平成22年9月定例会(第4日目)

2010年10月4日

質問内容

交通政策・夜景とイルミネーションについて

◯27番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして、大きく2点の質問を行います。
初めに、交通政策についてであります。
本市の交通政策を体系的に理解するため、まずは政策のもとになる計画から申し上げたいと思います。
交通政策の最も基本には、市の総合計画に基づく将来都市像を都市計画部門から実現していくための静岡市都市計画マスタープランがあります。さらに、県の中部都市圏の基本方針を定めた静岡中部都市圏総合都市交通計画があり、静岡市総合交通計画が平成18年2月に策定されております。
このような諸計画をベースとして現在に至るまで、例えばオムニバスタウン計画等さまざまな個別事業や具体計画が作成、実施されてきました。今般、2次総もスタートしましたので、この市総合交通計画も中期的な観点に立って見直しを行い、社会情勢に的確に対応した新たな政策を打ち出す時期が来ているのではないかと考えるのであります。
今回の質問では、中長期的な展望のもとに、これからの静岡市の交通環境を考えていく上で重要となる幾つかの戦略について当局のお考えをお聞きしたいと思います。
また、本市は御存じのとおり、駿河湾から南アルプスに至るまでの広大な市域を有しており、中山間地にも多くの集落が点在しております。郊外への交通政策も非常に重要ではありますが、今回は市街地に絞ってお聞きしたいと思います。
我が国社会は、現在、さまざまな課題を抱えていますが、その中でも地方に最も大きな影響を及ぼすと考えられているのが、生産年齢人口の急激な減少と高齢者の増加、これに伴う税収の縮減と社会福祉経費の増大であります。あらゆる局面で選択と集中が求められてきます。これは、好むと好まざるとにかかわらず必ず到来するものであります。今のうちから多少の痛みを覚悟しつつ、市民のコンセンサスをつくり上げ、思い切った対応策を打ち出していかねばなりません。このようなソフトランニングが実現できたまちこそ、次の発展が約束されています。
1970年代から今日の高齢化、少子化が始まったのにもかかわらず、時の政治家が行政の提案した対策をことごとく否定し、引き延ばし、年金医療改革がおくれにおくれてしまった愚を再び繰り返してはなりません。市民から負託を受けている我々議員のまさに肝に銘ずるべきことであります。
さて、このような展望のもとに市街地交通政策を考えると、コンパクトシティに対応したものに大胆に転換しなければならないという方向が見えてまいります。そのため、時代に対応した道路網計画の見直しや歩行者と交通弱者のためのユニバーサルデザイン等整備のあり方、また、大量輸送機関であるJRや静岡鉄道に加え、中量輸送機関であるバスや新交通システム等の公共交通機関の活用や自転車利用の促進に対応した交通体系の確立が求められます。
本市の都市計画の基本方針では、これまでの自動車中心の都市交通から、人を中心とした自然環境への負担の少ない都市交通への転換を図るため、既存の交通体系を生かしつつ、安全で快適な交通環境の形成を目指すとしております。さらにパッケージ戦略、すなわちいろいろなソフトとハードの施策を組み合わせたパッケージ型の取り組みが重要であります。
例えば道路整備、鉄道整備に加えて自動車利用など、移動主体の交通行動の変更を促すことにより、都市、地域レベルでの交通渋滞を緩和する手法の体系である、交通需要管理TDMを取り入れ、つけ加えるならば、人口配置の誘導についても考えることが必要であります。
そこで、本市では総合交通計画策定につき、バランスのとれた都市交通を目指し、自動車に頼り過ぎず、公共交通や自転車で、より快適に移動できることを基本に道路計画、公共交通計画、交通環境計画の3本の柱から総合交通体系を考え、各区の交通の基本方針を取りまとめてきました。そして、3本の柱から成る計画をもとに個別の取り組みをそれぞれ各地区の状況にあわせ、必要な施策を総合的に組み合わせたパッケージ戦略として、具体的に取り組んできたのであります。
私は、総合交通計画策定から5年がたち、例えば施策で言うならば、サイクルアンドバスライドやオムニバスタウン計画など一定の評価がなされた施策に変わり、新たにこれから取り組む施策、例えば新交通システムやデマンド交通などの新事業とのパッケージの組み合わせを変えていくことが、本市において求められるのではないかと感じております。
一方、これからの交通政策を考えていくに当たり、利用者の立場に立つことが最も重要であり、まちにとけ込むように美しい道路や都市の景観や風格を漂わせる鉄道、そして、使う人に優しく、楽しく使える交通ということがキーワードになるのではないかと思います。その実現により、受益と負担の視点や社会的整備への理解という市民の共通の認識につながるのではないでしょうか。市民の意見集約においては、本市において、市民と学術研究者、民間交通会社の代表者などの意見を取りまとめるため、静岡市交通政策協議会が年に2回程度開催されており、本年度も10月の下旬に第1回目が開催されるとのことであります。
さて、昨年度の第2回交通政策協議会では、都市未来創造会議での都心の交通のあり方について検討をしているとの報告がありました。創造会議では、現在、都心まちづくり交通計画に取り組んでおり、この計画の前提は、1つに、将来の課題に対応するために公共交通を活用して集約型の都市構造、2つ目に、静岡、清水、東静岡を核としての公共交通、3つ目に、鉄道やバスで連携するような都市のあり方を目指す中で、それを支える交通はどのようにあるべきかという視点で検討しております。
都心交通の考え方のビジョンとして、「つなぐ・めぐる・つどう」の3つの方針で検討を進めており、「つなぐ」はバス、自動車、自転車でどのように来てもらうか。「めぐる」は都心の中でどのように人が歩いたり、自転車が回ったりするのかということで、回遊性のことであります。「つどう」は、駐車場や駐輪場とまちなかで人が憩い、集える快適な空間の形成のことであります。
私は、「つなぐ」については駅南方面からの新たな基幹公共交通軸の鉄道の必要性を感じ、「めぐる」については、新たな考え方として、七間町と中町に新交通ターミナルを交通結節点として機能させることについてがおもしろいと感じましたが、都心内でも自転車の利用しやすい都心づくりは、今後の課題であると思いました。つまり、静岡市都心地区の交通手段については、自転車と新交通システムの取り組みがおくれており、バランス的には不十分であると考えるのであります。
そこでお伺いをいたします。静岡市都心地区のまちづくり交通計画において、総合的に交通体系をどのように考えていますか、お答えください。
次に、中心市街地を結ぶ環境に優しく、歩いて暮らせるまちづくりの実現に向けて取り組んでいる新交通システムについて質問します。
平成18年の6月定例会において、新交通システムについては一度質問をさせていただきました。その際に、地方都市における新交通システムの活用については、不採算路線についての課題や新しい発想のもとに取り組む必要性を述べさせていただきましたので、本市が新交通を導入するに当たっては、採算について努力する必要はありますが、環境面と福祉施策面、及び観光や中心市街地活性化に加えて、渋滞対策などの自動車交通施策について採用することとなるのではないかと考えます。
個人的には投資と負担について、市民が受け入れるのかどうかを住民の意思決定に託すことも、この事業についてはあるのではないかとも感じております。
当時の私の質問から4年が経過し、本市においては新交通システムの比較によりLRTが最もふさわしいことや、新しい軌道整備に1キロで約10億円の費用がかかることなども明らかになり、また、想定ルートも各区で1路線ずつ導入の可能性が調査されました。課題は、やはり財源の確保が最も大きく、現状の道路敷地での推進や採算性も問われてくることになりそうであります。しかし、私は静岡の将来を考える上で、早期実現が必要であると思っております。
駿河区においては、LRTの実現によってバスの路線も再検討され、区役所を中心とした放射線状の新路線が設置され、特にお年寄りにとって行き届いた交通網が形成されるのではないかと考えるからであります。
現在の進行状況は、第2段階として、整備実現可能性検討段階でありますが、今後、できる限り早い段階で住民及び関係交通機関との相談を行い、実施に向けた導入計画と基本計画を作成すべきではないでしょうか。
そこでお伺いをいたします。LRTの実現化に向けた検討状況はどのようになっていますか。また、今後、どのように進めていきますか、お答えください。
自転車交通施策の現状について申し上げますと、平成20年1月に清水駅前地区が自転車通行環境整備モデル地区に指定され、計画案に沿って、例えば自転車専用レーンなど現在、整備がされております。2次総では、自転車重点都市の推進という施策を挙げて、自転車をより有効な交通手段にするためや、安心で快適な交通手段にして利用者をふやしていく試みを行うとのことであります。
そのほか駅前の駐輪場の整備に加え、自転車に関する事業としては、民間公共交通会社の協力によりサイクルトレインの実施、また、自転車利用者のための駐輪場や放置禁止区域を示した自転車区域マップの作成により、利用者へマナーや自己啓発についても呼びかけを行っております。さらに、レンタサイクルの可能性について、サイクルシェアリングの社会実験を行ったところ、シェア率は余りないということが判明しました。これは、個人的には調査のやり方に問題があると考えておりますが、古い自転車は乗りにくいとか、無人化のサイクルポート設置の必要性やICカード対応のシステムの導入等の課題が明確になりました。
今後の公共交通や自転車での取り組みは、まず、利用者の気持ちになって整備されなければなりません。そこで、レンタサイクルを行うにしても、商店街等での自転車駐輪場の確保についても、真っ先に簡単にとめやすい路上駐輪場を設置していくことが、私は求められているのではないかと思うのです。
平成17年6月定例会において、このような提案と質問を行いました。当時とは社会情勢もかなり変わってきていると思いますが、そこでお伺いをいたします。
中心市街地で自転車をより使いやすくするために、路上駐輪場設置についてはどのようにお考えですか、お答えください。
昨年度の第2回交通政策協議会では、駿河区役所アクセスバスの試験運行についての説明があり、委員の意見を聞く機会を設けました。事務局サイドは、平成19年度からの運行の経緯と利用状況を述べました。議事録を見ると、収支状況については、最初答えていなかったのでありますが、平成21年度の運行経費は約2,480万円で、運賃収入は約480万円、収支は2,000万円以上の赤字ということになりました。
これを聞き、委員からは疑問の意見や施策上の評価は厳しいという意見や、始めた以上はやめるわけにもいかないとの意見が出されたのであります。
昨年の公共交通対策調査特別委員会においても、見直しの意見が出されました。駿河区役所の名誉のために言っておきますが、駿河区役所の利用者は、私が見たところ、多いときには清水区役所利用者よりも、最近ではかなり多いと感じるほど利用者は増加しております。ただ、バスを活用しないで来所する人が多いのではないかと思います。駿河区役所アクセスバスについても、利用者は駿河区に来るというよりは、むしろ病院に行くための福祉的なバスの利用者が多いとの結果も出ているのであります。
確かに浸透するまでの時間もかかりますし、平均利用者数は微増しておりますが、私は2,000万円かけて事業を行うのであれば、利用者がふえる形のシステム、例えば乗合タクシーや福祉バスのほうがよいと思うのですが、いかがでしょうか。
また、市民サービス全般に言えることでありますが、成果目標を立てて、それが達成しないのであれば思い切ってやめるというルールをつくることも重要と考えます。このバスの例で言えば、平均乗車率が目標を下回ったならば、市民に利用を呼びかけ、それでも改善しないときはやめるというルールをつくるのであります。
さて、このアクセスバスについてですが、今年度は運行ルートを一部変更しているともお聞きしております。そこでお伺いをいたします。
駿河区役所アクセスバス試験運行の利用状況についてはどのようになっていますか。また、今後の見通しについてはどのようにお考えですか、お答えください。
昨年度の新都市拠点整備及び公共交通対策調査特別委員会では、デマンド交通について勉強をし、3区ごとのデマンド交通について提言書を作成し、当局へ提案いたしました。委員会視察で最も参考になった生の声は、運行者ではなく利用者の意見を十分聞き取り入れることと、ヘビーユーザーを確保すること、そして、地域や利用者にも応援するよう、かかわり合いを持っていくことの大切さを知ることができました。
デマンド交通は、行き着くところドア・ツー・ドアの乗合タクシー、フルデマンド型が最も便利で、利用者側に立った制度であると感じております。バスが不便な地域の方や高齢者や障害者などの外出を手助けするため、本市においても現在のところ、中山間地域でデマンドバス、ただし停留所までは行かなくてはならない路線不確定運行型が運行されております。
ことしも敬老会シーズンが終わりましたが、地元のおじいちゃんやおばあちゃんと、日本平動物園のロッシーや登呂博物館がオープンし、皆さんは無料ですからぜひ行ってみてくださいとの話をすると、「佐地君、行きたいのはやまやまだけど、そこまで行く足がない。最近では嫁や息子に病院まで送ってほしいと頼むのも言いにくい。どうしたらええもんじゃかなぁ」と相談されてしまいました。
このような話は以前から、例えばゆ・ら・らができたころからの地域の課題でもあります。デマンド交通は、他の交通機関がないことが前提とされ、また、デメリットでは、時間の不確実性等が指摘されます。また、予約センターの設置やシステムオペレーター費用がかかること、あいた時間の人件費の問題等も挙げられますが、これらの課題をうまくクリアし、取り組んでいる自治体もあります。最近では、市街地においても福祉バスの活用が事例として挙げられてきているわけでありますが、本市においても、地域の実情に合わせた交通弱者のためのシステムが必要であると思うのです。
そこでお伺いをいたします。市街地における公共交通空白地域解消のため、乗合タクシーの活用についてはどのように考えますか、お答えください。
以上で1回目の質問を終了します。

◯市長(小嶋善吉君) 静岡市都心地区まちづくり交通計画における公共交通による交通体系はどういうふうに考えているかということであります。
本市の都市基盤整備におきましては、第2次静岡市総合計画で目指す活発な都市活動を支える、快適で質の高いまちの実現に向けまして、地球環境問題、高齢社会に対応した市民生活を豊かにする交通手段として、徒歩、自転車、公共交通機関の重要性が高まっております。
平成19年度から3年かけて策定しました静岡市都心地区まちづくり交通計画の中では、だれもが移動しやすく、環境に優しい都市づくりに向けて、公共交通や自転車、徒歩で移動しやすいまちづくりを目標とし、人と環境に優しい総合交通体系の構築を掲げ、都心への公共交通の利便性向上や交通結節点の機能強化による公共交通ネットワークの構築を目指しております。
公共交通による交通体系は、JRや静岡鉄道による静岡都心、清水都心、そして東静岡副都心を結ぶ基幹となる交通軸、LRTなどの新交通システムによる都市内の交通軸、路線バスによる都心と郊外を結ぶ交通軸をそれぞれ有機的に組み合わせていくことが必要であると考えております。
LRTの実現に向けた検討状況はどのようか、今後どのように進めていくかという御質問でございますが、LRTは高齢社会への対応や環境負荷の軽減、中心市街地の活性化など、さまざまな効果が期待できることから、鉄道、バスとともに基幹公共交通の1つとして、平成19年度より調査・検討を進めております。調査・検討の内容は、想定ルート、運行頻度、需要、建設費、そして採算性などで、想定ルートについては新静岡から中心市街地を結ぶルート、新静岡から駿河区役所を結ぶルート、新清水駅とJR清水駅、日の出方面を結ぶルートを検討しております。
今までの新交通システム導入に関しての検討結果や広報活動、7月に実施したLRT導入の有効性を示した都心地区まちづくり戦略のパブリックコメントでは、地域の活性化のためには、ぜひとも実現をしてほしい、バス等の既存の公共交通の機能強化を行えば十分ではないか等の賛否両論の意見もありまして、各ルートともにメリット、デメリットを含めた将来のまちづくりへの効果や事業採算性を精査をし、総合的に評価することが求められております。
そして、本年度は将来の事業採算性を評価するため、市民の方々の新交通システムの利用についての意向を把握するためのアンケート調査、導入効果の評価、LRTを導入した際の既存の道路や交通への影響調査などを実施し、今後、その実現化について市や関係者と幅広く議論していくということを考えております。

◯都市局長(藤浪芳朗君) 交通政策に関する3点の御質問にお答えします。
中心市街地で自転車をより使いやすくするために路上駐輪場設置についてどう考えるかという質問でございますけれども、本市では、中心市街地であるJR静岡駅、JR清水駅周辺において、自転車等駐車場整備計画をもとに駐輪場を設置し、必要な駐輪台数を確保しておりますが、放置自転車が多いのが現状でございます。
今後は、静岡市第2次総合計画に位置づけられた自転車から公共交通や自転車などへの利用の転換を図り、人と環境に優しい交通体系を構築するため、道路の構造や性格に応じ、路上駐輪場設置の可能性について関係機関や商店街などと調整を図りながら検討し、自転車利用の利便性向上を図っていきたいと考えております。
続きまして、駿河区役所バス試験運行の利用状況と今後の見通しについてどのようかということですが、利用状況については、試験運行を開始した平成19年11月から20年10月までの利用者は、1便当たり平均4.9人となっており、運行時間の延長と増便をしました平成20年11月から22年3月までの利用者は、1便当たり平均6.1人となっております。また、運行ルートを一部変更した今年度の利用者は、1便当たり平均6.8人となっております。
今後の見通しについては、駿河区の自治会連合会や交通関係機関などで構成される駿河区役所交通アクセス改善検討会で出された意見や試験運行の利用状況など、フォローアップ調査の結果をもとに運行ルートや運行ダイヤなどの変更について検討していきたいと考えております。
次に、市街地における公共交通空白地域解消のため、乗合タクシーの活用についてどのように考えているかとの御質問です。本市のバス路線については、JR静岡駅やJR清水駅などの交通結節点から放射状に市内のほぼ全域を網羅していると考えておりますが、その中にあって、自宅からバス停まで距離が離れているなど、高齢者や子供の利用が困難な、いわゆる公共交通空白地域があることも認識しております。
公共交通空白地域解消のためには、乗合タクシー事業は有効であり、現在、全国各地で実施され始めていますが、事業実施には運営主体や採算性に課題があり、住民の主体的、積極的な取り組みに加えて、交通事業者の協力が必要不可欠でございます。
なお、本市においても一部の地域で住民や交通事業者とともに乗合タクシーなどの活用について勉強会を開催しております。
今後も地域の特性に応じた乗合タクシーなどの公共交通のあり方について研究していきたいと考えております。
以上でございます。
失礼いたしました。最初の質問で、中心市街地で自転車をより使いやすくするために路上駐輪場設置についてどのように考えるかというところで、私、先ほど自動車から公共交通や自転車などへの利用転換を図りというところを、自動車を自転車と言ってしまいまして申しわけございませんでした。自動車でございます。
以上でございます。

〔27番佐地茂人君登壇〕
◯27番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
続きましては、大きく2点目の夜景とイルミネーションについて質問をしていきます。
観光地と呼ばれる他市と比較して、静岡市に足りないものは、市域を見渡すことのできるタワーと夜景スポット、そして、強いて言うなら駿府城であります。私は、静岡市の自慢は、駿河湾から南アルプスまでの広大な自然と触れることができることと、お金をかけなくても子供と一緒に半日でも1日でも遊べる施設がたくさんあることであり、今後も今以上にそういった施設を充実していってほしいと考えております。
例えば、それは広野海岸公園や清水の秋葉山公園、また、大浜プールや日本平動物園、そして、ことしうれしかったのは、牛妻地区の水辺の楽校であります。ガンダムイベントもそのうちの1つであります。
さて、お金をかけないでも夜間楽しむことができるのは夜景であります。本市は多くの山々に囲まれており、また、日本平からは静岡地区と清水地区、それぞれの夜景が楽しむことができ、本市の立地を生かしたさまざまな角度からの静岡市の夜景を楽しむことができることは、平成15年の11月定例会に述べたとおりであります。
せっかくの自然の財産をどうしてもっと有効に活用しないのか。聞くところによると、人が集まって困るとのことであります。それは、使えるということではないでしょうか。なぜ観光資源になる夜景スポットを探さないのか、つくらないのか。
函館市は100万ドルと呼ばれる夜景を反対側の山から見るという第2の夜景で新たな資源活用を始め、観光に力を入れておるところでございます。
そこでお伺いをいたします。高地から見る市街地の夜景の観光資源としての活用状況については、どのようになっていますか。また、今後どのように取り組んでいきますか、お答えください。
青葉シンボルロードのイルミネーションも定着し、今年度は予算額1,330万円で、11月18日から来年の2月14日まで点灯が予定されております。こちらも静岡の自慢の1つであります。青葉シンボルロードのイルミネーションは毎年違い、昨年は白色がきれいで、高貴な感じのするデザインでありました。テレビ局のツリーもうれしく思いました。数年前のイルミネーションで、どぎつい色合いのちょっといただけないときもありましたが、最近はマンネリ化してきている感も否めません。
イルミネーションを考えるとき、やみであるならばあるほど光が鮮明できらびやかに映えますので、点灯時は周辺の街灯を消すこともよいのではないかと思います。また、寒い感じがするLEDイルミネーションと温かい光を感じる白熱球のイルミネーションとの融合などにより、光の差すぐあいを楽しむことや、時にはローソクを活用したものなど創意工夫がさらにできるのではないかと思うのです。また、ついたり消えたりの光の演出についても、より工夫を凝らし、見る人の足をとめることをもっとやってほしいと思います。
そこでお伺いをいたします。青葉シンボルロードなど、昨年と違った形でのイルミネーションについてはどのようにお考えですか、お答えください。
本市のイルミネーションは、現在のところ青葉シンボルロードと清水区役所と駿河区役所の3カ所で行われております。そのほかに我が家では、毎年高松のあるお宅で行っているイルミネーションを見学に行きます。そこでは、昨年はポニョだったか、赤ちゃんのポニョが子供のポニョに変化するイルミネーションがおもしろく、また、ベルなどの音を使った工夫についても、子供たちもとってもうれしい様子でありました。
先ほども申し上げましたが、イルミネーションは暗やみであればあるほど光が映え、きれいに映ります。花火も夜景もそうだと思います。このことから考えると、まちなかでやるよりも、実は郊外で実施したほうがかなりきれいに人間の目に映るのではないかと思うのです。
この効果をうまく活用した事例が、三重県の長島町の長良川沿いで行っているなばなの里ではないかと考えます。ここは、日中は花畑で公園として活用しており、夜間は冬の時期、多くの来場者が集まり、イルミネーションが楽しまれるのであります。そこで、なばなの里ができた当初から、本市ではどこが活用できる適地であろうかと探してきました。数年前から有度山総合公園の第2期計画を知り、ここだと考えたのであります。ようやく計画も工事の段階に入ることをお聞きしましたので、その進捗状況が気になるところであります。
そこでお伺いをいたしますが、有度山総合公園の整備状況についてはどうなっていますか、お答えください。
郊外のイルミネーションを行うことも決まっていませんし、私自身が有度山総合公園の活用がいいと言っても、まずは周辺地域に住んでいる住民の御理解もいただかなければなりませんし、郊外の公園が夜間イルミネーションで活用が可能か不可能かも定かではありません。
そこでお伺いをいたしますが、郊外の公園で夜間イルミネーションのための貸し出しについては可能でありますか、お答えください。
最後の質問でありますが、郊外のイルミネーションの実施により、多くの市民や市外、県外の方が訪れ、その影響力や効果は莫大なものであると考えますし、大きな事業として取り組むことが可能であれば、民間委託やコンペでの事業実施では……

◯議長(安竹信男君) 残時間1分です。
◯27番(佐地茂人君)(続) 実施では、採算性も十分にあると考えております。これを冬のイベントとして考えていくことはできないでしょうか。
そこでお伺いをいたします。郊外型のイルミネーションの導入については、市として検討していますか、お答えください。
以上で2回目の質問を終了します。

◯経済局長(鈴木 孝君) 夜景とイルミネーションに関します3点の御質問にお答えをいたします。
初めに、高地から見る市街地の夜景に対する状況と今後の取り組みについてであります。
高地からの夜景としましては、小高い丘の上やハイキングコースからの眺望などが考えられますが、いずれも道路、駐車場、騒音、安全上の問題など、観光資源として活用するには、さまざまな問題があります。
一方、本市の重要なビューポイントであります日本平山頂においては、山頂駐車場がローリング族対策などから午後4時で閉鎖されている状況であります。しかしながら、日本平には多くの観光客が、そこからの眺望を楽しむために訪れていることから、今年度から事業着手しました日本平公園の整備状況を見ながら、夜景について観光資源として活用できるか検討してまいりたいと考えております。
2点目の青葉シンボルロードのイルミネーションについての御質問であります。
青葉シンボルロードのイルミネーションは、市内外の皆さんがこれを楽しみとされ、本市の冬を代表する風物詩の1つとして定着し、中心商店街の誘客資源にもなっております。事業の実施に当たりましては、毎年趣の異なるデザインになるようプロポーザル方式を採用し、多くの皆様の関心が高まるよう配慮しているところであります。
次に、3点目の郊外型イルミネーションについてであります。
郊外型イルミネーションにつきましては、観光資源としての事業可能性などを検討するとともに、他都市の事例なども調査し、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。V
◯都市局長(藤浪芳朗君) イルミネーションの取り組みについて2点の御質問にお答えします。
有度山総合公園の整備状況でございますけれども、有度山総合公園第2期整備事業は、駿河区小鹿地内、面積約14.6ヘクタールにおいて有度山の自然景観を大切しながら、触れ合い、健康、スポーツ、レクリエーションの場として市民に愛される公園とすることを目的に、自然保全、多目的広場、子供広場、育成の森などの各ゾーンを設定し整備を進めております。
整備状況ですが、平成19年度より測量、設計に着手し、20年度までに完了しております。今年度は用地買収に並行して工事に着手し、23年度末の完成を予定しております。
続きまして、郊外の公園で夜間イルミネーションのための貸し出しは可能かとの御質問でございますが、郊外の公園での夜間イルミネーション設置については、都市公園法第7条にいう競技会、集会、展示会、博覧会、その他これらに類する催しのために設けられる仮設工作物に該当し、公園利用者に著しい支障を及ぼさず、かつ必要やむを得ないと認められるものについては占用を許可できるものと考えられます。
以上でございます。
〔27番佐地茂人君登壇〕
◯27番(佐地茂人君) 意見、要望を申し上げます。
夜景についてであります。少なくともすぐに日本平から進めていく必要があります。せっかく大きな予算を投じて日本平パークウェイを買い取ったのに、活用し切れていないのではないでしょうか。また、日本平動物園の山頂の展望については設置するのであれば、夜間の利用を考えていただきたいと思います。
以上で質問を終了します。