令和6年6月定例会文教警察委員会
2024年11月7日
質問内容
質問者:佐地 茂人 議員
質問分類:一般質問
質問日:2024/07/01
会派名:自民改革会議
○佐地委員
それでは、分割質問方式でお願いします。
まず、第97号議案「静岡県金属くず営業条例の一部を改正する条例」についてであります。
国の法施行規則が改正されることにより、本県では条例から公安委員会規則へと移して改正することになるとの説明がありました。
公安委員会規則で対応することの効果等について教えてください。
また、本県条例の改正内容に関係する業者は県内にどのくらい存在するのでしょうか。
さらに、今後どのような啓発活動により説明し、身分証の提示を求めていくのかを教えてください。
○松本生活安全企画課長
まず、公安委員会規則で対応する効果についてお答えいたします。
今後、取引の相手方を確認する資料に変更があった場合、公安委員会規則を改正するのみで足り事務手続の迅速化が図られることから、県民の利便性の向上効果が見込まれます。
続きまして、関係する業者がどのくらい存在するかについてお答えいたします。
県内における金属くず商は、令和6年5月末現在2,095営業所で前年同期比47営業所増加しております。金属くず商の営業許可件数については令和6年1月から5月末までの間に35件あり、前年同期比で10件増加しております。
最後に、どのように啓発活動を行っていくかについてお答えいたします。
まず、今回の改正内容は本条例において取引の相手方を確認する資料にいわゆるマイナンバーカードを追加するものであります。改正点である確認方法の周知につきましては静岡県公報、静岡県警察ホームページ、静岡県警察防犯アプリどこでもポリスでの情報提供や県下警察署でのチラシ掲示などによって行ってまいります。
○佐地委員
ありがとうございました。よく分かりました。
公安委員会規則で対応する効果も御説明を頂きました。これを機にできるだけ機動性が高まることを期待しております。
次の質問に入ります。
先ほど6番委員から議案第93号について、大規模災害等における手当に関係した質問があったのですが、私からは年初に発生した能登半島地震について質問させていただきます。
今回の能登半島地震では、現地支援として警察署員の方々、警察官も多くの人員を応援で配置したと考えられますが、ゴールデンウイーク後ぐらいからは各官庁の方々が撤収作業をされてきているのではないかと推察しています。
現地支援で現場に行かれてきた方々の経験を今後生かしながら本県の大災害時の対応に結びつけていただきたいと考えており、こうした経験を生かした検証作業、いわゆる報告会等が必要だと考えております。派遣された方々はどのようなことが今後必要であると話をされているか、また報告会が開催されたのかどうか、内容について教えてください。
○竹下緊急事態対策課長
被災地に派遣した職員からの今後必要とされる事項の聴取ですけれども、部隊が帰県するごとに本部長及び公安委員会に報告を行っております。あわせてその報告につきましては災害対策を根底から見直すために設置された警察本部各部門から成り立つ緊急検討チームの場で情報共有し、必要な検証を行っているところです。
内容につきましては大きく2つあり、1つ目は道路網の寸断により車両での迅速な部隊派遣ができなかったことです。これを受けてヘリコプターで被災地入りしたため、現場での移動手段がなく、また重機や大型の災害装備資機材が持ち込めず人力での捜索、救出活動となったことです。
2つ目は、通信インフラが断絶したことにより情報収集や関係機関との連絡調整が難航したことであり、挙がった課題に対する対策を取る必要があると認識しております。
報告会等については、報告会との名称は使っておりませんけれども、ただいま申し上げましたとおり帰県した部隊から組織的に経験談や課題を吸い上げて情報共有をしているところです。
○佐地委員
私たちも半島地震で道路が寸断されたその当日に伺ったりして、なかなか派遣隊が入れない中でヘリコプターが非常に重要とのお話がありました。また大型の資機材を今後どう搬入、設置するかなど、いわゆる分断されて孤立してしまった箇所への対応は持っていかなくてもそこにある、もしくは燃料等もそこに設置する形が求められていくと感じております。
お話していただきました2つの内容は、警察行政でプラスアルファで集約していただきながら、できることをしっかりと改良していただき、またその改良した報告を我々にも頂きたいと思います。報告会を幅広く行っていただきながら大規模災害について警察官の意識共有をしっかり行っていただき、これからもそういう機会があったらぜひ広めていただきたいと思います。今聞いた限りでは取りまとめをして改良がまだまだ必要と感じたため、今後に期待していますのでよろしくお願いします。
次の質問は、児童相談所についてです。
一昨年より児童相談所へ警察官が派遣されていますが、どのような効果が出ているのか。
また、児童相談所関連のDV等の検挙数がそれによって上がっているのかなど状況を教えてください。
○竹田人身安全少年課長
初めに、警察官の派遣効果についてお答えいたします。
各児童相談所に警察官が配置されたことで、警察署と児童相談所との連絡が円滑となり、情報共有や相互の理解が進んでおります。特に児童相談所が警察に対して行う緊急連絡等に警察官が積極的に関与することで被害児童の早期安全確保に結びつくなどの効果が出ております。また本年5月に実施した児童相談所の職員約100名に対するアンケートでは、92%の職員が警察官の派遣が児童相談所の業務に効果があると回答していることからも相互連携と理解が着実に進んでいるものと認識しております。
続きまして、県警における児童虐待事案の検挙件数は警察官派遣前の令和2年から令和3年までの2年間で199件ありました。派遣後の令和4年から令和5年までの2年間では204件で5件の微増となっております。
○佐地委員
92%の職員が効果があると回答したのはいいですね。今後も連携していただきたいし、必要があれば児童相談所にプラスアルファで警察官の方々と福祉分野の行政職員とで連携していただきたいと思います。
また、検挙数が伸びていない状態は問題ではないと思っていて、民事になかなか介入できないところを児童相談所の方々のお手伝いで警察官がいるだけで安心するというのが一番大きなところだと思います。お父さんがお子さんをこづいてしまうような家庭内のDVが公になって逮捕されることが実際に今でも存在するわけです。先ほどの7番委員の話ではないですけれども、まずはお父さん駄目だよと一旦説明をしながら、それでも家庭内が悪い状態であれば児童相談所による御指導の上で警察と連携していく流れになっていくといいと思っていますので、今後もぜひまたよろしくお願いします。
次は、毎回聞いている話ですが警察署と交番の建て替えについてです。
今後の警察署の建て替え計画で下田警察署、御殿場警察署、それから我が地元の静岡中央警察署、静岡南警察署についてなかなか見えてこないところもありますで教えてほしいのが1点目です。
それから、私の地元の静岡南警察署の管内ではひどく老朽化した交番が残っています。交番の建て替えを年間どの程度行っているのかについて教えてください。
○戸塚警務課長
警察署の今後の建て替え計画についてお答えいたします。
現在、令和9年度中の下田警察署の開署を目指して作業を進めているところです。その後は築年数等を原則としつつ、災害対策の要急性等個別事情を加味した上で建て替え計画の研究を進めている段階です。そうした研究を進める中で用地取得の条件次第では建て替え順を柔軟に前後させる可能性も視野に入れ検討しています。
○酒井地域課長
続きまして、年間の交番建て替え棟数についてお答えいたします。
交番の建て替えにつきましては、全体棟数と老朽化状況を勘案し、ここ数年は年6棟程度で順次建て替えを行っております。本年度は静岡南警察署新川交番など6施設の建て替えを予定しております。
○佐地委員
築年数、個別の状況、土地や財政的な問題などスムーズに御指導を頂いているのは分かっているので、検討されている具体的な様子がここ1年で出てくるように期待しています。よろしくお願いします。
交番は6棟とのことでありがとうございます。静岡南警察署の管内で喫緊の課題としてまだ残っているのが池田と稲川、それ以外もあるのですけれども設計や建設の点でぜひ1年間で確定できるよう、現場で頑張っている人たちのための環境を整えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
最後の質問ですが、スマートフォンを活用した歩行者支援装置――高度化PICSについてです。
視覚障害の方の横断支援を行うため、ブルートゥースにより信号機からスマートフォンに歩行者用信号の表示色情報を送信して、それを見て渡るという目が見えない方々に対して非常に優しい歩行者支援装置となっています。
このシステムの県内での活用状況、箇所数、その効果また今後どのように展開されるのかについて予定がありましたら教えてください。
○鈴木交通規制課長
高度化PICSの県内での活用状況についてお答えします。
県内での高度化PICSの整備箇所は、令和5年度末までにJR静岡駅、三島駅、浜松駅、沼津駅周辺等の45か所で整備しております。
次に、整備箇所における事故発生状況でありますが、効果検証ができる令和4年度までに設置した箇所での視覚障害者の歩行者事故はございませんでした。また視覚障害者団体からは音声案内も分かりやすく安心して外出できる、音響が鳴らない早朝の時間に散歩するので助かる旨の御意見も頂いております。
最後に、今後の整備予定につきましては視覚特別支援学校を利用する児童等の安全確保のため、令和6年度中に沼津駅周辺において2か所の交差点で高度化PICSを整備する計画です。
○佐地委員
分割質問方式で質問します。
学校運営の将来と先生に求める理想像について、ちょっと大きな話かもしれませんし市町、小中学校の義務教育的な部分も含まれておりますが、できる範囲で御答弁をお願いしたいです。
ここ最近、勉強は塾で、部活動は地域クラブで、地域との連携等についてはコーディネーターの配置であったりコミュニティスクール等でという形で、先生方が忙しいというお話もありまして学校と地域、保護者、児童生徒との関係性が希薄化してきていると個人的には感じております。保護者としても学校や先生たちを応援していきたい気持ちは持っているわけですが、一方でこれからどうなるか心配しております。
そこでお伺いいたしますが、学校運営については勉強、部活、地域との距離が離れていると感じますが、どのように保護者、児童生徒、地域の期待に応えていくのか。また先生については勉強、いわゆる授業力、部活等で期待されないとなれば先生自体の存在意義にも関わってくると思いますが、先生の役割をどこに見いだしていくのか。
先生という人材ですので、人間力を高めていくとか、児童生徒の好奇心、勉強に関する取組に興味を持たせていくといった形で将来の夢や希望を指し示していける人材を私は期待していますが、どのような形でこれをやっていくのか改めてお伺いしたいと思います。
○中山人権・教員育成室長
まず学校運営についてですが、これからの学校は社会と連携協働した教育活動を充実させることが求められております。現在各学校は開かれた教育課程の下、学習面でも部活動においても保護者や地域の方など様々な人に支えられております。しかしそうした中でも教員の果たす役割は非常に大きいと考えております。
学校の授業では、子供たちが主体的に学びたくなる学習課題を設定し他者と協働しながら課題を解決する授業を構想したり、修得した知識や技能を実生活や新たな課題に応用して使う場を設定したりと工夫しているところです。
また、学校の教育活動全体を通して人との関わりの中で豊かな人間性を育むこと、子供たち自らが学びに向かう力を育成することも重視しております。変化の激しい社会において、子供たちが困難を乗り越え未来に向けて進む希望や力を育成すること、子供たちの伴走者として夢の実現へと導くことが教員の役割だと考えております。
こうした役割を果たしていくことで、子供、保護者、地域の皆様の期待に応えていきたいと考えています。
○佐地委員
ありがとうございます。
改めてお伺いしますが、先生が地域や保護者からだんだん離れて距離ができているように個人的に感じているんですが、先生の存在意義に対する危機感についてはどうお考えですか。危機感を持っていらっしゃるのかどうかですが。
○中山人権・教員育成室長
個人的な意見ですが、危機感はある程度感じております。しかし一方で文部科学省は教職に必要な素養として教員自身の豊かな人間性、社会性、教育者としての使命感や責任感、教育的愛情、倫理観、人権意識等を挙げております。こうしたことを基に教員は授業力や生徒指導力等を積み上げていく努力をしております。
教員たちと過ごす中で憧れの教員を見つける子供も多いことが挙げられます。教員自身が魅力的な人間であることが子供にとっての学びの環境を整えていく上でも重要であると考えております。
○佐地委員
またこれからお話をしていきたいとは思うんですけれども、これから子供も減ってくるし、教育委員会、義務教育、学校の在り方がどこかで大きく議論されるときが来るんじゃないかなと思っています。
そうなる前から、本県は市町と連携しながら小学校、中学校、高校、私学も含めて大きな形で分かりやすく提示していただきたい。
子供を持つ保護者からすると先生方に頼るというのは最後のとりでなんです。勉強もそうだし家の中でうまくいかないことなどの相談もそうです。人間力と授業力についてはいい事例があると思うので、それをもっと広めてほしいと思います。
次の質問ですが、教員採用試験の応募者がだんだん減ってきて、またすぐに辞めちゃう新人の先生がいることも課題になっています。そうした背景の中で改めて伺いたいのですが、国は給料の上乗せ分を月給の10%に引き上げると言っておりそれはそれで大賛成ですが、私は残業時間を減らしていただきたいと思っていますし、もう1つは子供たちと同じ形で夏休みとして一括したお休みを頂いて自身の人間形成をしてもいいんじゃないかと思っています。
まず現在の先生の残業時間はどのようになっているのか教えてください。
○大澤教育DX推進課長
残念ながら県内における全ての教職員の残業時間そのものの把握はできておりません。代わりに時間外在校等時間――割り振られた勤務時間外に勤務に従事している時間――が月当たり45時間を超える教職員の割合を把握しておりますが、昨年度の実績で例えば小学校であれば28%、中学校であれば45.4%となっております。ただこの数字は前年度と比較して減少している傾向にございます。
○佐地委員
先生方は忙しいしやることがたくさんあるとよく伺っています。我々もいろいろな人材をサポートしスタッフ等も提示しながら御支援しているつもりでいます。時間内に終わればそれはそれで能力の高い方とか整理整頓が得意な先生方だと思うので、ぜひそういう方々を見習う形でうまく残業時間がもっと減っていくといいなと思ってます。
次の質問ですが、先生たちの残業をなくして17時――例えば県庁、市役所だと17時15分ですけれども――に下校するルールをつくり、部活動に参加しないで一度学校から帰り地元のボランティアで地域貢献をする形も1つの方向としてはありかと思っています。
例えば、消防団や部活動に代わる地域クラブチームのコーチなどで貢献していただきたいと思うんですが、教師や教育委員会で消防団へ参加している人はどれぐらいいらっしゃいますか。また地域活動参加について教育委員会より教師の皆さんに通達とかメッセージを送っているか伺います。
○中村高校教育課長
教員個々がプライベートでどのような地域活動に参加しているかにつきましては、プライベートな事項でもあり教育委員会として調査等を行っていないため把握しておりません。そのため消防団への加入状況についても分かっておりません。
また、地域活動は自発的に参加するものであることから、教育委員会から特別に先生方に対して通知やメッセージを送っていることもございません。ただ自治会活動や地域のお祭りなどにも積極的に参加している教員がいて、多様な人々と交流することで自分の幅を広げている、人間力を磨いていると聞いていることは確かですので、地域活動に参加している教員が一定数いるとは考えております。
○佐地委員
お祭りは基本的に我々の地域では当番長になったり町内会の班長や組長になると必然的に参加することになると理解しています。なので自らが率先して社会の他の人たちの中に入っていきながら人間形成というか自己向上をしていくこともいいことかなと思ってます。
分かる範囲で結構ですが、もしできたら消防団に参加されている方がどの程度いらっしゃるのか、あれば後日資料等の提出をお願いしたいです。あればです。アンケート調査でもいいので。
それでは次の質問に入ります。
現在、夏休みについてはお盆が完全休暇になりました。先生方には先ほど申し上げたとおり長期休暇を取っていただき自己研さんに努めることも1つではないかと思います。
そこでお伺いいたしますが、現在夏休みや例えば春休みや冬休みなど学校の長期休みのとき、児童生徒がいない中で先生は何をやっていらっしゃるのか教えてください。また夏休みなどに長期休暇を取ってはどうかと私は考えますが、それについてはどのようにお考えですか。
○大澤高校教育課指導監
私は高校の校長の経験がありまして、その経験を踏まえて御説明させていただきます。
まず、静岡県の県立学校につきましてはお盆の時期は休暇促進日に設定されていて、できる限りそこで休暇を取りましょうとなっています。教員はふだん生徒が学校に登校している期間は授業のやりくりをしなくてはならないため、休暇を取得しにくい状況です。一方で夏休みなどの生徒が登校しない長期休業期間につきましては、教員は勤務日ではありますけれども生徒がおらず授業もないため比較的休暇を取得しやすい状況です。私が校長のときには職員会議などにおいて、ぜひその期間に積極的に休暇を取ってくださいと伝えてまいりました。
生徒のいない夏休み期間は、教員にとっては2学期や3学期の授業の準備、いわゆる教材研究を進める絶好の機会でもあります。そして部活動などの指導にも集中して取り組める期間でもあります。私の3年間の校長経験を通しまして、長期休業中には各教員が各自の業務のバランスを考えながら積極的に休暇を取得していた印象です。
○佐地委員
今は新人研修で非常に苦労されたり、教科担任制を取るなど工夫されたりもしていますが、いい人材を本県もしくは各市町に採用したいのなら、夢というか自分の時間を上手に工夫して組み立てられるのは1つの売りになると思うんです。夏休みの長期休暇や17時15分、30分には学校を出られますよみたいな内容でやり取りして募集をかけてもいいのではないかと感じておりますので、またぜひ考えていただければと思います。
次に、授業についてお伺いします。
児童生徒、教師にとって学力の習熟度によって授業ごとにクラス分けをしたほうが効率であったり学力の向上、理解、また受皿的な意味合いでもいいと以前から私は思っておりました。その効果などをモデル的に実際に行って確かめてはどうかと思っておりますが、教育委員会の考えを伺います。
○池上義務教育課指導監
習熟度別学習のメリットとしては、一斉授業よりきめ細やかな指導ができる、十分に個別に対応できる、そしてそれぞれのレベルに合わせた学習メニューに子供たちが興味、意欲を持って進められることが挙げられます。
現在、指導方法の工夫改善の取組として、各学校において児童生徒の実情に応じてこの習熟度別学習は実施されております。特に算数科など習熟度が分かりやすい教科で実施されていることが多いと理解しております。
子供たちがどのように学習を進めていくのがよいのか自分で選択し取り組んでおります。今後も指導方法工夫改善の取組の1つとして、チームティーチング等も併せながら進めてまいります。
○佐地委員
私の周りの学校では実施されている認識がなかったものですから申し訳なかったのですが、チームティーチングと併せて進めていくのはすごく大事だと思いますし、特にコロナの時期に小学校を卒業して中学生になって、中学を卒業したときにちょうどコロナが終わった今の高校2年生の学年は非常にかわいそうだったなといまだに思っています。
例えば小学校の授業もままならない状態で中学校に入って入り口から授業が分からなくて、例えば授業を学びたいけれども分からないからみんなに迷惑をかけないようにただ黙って分からないことを聞き流している状態はかなりあったんじゃないかと思っています。1人も取り残すことがないように行っていくと皆さんも言っていますが、それを実現していく意味合いでも習熟度別授業を行う、もしくはクラス分けをしてまたそれを半分にしてチームティーチングの先生を割り当てる形もいいのかなと思いますので、ぜひ成果等もしっかり提示できる形で施策展開をしていただきたいと思いますし、各市町にもそうした御提案をしていただきたいと思いました。
最後に、小中学校のタブレット活用と小学生の英語についてでありますが、私も最後の子供が今小学6年生です。先ほど言った高校2年生の生徒ぐらいの年代とは全く授業の内容も変わってきていて、中学1年生の娘もいますが小学6年生の子も家の中で英語でアンダースタンドとかリアリーなど冗談で受け答えをしながらしゃべれる状態にまでやり取りしており、英語教育については高く評価しております。
また、タブレットの活用についても家庭内でパソコンを打ちながら問題に答える形でやっていますが、タイピングもびっくりするぐらい速いです。そういう形は非常にいいと高く評価しておりますが、こうした授業などについて今後はどのように活用を進めていこうと考えているのか、展開等がありましたら教えてください。
○池上義務教育課指導監
初めに、タブレット活用についてお答えいたします。
小中学校では、授業だけではなくあらゆる教育活動の中で1人1台端末を活用しております。あわせて家庭に持ち帰り家庭学習や調べ学習にも活用している状況です。
令和5年度全国学力学習状況調査の質問肢の中で、パソコンやタブレットなどICT機器を1週間に1回以上の割合で活用したかという質問について90%以上の児童生徒が使っていると回答しており、全国比でも4ポイントほど上になっております。あわせて学習の中でパソコン、タブレットなどのICT化機器を使うのは勉強の役に立つと思いますかという問いに対して、肯定的な回答は小学校で95.9%、中学校でも94.6%となっております。
以上のことから、タブレット端末を十分に活用している実態とともに子供自身がその有用性を実感しており、ICTを活用した学習活動がさらに推進されていくことが大事だと思っております。
今後は、各教育事務所が行っている学校訪問等を通じて授業等で効果的に活用している好事例を収集し、研究発表会等でそれらを発信していきたいと考えております。
2点目の英語教育についてです。
令和2年度から全面実施となった学習指導要領において、小学校3、4年生では外国語活動が週1時間、5、6年生では教科として外国語が週2時間実施されており、各学校では資格認定を受けた教職員やALTがチームティーチングなどで授業を工夫したり、子供の実態に合わせた授業展開をする取組をしております。
また、中学校においても全国学力学習状況調査において全国7位であり学力としても定着している様子がうかがえます。これは先ほど申し上げた小学校からの学びの積み上げの成果であると考えております。
今後は、より一層質の高い授業を展開していくために教師の授業力の向上が求められてきます。このため校内研修や外国語教育推進教師の育成が求められておりますので、小学校においてそのような授業が確実にできる推進体制をつくっていくとともに、研修を通じて教師やALTの資質向上に努めていきたいと考えております。