令和5年12月定例会建設委員会
2024年7月9日
質問内容
質問者:佐地 茂人 議員
質問分類:一般質問
質問日:2023/12/14
会派名:自民改革会議
○佐地委員
分割質問方式でお願いします。
前回の委員会でも質問しましたが、第151号議案「静岡県砂防指定地管理条例の一部を改正する条例」の内容について伺います。
今回の改正概要については、建設委員会説明資料に記載のとおり完了時の届出後、現地検査を受けなければならない、違反に対する罰則や金額等が少し上がる、違反者を公表する等の内容でございます。
改めて確認しますが、今回の条例改正は熱海市の土石流災害、静岡市日向・杉尾地区の不適切盛土等が原因でもあろうかと思います。
1点目、静岡県砂防指定地管理条例を改正する目的、狙い等についてお伺いします。
2点目、改正予定の罰則規定として2年以下の懲役、または100万円以下の罰金とのことで金額がちょっと上がったんですが、これで抑止力があるのかどうか金額等の考え方について伺います。
3点目、パブリックコメントを実施したとありますが、どのような意見があってどのような御返答をされたのか教えてください。
○鍋田河川砂防管理課長
今回の改正についてですが、砂防指定地内に新たに不適切盛土を発生させないために、違反行為の抑止を目的に罰則の強化と公表規定の追加を行いました。また砂防指定地内における指導強化を目的に制限行為完了後の現地検査の実施と監督処分内容の拡充を図りました。
抑止の考え方ですけれども、確かに委員御指摘のとおり罰則が100万円と多少上がった程度ですが、地方自治法で認められている上限まで引き上げましたので、これ以上上げられないのが実情ですが、公表規定を併せることにより違法行為に対する抑止力は確保されると考えております。
パブリックコメントですけれども、1名の方から委員御指摘どおり罰金100万円では抑止にはならないのではないか、条例に代執行の規定を置くべきという御意見がありました。罰則の引上げは今申したとおり公表規定も併せて違法行為の抑止力にはなり得ると考えております。また行政代執行は行政代執行法に基づいて行うものであるため、改めて条例に規定を設ける必要はないと考えております。これらの県の考え方を示した上で、提出された御意見を条例の公布に合わせて県のホームページで公表する予定であります。
○佐地委員
ありがとうございました。
意見、要望でありますが、この条例改正はリニア工事等の盛土や砂防指定等に悪い影響がないことを信じていますのでよろしくお願いします。
続きまして、前回の委員会でも確認しましたが、杉尾・日向地区における不適切盛土の概要について伺います。
11月30日に行政代執行に着手したとあります。土砂を撤去するための準備工を開始し、1月下旬から本格的な土砂の搬出作業に入るとあるので、住民の方々に対する内容として何点かお伺いします。
まず1点目、これまでの近隣住民への対応状況を伺います。
2点目、近隣住民からどのような意見、要望がありどのように対応しているのか。
3点目、杉尾地区の約5万立米の不適切盛土の撤去工事を今後どのように進めていくのか改めてお答えください。
○鍋田河川砂防管理課長
これまでの住民への対応状況ですが、9月21日に盛土行為者に対し戒告書を出しその期限を10月中旬としました。相手の履行がない確認をした前後の10月中旬に日向地区の自治会役員、また杉尾地区を含む清沢地区の連合自治会役員に説明会を行いました。
杉尾地区では、戒告書を通知したが履行がないため県が行政代執行を実施すること、日向地区についても同様の手続を行う予定であることや代執行法に基づく対策工事の概要について説明を行いました。
説明会の出席者からは、土砂の搬出先や搬出方法に関しダンプトラックの台数や運行時間を事前に調整してほしいとの要望や撤去工事中の生活への影響を心配するといった意見がございましたので、具体的な運行計画や対策工事が決まりましたら改めて説明を行う旨を伝えております。杉尾地区については、本格的な土砂搬入が始まる来年1月下旬までに再度説明を開催し、住民の理解を得た上で工事を進める予定です。
○杉本参事兼砂防課長
今後の撤去工事の進め方についてお答えします。
杉尾地区の盛土は東西に細長く分布しており、ダンプトラックの入口が1か所しかなく、施工ヤードの都合上、東側と西側の工事を同時に進めることが難しいため奥側に位置する東側の工事を先行し、東側の工事完了後切れ目なく西側の工事に入る予定です。
令和7年12月までに工事完了を目標としておりますが、工程管理に注視し工事を計画的かつ円滑に進め1日も早く工事が完了するよう取り組んでまいります。
○佐地委員
意見、要望ですが、近隣住民への対応の御説明がありましたが、ダンプトラックの入口周辺を利用されている方々もいらっしゃるので、工事期間中だけでなく御配慮頂くように市行政と連携していただきたいと思います。
これも以前、杉尾・日向地区の不適切盛土の土の内容等でボーリング調査の質問をしましたが、搬入された盛土の土砂は県工事から出たものであったのかなかったのか改めて伺います。
確認すべきだと思いますけれども、県工事の土砂の搬入の有無がありましたら教えてください。
○柳原技術調査課長
杉尾・日向地区の不適切盛土につきましては、社会的な影響も大きく県議会からの指摘もあったことから、保存されている平成29年度以降の工事の完成図書等を対象に県工事からの土砂の搬入の有無について調査を行いました。
建設発生土が運び込まれるルートとしては、主に2つ考えられます。1つは直接工事現場から運び込まれるルート、もう1つは工事現場から中間処理施設を経由して間接的に運び込まれるルートです。直接工事現場から運び込まれるルートにつきましては、完成図書等を確認したところ運び込まれた事実はございませんでした。中間処理施設を経由して間接的に運び込まれるルートにつきましては、県工事からの発生土を受け入れた運営事業者全てに確認しましたが、運び込まれた事実はありませんでした。
○佐地委員
全て調査してそのような御返答であれば信用するしかないと思っていますが、よかったなと心底思っております。
意見、要望ですが、今議会でも質問がありました盛土条例の見直し等が今後行われる中で、御承知のとおり盛土条例は入口を厳しくする内容で、大事なところは国が法制化した中間置場、許可制による仮置きの指定、工事中や工事完了後等の立入調査によるしっかりとした確認調査が一番効くと思います。当然人手もかかり大変ですが、とにかく二度と熱海市で発生した土石流のような災害があってはいけないわけで、杉尾・日向地区の行政代執行も税金を使ってやるべきではないんですよ。法改正に口を出すことはできませんけれど、今後盛土条例の見直しと併せて私は交通基盤部で盛土対策をすべきだと思っています。専門家の方々が実施し、今話をした中間置場の管理やどのようなものが入っているかの管理体制等をこれからしっかり整えて、今後県内の建設発生土全体を把握できるようになってもらいたいと期待してますのでよろしくお願いします。
それでは次の質問ですが、草薙総合運動場について3点質問させていただきます。
1点目、草薙総合運動場は今までもちょこちょこ手を入れているのですけれど老朽化が激しくなってきております。現状の施設状況と全体の整備計画として今後どのように施設整備をされていくか教えてください。
2点目、株式会社東京ドームが現在指定管理を行っていますが自主事業の内容もあると思います。どのように運営されているか管理状況を教えてください。
3点目、野球のファームリーグの承認を受けたハヤテ223についてであります、建設委員会でもエスコンフィールド北海道を視察しましたが、報道等でハヤテ223が草薙球場を利用するにあたり県に挨拶に来ていると伺っております。どの程度使われるのか分かればありがたいですが、県として野球チームから求めらることがあると思うんですね。例えば雨天時の屋内施設の利用やキャンセル料など、草薙球場の施設利用料が非常に高額ではないかということをできるだけ是正しながら静岡県全体で支えるプロ野球チームという認識で応援していただきたいと思いますが、県としてお手伝いできる内容や相談等があったら教えてください。
○伊東公園緑地課長
まず、草薙総合運動場の老朽化の状況についてお答えいたします。
硬式野球場は、昭和48年に建設され施設全体の耐震性不足のほかグラウンドの広さが硬式野球規則を満たさないことから、平成23年から平成25年にかけ内野スタンドの耐震補強や外野スタンドの拡張などの大規模改修を実施しました。
体育館につきましても、昭和41年に建設され施設全体の耐震性不足や老朽化に伴う雨漏りなど多くの課題が指摘されたため、平成27年にこのはなアリーナとして建て替えをしております。
ほかの施設につきましても利用者の安全・安心、快適な利用環境を維持すべく、令和5年から令和14年までの公園施設長寿命化計画に基づき必要な修繕を計画的に取り組んでおります。
続きまして管理状況ですが、株式会社東京ドームが指定管理者として平成28年から7、8年管理を行っております。指定管理者との連絡体制としては、指定管理協定に基づき指定管理者が策定した年間事業計画に対する毎月の運営状況を報告してもらっております。利用者はコロナ禍で若干落ち込みましたが、現在コロナ前の年間100万人ぐらいの利用を確保しております。
最後のハヤテ223への対応状況ですが、確かに雨天時に屋内運動場を使うお話をしております。また予約がキャンセルになった場合は減免する形をとっております。
○佐地委員
ありがとうございます。
指定管理の話として、維持経費がかなり大きな施設なので燃料高騰で厳しい状況であると思います。契約途中にそうした維持経費の増加が起こってしまった是正策について教えてもらいたいのが1点。
また、意見、要望を申し上げますが、御答弁がありましたとおり、野球場と体育館以外の施設については35年から50年近くたつので、老朽化対策として早急に整備や見直し等を考えて他分野のスポーツでも有効活用できる形を御検討願いたい。ハヤテ223については、とにかくできる限りサポートしてしっかりと連携していただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
○伊東公園緑地課長
燃料費高騰による電気、ガス料金の増加につきましては、県全体の施設と同じですけれども、資産経営課や財政課等と協議して補塡していく計画です。
○佐地委員
ありがとうございました。
最後に大きなテーマである法人事業税の超過課税の利用についてです。
今議会において他の委員会で審議していますが、超過課税の継続が提案されています。我が会派の代表質問でも出ましたが、地震・津波対策や地域高規格道路等で活用しています。特に2番委員の地元の浜松市天竜区はまだまだ緊急輸送路等の県道幹線道路が必要だと思うのですけれども、要するに超過課税を払っている政令市の静岡市、浜松市に対しても活用してほしいため、もっと使い勝手がよくなったらいいなと思っています。
ここで質問です。まず超過課税は目的税として活用することを事業者に御理解頂く税収になりますが、県が活用しているものとして今年度の全体金額はどの程度あるのか。それからどのような事業に活用しているか教えてください。
○新井経理課長
法人事業税の超過課税の使途についてお答えいたします。
想定される南海トラフ巨大地震から県民の生命財産を守るために、県と政令市が連携協力の上、地震・津波対策の促進を図る目的で平成26年度に地震・津波対策促進費交付金制度が創設されました。
まず事業内容からお答えしますが、道路につきましては、橋梁の耐震対策、緊急輸送路の整備、高規格幹線道路の整備を対象としております。また河川につきましては政令市に管理委譲した河川の津波対策に関する事業、そして漁港については政令市管理漁港の津波対策事業が対象となっております。
これらの事業を行いました静岡市と浜松市に対して、毎年超過課税の一部を交付金として支出していますが、令和5年度の実績がまだ出ておりませんので令和4年度の実績についてお答えさせていただきます。まず静岡市に対する交付額が14億4300万円、そして浜松市に対しては5億8400万円と合わせて20億2700万円を支出したところであります。
○佐地委員
もう一度改めて聞きますが、全体として令和4年度は幾らあるんですか。静岡市の14億円と浜松市の5億円は少ないですよね。全体は確か80億円以上あると思いますが、まずそれを確認させてください。浜松市、静岡市の事業所はかなりあるので比率的にどう思うかも教えてください。
○阿部委員長
3番委員は、全体の総額と交通基盤部が使った額を整理したいんだよね。
○佐地委員
多分交通基盤部だけしか使ってないので、全額は分かると思います。
○新井経理課長
まず、県全体の法人税の超過課税は令和4年度実績で93億円です。このうち静岡市と浜松市に対しては、先ほど申したように20億2700万円を交付し残りを県で使いました。
○阿部委員長
それについてどう思うのかという所感を求められてますが、それは新井経理課長でいいのかな。ほかの答弁者ですか、新井経理課長でいけますか。
○新井経理課長
県と静岡市、浜松市への割り振りですが、全体の超過法人税の税収93億円を分母として、県とそれぞれ政令市の対象事業費の各負担額の合計額を分子にして積算したものであります。県の額が大きいのは地震・津波対策アクションプログラムなど様々な事業を行っていますので、静岡市や浜松市よりもかなりの額を投じた結果と認識しております。
○佐地委員
今までの経緯もありますが、政令市で使う金額がだんだん下がってきています。皆さんが出された箇所を飛ばしたり、駄目だと話をしているとは思っていませんが、浜松市も静岡市も金額が上がっていないのは、使い勝手等に関して考えるところがあると感じました。皆さんが配分する権限はないかもしれませんが、そうしたことも含めてぜひ静岡市と浜松市と活用等について意見交換しながら、超過課税の活用が事業者にとって分かりやすい形でできるよう使い方を改めて考えてほしいと思います。よろしくお願いします。
○阿部委員長
ここでしばらく休憩します。
( 休 憩 )
○阿部委員長
休憩前に引き続いて、委員会を再開します。
質疑を継続します。
発言願います。