平成19年9月定例会(第4日目)

2007年9月27日

質問内容

地球温暖化対策及び良好な住環境について

◯20番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして、2点について質問をいたします。
初めに、地球温暖化対策についてであります。
私たち自民党市議団では、昨年、市民に身近な環境問題について勉強していこうと考え、ごみ処理問題、リサイクルについてと地球温暖化についての環境フォーラムを開催し、ことしは容器包装削減への取り組みとしてマイバッグ、マイはしについてをテーマに、第2弾を開催したところであります。
私は、昨年の環境フォーラムで講師の方がおっしゃったことで、今でも頭から離れない言葉があります。それは、「日本は、京都議定書で温室効果ガスの削減を世界に約束したにもかかわらず、目標数値を達せられず、達成に不足する分を他国から取得することを考えている。また金で解決しようとしている」という言葉でありました。政治家は約束を守れないのかという言葉が続き、確かに約束を守るべきだと感じました。
1997年12月11日、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書が批准されたことは、皆さんも記憶に新しいところであり、日本は、2008年から2012年の5年間、1990年の水準で6%の温室効果ガス削減を果たさなければならない責務を負ったわけであります。
来年の2008年7月7日から9日には、北海道の洞爺湖で環境問題を中心としたG8サミットが開催予定され、この件に関し、安倍首相が退陣したことは残念ではありますが、世界的規模での環境問題の対応についてはさらなる進展を期待するところであります。
今回は、地球温暖化対策について、私たち静岡市でもどんな取り組みがなされているのか。私たち市民が積極的になるためにはどうしていくことが求められるのかを当局に問題提起していきたいと思います。
第2弾の環境フォーラムでは、講師の方から、アメリカ元副大統領アル・ゴア氏の著書である「不都合な真実」を読みましたかと問いかけられました。私の友人からもぜひ読んでほしいと言われていましたが、機会を逃していました。数日前にやっと読みましたが、温室効果ガスが引き起こす地球の変化について、難しい話だけれども、地球が危ないことをわかりやすく伝えているものでありました。キリマンジャロに雪がなくなり、ヒマラヤの雪もなくなり、世界の40%で水不足が始まることや、海水温度が上昇し、台風やハリケーンが頻繁に起こることなどがとりわけ印象的でありました。
そして、彼の「ある問題が有権者の要求にそぐわないのであれば無視することは簡単だ」という言葉は、私の胸にぐさっと突き刺さりました。少なくとも、この議場にいる私たちは、温暖化に目を背けていられないと思います。
このまま温暖化が進行していくと、どうなるでしょうか。日本でバナナやマンゴーなど熱帯雨林の果物が栽培され、リンゴがつくれなくなってしまうのではないかと、ある人は話しておりましたが、そこでお伺いいたしますが、地球温暖化が進行すると、静岡市においてはどのような影響があると考えておりますか、具体的にお答えください。
本市においては、国の1998年に制定された地球温暖化対策の推進に関する法律のもと、平成18年3月に静岡市地球温暖化対策実行計画を策定しました。この計画では、平成15年を基準年として、21年度に10%の温室効果ガスの削減を目標としております。建物の管理についての配慮、部品の購入に当たっての配慮が必要であるとし、市の建物の管理では、電気に関する取り組みが最も重要で、省エネルギー化と施設におけるエネルギー効率の向上、未利用エネルギーの活用の検討など、対策が必要であると論じております。
最近行われているものでは、省エネ対策としての庁内のクールビズ、ウオームビズや未利用エネルギーの活用としては、ことしの3月に行われたバイオディーゼル燃料、BDFを活用した公用車などが挙げられます。市の事業では、生活基盤事業である廃棄物の焼却と上下水の処理に伴う温室効果ガスの排出量が約8割を占めており、より一層の4Rの推進が求められます。このように、静岡市でも、少しずつでありますが、努力が見られます。
しかしながら、市民への啓発はまだまだ不十分であり、今年度新たに、市民、事業者、行政の責務を明らかにし、3者の一体的な取り組みを推進するために、静岡市地球温暖化対策地域推進計画を策定する運びであると伺っております。
ことし3月には、中間報告書が提示されており、第5章の温室効果ガスの現状については、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、パーフルオロカーボン類、六フッ化硫黄が15%から70%の削減が達成されております。しかし、二酸化炭素は11.2%の増加であり、市民を巻き込んだ二酸化炭素削減が必要であり、地域推進計画の早期の策定と実施が求められてきます。
そこで、お伺いをいたしますが、現在の計画策定の状況と今後のスケジュールはどのようになっていますか、お答えください。
また、本市では、環境対策として、コンポストの補助金から始まり、電気生ごみ処理機の補助金や、最近では静岡市地域地球温暖化対策奨励補助金と題し、太陽光発電を家屋に利用するための補助制度を行ってきました。ある程度の啓発がなされていくとなくなってしまう事業でありますが、市民への関心はそれなりに広まったのではないかと思います。
今年度は、事業者に対して、国の支援による地球温暖化対策を行うと伺っております。具体的には、バイオディーゼル燃料、BDF製造事業者への支援策や太陽光を活用したモデル事業についてであります。これは、環境と経済の好循環のまちモデル事業と言われる交付金制度であります。
お伺いをいたしますが、環境と経済の好循環のまちモデル事業は、どのようなもので、今後どのように取り組んでいきますか、お答えください。
また、市民への地球温暖化対策としては、今年度、NEDOの支援を受け、静岡ガス株式会社と株式会社東海と連携し、静岡市清水区住宅省エネルギー推進事業を展開することになっております。10月11日には、清水テルサにて、省エネルギーシンポジウムin静岡を開催する予定でもあります。
この事業は、家庭での地球温暖化対策として、地球に優しい省エネ機器であるエコジョーズとエコウィルの設置に対して、2分の1工事費用を補助するものであります。エコジョーズでは、二酸化炭素の排出量が13%削減でき、エコウィルでは、32%の二酸化炭素の排出抑制ができるとのことであります。
清水区だけでなく、葵、駿河区でも活用できることを望むわけでありますが、当局にお伺いをいたします。清水区住宅省エネルギー推進事業の進捗状況と、今後はどのように取り組んでいくのかお答えください。
次に、良好な住環境について質問します。
静岡市の人口推移を見ますと、平成18年4月に71万1,962人で、世帯数は27万305世帯。平成19年6月では71万984人で、世帯数は27万3,119世帯です。人口は減っていますが、世帯数はふえている。核家族化や母子家庭の増加、ひとり暮らしの増加が原因でしょうか。
マンションができても、人はふえない。空き家はふえる。マンションの建設により、周辺住民の生活は悪くなる。これでは、マンション建設により利益が及ぶ民間業者にとってのまちになってしまう。しかも、マンションを建設するのは、県外から来た業者がほとんどであります。
分譲マンションは、一つの学区に6棟から7棟ほどもできてしまえば、学校の生徒も一時的にふえてしまうし、校舎増築の必要性も今後考えられるのではないかと思います。しかし、一時的なもので、また空き教室ができてしまうことも考えられます。
このようなことを考えますと、市民に良好な住環境を提供するためには、市のある程度の裁量が必要であり、指定都市である静岡市が選ばれる都市となるためにも、まちづくりに対しての規制が必要になってきたのではないかと思うわけです。
また、私たちの気持ちとは裏腹に、国は今般、天空率という制度を導入してきました。これは、平成15年1月1日から施行された改正建築基準法内において追加された制度で、従来の高さ制限、道路斜線、隣地斜線、北側斜線となる建築基準法第56条に新たに第7項として設けられました。
従来の斜線勾配等による仕様規定から、天空率という新たな指標を用いて高さ制限の緩和が可能となる制度の併用が可能となったのであります。つまり、より高い建物を建てることができるようになったんです。
従来の制限の緩和策でありますが、利用する側のモラルが問われる難しい法律緩和であります。そのため、規制ができず、これにより、従来では絶対建たないような建物が突然近隣に建ってしまうことによる混乱が静岡市でも起きています。
そこで、当局にお尋ねします。天空率を適用して建設された高さ10メートル以上の共同住宅は、計画を含めて本市には何棟ありますか、お答えください。
次に、なぜ狭小宅地に高層マンションが立地するのかについてであります。
市内で安定した地盤とされるのは、安倍川沿線と中心部などに限られたところしかなく、ほとんど田や沼地のような安定しない地盤によって形成されているため、大型建造物をつくる場合、基礎工事のウエートはかなり高いものになります。
そのため、基礎工事を最も簡単に減らす方法の一つとして、地盤設置面積を最少にする方法があります。また、空地を広くとることにより、駐車場面積を確保することや高い建物の高い階ほど高く売れるということにより、その結果、市内の至るところに存在する狭い道路に囲まれた住宅密集地、200坪程度の敷地にワンフロア2個の12階建て40メートルの高層分譲マンションが建ってしまうと考えられます。
建築物の高さをコントロールできず、低い建物で構成された居住地域に高層建築物が立地する可能性の周辺住民の不快感や、明らかに高さの違う建築物によって構成された乱れたまち並みの景観、日照問題や圧迫感等の環境悪化などは、市民にとっても、本市にとっても望むべきことではありません。
これらを是正すべく、高さを制限する手法を検討し、施行に移すべきであります。これは、高度地区と用途地域制度とを合わせることにより可能であり、極端に高さの違う建築物の混在を防ぐことができ、調和のとれた都市景観を形成し、良好な市街地居住環境が維持できます。
高度地区とは、一般的な高さの最高限度を定める最高限高度地区が主であり、周辺への建物の圧迫感を防ぎ、日照、風通し、景観等を確保し、その市街地にふさわしい良好な環境を維持するために指定されるものであります。
また、建築基準法58条により、高度地区内においては、建築物の高さは高度地区に関する都市計画において定められた内容に適合するものでなければならないとされ、本市で用途地域内の市街地の環境を維持し、高さの制限を都市計画で決定すれば、高さに関して本市独自のまちづくりが可能となるのであります。
本市の都市計画マスタープランにおいては、土地利用の基本方針として、市街地周辺の土地利用については自然環境と調和した良好な住環境を目指すとしております。土地利用の区分と誘導方針では、住宅系を低密度住宅地と中密度住宅地、住宅開発型新市街地などに分けて誘導していくとしています。
このような状況からも、住宅内のゆとりと潤いのある居住空間である戸建て住宅地への誘導や建築物の高さや配置等の制限により、戸建て住宅とマンションの都市型住宅が調和した住宅地になるように、本市で都市計画として高度地区の制定を早期に行うべきであります。
そこで、お伺いをいたしますが、静岡市における高度地区への考え方と取り組み状況についてはどのようになっていますか、お答えください。
他の地方都市においても、相次ぐ建築基準法の規制緩和により高層住宅が簡単に建てられるようになり、高度地区を制定しております。都市圏では、高度斜線による高さ規制を行ってきましたが、敷地が広ければ高層建築物が建築可能であることから、既成住宅地の良好な住環境を守るために一定の制限を設けて規制していく新たなルールづくりとして絶対高さを設け、高度斜線と併用して規制するようになりました。
横浜市では、この絶対高さについて、エリアごと、きめ細かく取り決めをしていると伺っております。本市においても絶対高さについては必要であると感じておりますが、地区ごとの取り決めについては、かなり時間がかかってしまうのではないかと思います。
静岡市においては、高度地区を指定する場合にはどのように決めていきますか、お答えください。
以上で1回目の質問を終了します。

◯環境局長(内山和俊君) 地球温暖化対策に関する4点の御質問にお答えいたします。
初めに、1点目の地球温暖化が進行すると静岡市においてどのような影響があると考えているのかとの御質問でございます。
平成19年5月に発表されたIPCC、気候変動に関する政府間パネルの第4次評価報告書によりますと、世界の平均気温は、この100年で既に0.74度上昇し、このままの状態で推移すると、21世紀末にはさらに最大6.4度上昇することが報告されております。
一方で、静岡市においても、静岡地方気象台の観測データによりますと、1940年の年平均気温が15.4度であったのに対し、2006年は16.7度と約1.3度上昇しており、本市においても温暖化の兆候が出ているものと考えられます。
このような地球温暖化により、本市では、農作物への影響や南アルプスの高山植物への影響、さらには熱帯夜の増加や感染症の増大など、市民生活へも大きな影響を与えることが懸念されます。
次に、2点目の現在の計画策定の状況と、今後のスケジュールはどのようなものかとの御質問でございます。
現在、策定を進めている地球温暖化対策地域推進計画は、市域全体の地球温暖化対策の推進を目指した計画であり、平成18年度には二酸化炭素などの温室効果ガス排出量の現状と将来推計を算定するとともに、市民、事業者の意向を把握し、それらを中間報告として取りまとめたところです。
本年度は、有識者、関連団体、市民代表等から構成される地域推進計画策定協議会や庁内検討委員会を設置し、現在、昨年度算定した排出量等を踏まえ、削減目標の設定、地球温暖化防止に向けた施策や、リーディングプロジェクトの立案等を行っているところであります。
今後は、策定した計画素案に基づき、環境審議会の御意見を伺うとともに、パブリックコメントを実施し、その結果を踏まえ、年度内の計画策定を目指してまいります。
続きまして、3点目の環境と経済の好循環のまちモデル事業はどのようなもので、今後どのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。
環境と経済の好循環のまちモデル事業は、地域初の創意工夫と幅広い主体の参画によって、二酸化炭素の排出削減を通じた環境保全と雇用創出による活性化を同時に実現しようとするものであり、平成19年度については特に業務部門の中小事業者の対策として、非化石エネルギーや省エネルギーに係る設備を設置する者に対し、環境省が必要な経費の一部を支援する事業です。
本市としては、本事業を地球温暖化対策推進の好機ととらえ、課題である運輸部門の施策としてバイオディーゼル燃料の使用促進や本市の長い日照時間を生かした太陽光発電システムの導入などを推進していこうと考えております。
最後に、4点目の清水区住宅省エネルギー推進事業の進捗状況と今後どのように取り組んでいくのかとの御質問でございます。
清水区住宅省エネルギー推進事業は、民生部門におけるさらなる省エネルギー推進策として、住宅への省エネ型給湯器を設置する皆さんに対し、NEDO、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が必要な経費の一部を支援する事業であり、本年度の事業実施が採択されたところでございます。
現在、設置予定者の申し込みが完了したところであり、さらに本事業の一環として、10月11日には清水テルサにおいて省エネルギーシンポジウムin静岡を開催し、市民意識の啓発に取り組んでいこうと考えております。
今後も、国や関係機関などの情報を積極的に収集するとともに、それらを効果的に活用し、本市の地球温暖化対策を一層効率的に促進していこうと考えております。
以上でございます。
◯都市局長(金井宣雄君) 良好な住環境についての御質問にお答えいたします。
高度地区の制定についての3点の御質問でございます。
まず、1点目でございます。
天空率を適用して建設された高さ10メートル以上の共同住宅は何棟あるのかとのお尋ねでございますが、建築基準法における天空率の規定は、平成15年1月1日、施行されました。現在、データを管理しております建築確認支援システムは、平成18年に天空率のデータが加えられたことから、18年度分について抽出しました結果、高さ10メートル以上の共同住宅は81棟、そのうち天空率を適用したものは15棟ございます。
続きまして、静岡市における高度地区への考え方と取り組み状況についてのお尋ねでございます。
近年、住宅地において、周囲の建築物と比べ高さが際立つマンションが建設されるなど、低層の建築物と高層の建築物が混在している状況について認識しております。建築物の高さを制限し、良好な住環境を保全していくためには、都市計画法に基づく高度地区や地区計画の指定などの手法があり、本市では一部地域において既に指定を行っております。
今後、市街化区域全体を見据えた広域的な見地から、建築物の高さ制限をかけるためには高度地区の指定が有効であることから、早期の指定に向けて取り組みを行っていきたいと考えております。
続きまして、高度地区を指定する場合どのように決めていくのかとのお尋ねでございます。
高度地区の指定に向けては、都市計画マスタープランなど上位計画との整合を図るため、市街化区域内の建築物の用途や高さ等の基礎的な調査をもとに、本市にふさわしい高度地区のあり方について学識経験者や市民などから意見を求め、利害関係者の財産権などにも留意しながら検討作業を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
〔20番佐地茂人君登壇〕
◯20番(佐地茂人君) 御答弁をいただき、ありがとうございます。
まず、地球温暖化対策地域推進計画について質問を続けます。
中間報告書では、本市の取り組みを振り返り、静岡市の基本的な取組姿勢を4つの項目で確認しています。
1つ、県都としてリーダーシップを発揮し、市域が一体となって行動。2つに、広大な市域の中で、地域により異なるさまざまな特性を的確にとらえ、効果的な温室効果ガス排出抑制対策を推進。3つ、静岡市の豊富な森林資源を生かした森林吸収源対策を推進。4つ、既に取り組んでいることも実効性の観点から見詰め直し、計画の中で体系的に位置づけることで、効果性や実効性を確保するということであります。
対象とする温室効果ガスについては6物質でありますが、実際には、先ほども述べましたように、二酸化炭素の排出削減が最も課題であり、この計画が目標年度の平成22年までに達成するには、二酸化炭素の削減に向けた市民の意識改革と新たな施策が求められてくると考えます。
第4章では、都市計画マスタープランや県のバイオマス総合利活用マスタープランなど各種の計画から取り組みを確認し、総合的に、かつ計画的に実施していくことを考え、市の役割である地域に密着した地域の特性に応じて、最も効果的な施策を、国や県、地域の事業者等と連携して推進することが述べられております。
そこで、お伺いをいたしますが、本市の特色を生かした施策としてどのようなものを検討していますか、お答えください。
また、計画的に実施していくためには、静岡市地球温暖化対策地域推進計画が作成された後には、速やかに実行していかなくてはなりません。計画策定後の推進体制についてはどのようにお考えですか、お伺いいたします。
中間報告の第5章によりますと、二酸化炭素の排出量は、1990年の基準年度から2003年度にかけて約12%増加しています。今後、新たな地球温暖化対策を講じられないと仮定すると、基準年度から約14%増加すると推定されます。
民生部門での家庭での排出量が全体の21.4%で、運輸部門、自動車の排出量は28.9%であり、この2つの排出抑制が今後、重要視されてくるのではないかと考えます。
第6章での市民へのアンケート調査では、驚くことに94.9%の市民が地球温暖化問題に関心を持っており、家庭での排出や自動車での排出の抑制に市民は必ず理解を示し、協力してくれるのではないかと思います。
ただ、関心はあるけれども、なかなか実行はできない。よいこととわかっていても、なかなかできないのが現状であり、少しでも市民の背中を押してあげることが行政の仕事ではないでしょうか。また、ある部分では、行政が強力に引っ張っていくことも必要であると考えます。
家庭の二酸化炭素排出抑制では今年度から具体的な施策を講じていきますが、自動車の排出量の抑制では、現在、ハイブリッド自動車導入費補助事業として、貨物の運送や人の運送や特殊な配送車に対して、自動車車両普及センターが行っているだけであります。
そこで、本市においては、ハイブリッド車の自家用車に対して、購入時の補助事業を行ってはどうかと考えます。当局にお伺いをいたしますが、ハイブリッド車などの購入について促進をしていくべきであると考えますが、どのようにお考えですか、お答えください。
BDF、バイオディーゼル燃料につきましては、岩ヶ谷議員のかねてからの質問がありましたが、廃油、てんぷら油等を活用した燃料で、静岡市の公用車も今年度から走ることになりました。
ヨーロッパ諸国では、クリーンディーゼル車が90年代後半から飛躍的に販売台数が伸び、2004年には年間新車販売台数の50%に達しております。ヨーロッパなど海外では、BDFでも、ヒマワリや大豆、トウモロコシなど生物由来油脂を原材料に液体燃料を軽油のかわりに取り入れることを推進し、日本においても、静岡県ではトラック協会が菜種油100%のBDF、バイオディーゼル燃料の走行実験に取り組むようであります。
静岡市では、BDF、バイオディーゼル燃料を廃油から精製する企業が存在し、静岡市の特徴を出していくのであれば、廃油を精製した液体燃料に注目していくべきではないでしょうか。
廃食用油の回収につきましては、現在、給食センターなどの公の施設が協力しているだけであり、これを、例えば家庭の油を回収する仕組みを静岡市で取り組んでみたらどうかと思うのです。これは、岩ヶ谷議員の質問で御答弁がされましたが、そのほかに、例えば事業者や他市との廃油の回収システムを静岡市が一手で担うことなどが考えられるのではないかと思うのです。これこそが牽引役であり、地域の特徴を出した地球温暖化対策ではないでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。
BDF、バイオディーゼル燃料の利用を推進していくべきではないかと考えますが、どのようにお考えですか、お伺いをいたします。
次に、高度地区の制定について質問いたします。
当局からは、高度地区の制定は行っていくとの御答弁をいただきました。ありがとうございます。これで少しは八幡の住民も報われるような気がいたします。
さて、現在進行中の高層マンションの計画についてでありますが、高度地区が制定されるまでは、現在の建築基準法にのっとってとり行われてしまうわけであります。せっかく当局が規制すると言ってくださったにもかかわらず、制定前までの期間は、市民や当局の意思に反して高層マンションが建設されてしまいます。市内と市外周辺住民の絶対人口は少ないため、ここ数年がマンション建設ラッシュになることは明らかであります。
市内では、平成18年4月に大岩一丁目地区で、高層マンション等の建設を規制するため地区計画を定め、将来にわたり良好な住環境の維持を図ることに大きな効果を上げていると伺っております。
そこで、高度地区を指定する前の駆け込み申請に対する当局の考え方についてはどのようでありますか、お答えください。
以上で2回目の質問を終了します。

◯市長(小嶋善吉君) 私からは、地球温暖化対策の問題につきまして、本市の特色を生かした施策としてどのようなものを検討しているかということに対し、お答えいたします。
まず、今、高村外務大臣もニューヨークへ今ごろ着いたと思いますけれども、これも地球温暖化に対する国際会議に出るために──2050年までに、どの程度まで減らすかということの目標の中、提案をしにいくんだそうであります。やっと日本の政府も、ここへ来て、ある面じゃ地球温暖化対策について国際的な舞台でリーダーシップをとっていこうと、そんな気配が感じられるようになってきました。
非常に大きな問題でありますし、ただ先ほどお話がありましたように、ほとんどの国民が今、地球民族と言ってもいいのかもしれませんけど、みんなが今、地球全体が温暖化に向かっているということを感じ始めていますよね。これに対して、みんながやはりその意識を持って、できるだけエネルギーを消費しない、地球環境に優しい生活ができるような、そういうことを心がけていかなければいけないんだろうと思います。
静岡も、いろいろできることからとにかくやっていこうと。静岡市がいろんなことに取り組んでいけば、市民の皆さんもそれを理解してくれるんじゃないかと、そんなことでやってきました。
実はクールビズも、ちょうど政令市になったのが2年半前ですけども、そのとき、2年前に日本平でサミットをやったときに実はスタートしたんです。あのとき、小池百合子環境大臣がいらっしゃって、ずっとそれ以来、毎年、静岡市としてはやってきましたが、いよいよ来年から金融機関、銀行の営業店舗でも取り入れてやっていきたいというふうに、どうもなりそうなんです。今まで28度までにはなっていなかったんですね。なかなかやっぱり銀行というところはやりにくいんだそうですけども、いよいよ市内の金融機関申し合わせで28度に設定して、協力する方向に今、来ているんだそうでありまして、徐々にそういったふうに皆さんのいろんな協会、団体の理解が得られてきたんではないかなというふうに思っています。
これからも、本市としてもある面じゃ先進的な取り組み、できることがあればやっていきたいと思いますので、いろいろまたこれからも御提案をいただければというふうに思っております。
地球温暖化対策の推進は、人類共通の喫緊の課題であり、国はもとより、地方自治体も率先して取り組んでいかなければならない重要な課題であります。地球温暖化対策地域推進計画は、地域の自然的・社会的条件に応じた施策を推進していくための計画でありまして、現在、本市の特色を生かした施策を盛り込むべく策定を進めているところであります。
自然的条件を生かした施策としては、日照時間が長いといった特色を生かして、太陽光発電システムの普及を図るため、公共施設への導入はもとより、事業者や一般家庭への導入方策を検討いたしております。
また、気候が温暖で、降雪がほとんどなく、コンパクトなシティであるといった特色を生かして、自転車の利用を促進をするとともに、二酸化炭素の吸収源としての効果を踏まえ、市域の約8割を占める森林の保全対策についても推進をしてまいります。
さらに、社会的条件を生かした施策としては、県都として、また政令指定都市としてリーダーシップを発揮するとともに、市民を初め通勤、通学、観光での滞在者など、本市を活動の場とするすべての人々の参加を促すため、例えば、仮称でありますが100万人啓発プロジェクトなども検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
◯環境局長(内山和俊君) 地球温暖化対策に関する3点の御質問にお答えします。
初めに、1点目の計画策定後の推進体制についてどのように考えているのかとの御質問でございます。
地球温暖化対策の推進については、地域の多様な主体による協働が必要不可欠であることから、市民、事業者、行政が連携し、適正な役割分担のもとで各種施策を推進していくことが重要であると考えております。そのため、計画策定後の推進体制につきましては、さまざまな主体の参加による(仮称)静岡市地球温暖化対策地域協議会を組織し、計画の着実な推進を目指してまいりたいと考えております。
続きまして、2点目のハイブリッド車等の購入を促進していくべきと考えるがどうかとの御質問でございます。
本市における地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出量の状況を見ると、自動車関連の占める割合が約30%となっており、特に家庭における自家用車対策の推進が喫緊の課題となっております。そのため、環境負荷の少ないハイブリッド車等の普及促進は、有効な手段の一つと認識しているところであります。本市としては、国や関係機関の動向を踏まえ、ハイブリッド車の普及促進に向けた取り組みの検討を進めてまいります。
最後に、3点目のバイオディーゼル燃料の利用を推進していくべきと考えるがどうかとの御質問でございます。
地球温暖化対策の推進に向けて、化石燃料から生物由来への燃料への転換が求められている中、京都議定書目標達成計画やバイオマス・ニッポン総合戦略においても、バイオディーゼル燃料の利用推進に向けた取り組みが重要であると位置づけられているところでございます。本市においても、運輸部門の対策が喫緊の課題となっていることを踏まえ、二酸化炭素の削減に向けて有効な手段の一つと認識しております。
そこで、現在、使用済み食用油を精製したバイオディーゼル燃料をごみ収集車3台で使用するなど、試験的な取り組みを行っているところであり、今後も引き続き、国や関係機関の動向を踏まえ、バイオディーゼル燃料の利用推進に向けた施策の検討を進めてまいります。
以上でございます。

◯都市局長(金井宣雄君) 高度地区の制定につきましての2回目の御質問にお答えいたします。
高度地区を指定する前の駆け込み申請に対する当局の考え方はとの御質問でございますが、今後、建築に関する紛争等が発生することが予想される地区につきましては、市職員との勉強会、まちづくりアドバイザーの派遣などにより、建築物の用途、高さの制限など地区の特性に合ったまちづくりのルールを定める地区計画の指定を促していきたいと考えております。
また、今後は、より一層市民の皆様に地区計画制度を御理解いただけるよう、積極的にホームページ、広報紙などによるPRを行っていきたいと考えております。
以上でございます。

〔20番佐地茂人君登壇〕
◯20番(佐地茂人君) 意見、要望を申し上げます。
御答弁いただきまして、ありがとうございます。
地区計画を高度地区制定をされる前まで対応していくというお答えをいただきました。今までは地域住民から地区計画の話が出てこない限りは行政としては手をこまねいていたというような形が、行政から積極的に地区計画に参加して、市民と取りまとめを行っていくという御答弁と私は理解しましたので、ぜひそのような形で取り計らいをお願いしたいというふうに申し上げます。
海外では、バイオエタノールとガソリンの混合燃料の利用促進がされ、日本でも、バイオエタノール特区が沖縄県で始まりました。最近では、おからからこのエタノールの抽出が可能になったとのお話を聞きました。
BDFとエタノール燃料の普及は、事業者や一市民では到底できることではありません。行政の強いバックアップをお願いいたします。
また、議長車の切りかえ時には、二酸化炭素の排出に気を配った車選びをお願いいたします。
高度地区の指定につきましては、まず制定することから始めて、おいおいに改良していけばよいのではないかとも考えます。
基礎調査や建物の高さ誘導方針には時間がかかると思いますが、できる限り速やかに実施していただき、市民への周知やパブリックコメントを行った後に、都市計画変更手続を半年もかけることなく行っていただきたいと思います。
一刻も早い高度地区による高さ制限が制定されることを期待して、質問を終了いたします。
ありがとうございました。