平成20年11月定例会(第4日目)

2008年12月2日

質問内容

介護保険の見直しとバスの停留所について

◯20番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして大きく2点の質問をいたします。
初めに、介護保険の見直しについてであります。介護保険制度も平成12年度に導入されて以来、9年目を迎えています。急速に進む高齢社会にあって、従前の措置から契約へと大きく政策を転換し、いわゆる福祉の社会化の端緒となったものであります。すなわち福祉を個人や家庭だけで担うのではなく、社会全体でカバーしていこうとするものであります。
さて、11月21日付の新聞報道によりますと、本市は高齢者保健福祉・介護保険事業計画骨子案に対するパブリックコメントを12月5日までの間に行うとのことでありました。介護保険制度も今回で3回目の見直しを迎えることになります。
1回目の見直しでは、介護保険関係事業者の育成やケアマネジャーの能力アップについてなど、制度持続のための連携のこと、また在宅介護の伸び率の問題の解消や施設入所希望者が制度開始により倍増し、施設入所の順番についてのルールが改定されました。また、個の尊厳を守るために施設のユニット化なども取り上げられてきました。
2回目の見直しでは、介護予防に重点を置き、地域で介護を、住みなれた家での介護を考え、在宅介護支援センターをさらに充実し、地域包括支援センターを各地域に設置し、地域の介護必要者や予備軍をきめ細やかに把握することとともに、要支援1、2と予防対策を行うために保健、高齢者対策との連携を強固なものにしてきました。
また、グループホームなどの小さな施設の拡充やさまざまな介護者のサービスに対応できる小規模多機能型施設も設置されました。
介護保険制度が開始されて9年目を迎え、最近のサービス利用者の状況を見ますと、施設入所の希望はまだまだありますが、さまざまな施設ができてきたこと、施設に入所するまでの在宅でのサービスの活用と、ショートステイの併用で介助者の負担や精神的疲労は以前よりも減ってきているように感じますし、これにはケアマネージャーの能力が開始直後よりも向上し、かつ充足してきたことが一番の理由であると感じています。
福祉は、まさにマンパワーで成り立っています。また静岡市においては、サービスの内容について質の向上を図り、適正なサービスの提供を指導されてきたと感じております。
このようなことから、本市におけるこの制度の運営については、ある程度の安定感がありますが、すべて十分とは言えず、市民の要望にこたえるためには、さらに努力をしていかなければならないと思います。
私は、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けるためには、医療と福祉、介護との一元的な提供体制が不可欠であり、主治医と介護支援専門員との連携や施設との連携など、利用者一人一人について介助者を含め、主治医と介護支援専門員など関係のある職種が連携し、個々の高齢者の状況やその変化に応じてのフォローアップ体制の確立が将来の望むべき姿であり、これこそが高齢者が生きがいを持ち、尊厳を保ちながら自立した生活がおくれる地域社会の創造につながるものであると考えます。
つまり個別の高齢者データを作成し、地域、家族を含めた支援者が一律に情報を共有し、スムーズに介護者がサービスを受けることができる状況の確保です。現状では、まだまだ医療から介護への連携は不十分で、病診連携が確立し、介護と看護が介護利用者にとってどちらもバランスよくスムーズに活用できるまでには至っていないと感じています。
結局のところ、能力の高いケアマネージャーさんとの出会いにすべてがかかっている状況は依然否めないところであります。
さて、今回の平成21年から23年までの静岡市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画について、介護保険事業計画に関して質問をさせていただきます。
本市では介護保険事業計画の策定当初から、尊厳、生きがい、自立した生活、社会をキーワードに、高齢者が生きがいを持ち尊厳を保ちながら自立した生活が送れる地域社会の創造、いつまでも自分らしく生きるためにを基本理念としてきました。そして4つの基本目標を掲げてきました。
今回の計画では、基本目標を重点取り組み事項として8つの項目に分けて施策を定めて事業を推進していこうとするものであります。西谷議員さんの資料のとおりであります。
この9年間も基本理念の実現に向け、分野ごとの基本目標を達成するために、各施策を展開してきたところであります。
第3期介護保険事業計画を実施してきた中で、課題としては、関係機関との連携を図り、相談、苦情への対応をさらに充実していくこと、介護サービスのさらなる質の向上、必要なサービス量の確保によりサービス基盤の強化、高齢者虐待を未然に防ぐ方策、また地域包括支援センターの活用による地域ネットワークの構築、地域の課題や地域の役割の認識による今後の取り組み等を上げております。
介護保険事業においては、これまでの実績を検証、基礎とし、参酌基準を踏まえ、静岡市の高齢者の実情に応じた適切な介護サービスができるように取り組む必要があるとうたっておりますが、現在までの事業計画をどのように評価し、検証した上での次期計画であるか定かではありません。
そこでお伺いをいたしますが、次期計画期間の事業計画はどのような評価、検証の上で作成されましたか、お答えください。
第3期介護保険事業計画では、現在のところ、準備基金の残高が25億円余となっております。これは介護サービスが適切に介護者に活用されていないのか、介護サービス量の見込み違いで需要がないのか、または本市がサービスを提供しきれていないのか、はたまた本市が保険料の見込みを上乗せした結果なのか、いずれにしても保険料を保険者から多くとった結果となります。
今回、この25億円を当然第4期介護保険事業計画の予算に取り込まれることとなりますが、次期介護保険料を決定するに当たり、給付費が基金として25億円余ることについてはどのように分析していますか、お答えください。
第7章の介護サービス量等の見込みと保険料のデータによりますと、平成20年には高齢者数16万7,726人で高齢化率は23%、平成23年では高齢者数17万5,662人で高齢化率は24.4%であります。要介護認定者の推計では平成20年は2万6,109人で平成23年は2万8,952人であります。介護サービス必要量の見込みでは、これまでの実績を基礎とし、サービス種類ごとの要介護度別の利用状況や利用者の伸び等を分析し、計画期間の各年度における利用量を推計しています。このデータをもとに、介護保険給付費の推計は、21年度で約423億円、22年度は451億円、23年度は473億円、3年間でおよそ1,353億円であります。第4期介護保険料は給付費と地域支援事業費の見込み額1,300億円から1,400億円に第1号被保険者負担率の20%をかけて、それを第1号被保険者数で割り、12カ月で割ったところ、保険料を算出した結果、約3,800円となりました。
しかしながら、第4期保険料を設定するに当たり、保険者の判断による保険料の基準額に乗ずる保険料率の弾力化が可能となったことから、今回保険料の段階設定を11段階とし、基準月額を約4,200円に定めたのであります。これは税制改正による激変緩和措置が平成20年度で終了するため、収入の少ない被保険者に配慮し、また収入の多い被保険者から理解を求め、高い保険料を段階的に新設し、いただくものであります。
そこでお伺いをいたしますが、本市の考え方として保険料について、保険料の11段階の設定についてはどのような背景で決定をされましたか、お答えください。
また、今回の計画では現在の基準月額3,600円よりも600円程度高い約4,200円にすると明記されておりますが、保険料の値上げについて、市民に対してどのように理解を求めていきますか、お答えください。
平成26年度に向けた施設整備の考え方については、第4期計画期間においては、医療療養病床から介護保険施設等への転換に伴う整備や独居高齢者等の増加による整備について、その施設整備数を見込んでいるとのことであります。各施設の区分について、整備予定数も明記されておりますが、施設サービスを1,100床ふやし整備する理由についてはどのようにお考えですか、お答えください。
話の内容が変わりますが、今回の介護保険制度の見直しでは、国は平成21年度の介護報酬改定について、介護従事者の離職を防ぐための方策について検討を行っています。現在、国では介護報酬の3%アップについての話が出てきておりますが、介護報酬の3%アップについては、施設や事業所へお金が入ってしまえば、介護従事者まで賃金としてお金が行き渡らないことも考えられます。
そこでお伺いをいたしますが、介護報酬の3%アップについては、どのように対処していきますか、お答えください。
以上で、1回目の質問を終了します。

◯保健福祉子ども局長(長田光男君) 介護保険の見直しに係る6点の御質問にお答えいたします。
まず次期計画期間の事業計画はどのような評価、検証の上で作成されたのかとの御質問ですが、現計画は平成18年の介護保険制度の改正により創設された介護予防や地域ケアの考え方に基づき、各サービスごとに事業の見込み量を決定し、次期計画はその見込み量に対する実績を評価し、現計画策定の際に設定した平成26年度の目標値を基礎としつつ、高齢者人口、要介護認定者数の増加傾向を踏まえ作成しております。
次に、給付費が25億円余ることについてはどのように分析しているかとの御質問ですが、平成18年度から平成20年度の事業計画期間中における給付費の執行率については95%を達成する見込みであるものの、平成18年度の制度の大改正の中で新たに導入された介護予防サービスが要支援者の出現が少なかったため、計画量を大きく下回ったことによると分析しております。
次に、保険料の11段階の設定の背景は何かとの御質問ですが、今回の介護保険料段階の設定は国が保険者の判断により保険料の基準額に乗ずる保険料率の弾力化が可能であるとの見解を示したことにより、段階をきめ細かく設定し、被保険者の負担能力に応じた段階の設定とし、現在パブリックコメントで意見を求めております。
次に、施設サービスを1,100床に整備する理由は何かとの御質問ですが、施設等の整備については特別養護老人ホーム待機者が2,000人いること、また高齢者独居世帯で在宅生活が困難になる方の増加が見込まれることから、第3期計画とほぼ同程度の整備を行う考えであります。
次に、保険料の値上げについて、市民に対してどのように理解を求めていくかとの御質問ですが、次期計画については、パブリックコメントを現在実施しており、12月には各区で説明会の開催を予定しています。広報で周知するほか、出前講座等で保険料の値上げについて説明する機会を設けていきたいと考えております。
次に、介護報酬3%アップについてはどのように対処していくのかとの御質問ですが、介護報酬の3%アップについては新たな経済対策に関する政府与党会議、経済対策閣僚会議合同会議で提案された生活対策の一つとして、介護事業所における介護従事者の処遇改善と、人材確保等を目指すものであり、今後の報酬改定の状況を踏まえ、市としてなすべき人材確保対策を推進していきます。
以上でございます。
〔20番佐地茂人君登壇〕
◯20番(佐地茂人君) それぞれ御答弁をいただきました。
2回目は、今回の介護保険の見直しに当たり、現状の中で私なりに感じている課題を提示し、本市がこれらの問題をどのように克服していくのかを中心に当局にお尋ねしたいと思います。
国の介護保険サービスの動向に関する資料によりますと、介護保険のサービス利用者数は制度発足時の約2.5倍に増加しており、居宅サービスの伸びが大きく、174%の増加であります。一方、第3期から始まった地域密着型サービスはまだまだ制度の中で生かし切れていないようであります。
介護保険サービス別の保険給付額の伸びについては、訪問介護が5.1倍で、通所介護も4.4倍、合わせて活用されるショートステイも5.3倍と順調であります。施設利用は、計画的な建設もあり1.5倍であります。グループホーム等の認知症対応型共同生活介護は62倍と群を抜いております。発足当初からの最大の課題は、量的に見ても訪問看護と訪問リハではないかと思います。
このような状況の中、今回の介護保険の見直しについては、1つ目に介護従事者の給料水準と地域格差に関する問題、経営が苦しい小規模事業者に対する対応が挙げられ、2つ目に医療と介護の連携による住みなれた地域での生活、3つ目に認知症高齢者の増加を踏まえた認知症対策の推進、4つ目に第3期介護保険事業計画で導入された新たなサービスの検証、5つ目にサービスの質の確保と効率化が挙げられます。
このような見直しを行うことにより、本市の第4期介護保険事業がどのように変わり、サービス利用者にとってどうなるのかが見えにくいのであります。
そこでお伺いをいたしますが、今回の見直しでサービス利用者の利用状況はどのように変わっていきますか、お答えください。
次に、在宅療養者についてであります。医療制度の改定による療養型病床の減少や急性期病床の早期退院勧告、高齢者の自然増などにより、自宅での重度医療を要し、在宅で介護サービスを受ける方がふえていくように思われます。
また、平成20年の診療報酬改定との整合性の確保も必要となり、看護等の医療系サービスの普及がさらに求められてくるのではないかと思います。
そこでお伺いをいたしますが、重度医療を必要とする在宅療養者に対して医療、介護の連携について、市はどのようにサポートしていきますか、お答えください。
次に、認知症についてであります。先ほどの見直し項目の3つ目にありましたが、認知症高齢者の増加を踏まえた認知症対策の推進についてであります。
施設整備が認知症高齢者の増加に追いつけず、また住み慣れた地域で可能な限り在宅生活を継続できるよう支援をしていくことが求められます。
問題は、家族介護者への具体的支援策ではないかと思いますが、そこでお伺いをいたします。認知症の人が在宅で暮らしていくための市の役割についてはどのように考えていきますか、お答えください。
地域包括支援センターも開設以来、3年目を過ぎようとしております。町内会、自治会への浸透もようやく広がってきたようであります。最近では、地域の保健師さんとも連絡がなされ、地域でも困ったら包括支援へ連絡することもちらほら見受けられます。
電話相談ではがんの相談も多く受けるとのことでありました。今後、さまざまな相談がふえることも予想されますし、虐待を未然に防ぐことも求められるでしょうし、ひとり暮らしの高齢者がある日を境に認知症になり、地域で困るような事例も出てきていることも聞かれます。
そこでお伺いをいたしますが、虐待や独居認知症などの困難なケースの相談が増えていますが、地域包括支援センターの今後の役割についてはどのように考えていきますが、お答えください。
小規模多機能型施設については、24時間の利用が求められ、またいつでも、どんなサービスも利用できて、月額2万円から3万円程度で活用がお得とされておりますが、実際には登録人数を満たさず、1日のデイの最高人数である15人以上が利用することは困難な状態で運営されていることが多いようであります。結果、施設の経営が困難な状態が続いている旨のお話をお聞きします。新設の設置もなかなかされない状態であります。
そこでお伺いをいたしますが、小規模多機能事業所の利用者が少なく、うまく機能していないと思いますが、市としては今後どのように対処していきますか、お答えください。
次に、施設についてであります。ここ数年間は施設の増築を行う場合は、個室ユニットでの建設ということであります。市当局の方にお聞きしたところ、市内の施設の70%を個室ユニットにしなければいけないということでありました。
しかしながら、ある一部の施設サイドでは、人件費との問題で経営がかなり苦しいことや、よい施設として評価されても、介護報酬が高くなり、結局はサービス利用者へ負担がいってしまうなどの話も聞きました。実際のサービス利用者や家族介護者からの意見では、個室ユニットでホテル料を支払うよりは多床室のほうが安くて利用しやすいという意見も多く聞かれます。
そこでお伺いをいたしますが、個室ユニットは料金が高く、多床室のほうがよいという人が多いと思いますが、市はどのように考えますか、お答えください。
次に、事業所についてであります。本市においても大小さまざまな介護サービス事業所が存在し、現在では250以上の事業所があると伺っております。中にはまじめに施設や市社会福祉協議会などに長年務め資格を取り、小さな事業所を設置する人もあると思います。
しかしながら、小規模事業所では地域に溶け込みづらく、周りの施設との連携もうまくいかず、また自己の能力向上もままならなくなり、やめてしまうことも多いのではないかと推察します。
そこでお伺いをいたします。小規模の居宅介護支援事業所の経営が厳しいと聞いておりますが、市独自の支援をすることについてはどのようにお考えですか、お答えください。
以上で、2回目の質問を終了します。
◯保健福祉子ども局長(長田光男君) 介護保険の見直しに係る7点の御質問にお答えいたします。
まず今回の見直しでサービス利用者の利用状況はどのように変わるかとの御質問ですが、第4期計画は施設整備を第3期計画と同程度予定していることから、施設の利用がしやすくなること、また平成18年度に創設された小規模多機能型居宅介護などの新しいサービスについては、現在国において適切なサービスの提供を確保するための仕組みを検討していることから、より使いやすくなるものと考えております。
次に、重度医療を必要とする在宅療養者に対する医療、介護の連携について市はどのようにサポートしていくのかとの御質問ですが、平成21年度の介護報酬改定において、患者の状態に応じた訪問看護の充実やターミナルケアに係る評価の見直しなど、より介護と医療の連携を図れるよう見直しを行っています。この見直し案を退院後の在宅生活が安心して送れるよう医療機関及び介護事業者に周知を図ってまいります。
次に、認知症の人が在宅で暮らしていくための市の役割は何かとの御質問ですが、認知症の方についても医療との連携は不可欠であり、現在静岡医師会と行政で協議会を設置し、認知症の早期発見、治療及び医療と介護が連携したサポート体制の構築について検討しています。
この体制の中で、市の役割は、市民への啓発及びチェックリストなどを用いた早期発見等を行う窓口としての機能を果たすことになります。
次に、地域包括支援センターの今後の役割についてどう考えているのかとの御質問ですが、地域包括支援センターには高齢者の総合相談と支援、権利の擁護、継続的なケアマネジメント支援、介護予防ケアプランの作成と4つの役割があります。平成20年度前期には虐待、消費者被害、介護支援専門員から寄せられる処遇困難事例など約1万3,000件のケースに対応し、今後も弁護士、医療関係者、民生委員、地域住民などによるネットワークを構築し、課題の発見と対応を行うとともに、住み慣れた地域で安心して自分らしい生活を継続できるように地域ケアを支える中核機関としてさらに充実させていきます。
次に、小規模多機能事業所の利用者が少なく、うまく機能していないが、市としてどのように対処していくのかとの御質問ですが、小規模多機能型居宅介護は利用料の支払いが利用日数に関係なく月単位の定額制であることから使いにくさがあり、登録者がふえない状況であると認識しております。
既存の事業所に対しては、次期介護報酬改定の内容を見定めた上で、事業所の状況等の把握に努め、市としての対応を考えてまいります。
次に、個室ユニットは料金が高く多床室のほうがよいという人が多いが、市はどのように考えているかとの御質問ですが、在宅ケアと同様に介護保険施設においても一人一人の個性と生活リズムを尊重した個別ケアは求められており、ユニットケアは個別ケアを実現する手段であると認識しております。
国においても、平成26年度において介護保険施設の個室ユニットケアの割合を50%以上、特別養護老人ホームにおいては70%以上との方針を持っており、これに沿って本市も基盤整備をしております。
今後については、多床室の料金設定はユニットに比べ低く設定されているとは承知しているので、よりプライバシーに配慮した多床室の設置も検討していきます。
最後に、居宅介護支援事業所の経営が厳しいと聞いているが、市独自の支援をする考えはないかとの御質問ですが、居宅介護支援事業所の業務については、本年度運営等の事業についての見直しが行われ、重複した書類の削除など、居宅介護支援業務の簡素化が図られたものの、全国的に厳しい状況であります。
今後は、ケアマネージャーと地域包括支援センターが連携をとり、ケアマネージャーの業務負担の軽減を図れるよう支援をしていきたいと考えております。
以上でございます。
〔20番佐地茂人君登壇〕

◯20番(佐地茂人君) 2回目の御答弁をいただきましたので、次に2つ目の大きな質問であります。バスの停留所についての質問をいたします。
今回、この質問をしようと思ったのは、市民側の立場と行政の立場、そして民間事業者とのかかわり合いについて、少し腑に落ちなかったからであります。
それは、市民の方から同じような質問を数人から何回か受けて、はっきりとした自分なりの返答ができなかったからでもあります。
バスは市民の足として貴重な公共交通機関であり、バス停も快適で使いやすいものが求められていると思います。しかしながら、どうして歩道が狭くなり、通行上支障を来すようなものを市は認めるのか。特定の事業者の利益のために市は道路を貸すのか、地域住民のメリットは何か、この疑問について考えていきたいと思います。
お配りしました参考資料をごらんください。写真は小黒二丁目バス停留所の写真と、八幡一丁目バス停留所の写真であります。
皆さんもお気づきになっていると思いますが、最近バス停にこのような広告パネルつきバス上屋が整備されております。写真の1番と4番は広告パネルが整備されてからの歩道の状況で、歩道の幅は約2メートルになっております。2番目と5番はバス停の反対側から見た道路幅で、およそ2倍近くの歩道が確保されております。3番と6番は遠目に撮影した全体写真でありますが、明らかに歩道の幅が狭くなっており、通行上は気をつけて通らなければなりませんし、すれ違いをするには接触する危険もあります。
そこで、地域住民からはなぜこのような整備をするのか、問い合わせがありました。そこでお伺いをいたしますが、広告パネルつきバス上屋は、いつ、どのような経緯で設置することになったのですか、お答えください。
市営の公共交通は事業者である市がバス停の整備をやらなければならないということで、静岡市の場合はしずてつジャストラインが主に路線バスを運行しておりますので、これをやることになります。そのため、今まではしずてつジャストラインに補助金を出してバス停の整備をお願いしていたわけでありますが、採算性が課題であり、なかなか整備が進まない状態であったということであります。
であるならば、本来市が地域住民と相談の上、広告料を取るなどして整備していけば、歩道に対して障害となるような広告の立て方はしないのではないかと思います。設置には歩道幅2メートル確保などの一定のルールはありますが、実際に通行するには今までにはなかったところに障害物ができたという形になるので、歩道通行者にとっては、やはり邪魔になるものであります。
車を運転している人からは、鮮やかで確かにいい宣伝になりますが、私は平成15年の国土交通省道路局長からの通達により、国土交通省が事業を推進しているから法律にのっとってやっているからとしか思えません。せめて歩道に対して直角に立てる広告パネルは場所を考慮し、周辺住民の確認をとってから設置すべきではないでしょうか。
そこでお伺いをいたしますが、広告パネルつきバス上屋の現在の状況と今後の整備予定はどうなっていますか、お答えください。
広告パネルつきバス上屋の整備については、エムシードゥコー株式会社という会社が広告料収入によりバス上屋の設置と、2週間に1回の清掃を行う等の維持管理を行うことで、しずてつジャストラインはバス停の整備や管理を無料で行うことができます。また、静岡市にとっては景観が明るくなることや、道路占用料が年間1カ所につき2万6,160円、屋外広告物許可手数料が1年で1カ所につき1,550円の収益等の利点があると思われますが、地域住民や市民にとって歩道を通行する上での支障が、市やバス会社の利点以上の効果が期待できるものなのかが疑問であります。
また、バス利用情報がわかりやすくなったということでもないようであります。私が問い合わせを受けた市民の方には事情を説明しましたが、バスを活用しないで歩道を通行する地域住民の立場のこと、また市は市民よりも民間会社の利益を考えるのか、地域住民とその民間会社とのお互いのメリットは何かと反論されてしまいました。
そこでお伺いをいたしますが、広告パネルつきバス上屋の設置により、市民にはどのようなメリットがありますか。また、広告パネルつきバス上屋の設置により歩道が狭くなり、通行しづらいというような市民からの苦情に対してはどのように対処していきますか、お答えください。
自転車での歩道の通行も6月からの道路交通法改正によりルールが明確化されました。歩道が広ければ歩行者も自転車も安全に通行できますが、広告パネルつきバス上屋の横を通過するときは歩道幅の急激な削減により接触事故を起こす可能性もあるのではないかと思います。
また、広告物の掲示により生ずる死角からの飛び出しによる事故もないとは言えません。そこでお伺いをいたしますが、広告パネルつきバス上屋への衝突によるけがなどに対する保険についてはどうなっていますか、お答えください。
以上ですべての質問を終了します。ありがとうございました。
◯都市局長(金井宣雄君) バスの停留所につきましての5点の御質問でございます。
1点目でございます。広告パネルつきバス上屋はいつ、どのような経緯で設置することとなったのかとのお尋ねでございます。
広告パネルつきバス上屋とは、広告事業者により設置や管理がされているバス停の施設で、平成18年の6月にバス事業者と広告事業者より静岡市内において設置したいとの申し出がございました。これにつきましては、平成15年1月31日付国土交通省道路局長通知の高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の観点から上屋が整備されることが望ましいとの取り扱い方針などを参考に、関係各課と協議した結果、設置を認めることといたしました。
2点目でございます。広告パネルつきバス上屋の現在の整備状況と今後の整備予定はどうなっているのかとの御質問でございます。静岡市内における広告パネルつきバス上屋は、現在30カ所整備されております。今後の予定としては、平成20年度に7カ所整備するとのことで、それ以降の整備の予定はないと聞いております。
広告パネルつきバス上屋の設置によりどのようなメリットがあるのかとのお尋ねでございます。広告パネルつきバス上屋の設置により、屋根やいすの備わったバス停の整備が促進されることで、高齢者、身体障害者等のバスを利用した移動の円滑化に資するとともに、一般の利用者の利便性の向上も図られるものと考えております。
続きまして、広告パネルつきバス上屋の設置により、歩道が狭くなったというような市民からの苦情に対しての対応についてのお尋ねでございます。
この上屋の設置につきましては、国の通知などに基づき設置を認めておりますが、市民から苦情があった場合はバス上屋のメリットなどについて御説明し、御理解いただけるよう努めていきたいと考えております。
なお、今後整備を予定しております7カ所につきましては、広告面が従来の道路に直角のタイプではなく、平行なフラットタイプになると聞いております。
最後の御質問でございます。広告パネルつきバス上屋への衝突によるけがなどに対する保険はどうなっているのかとのお尋ねでございます。保険につきましては、設置者が加入しておりまして、管理上の瑕疵により生じたけがなどにつきましては、この保険が適用されるとのことでございます。
以上でございます。