平成20年9月定例会(第4日目)

2008年9月25日

質問内容

教育行政について

◯20番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして質問いたします。
今回は、教育行政について3点の質問をいたします。
初めに、全国学力・学習状況調査についてであります。
昨年の11月定例会で質問しましたので引き続きということになりますが、よろしくお願いいたします。
現在、義務教育のお世話になっている子供を育てている親として、この問題には大変関心を持っております。ところで、全国学力・学習状況調査の目的は、全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、各地域における児童生徒の学力・学習状況を把握、分析することにより、教育及び教育施策の成果と課題を検証しその改善を図ること、そして各教育委員会、学校等が全国的な状況との関係においてみずからの教育及び教育施策の成果と課題を把握し、その改善を図り、あわせて児童生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上につなげるものとしております。しかし、保護者の立場からすると、この目的はつい忘れがちになってしまいます。私の前回の質問では、昨年度の調査結果において小中学校の国語A、B、算数と数学のA、Bすべての内容で第1位を独占しました秋田県の3つの改善取り組み状況を議会で取り上げ質問しました。
覚えていらっしゃる方もいるかと思いますが、その要旨は、1つ目、インターネットを活用した分析による個々の生徒の弱点の克服、2つ目、教師の指導力の強化でありました。そして3つ目、やる気を引き出す家庭学習ノートの活用であります。このような事例を紹介しつつ、静岡市は何をやるのかとお聞きしたわけであります。
教育長の御答弁では、大学関係者、保護者代表、学校関係者等による検証改善委員会を設置し調査の分析を行い、総合的かつ計画的に教育施策の改善に努めていく。そして、具体的には学校改善支援プランを作成し、改善に向けた取り組みをより一層推進していくということでありました。
今年の3月ですか、静岡市学校改善支援プラン・事例集1ができ上がりました。拝見いたしましたが、非常にすばらしいと思います。どちらかと言うと、私は辛口の意見を言うことが多いと思っておりますが、この静岡市学校改善支援プランは、保護者の一人としても、強い信頼感を抱きました。この計画により、今後どのような効果が出てくるのかと素直に期待をいたしました。と同時に、これを受けてもっと地域や保護者が動き出していかなくてはいけないと、市民の側からのプレッシャーも感じたことは事実であります。
さて、昨年度、公募で選ばれた検証改善促進校13校を中心に、さまざまな具体的な改善事例により取り組みをされてきているとのことでありますが、ことしの4月22日に行われた第2回全国学力・学習状況調査の結果が、9月9日付の新聞紙上に掲載されておりました。全教科において静岡県平均を上回るとのことで、全国の状況と比べて良好であり、小学校6年生、中学校3年生のいずれの教科も県平均を上回ったというものでありました。
そこで、改めてお伺いをいたしますが、昨年と比べてことしの結果については、どのように考えていますか、お答えください。
次に、どの程度まで公開をしていくのかについてであります。先ほども申し上げたとおり、全国学力・学習状況調査の目的をかんがみたとき、確かに公開の必要性については、議論が尽くし切れないことであると思います。新聞紙上では、静岡市は各校ごとの正答率は公表しないと記載されておりました。私は、正直、今回の質問を行うに当たり、できる限りオープンでという考え方でいましたが、学校改善支援プランを読み、最後のページに至るころには、これなら今後、結果がついてくるような気がして、安心したというか、市の教育委員会もなかなかやってくれるなと感じ、先生方は自分が思っていた以上に頑張ってくれているなと思い、これなら公開しなくてもいいんじゃないかという気にさせてくれました。
また、公募の13校を非常にうらやましく思いました。つまり学校改善支援プランを読み、静岡大学の正確な分析や具体的に学校が今後どう取り組んでいくかが明確になってきたことにより、支援プランを理解することで、これなら公開がどうこうと関係なくやってくれると考えたのです。これはすごく大切なことだと思います。しかしながら、児童生徒一人一人がより自分を見つめ直すためには、例えば各校ごとのデータと自分の正答率とを比較し、自分の能力を確認することも必要であり、保護者においては、全国と県、市、各校と児童生徒の正答率により、我が子の能力について的確に把握したいという気持ちもわかります。
そこで、お伺いをいたしますが、今回の全国学力・学習状況調査については、市民、保護者に対しどのように情報提供をしていきますか、お答えください。
静岡市学校改善支援プランについて申し上げますと、改善計画の主体は学校であり教職員であると断言し、学校長を中心に構成された校内検証改善委員会がかじを取り、一人一人の子供たちに確かな学力をつけるために、実態に合わせ学校ごとに多様な改善策を講じることが静岡モデルであり、特徴であるとしています。また、分析から情報提供、情報提供から改善とステップアップを確立し、何を行っていくのかが明確であります。改善策については、学校ごとに検証改善委員会を中心としたPDCAサイクルを確立するために、検証改善対象校の実践モデルが参考となり具体的であります。また、重視すべきは有識者の支援策であります。静岡大学の標準偏差と平均正答数のグラフの活用は有効であると感じました。今後、要請があれば各学校の取り組むべき改善案づくりについては、各校のデータを分析し、結果を報告、検討し、個別に対応していくことができるということであります。
常葉学園大学の授業改善策については、具体的な指導方法を実践研究していくことを提言していただき、ほかにも静岡市に適した教材の開発、ワークブックやドリルの開発などの提案もいただきました。児童生徒に関して言えば、第2部の検証改善対象校の実践モデルの中にありました子供・保護者アンケートを活用したクラス内での授業記録が新鮮でありました。これにより、児童が自分の生活や学校での勉強への取り組みを見つめ直すきっかけになればいいと感じました。
また、保護者が児童と一緒に地域の活動に参加することにより、他の保護者との良好な関係を築き上げていくように、保護者自身が意識を変えていくことの大切さも理解できました。支援プラン・事例集1で、印象に残っていることを簡単に述べてきましたが、実際にこれらの取り組みが今後どのように児童生徒の学習能力を高めていくかが重要であります。結果、全国学力・学習状況調査に反映されてくることを望んでいます。昨年からことしの半年ちょっとで結果が出るとは思いませんが、この間でも少しでも効果が出ることを期待しております。
そこで、お伺いをいたしますが、学校では昨年度の調査結果をどのように活用してきましたか。また、成果についてはどのようにとらえていますか、お答えください。
私は、静岡市学校改善支援プラン・事例集1を静岡市の大きな教育施策の柱として、120%生かしていくことができれば、児童生徒一人一人の学力が向上することは間違いないと思います。今回は、公募の13校により学校改善の取り組みを行っていただきましたが、これからどの学校においても、毎年の全国学力・学習状況調査のデータをもとに、支援プランを活用した各学校独自の学校改善を行っていってほしいと願ってやみません。あわせて、保護者に対しての改善計画の説明が重要であると思います。支援プランの後書きに書かれておりました「学力向上、学校改善は、子どもが変わっていく事実をつくり出すためにある」という言葉が印象深く心に残っています。私も、自信を持った子供や「自分にはよいところがある」と答えることのできる子供がふえるよう期待をしているのであります。
そこで、お伺いをいたしますが、今後、市教育委員会としては、学力の向上について具体的にどのように進めていきますか、お答えください。
以上で、1回目の質問を終了いたします。

◯教育長(西条光洋君) 4点のお尋ねにお答えいたします。
初めに、昨年と比べてことしの結果はどうかとのお尋ねでございます。全国学力・学習状況調査は、国語、算数・数学の教科に関する調査、児童生徒に対する質問紙調査及び学校に対する質問紙調査により実施されました。
教科に関する調査結果では、問題が難しくなったことにより、平均正答率が下がっておりますが、静岡市は昨年に引き続き全国の平均正答率を上回っており、全体として出題された学習内容はおおむね理解しているものと考えられます。児童生徒に対する質問紙調査の結果からは、学校で好きな授業や楽しみな活動がある、自分にはよいところがあると思う児童生徒が、昨年に比べてふえており、全国と比べて自己肯定感を持ち、安定した学校生活を送っている児童生徒が多いと考えております。
学校に対する質問紙調査の結果からは、地域の人が自由に参観できる学校公開日を設けていることや、ボランティアによる授業サポートを行っていることなど、全国と比べて保護者や地域との連携が進んでいることが特徴となっております。今後、教育委員会ではさらに調査結果を分析し、各学校の改善の取り組みを支援するよう努めてまいりたいと考えております。
次に、市民に対する情報提供についてのお尋ねでございます。教育委員会では、市民と情報を共有することで、教育活動について理解と協力をいただき、本市の教育を推進していくことが重要であると考えております。そのため学力の状況、学習状況などの静岡市全体の結果について公表いたしました。今後は、これらの分析をもとに改善に向けた取り組みなども情報提供してまいります。
また、各学校におきましても、学校参観日、学校だより等を利用して、情報提供に努めてまいります。なお、児童生徒には、一人一人の努力や課題を示しながら、学級担任から個票により結果を返却いたします。この調査の趣旨は児童生徒一人一人に対する教育指導の改善が目的であることや特定できる学力は、特定の一部分であることから、情報提供の際には、序列化や過度な競争をあおらないように留意してまいりたいと考えております。
次に、昨年度の調査結果をどのように利用したのか。また、成果はどうかというお尋ねでございます。学校では、校内検証改善委員会を設置し、調査結果を分析した上で、学校の実態に応じた教育活動の改善に努めてまいりました。例えば、調査によって自主的な学習が身についていないことや、文章の要約力が弱いことなどが明らかになった学校では、家庭における計画的な生活習慣を身につけることや、音読指導などの充実を図ることを通して改善に努めました。これらの取り組みは、児童生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上につながっていると考えております。
最後に、今後、市教委として学力の向上をどのように進めていくのかというお尋ねでございます。教育委員会におきましては、大学関係者、PTA代表、学校関係者などによる学力向上専門家委員会を昨年に引き続き設置し、学習の理解状況や生活習慣の視点などから、調査結果の分析を行うとともに、各学校の学力向上の取り組みを支援してまいります。具体的には、学校の改善計画に基づき学力向上専門家委員会による結果の分析や授業の提案などをしてまいります。また、各学校のすぐれた事例をまとめたり、報告会を開催したりすることにより、教育指導等の改善に向けた取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔20番佐地茂人君登壇〕

◯20番(佐地茂人君) 2回目は、2点目の学校応援団について質問いたします。
静岡市学校改善支援プラン・事例集1のキーワードには、「市民が総がかりで参画する教育を推進するために」ということが挙げられております。先生たちの努力はもちろんですが、先ほどの有識者、大学の支援や児童生徒本人の力以外に必要となるのが、保護者を含めた地域であります。私が、いつも頭の下がる思いをするのは、ボランティアで登下校の児童生徒を見守る地域の年配の方々です。通学路を私が通行するときに、おい、本当は保護者のおまえたちがやることだぞと、冗談半分に話しかけてくれます。このボランティアの人たちは、私が他人に話していない我が家のことや私自身の日々の活動内容も知っています。全部、登下校時に私の子供らが彼らに話しているのです。それを聞いて、うちの子は守られているなと感謝しております。最近あったらいいのにと思うのは、ドテラと夜スペです。いよいよ我が子も、来年度には中学生になります。子だくさんに恵まれたうちの家計では、塾は厳しそうです。
このように、自分の都合ばかりで相手を利用することだけを考える人間がふえたように感じます。ボランティアって何でしょうか、したいからしているんだと、たかをくくって何もしない人もいます。ボランティア活動は、見返りを求めないことが大原則とは言え、汗をかいている人とそうでない人とが何も差がないことに、いや、汗をかいている人が何か損をしているような風潮の世の中に、最近疑問を感じるようになりました。
そこで、学校応援団というプロジェクトがきっかけで、地域全員が参加するべきものになるように期待をしているところであります。学校改善支援プランの中では、家族で参加する地域の行事の提案や地域の子供は地域で育てる、そのための地域の仕掛けを提言し、学校応援団を組織することを支援案としました。もともと学校応援団は、不審者対策など、学校や家庭だけでは解決のできないさまざまな社会的問題の発生への対応や地域における地縁的なつながりの希薄化や個人主義の浸透などによる地域の教育力の低下、また、学校の先生の仕事がふえ忙しくなってきたことをさまざまな角度からサポートしよう、みんなで子供と学校を守ろうということだと認識しています。
国では、全国の中学校区単位に地域全体で学校教育を支援する体制づくりを推進するために、学校支援地域本部事業を立ち上げました。これが、静岡市の小学校単位による学校応援団に通じるものであると考えます。市内の最近の連携事業を紹介しますと、通学合宿が多く開催されております。これは、通学合宿を通じて行われる行事の開催による地域社会の教育力の向上と子供たちが規則正しい生活習慣を学ぶことによる家庭教育の向上、また異年齢集団での共同生活の機会を与え、学年が違う子供が一緒に生活することで得る思いやりや協力する心をはぐくむことなどの効果を期待して行われるものであります。
有名な例では、蒲原東小学校のふきあげ通学合宿で、地域の団体で実行委員会を構成し、事業の役割分担を組織的に行っています。そのほか私の知るところでは、久能小学校、地元の森下小学校で開催されました。森下小の取り組みでは、学校の家庭科教室で食事をつくり、八幡公民館に宿泊し、みんなで登校するなどして生活し、大変好評であったとのことであります。
また、私が目を見張るボランティア事業としては、葵区の服織中学校区で開催されています数楽講座であります。新聞報道によりますと、服織中学習支援の会が主催し、ことしで5年目を迎えるそうで、算数が十分にわからないまま入学した中学生1年生を校長先生のOBの方が指導してくれています。当局からは、こうした退職校長先生の活動が各地域で活発化していくのではないかとのお話を伺いました。ありがたい限りであります。これから、さらに多くの分野で子供を支えていただけるボランティアが形成されていくことを願っています。
さて、前置きが長くなりましたが、本市においては、第1次総合計画でこの学校応援団プロジェクトの推進をうたっております。昨年度は、関係各課による検討委員会を立ち上げ、方針や研究校等を検討してまいりました。今年度は、葵区では横内小学校、駿河区は長田西小学校、清水区は清水有度第一小学校という研究校の3校による実践研究の実施を行うことになっております。
そこで、お伺いをいたしますが、今年度の研究校の取り組み状況はどのようなものでありますか、お答えください。
学校応援団全体構想図では、子供と先生たちの学校が中心であり、それを支える環境整備面、安全面、学習面、諸課題対応支援という柱の中に具体的なボランティア事業が分野ごとに取りまとめをされています。そのほか予算がつくスクールガードや放課後子ども教室など、主な連携事業が支えております。私は、各種のボランティア事業が、今後、連携事業になっていってほしいと考えていますが、今回それはいいとして、数多くのボランティア事業を推進して、学校を支えていくのが地域住民の役割であります。当局の関係事業課がわきを固めるような図式になっております。本市の学校応援団は、基本的に善意の人々の組織化により、学校を支援していくことが基本であります。
したがって、学校に迷惑をかけることは当然だめですが、学校ができない、やりにくいということを行うことで、かゆいところに手が届くような活動ができるのではないかと思います。この事業の成功のかぎは、持続可能なことで無理をしないでできることをやっていくことなのではないでしょうか。そして、地域住民に上手に気持ちよく働いてもらうために、また学校の要請にうまくこたえていくために、学校応援団コーディネーターの存在とその十分な活動が不可欠になってくるのであります。そこで、お伺いをいたしますが、学校応援団コーディネーターは、具体的にはどのような活動をしていますか、お答えください。
静岡マニフェスト2007では、子育て支援の分野で平成22年度までに13の小学校に学校応援団を設立と記載されております。また、学校応援団の事業計画では、平成21年度にはモデル校13校による学校応援団事業の実施とされております。そこで、お伺いいたしますが、来年度のモデル校13校はどのように決めていきますか、お答えください。
また、各学校ごとの学校応援団が必要になると思います。特に、地域とのつながりが希薄化し、地域の教育力の低下が激しい都市部においては、特別な支援も必要であると考えます。そこで、お伺いいたしますが、今後はどのように学校応援団づくりを進めていきますか、お答えください。
以上で、2回目の質問を終了します。

◯教育長(西条光洋君) 4点のお尋ねにお答えいたします。
初めに、本年度の研究校の取り組み状況についてのお尋ねでございますが、本年度は、葵区では横内小学校、駿河区では長田西小学校、清水区では清水有度第一小学校の3校において実践研究を行っております。具体的には、横内小学校では花の応援団として花壇整備のボランティアとともに、花壇の世話などを行っております。長田西小学校では、まりこサタデースクールとして、月に1回土曜日に学校を開放し、地域住民が講師となり、学びや遊びなど、さまざまな体験を提供する活動を行っております。また、清水有度第一小学校では、赤ペン先生と称して子供たちの学力育成を図るため、地域のボランティアにより2年生と3年生の朝の学習タイムを支援していただくなど、各校特色のある活動を展開しております。
次に、コーディネーターの具体的な活動についてのお尋ねでございますが、コーディネーターの具体的な活動としましては、学校のニーズに応じてボランティアの募集、連絡調整及び当日の対応などが挙げられます。また、ボランティア人材のリストの登録や管理を行い、今後の活動に役立てております。さらに、学校応援団だよりなど、各種広報紙やホームページなどを活用し、活動内容や成果などを保護者や地域住民に発信し、事業の推進に努めております。コーディネーターを配置したことで、新たな分野でのボランティアの確保も容易になり、活動の内容も広がっております。
次に、モデル校13校はどのように決めるかというお尋ねでございます。モデル校13校の選定につきましては、まず全校を対象に実施した本事業に対する意向調査の結果をもとに、活動内容や施設面の把握、地域バランスに配慮するなど、総合的に判断し、関係各課による検討委員会の中で適切に決定したいと考えております。
最後に、今後どのように進めていくのかというお尋ねでございますが、今後は実践研究の成果や課題を把握し、さらにこれを分析、改善し、新たに設定する13モデル校の実践につなげてまいります。また、13モデル校を設置した後は、地域の実情に合った学校応援団づくりを検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔20番佐地茂人君登壇〕
◯20番(佐地茂人君) 3回目は3点目になります。熱血教師塾について質問いたします。
静岡市学校改善支援プラン・事例集1については、実践すれば秋田県に負けずとも劣らないものになると思いますが、1つだけ不十分ではないかと考えた点があります。それは、現役教師の指導力アップの具体的方策であります。児童生徒の生活の見直しや地域の活用、大学という有識者の提案等、全国学力・学習状況調査の結果を活用した新しい取り組みと同時に先生方の指導力向上については、今後さらなる話し合いと具体的な対策を講じていただきたいと思います。
さて、現役の先生方の指導力向上策とは異なりますが、今回の静岡熱血教師塾は、意欲ある多くの教職員を採用していくための塾の構想であります。しかしながら、興味を持った現役の先生方がいらっしゃるのであれば、オブザーバーでこの塾を受講できてもよいのではないかと思います。指定都市となり、本市は市内における小中学校の教職員の採用に独自色を出すことができるようになりました。
小嶋市長は、すかさず静岡マニフェスト2007の中で、ユニークな教育という分野で静岡熱血教師塾の開講を約束したのであります。達成年度は、ことしの平成20年度ということでありましたので、多少おくれている感も否めませんが、今年度は開講に向けての内容を取り決め、計画を作成する予算が計上されました。そこで、お伺いをいたしますが、今年度の取り組み状況はどのようになっていますか、お答えください。
また、教職員の採用については、気を配ることも多いかと思いますし、新しい試みを教育委員会だけで行うことには難しい課題もあるのではないかと考えます。私は以前、市議会総括質問で静岡人材育成塾を提案いたしましたが、男塾のような武士道や自己犠牲ができる人材がふさわしいと考えております。いろいろな話し合いがなされているのでありましょうが、進捗がおくれていると感じられるため、ことしじゅうにこの熱血教師塾の開講準備ができないのではないかと心配もいたしております。
そこで、お伺いをいたしますが、現状における課題についてはどのようなものがありますか、お答えください。また、開講までの今後のスケジュールについてはどのようになっていますか、お答えください。
他の指定都市においては、既に教師塾が実施されております。静岡市においては、静岡熱血教師塾が市の教職員採用と連結していくことが特徴であります。その塾の中身については、いまだ明らかではありません。
横浜市の「よこはま教師塾」の概要について話しますと、講義と演習では、実績豊かなさまざまな分野の講師による講義を受講し、人間力や社会性などの向上を図り、また横浜市教育関係者等による教育諸課題についての演習により、教師力、マネジメント力などの向上を図ることを教えていきます。実践では、学校現場で児童の教育活動を支援することで、子供理解、授業力、指導力などの向上を図り、また地域での子供の学習活動の場など、土曜学校等に参加し、対人対応力、地域との連携力などの向上を図ることを教えていきます。
活動内容のイメージは、1月に入塾式で前半の夏までは座学中心の基礎的素養及び情熱の確認時期で、夏に合宿を行い、教師になることへの思いや理想を語り合う場を提供し、実技科目における実技能力の確認と効果測定を行います。後半は、実践中心で実践の場で技を学び、即戦力となる力を養うことを指導します。そして、3月に卒塾式となります。また、成績優秀者として卒塾することを前提に、横浜市への採用志望者は、特別選考―面接による教員採用選考受験を受けることができるというものであります。定員は100名程度で受講料が8万円です。本市の教師塾は、一体どうなるのか想像ができません。そこで、静岡熱血教師塾については、どのようになるのか、お伺いをしたいと思います。静岡熱血教師塾の指導内容については、どのようになっていますか、お答えください。
以上で、すべての質問を終了いたします。
◯教育長(西条光洋君) 4点のお尋ねにお答えいたします。
初めに、今年度の取り組み状況はどのようなものかというお尋ねでございます。静岡マニフェスト2007に登載されております本事業は、平成21年度の開講を目途に、本年度は重点的に教師塾の講座内容等について検討しております。また、教師塾からの小学校教員の採用を想定しておりますので、採用人数等につきましては、静岡県教育委員会や関係機関と協議をしているところであります。
次に、現状における課題は何かとのお尋ねでございます。課題といたしましては、養成したい教師像をより明確にすることや養成に伴う研修内容の充実を図ること、教師塾からの採用人数の具体化などが挙げられます。そのほか入塾試験のあり方や塾生に対する教員採用選考試験の実施時期、試験内容についての検討が課題となっております。
次に、開講までの今後のスケジュールについてでございますが、今後、平成20年度中に授業詳細の決定や募集要綱、PRポスターなどを作成していきたいと考えております。その後、平成21年度当初から塾生募集を行い、塾生選考試験、そして10月の開講につなげたいと考えております。
最後に、静岡熱血教師塾の指導内容はどのようなものかというお尋ねでございますが、指導内容につきましては、多種多彩な分野で活躍されている方々による講義や講座のほか、退職校長を指導教官としたゼミナールなどを考えております。さらに、より実践的な力を養うために、市内小学校における学校実習なども実施する予定でございます。
以上でございます。