会議を中心に専門的な観点から二重、三重のチェックを行い、安全性について判断できる環境が整った段階で県民の皆様または県議会の皆様方から御提案をいただき、県民投票により広く県民の皆様の御意見を伺うなど再稼働の是非について総合的に判断することとしております。
再稼働に関する市町との連携につきましては、三十一キロメートル圏に広がった原子力災害対策重点区域に新たに入った五市二町が中部電力との安全協定の締結に向けた検討を始めており、協定の内容について考え方が整えば、地元の意向を踏まえ県としても積極的に連携を図ってまいります。
なお、県民投票が実施される際には県内各市町の御協力が不可欠でありますので、御意見を確認することが必要になると考えております。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇)
○六番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございます。
次に、都道府県医療勤務環境改善支援センターについて質問します。
今国会で成立しました地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律により改正された医療法には、医療機関の勤務環境改善に関する条文が含まれております。この改正により、都道府県には医療従事者の勤務環境の改善を促進するための事務を実施するよう努めることが規定されるとともに、医療従事者の勤務環境の改善を促進するための拠点としての機能の確保に努めることが規定されております。医療現場で働く多くの医療従事者に今後とも継続して医療に従事していただき県民のための質の高い医療の提供に御貢献いただくためには、その勤務環境の改善が必要不可欠であり、改善促進のために拠点機能の充実が重要であります。
そこで、本県では他県よりも先行して支援センターの設置を行っていくべきであると考えます。本年度の予算には医療勤務環境改善支援センター事業費として約四百万円が計上されておりますが、その使い道はどのようなものでありますかお伺いいたします。
また、今後この医療勤務改善支援センターをどのように展開していきますか。その内容、場所、時期などセンター設置に向けての取り組みについてお伺いいたします。
病院という組織は社会全体の組織と比較すると閉鎖的なところがあろうかと推察します。看護職員の世界もいじめやセクハラ、パワハラがあるのではないかと感じております。このような外からはわからない病院内の状況がセンターによって改善されることを期待しております。
そこで、病院内の人づき合い等の改善策に第三者のセンターの果たす役割についてはどのように考えますか、お伺いいたします。以上について答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 宮城島健康福祉部長。
○健康福祉部長(宮城島好史君) 都道府県医療勤務環境改善支援センターについてお答えいたします。
県では、医療勤務環境改善支援センターを改正医療法の施行後に健康福祉部内に設置し運営していくため、関係する団体から成る設立準備会を設置し準備を進めていくこととしており、これに要する経費を本年度予算に計上したところであります。
当センターでは医療従事者の勤務環境改善を図り、離職の防止と医療安全の確保に取り組む医療機関に対して医業経営の専門家などを派遣し、改善計画策定などのさまざまな課題への指導・助言を行うこととしております。
また、看護職員等の医療従事者の職場の環境改善につきましては、労務管理面だけでなく健康への取り組みや働きやすさの確保のための環境整備など幅広い支援を行うなど、医療分野の雇用の質の向上に努めることとしております。
県といたしましては、医療勤務環境改善支援センターの活動を通じて医療従事者が健康で安心して働ける環境の整備が促進され、県民の皆様に質の高い医療を安定して提供できる仕組みを構築してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇)
○六番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございます。
次に、教育行政についてのうち全国学力・学習状況調査について質問します。
昨年の全国学力・学習状況調査の結果、小学生の国語Aが全国最下位になったことは皆さん御承知のことであります。昨年はこの結果を受け、秋田県へ視察研修に多くの先生が伺ったことをお聞きしております。秋田県のやり方は私も数回、五、六年前から調査に行きましたが、大きく三つの角度から確かな学力の定着を進めていると認識しております。
一つは、分析による個々の児童生徒の課題をしっかりと見きわめ指導していくことであります。二つ目は先生の質の向上、つまり授業力の向上であります。本県の先生方から、これからはコミュニケーションを主軸とした授業から児童生徒が自分の考えを書くことを重視する授業へ移行するとの話をお聞きしました。先生の意識改革と授業改善が重要であります。大切なことは全ての先生が研修に参加できるように学校全体で取り組み、確かに授業改善がされているかをPDCAサイクルで検証することであります。
そこでお伺いをいたします。本県では、秋田県の視察を参考にこのような授業の改善を行い、先生の質の向上をどのように行っていきますか、お答えください。
一方、授業力の向上に民間を活用する方法もあります。西伊豆町の教育委員会は通信教育のZ会と連携し小学校の授業力向上に取り組むとの報道を拝見しました。またどの子もできる、わかると具体的に変わっていく、すぐれた教授法を先生に身につけていただくという方法もあります。教師たちから寄せられた実践や論文をもとに、多くの教師により工夫を加えられた教授法による指導方法であります。このような教授法を身につけてもらう方策も一案であると考えますが、県の所見をお伺いいたします。
三つ目の、確かな学力を身につける方法は家庭学習の定着であります。いわゆる宿題や授業の復習、予習を家庭でしっかりとできる仕組みをつくることであります。保護者の協力と毎日の先生の確認作業が重要であります。秋田県では、先生が赤ペンで毎日児童の家庭学習ノートをチェックし丁寧に児童へ返信し、褒めて育てる赤ペン先生を行っていると思います。静岡市では、できるまで何回でもプリントテストを反復して行う定着度テストを行っており、定着度テストを活用した学校は、昨年知事が公表された平均以上の学校長名に記載されておりました。
このような確かな学力の定着のために、家庭学習での取り組みについて本県はどのように考えていますかお伺いをいたします。
次に、高校の施設整備についてであります。
平成十七年三月に策定されました高等学校第二次長期計画は、平成二十七年四月より新高校としてスタートする予定の浜松湖北高校が最後の整備であり、これをもって計画は終了することになります。
一方本県では、全ての公共施設によるファシリティマネジメントの取り組みを今年度から四年間で基盤を整備するとのことであります。私は、今年度現計画が終了するならば次期計画は今年度中にも策定し、次年度からは計画的に改築や改修を行っていくべきであると考えます。例えば私の母校である静岡東高校は、ことしで五十二年目を迎えました。昨年の経営管理部長の答弁では公共施設は六十年活用する旨の答弁がありましたが、すぐに建てかえの時期が来てしまうのであります。
そこで、建築後五十年以上経過している校舎がある高校は何校あるのかお伺いいたします。また現在は具体的な次期計画が存在しませんが一刻も早い計画策定が必要ではないでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、今後校舎改築の計画を策定する必要がありますが、どのように取り組みますか。また改築と改修のすみ分けが必要であると考えますが、どのように取り組みますかお答えください。以上について答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 教育行政についてのうち全国学力・学習状況調査についてお答えいたします。
教員の資質向上につきましては、今年度秋田県の取り組みを参考に早期対応策を実施し、各学校では課題を明らかにするとともに校内研修等で対応策を検討するなどの取り組みが行われております。また指導主事による学校訪問では、県教育委員会が示した授業改善の視点に沿った具体的な指導助言を行っております。
民間企業等との連携による授業力向上につきましては、議員から御紹介もございました西伊豆町教育委員会における取り組みのように、市町の実態を踏まえ民間教育事業者と連携しながら授業力向上の実践研究等に取り組んでいる例もございます。民間のノウハウの中にはすぐれたものもあり、県教育委員会としては必要に応じて民間企業と連携した取り組みを支援してまいります。
家庭学習の取り組みにつきましては昨年度、他県の状況を参考に、家庭学習の推進を図るため小学校五、六年、中学校二、三年の保護者にリーフレットを配付するなど子供の学力向上への取り組みを行ったところであります。また今年度は新たに小学校学習支援事業により学び方支援サポーターを配置し、放課後学習支援の中で子供たちに直接アドバイスをしております。
今後も、市町教育委員会と連携しながら調査結果を有効に活用するなど子供たちの学力向上のためのさまざまな取り組みを行ってまいります。
次に、高校の施設整備についてであります。
県立高校につきましては、平成十七年三月に策定をいたしました静岡県立高等学校第二次長期計画に基づき整備を計画的に進めてまいりましたが、議員から御紹介もございましたように、来年四月に予定しております浜松湖北高校の開校をもって県立高校の再編整備及びそれに伴う校舎の改築計画は完了いたします。
しかしながら、県立高校のうち建築後五十年以上経過した校舎を有する学校が県内に二十校あることから、今後は学校施設の老朽化への対応が急務であると考えております。学校施設の老朽化は本県のみならず全国的な課題でもあり、文部科学省はトータルコストを抑えながら建てかえと同等の教育環境を確保することが可能な長寿命化改修への転換を促しているところであります。
現在県教育委員会では、老朽化した校舎をモデルに建てかえをした場合と長寿命化した場合との手法やコストを比較するなどの調査を行っているところであり、予算の平準化や施設管理の適正化などの観点から検討を行い、校舎の老朽化を解消し、教育環境の向上を図るため早急に計画を策定してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 六番 佐地茂人君。
(六番 佐地茂人君登壇)
○六番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございました。
最後の質問です。脱法ドラッグへの対応について質問します。他の議員から質問がありましたので――鈴木議員から。私は、警察行政の立場から質問をさせていただきます。
まず、県内に店舗販売が六カ所存在するとのことでありますが、どこにあるのか。県内における脱法ドラッグの現状についてお伺いいたします。
次に、脱法ドラッグの店舗の存在が明らかになり、地域住民や健全育成の立場の人間や行政職員、そして県警が協力をして法律で規制する前にできることがあるのではないかと感じております。私の地域では、警察と行政職員と地域住民に加え防犯活動に積極的な事業者が連携し、防犯カメラの設置ができないかという話が進んでおります。
そこでお伺いをいたしますが、地域住民等による脱法ドラッグ販売店への立ち退きに向けた活動について県警はどのように考えていますかお答えください。また検挙することが重要な職務であることは承知しておりますが、現行の法律内で脱法ドラッグに対する県警の対応についてはどのように考えますかお答えください。以上で全ての質問を終了します。
○副議長(伊藤育子君) 島根警察本部長。
○警察本部長(島根 悟君) 脱法ドラッグへの対応についてお答えいたします。
県内において脱法ドラッグを販売する店舗は、本年五月末時点で沼津市内に二店舗、静岡市内に三店舗、浜松市内に一店舗の計六店舗を把握しております。
脱法ドラッグの現状については、合法ハーブあるいはお香などと称して店頭で公然と販売されておりますが、薬事法の規制の関係や鑑定上の問題からその取り締まりには困難な面がありますものの、脱法ドラッグの乱用による意識障害や幻覚により重大な交通事故や救急搬送事案等が発生しており、また若年層への蔓延も懸念されるなどその対策は急務であると認識いたしております。
次に、地域住民等による脱法ドラッグ販売店立ち退きに向けた活動についての考え方でありますが、この活動は地域住民の皆様の強い不安のあらわれでありますので、その活動をお支えすることのできるよう、県薬事課など関係機関、団体と連携し脱法ドラッグの根絶に向けて強力な対策を推進してまいりたいと考えております。
具体的には店舗周辺におけるパトロールの強化、県薬事課等と連携した店舗に合同立ち入りによる警告や指導の強化、脱法ドラッグの吸引に起因する事件や事故に対する徹底した取り締まりの推進、不動産会社等、貸し主に対して賃貸契約解除に向けた規約内容見直しの申し入れ。また有害性等についての広報啓発活動等々の諸対策を進めるとともに、県条例制定などの行政的な規制の方法についても県薬事課等と検討をしているところであります。以上であります。