令和2年2月静岡県議会定例会

2020年3月4日

質問内容

質問者: 佐地 茂人 議員
質問分類 一般質問
質問日: 2020/03/04
会派名: 自民改革会議

○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を開きます。
議事日程により、知事提出議案第一号から第五十号まで、第五十二号から第六十六号まで及び第六十八号から第七十四号までを一括して議題とします。
質疑及び一般質問を行います。
通告により、四十八番 佐地茂人君。
(四十八番 佐地茂人君登壇 拍手)
○四十八番(佐地茂人君) おはようございます。それでは通告に従いまして、自民改革会議の一員として知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長並びに警察本部長に対し質問をいたします。今回は八項目の質問を分割方式で行います。
初めに、日本平山頂部の魅力維持についてであります。
日本平夢テラスは、オープン後の一年間で年間目標の三十万人を大きく超える百十八万人が来館しましたが開業二年目以降は来館者が減少する傾向があり、にぎわいを維持していくことが今後の課題であります。そのためには来場者の意見に耳を傾けリピート客を獲得する対応や知恵と新たな取り組みが重要であり、幾つかの提案をさせていただきます。
まず、駐車場から日本平夢テラスまでの急な坂道への対策であります。
本県は、今年度電動カートの運行実験を行っており、高齢者や足腰の弱い方も安心して訪問するためには必要な手段であると考えます。
早期の導入について、どのようにお考えでありますか。
また、約千二百平米の庭園についてでありますが、日本平夢テラスの売りである眺望が天候によりすぐれない日もあることから、例えば山梨県の山中湖花の都公園や富士本栖湖リゾートのように季節折々のお花畑で来客へのアピールをし集客を図ってはどうかと考えます。あわせて、市の管理する芝生広場も同様に連携して取り組めば、眺望とお花畑と人物が一体化したインスタ映えする写真が撮れるスポットになるのではないでしょうか。
そこでお伺いいたしますが、日本平山頂への来訪者がまた来たいと思っていただけるように引き続き静岡市と連携し魅力の維持向上を図っていくべきであると考えますが、県はどのようにお考えですか、お答えください。
続きまして、東静岡駅南口の県有地活用について質問します。
東静岡駅南口県有地の活用は、残念ながら一部グランシップ等を除いて駅北地区同様先導的役割を公が果たせず二十五年余の月日がたちました。当局は奮起し今後一層の努力をしてほしいと思います。
今回の図書館整備は第一期整備として行われ、第二期整備は第一期整備効果により多様な人々を引きつけ高い集客を示すことで定期借地権方式等による民間整備につなげていく構想であると聞いております。民間事業者の積極的な参画を促すためには、駅前の立地にふさわしい図書館を整備するとともに民間事業者に期待感を抱かせる駅周辺のまちづくりの姿を示すことが必要であると考えます。
静岡市では、来年度にかけて東静岡地区と草薙駅周辺地区を一体としたグランドデザインを策定するとのことであります。東静岡駅周辺地区については、これを契機として県と市がしっかりと連携し駅南北の公有地の有効な利活用に向けた検討を進めることが必要であると考えます。
そこでお伺いをいたします。
東静岡駅周辺のにぎわい創出や市の経済活性化等に向けては図書館の完成を待つことなく残る県有地活用に向けた検討を進めるべきと考えますが、東静岡駅南口の県有地活用に向け今後どのように取り組んでいきますか、お答えください。
次に、フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの新たな展開について質問します。
本県は、中部地域を中心としてフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトを推進し、これまで第一次、第二次と五年間ごとの戦略計画を策定して食品関連産業等の振興を図ってきました。戦略検討委員会が取りまとめた次期戦略計画案においては名称がフーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトに改められております。この新戦略について申し上げますと、まず内容が多彩かつ専門的であることから県民に対して十分に浸透をさせていくこと、成果指標である食品等の付加価値労働生産性――一人当たりの付加価値額を産学官金が一体となって達成していくこと、新たに戦略三「いどむ」としてデータヘルスの実践による健康機能の維持と増進を県立大学の研究をもとにしたリビングラボを活用し食とヘルスケアを実践していく中では、県民や企業へしっかりフィードバックしていくこと、また健康寿命延伸というテーマを産業と結びつけていくこと、そして最も重要なことは、この計画は経済産業のための計画であり産業の活性化やヒット商品の開発、大きな産業へと成長するための計画であるということではないかと感じているところであります。
現在の計画ではマッチングがふえていることは評価できますが、ここからどうイノベーションに結びつけるのか、アレンジャーやコーディネーターが商品を販売し利益につなげていくかをさらに強く推進する計画であってほしいと考えます。非常に意識が高いプロジェクトも計画だけでは水の泡であります。
私は、新しいヘルスケアの取り組みを含めて食を中心に関連産業の振興をさらに加速していくことが重要であると考えます。また意欲あるベンチャー企業の育成や商品に結びつけて消費者へどのように届けるか、そして県民へいかに伝えるかが大切であります。
そこでお伺いをいたしますが、フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトについての全容と今後具体的にどのように取り組んでいくのか、県の所見についてお答えください。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
(知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 佐地議員にお答えいたします。
フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの新たな展開についてであります。
基本的な考え方は議員と同じでありますが、私のほうからの御説明をさせていただきますとフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトではこれまで機能性食品や化粧品の開発を積極的に支援してまいりました。その結果二百九十件の製品が事業化されております。また本県の食品、飲料等の合計付加価値額は十六年連続で全国一位であります。確実に、また着実に成果を上げてまいりました。
こうした中、近年ヘルスケア分野の産業が急速に成長しております。介護予防、年齢に伴う体の虚弱、いわゆるフレイルへの対策などヘルスケアの取り組み、とりわけ社会健康医学のように早い段階から病気や運動機能低下を予防する取り組みが重要な社会テーマとなっております。これを受けて来年には社会健康医学大学院大学を本県は開学させられるということでございます。
こうした取り組みにおきましても食のあり方は中心的役割の一つを果たしております。このため来年度からフーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトをスタートさせるということであります。
このプロジェクトでは、機能性食品などの開発をさらに推進いたしますとともにヘルスケアビジネスの展開を図るということでございます。具体的には県立大学の機能性表示食品開発支援プラットホームにおきまして、フレイルや認知機能の改善などに関与する新素材の探索機能を強化いたします。またAOI、MaOI、ChaOIなど食分野と親和性の高いプロジェクトとの連携を促進いたしまして、これまで以上に付加価値の高い製品開発を支援する予定であります。
今年度県立大学にデータヘルス・リビングラボ静岡を設置いたしました。このリビングラボというのは県民の同意に基づく参加によってヘルスケアデータを日常的に蓄積し、それを分析してその方に有用な情報をお返しするというものであります。このリビングラボを活用して地域企業や意欲のあるベンチャー、スタートアップが行う健康状態を見える化するというアプリケーションの開発を支援するなど新しいビジネスの創出につなげてまいりたいと考えております。
加えまして、県立大学に健康食やデータ分析などについて学ぶ健康イノベーション専攻を設置いたします。これによりましてヘルスケアの取り組みを牽引する産業人材を輩出させてまいりたいと考えております。
さらに、プロジェクトの推進に当たりましては産学官に金融を加えた産学官金のネットワーク組織であるフォーラムを拡充し、新たなビジネスマッチングの場を創出し研究開発成果を企業の製品化に結びつけるなどオープンイノベーションを促進いたします。その際には専門のコーディネーターがマーケットインの発想に基づき市場ニーズに対応した製品開発から、また販路開拓に至るまで一貫した支援に取り組むことになっております。
県といたしましては、企業、研究機関の参画だけでなく市町と共同でセミナーを開催するなど幅広くプロジェクトを県民の皆様に周知し県民参加型の取り組みへとつなげ、本県の健康寿命の延伸と地域経済を牽引する食品、ヘルスケア関連産業の振興を図ってまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 難波副知事。
(副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 東静岡駅南口の県有地活用についてお答えをいたします。
東静岡駅周辺のまちづくりにつきましては、静岡市の参画を得て平成二十七年三月に取りまとめた“ふじのくに”の「文化力」を生かした地域づくり基本構想において示しました文化とスポーツの殿堂の形成を目指すの方針に沿って駅南口の県有地と北口の市有地の利活用の検討が進められております。
北口市有地につきましては、暫定的な活用として静岡市によりローラースポーツパークが整備されております。今後静岡市が策定を進める東静岡・草薙地区のグランドデザインの中で新たな利活用に向けた検討が実施されると伺っております。
南口の県有地につきましては、県民の皆様に愛される魅力的な県立中央図書館を先行整備する方針といたしましたが、次期整備によるさらなる魅力の創出につなげるため来年度は建設事業者を初め飲食や宿泊サービス、教育関係等さまざまな分野の民間事業者へのヒアリングを実施するなど幅広く御意見を伺いながら導入が期待される機能などの検討を行ってまいります。
また、北口市有地との連携により北口と南口の土地利用が相乗的な効果を発揮することが重要です。県と市の実務担当者を構成員とする連絡調整会議を設置し、利活用方策などについて情報共有や協議調整を行います。また東静岡駅北口、南口全体の将来的なまちづくりのイメージを取りまとめてまいります。
県といたしましては、静岡市との緊密な連携を図りながら東静岡駅周辺地区が若者を初めとする多くの人々が訪れ多様な交流をしたくなる魅力的なまちとなるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
(文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) 日本平山頂部の魅力維持についてお答えいたします。
日本平夢テラスは、開館以来百四十六万人の皆様をお迎えし本県を代表する観光スポットとなっております。本年度も一月末時点で来館者は既に七十六万人に達するなど堅調に推移しているところでありますが、引き続き多くの皆様をお迎えできる魅力的な施設であるためには来館者の目線で魅力の向上を図り誘客促進に努めていく必要があります。
駐車場から日本平夢テラスへの坂道は誰もが快適に移動できるよう対策が必要であるとは考えております。昨年五月に四日間実施した電動カートの試乗会におきまして、乗車体験者の九割の方から有料でも利用意向があるとの肯定的な御意見をいただきました。このため来年度は本格導入を視野に夏、秋、冬に各一カ月、料金徴収や定時運行など実際の運用を想定した実証運行を行い課題や効果を検証してまいります。
また、日本平夢テラスは富士山を初めとする三百六十度の眺望や建物そのものの美しさが注目されておりますが、四季折々の花を楽しむことができる前庭や天候にかかわらず建物内部から楽しめる坪庭などの庭園も魅力の一つであります。
県といたしましては、引き続き美しい花で彩られた庭園の魅力を高めていくとともにその魅力をSNS等でアピールしてまいります。さらに静岡市や指定管理者等と連携し前庭や芝生広場を会場とした魅力的なイベントを開催するなど、日本平夢テラスを初めとする日本平山頂部の魅力向上に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 佐地茂人君。
(四十八番 佐地茂人君登壇)
○四十八番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
意見、要望と幾つかの再質問をさせていただきたいと思います。
まず、知事からお話をいただきましたフーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトについてでありますが、お話をいただいているところは非常に承知をしているところではあるんですけれども、今後どういった形で、今度のちょっと長くなって難しくなったプロジェクトを県民の方々にわかりやすく伝えていくかということが非常に重要だと思います。今まではファルマ、フォトン、フーズサイエンスという形で非常に東・中・西でこれをやっていくんだということがわかりやすく県としては進めてきた傾向があると思うので、今回の計画も県民に対してわかりやすく伝えていっていただきたいとそんなような形を感じているところでございます。質問は後でします。
東静岡につきましては、我が会派につきましてもプロジェクトチームを立ててこれから議論していくことになりますので、また県、市、そして我々県議会で大いに議論をしながら、すばらしい形で皆さんが納得いく形での整備をできれば少しでも早く進めていっていただきたい、そんなふうに思います。
日本平山頂の整備につきましては、カートが検討されるという形で今も進めているわけなんですけれども、三年目に入る十一月三日ですね、こういう形で間に合うような形で上手に進めていっていただきたいなと、電動カート。そして庭園、お花畑についてはこれから期待をしておりますのでぜひともよろしくお願いしたいと思います。
それでは、再質をさせていただきます。
フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトについてでありますが、具体的に今いただきました答弁の内容に含めて県民に対してこの計画をどのような形でわかりやすく伝えていくかについてもう一度お答えをいただきたいと思います。
またこちらの計画ですね、売る人は誰が中心になって、この計画を責任を持って売るほうに向けて進めていくのか。先ほどプラットホームという形とか研究のところはあるんですけれども、じゃあ誰が事業者と一緒に売っていくんだというところを教えていただきたいと思います。
また東静岡駅につきましては今、県、市との連携を今もやっているのかどうか。そしてこれからやるのであればいつからやっていくのか。どこの部分について東静岡の内容について話をしていくのか。要するに南口、北口も一緒に話をしていくのか通路等の連携したところだけ話をしていくのか、そこら辺のわかっていることがありましたらお答えをいただきたいと思います。以上、御答弁お願いします。
○副議長(中沢公彦君) 天野経済産業部長。
○経済産業部長(天野朗彦君) フーズ・ヘルスケアオープンイノベーションプロジェクトにつきましての再質問にお答えいたします。
県民の皆様へは積極的に広報PRしてまいりますけれども、実はこのAOI、MaOI、ChaOIというのはいずれも一次産業が深くかかわっているものであります。食もそうでございまして、この新しい先端産業集積プロジェクトのキーワードは実はこのオープンイノベーションにあるというふうに考えております。したがいまして、実はこれらの先端産業プロジェクトを相互に連携をさせて相乗効果を高めるという取り組みをやってまいります。それはコーディネーターだけじゃなくて広くフォーラムとして県民の皆様が参加していただくような場面をふやしまして、そういうところでフーズとヘルスケアとAOI、MaOIも含めて全体としてこれをPRしていくと。それと大地と海洋といいますか、そういったものに根差したですね、そこに先端技術を入れたプロジェクトを新しく展開していくと。その中に県民の皆様がどういう参加の場面があるかということを積極的にPRをしてまいりたいと思います。もちろんセミナー等を開催いたしますけれども、そういう形で各プロジェクトで取り組む、県民の皆様へ訴えかける場面についてこれらを含めて全体として相乗効果を高めるようなPRをしてまいりたいと思っております。
もう一つはですね、じゃあこれらのいろんな取り組み、食からヘルスケアまで誰が売ってどういうふうに経済効果を上げていくのかということでございます。実はそれぞれの中身の取り組みは多彩なんですけれども、例えばこのプロジェクトをヘルスケアも入れてやりますということになりましたら、ある県内企業の方から実はこのヘルスケアの部分に非常に関心があると。実はこの最先端の技術を使って県民の皆さんに、そのウェアラブル端末みたいなもので健康情報を提供して何とかそういうのができないかというですね、それを一緒にやっていきたいというようなお問い合わせが我々のところにありました。つまりこれは民間主導でございます。
我々はそういうお問い合わせを受けて支援制度をいろいろ考えていきますけれども、やはり実はこのヘルスケア分野は経済産業省の発表によりますと二〇一六年で約二十五兆円、これは実は要介護の、介護の部分とかでも相当あります。これが約十五・八兆円。それから健康関連の分野で約九・二兆円。これで二十五兆円。それから今、二十年の段階では二十七兆円まで伸びておりまして、さらに二十五年の段階では三十三兆円までいくという推計があります。物すごい産業として伸びている。そこをやっぱり支えていくのは民間企業だと思っておりますので、民間の活力をさらにアップさせるような支援の取り組みを積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
○文化・観光部長(植田基靖君) 東静岡駅南口の県有地の活用についての再質問にお答えいたします。
まず、先ほど答弁にありました連絡調整会議なんですけれども、来年度早々に立ち上げると考えております。既にもう事務レベルでは打ち合わせを始めております。スケジュール等について今、調整をしているところでございます。
内容なんですけれども、東静岡駅のもちろん北口、南口全体のイメージ、将来のイメージを作成しましてですね、それを民間事業者さんにお示しすることで投資意欲にプラスになると思います。そういったことを取り組んでまいりたいと考えております。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 佐地茂人君。
(四十八番 佐地茂人君登壇)
○四十八番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございました。
それでは次に移ります。
農業基盤整備について二点質問します。
初めに、茶産地の構造改革を進める基盤整備の推進であります。
本県の茶業振興を図っていくためには、生産から流通、販売までを見通しながら意欲ある担い手農家の経営強化と茶園集積の必要があります。農地中間管理機構関連農地整備事業では現在農地中間管理機構を窓口に農地の貸し借りを行い、県が事業主体となって静岡茶の再生に向けた茶産地の構造改革の推進に向けて乗用型の茶園管理機の導入を可能とする区画整理や農作業道等の基盤整備を計画的に進めており、大いに期待しているところであります。
私の地元の静岡市は中山間地の傾斜地茶園が多く、機械化による農作業の効率化が困難な状況にあり荒廃した茶園が年々増加しております。日本平西麓の東豊田池田地区では県が事業主体となって区画整理による事業化を進めており、藁科川中流域の新間地区や安倍川の中流域に位置する足久保地区、さらに日本平の国吉田地区では農地の基盤整備や集積を進める計画があるとお聞きしております。
そこで、お伺いをいたしますが、静岡市における茶園の基盤整備の事業化に向けた進捗状況についてどのようになっていますか。また本県の茶業振興に向けて今後どのように基盤整備を推進していきますか、お答えください。
次に、土地改良事業と連携した農業生産設備への支援についてであります。
意欲ある農家の方からは、農地の集積や集約による生産拡大によって事業を展開する場合にはちょっとした後押しや将来の見込みが具体的なほどやりがいがあるとの話をいただきました。新たに農業をなりわいにする人ならなおさらだと言っておりました。つまり土地改良事業の実施に当たっては、農地の整備計画と並行して地域農業の将来像を見据えた農地の集積計画や担い手となる農業者の営農計画を策定し進めていくことが重要だということであります。
農地基盤整備には一定の期間がかかり加工施設等の建物はその後一年から二年かけてでき上がり、刈り取り機などの農業機械は加工施設等と同時に整備することが通例であります。この時間軸をパッケージにして当初から提案することができれば長期的な農業に見込みが立ち、農業でやっていくことをより具体化できるのではないかと思います。
そこでお伺いをいたしますが、担い手や若手などの意欲ある農業者の長期的な営農計画を策定し、土地改良事業の計画段階から農地の整備と合わせて必要な農業生産施設整備の支援策などの一体的な提案が必要ではないかと考えますがどのようにお考えですか、お答えください。
続きまして、地籍調査の促進についてであります。
一月十九日の新聞報道によりますと、大規模災害からの復旧・復興に不可欠とされる地籍調査について本県の平成三十年度末の進捗率は約二四%となっており、全国平均の約五二%を大きく下回っている状況が明らかになりました。県内市町の進捗にはばらつきがあり、例えば私の地元である静岡市はいまだ約三%の進捗にとどまっている状況にあります。大規模災害等への対応力を強化し県民の安心・安全を確保するためにも、市町はできる限り速やかな調査の完了を目指して取り組みを進めていく必要があると考えます。
また、津波浸水想定区域の地籍調査を事前に実施していればGPS座標データの活用によって土地の境界を容易に復元することが可能となり、速やかな復旧・復興に大きく貢献できることを考えれば本県の地震・津波対策アクションプログラムに記載し目標を明確にし強く推進していくことも一案ではないでしょうか。
現在のところ、国では国土調査事業十カ年計画の第七次計画が策定される状況ではないかと推察されますが、本県でも第七次県計画を策定し積極的に国へ地籍調査の働きかけを行うことも一案であると思います。
一方で、調査おくれの原因として専門知識を持った市町職員の人材確保の困難さが挙げられますが、さらなる民間委託の拡大や新技術の導入等の取り組みにより県内の地籍調査の促進を図っていくべきではないでしょうか。
こうした状況を踏まえ県として今後どのように地籍調査を促進していくのか、県の取り組みについてお伺いいたします。
次に、アスベスト対策について質問します。
石綿を含有する建築材料は飛散性の度合いによりレベルワンからスリーに分類され、レベルワンとレベルツーは大気汚染防止法で特定建築材料と位置づけ規制しています。大気汚染防止法ではレベルワンとレベルツーの特定建築材料が使用されている解体等工事については工事施工者には作業基準の遵守、工事発注者には石綿に関する作業実施の届け出が必要となります。一方レベルスリーは環境省作成の推奨基準を行政指導するのみであります。
ことしの一月二十四日に環境省の中央環境審議会は、石綿飛散防止対策の強化のためこれまで規制の対象外であった特定建築材料以外の石綿含有建材、いわゆるレベルスリーについて大気汚染防止法の規制の対象とすることなどを答申としました。
そこでお伺いをいたします。
環境省では今後この答申に基づき大気汚染防止法の改正の検討を進めることになりますが、県民の健康を守るため本県としても答申の方向性を踏まえ速やかにできることから対応していくべきであると考えますが、どのようにお考えですか。
また、本県では庁舎等の公共施設、学校、病院、社会福祉施設及びその他一定規模以上の民間建築物について石綿含有吹きつけ材、いわゆるレベルワン等の使用状況について把握しています。
これらの施設については早急に安全対策をとるべきであると考えますが、現在の対応状況についてはどのようになっていますか、お答えください。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 農業基盤整備についてのうち、茶産地の構造改革を進める基盤整備の推進についてお答えいたします。
本県の茶業が持続的に発展していくためには、意欲ある担い手農家への農地集積を加速し乗用型管理機などの導入により経営の規模拡大を図ることが重要であり、地形や立地等の地域特性に応じた基盤整備を戦略的かつ迅速に進めることが必要と考えております。
このため、県では茶産地構造改革基盤整備プロジェクトを立ち上げ、主要な茶産地を有する十五の市町におきましてGISにより傾斜度や区画の形状などの条件から事業効果の高い区域約二千二百ヘクタールを選定いたしました。現在このうち十三地区百五十八ヘクタールの茶園におきまして、農地中間管理機構やJA等と連携して担い手農家の経営戦略や地域特性に応じた整備手法を検討しながら順次事業化を推進しております。
静岡市におきましては、東豊田池田地区でドリンク原料茶等への生産の転換に向け農地集積を条件に農家の負担を求めない機構関連基盤整備事業の令和二年度の採択を目指し国との調整を進めております。隣接する国吉田地区のほか足久保地区、新間地区におきましても関係者への事業内容や効果等の説明会などを通じて合意形成や計画策定に取り組んでおり、速やかな事業化を図ってまいります。
県といたしましては、今後とも本プロジェクトを通じまして茶産地ごとの戦略に基づき事業化を目指す地区の一層の拡大を図るとともに、効率的にスピード感を持って基盤整備を進めることにより本県茶業の競争力の強化に努めてまいります。
次に、土地改良事業と連携した農業生産設備への支援についてであります。
農業の生産性を高め担い手や若手などの意欲ある農業者の経営発展や収益力の強化を図るためには、農業者の営農計画を支える基盤整備と農業生産設備の導入を一体的に支援することが重要であります。このため現在牧之原市の東萩間地区では基盤整備事業により水田から転換した畑地でイチゴハウスの建設を計画しており、小山町のアグリふじおやま地区でも大区画の農地造成地でトマトの施設園芸団地が計画されるなど土地改良事業の計画段階から基盤整備と農業生産設備の導入を一体的に進めているところであります。
また、地域農業のあるべき将来像を見える化する人・農地プランにつきましては令和二年度までに百七十九プランの実質化を進めており、市町やJA等と連携して農林事務所が地域における農業者の話し合いに加わり担い手の確保や将来の農地利用のマップ化などを支援しております。今後はこの人・農地プランに基づき、担い手の長期的な営農計画の実現に向けて農林事務所に配置した経営支援担当などが農地の集積・集約化とあわせ基盤整備と一体となった、例えば茶の乗用型管理機や野菜の施設園芸用ハウスの導入などを提案し伴走支援しながら経営発展を後押ししてまいります。
県といたしましては、土地改良事業と連携した農業生産設備の導入を通じて担い手や若手などの意欲ある農業者の育成と地域農業の発展に努めてまいります。
次に、地籍調査の促進についてであります。
南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、被災後の迅速な復旧・復興には地籍調査の促進が重要でありますことから災害時の経済的損失が甚大な区域などを集中的に進めることが必要であると考えております。
県は、これまで津波浸水想定区域の地籍調査に重点的に取り組んできており、現在この区域内では約八三%の進捗が図られておりますが、市町の人員等も限られておりますことから区域内全ての完了には時間を要します。
このため、まずは津波浸水想定区域内の人口集中区域――いわゆるDID地区でございますが――そこを最優先で進めることとしており、四市町が未着手であった賀茂地区におきましては平成二十九年度から一時的に人員を要する、例えば立ち会い作業などについて職員を相互に融通し合う共同実施を活用して効果的に促進しています。あわせて未実施地区におきましては地震・津波対策アクションプログラムに地籍調査に先行して官民境界を明確化する指標を位置づけており、県が主体となって緊急輸送路等の早期復旧を可能とする主要道路等の官民境界調査を先行して進めております。
また、専門的知識を持った市町職員の人材確保を支援するため県国土調査協議会等を通じた現場での課題解決手法の情報共有や国の地籍アドバイザー派遣制度等を活用した技術的な指導助言等を強化してまいります。さらに地籍調査の効率化を図るため、三次元点群データを活用することにより現地での境界立ち会いを不要とするリモートセンシング等の先進技術の導入にも取り組んでまいります。
県といたしましては、来年度に策定する県の第七次国土調査事業十カ年計画等にこうした取り組みや目標を位置づけ国や市町、関係機関等との連携強化により地籍調査の促進に努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木くらし・環境部長。
(くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) アスベスト対策についてお答えいたします。
県では、石綿を含有する建材が使用された建築物の解体等のうち石綿の飛散性が比較的低く大気汚染防止法の規制対象外とされているレベルスリー建材の除去等の作業については環境省が作成したマニュアルに従って飛散防止対策を行うよう指導しております。
本年一月、石綿の飛散防止対策の一層の強化のため中央環境審議会の答申においてレベルスリー建材の除去等の作業も法規制の対象とすることなどが示されました。県民の皆様の健康を守るためには答申内容や法改正の動向を、まずは解体等の工事施工者にいち早く周知することが重要であると考えております。
このため、建設業者や解体業者等を対象とした会議、研修会等での説明を二月から始めております。加えまして県や市町の広報媒体や団体の会報へ掲載するなどさまざまな機会を活用し周知してまいります。
なお、本県が把握している庁舎等の公共施設及び一千平方メートル以上の民間施設、約二万施設のうち、レベルワンの石綿含有吹きつけ剤の使用が確認されている八百五十三施設の全ての施設において除去等の安全対策がとられていることを確認しております。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 佐地茂人君。
(四十八番 佐地茂人君登壇)
○四十八番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございます。
再質問を二点させていただきます。
まず茶業の関係でありますが、先ほど私の地元の地区の関係の話として令和二年、国の事業認可をいただくという形のお話をいただきましたが、その先ですね、どういう形で進められてどのぐらいのところぐらいまでで完成する運びにいくのかどうかということがもしお示しできるのであれば教えていただきたいが一点目。
そして、地籍調査についてであります。
地籍調査は、御承知のとおり市町が事業主体として事業を行うものであります。経費の二分の一は地籍調査費負担金等として国が負担をしております。そして県が四分の一、市町が四分の一で土地の所有者の負担はありません。加えて都道府県や市町が負担する経費はそれぞれの八〇%が特別交付税措置の対象となっていることから、実質的には市町は五%の負担で地籍調査事業を実施することができるということで私はお聞きをしております。
こうした点も踏まえて市町に対して地籍調査の実施を積極的に県からアプローチしていく必要性があると考えます。
また、先ほど答弁をいただきました八三%、海岸周辺、吉田町、そして牧之原市等がほぼ完了しているという形でありますが、都市部の例えば私の地元の静岡市についての海岸線の地籍調査についても積極的に進めるべきだと思っています。この都市部の課題について県としても認識をしていると思いますが、今後市町に対してできていない都市部、中心についてはどのような形でアプローチをしていくか教えていただければ幸いです。二点御質問します。
○副議長(中沢公彦君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) まず基盤整備の御質問についてお答えいたします。
東豊田池田地区のお話だと思いますけれども、令和二年度のこの四月の事業採択を受けまして、それから実施設計に入りまして、それからいわゆるハード整備に入ってまいります。今予定では令和二年から令和七年度完成、全ての完成は令和七年度ということで考えております。できるだけ速やかに完成するように努めてまいります。
それから次に、地籍調査に関しまして二点質問いただきました。
まず、市町に対して積極的にやはり指導していくべきだというお話でございました。地籍調査につきましてはやはり国の予算もありましてその中で各県にも配分するんですけれども、本県といたしましても国に対してまず積極的に予算をいただきたいということで要望しておりまして、先ほど言いましたように特に重点的に進める津波浸水区域、その中にいわゆるDID地区、都市部が含まれておりますので、そういったところを重点的にまずおくれている中でもそこをまずは進めていこうということで市町にも働きかけております。
また、静岡市につきましても特に静岡市につきましては清水地区を初めまして都市部、そこがやはり津波浸水区域になりますのでそういったところがおくれておりまして、静岡市に対しても引き続きですね、その国の予算を積極的にとっていただいて積極的に進めていくように指導あるいは支援しているところでございます。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 佐地茂人君。
(四十八番 佐地茂人君登壇)
○四十八番(佐地茂人君) 御答弁いただきありがとうございました。
ただいまの答弁に対して意見、要望を申し上げますが、都市部についてですが、清水区だけではなく駿河区も都市部にもなりますのでぜひよろしくお願いします。
それでは次に、確かな学力の育成について二点質問します。
初めに、新学習指導要領の実施に向けた取り組みであります。
次年度から小学校、その翌年度から中学校で新学習指導要領による教育が全面実施されます。みずからの生きる力を育み将来につなげていく力を個々が身につけることを県、市町の教育委員会と学校現場の教員方の指導力に委ねることになり、教員方の確かな指導力の向上を期待してやみません。
今回の改訂の大きな特徴は、小学校の中学年から外国語活動を導入、高学年で外国語科を新設したことに加え小学校におけるプログラミング教育を必修化するなど、社会の変化を見据えた新たな学びへ進化するところであります。ところが今までの通常の授業日数――カリキュラムをふやすことは容易ではなく、子供は現在も忙しいのであります。このため土曜日や夏休み、また必要に応じて始業前の朝時間も使うような工夫がされていることと推測します。
一方、変化が著しいのは子供だけではありません。教育委員会では外国語教育の指導助手として従事しているALT及びプログラミング教育等を補助する外部講師といった人的確保や授業改善のための学校現場へのサポート、学校現場では教員のスキルアップなどさまざまな対応が求められるのではないでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。
新学習指導要領に基づくプログラミング教育の導入や外国語教育の充実に向けた学校現場への支援についてどのようにお考えか、お答えください。
続いて、小中学校全国学力・学習状況調査の活用についてです。
今年度の全国学力・学習状況調査の結果から静岡県の子供の実態を見てみますと、学力調査において中学校は安定した結果でありますが小学校は基礎学力の習得といった点で課題が見られます。また学習状況調査においては家庭学習に関する子供の意識が低い点に課題が見られます。
新しい学習指導要領では、主体的・対話的で深い学び――アクティブラーニングの視点からの授業改善を重視しています。何を学ぶかだけでなくどのように学ぶかを重視して学校の授業を改善していくとのことであります。子供の側に立った授業を考案し実践するためには子供の考え方や思いを酌み取ることが必要であり、教員自身の人間力の向上も重要になってくるのではないでしょうか。
一方、学校質問紙調査においては保護者と地域の方との協働活動が全国平均より低い結果となっております。子供たちに必要な資質能力を育むためには学校の授業だけでなく家庭や地域の力が重要であります。家庭学習に向かう姿勢もしかり、保護者の働きかけがある子供は学力が高いという傾向があり、学力の向上についても家庭との連携が不十分ではないかと危惧しております。
そこでお伺いをいたしますが、県は全国学力・学習状況調査の結果をどのように分析し授業改善につなげようとしているのか。また教員の授業力向上のために具体的にどのように取り組んでいくのか。さらに家庭学習を推進するための保護者、地域との連携についてはどのようにお考えかお答えください。
続きまして、警察署の整備方針について質問します。
警察署の施設整備に当たっては、多角的な判断のもとその時々に合った対応をされていると思いますが、当初予想していなかった事象が発生することは十分あり得ることであります。具体的に申し上げれば既に対応している津波対策が一例であります。
また警察署のバリアフリーへの対応に目を転じれば、玄関ドアの自動化やスロープの設置、トイレなどの整備がされておりますが、エレベーターが設置されている警察署は全二十八警察署中十警察署にとどまっております。警察署は子供から高齢者まで多くの県民が来庁する場所でありますので早期に解決を望むところであります。
また狭隘化について申し上げれば、平成十八年静岡市の政令市移行に伴い静岡南警察署は、今までも申し上げておりますが、管内面積が一・五倍、管内人口も約一・五倍となりました。これに伴い署員が増強されたものの、駐車場にプレハブ的な建物が建てられたのみで署内の狭隘化が著しく現在に至っております。魅力ある職場とはほど遠い現状であります。
このように、時代の流れに伴いさまざまな事象に対処しながら整備を早急に進めるべきと考えますが、警察署の整備は設置の場所の決定、土地売買等の時期、地域住民への説明などを考えれば最低五年はかかるものであり、一カ所の設置がおくれることによって他の警察署の設置に影響が出ることを心配しております。一方整備計画を進めるに当たり移転場所、仮庁舎などの手配が容易かつ財政面においても支出削減が見込まれる場合には、整備順位は良識の範囲で前倒しが適当であると考えます。
そこで、県警察における警察署整備方針の現状と、条件が整うような場合整備順序の柔軟な対応についてはどのようにお考えですか、お答えください。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 確かな学力の育成についてのうち、新学習指導要領の実施に向けた取り組みについてお答えいたします。
県教育委員会では、新学習指導要領の全面実施に向け説明会の開催や教育課程の編成・評価、授業づくりなどに係る研修、指導用の参考資料の配布など学校現場において適切に対応できるようさまざまな取り組みを行ってまいりました。しかしながら議員御指摘のとおり、今回の改訂では新たにプログラミング教育や小学校において教科としての外国語が導入され、学校現場で混乱なく円滑に行われる体制づくりが求められております。
プログラミング教育につきましては、各学校で推進する担当教員等に対して授業実践に関する研修や大学の専門家を招いて児童の評価やカリキュラムマネジメントについての演習形式での研修会を行っております。またこれらの研修内容を全教員が理解できるようeラーニングサイトに掲載し校内研修での活用を促しております。
外国語教育につきましては、英語専科教員や県が独自に認定したLETS――これは静岡県の小学校英語指導資格を持った県で認定した人なんですが――LETS教員がそれぞれの学校で他の教員に対して専門的な指導方法についての研修を行っているほか、既に多くの学校で教育課程の工夫により学習の時間等を確保して外国語科につながる授業を実施しております。また全ての市町に配置されたALTに対し資質向上のための研修会を開催し、教員のサポート体制の構築に努めております。
県教育委員会といたしましては、新学習指導要領にうたわれた主体的・対話的で深い学びが実践され子供たちが生きる力を育むことができるよう教員の指導力の向上と教育環境の整備に全力で取り組んでまいります。
次に、小中学校全国学力・学習状況調査の活用についてであります。
全国学力・学習状況調査の結果では小学生につきましては複数の情報から目的の情報を取り出すことが苦手であり、また中学生につきましては家庭において自分で計画を立てて勉強することが少ない傾向にあり、いずれも主体的に学習に取り組む姿勢に課題があるものと捉えております。
県教育委員会では、調査終了後の自校採点結果を踏まえた授業改善と結果公表後県全体から見た分析・検証による授業改善という、いわば二つのPDCAサイクルにより全国学力・学習状況調査で明らかになった課題の克服に取り組んでおります。
教員の授業力向上につきましては、主体的・対話的で深い学びの授業の実践に向け電子黒板やタブレット端末等のICT機器を活用した授業づくりの研修を行っているほか、教師用指導資料について子供たちが主体的に学ぶ授業をイメージできるような内容に改訂し教科研修を初めとしてさまざまな研修で活用していくこととしております。
学校と保護者の連携につきましては、子供が主体的に家庭学習に取り組めるよう子供のほめ方などを内容とする保護者向けの動画コンテンツを作成し配信しております。また地域との連携につきましては、モデル市において地元住民や大学生などの協力を得て放課後等に学習支援を行うしずおか寺子屋を実施しており、今後はこの取り組みを他の市町にも広げていくこととしております。
県教育委員会といたしましては、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて学校の授業だけでなく家庭や地域力をおかりしながら子供たちが主体的に学習に取り組むための施策を展開してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 小嶋警察本部長。
○警察本部長(小嶋典明君) 警察署の整備方針についてお答えいたします。
県警察では、老朽化した施設の順次解消を原則としつつ県の第四次地震被害想定における震災被害等の諸事情を勘案しながら各警察署の施設の整備時期に関する検討を進めることとしております。また警察署の施設を整備するに当たっては、県警察の治安維持機能の強化や地域住民の皆様の利便性の向上を図ることとしております。
警察署の施設の整備順序につきましてはただいま申し上げた方針に基づき決めていくこととしておりますが、事件事故の発生状況や地域住民の利便性を初めとするさまざまな事情に配慮しながら警察機能を最大限発揮できる用地を選定していく中で、適切な用地の取得にめどが立った警察署がある場合には整備順序の入れかえについても検討してまいります。
県警察といたしましては、今後も治安維持活動の拠点として地域住民の皆様の利便性や時代の要請を踏まえた施設づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) これで佐地茂人君の質問は終わりました。(拍手)