平成22年11月定例会(第4日目)

2010年12月7日

質問内容

観光政策・中心市街地のまちづくり・静岡市歌の活用・小中学校の学校図書司書について

◯27番(佐地茂人君) それでは、通告に従いまして、今回は、観光政策を初めとする大きく4点の質問をさせていただきます。
第1点目は、久能山東照宮及び周辺整備についてであります。
初めに、最近発売されました雑誌「静岡人」の久能山東照宮特集号の記事を御紹介させていただきます。
静岡人は、自分たちの住んでいる場所が恵まれていて、他県の人たちに紹介するような魅力的な場所を磨いてこなかった。人はよいが、自慢嫌いの恥ずかしがり屋なのである。静岡県は恵まれ過ぎている。久能山東照宮については、豪華絢爛な桃山様式の建物、家康公の宝塔をつくり、また、家康公から15代慶喜公までの甲冑、刀剣など、数多くのいきで美しい文化財がそろっているにもかかわらず、静岡人たちはその魅力を自慢できないでいた。否、そのようなPRをしてこなかったのだ。久能山東照宮という歴史的な名勝、価値ある国宝、重要文化財を生かす方法を知らなかった。この久能山東照宮特別号を使って、他県へ行って、久能山東照宮のすばらしい魅力、徳川家康公の人間力を伝えてほしい。県外の友人、知人らに話してほしい。こんなすばらしい場所があるなんて、ほとんどの人は知らないだろうと、こういうものであります。
この文章を読んで共感する方は、市民の皆さんの中にも多くいらっしゃると思います。いや、すべての市民がうなずかれるのではないかと思います。
本当に私たち静岡人はアピール下手で、大切な観光資源を宣伝不足によって埋もらせているのではないでしょうか。最近では、入場者数100万人を達成した全国イベント静岡ホビーフェアを初め、登呂博物館もリニューアルし、日本平動物園は、猛獣館など、再整備計画真っただ中であり、来年にはフライングゲージと新爬虫類館の整備がスタートの予定であります。
これほどまでに新たな事業が次々とスタートし、市のいいイメージを発信していることが続いている今、久能山東照宮の国宝指定こそ、まさに静岡市を大々的にPRする千載一遇のチャンスであると思います。
JR静岡駅南口から登呂遺跡を通り、日本平動物園に寄り、日本平山頂で富士山を眺め、ロープウエーにて久能山東照宮でお参りし、「いちいち御苦労さん」の階段を下り、石垣イチゴを堪能し、清水港、三保の松原をめぐる、いわゆる静岡市の観光ゴールデンルートを大きく取り上げ、真の観光都市静岡の立ち上げとすべきではないでしょうか。
そこでお伺いをいたします。
久能山東照宮を活用した現在までの観光の取り組みについてお答えください。
去る10月16日の新聞報道によりますと、文化審議会は15日、久能山東照宮の複合社殿である本殿、石の間、拝殿を国宝に新規指定するよう文部科学大臣に答申しました。今後、官報告示することにより、晴れて国法に指定されることになります。
先週、第4回議員研修会として久能山東照宮を取り上げ、多くの議員の皆さんも参加されましたので、東照宮についてのうんちくはここで申し上げませんが、その際、ロープウエー入り口に向かう車内で、日本平山頂の駐車場の現状を見たとき、平日にもかかわらず、観光バスや自家用車の数の多さにだれもが驚いたのではないでしょうか。
私も、以前の日本平山頂の駐車場の状況と比較し、来客者の多さにうれしさが込み上げてきました。新聞やテレビ等マスコミの久能山東照宮国宝指定の報道の効果が早くも出ているようであります。どの程度国宝指定の効果が出ているのか気になるところであります。
そこでお伺いいたします。
国宝指定後の集客状況はどのようになっていますか。おわかりになっている範囲でお答えください。
本市においては、国宝指定を受けて、市が発行する文化財通信第4号で、久能山東照宮を特集しました。先ほども申し上げましたが、国宝指定されたことにより、多くの観光客が久能山へ足を運んでくれることを考えるならば、本市がさらに積極的に広報活動を行い、今まで以上の集客について取り組むべきではないかと思うのです。
ロープウエー山頂付近には、祝久能山東照宮国宝指定というのぼり旗が数多くはためいています。聞くところによると、静岡鉄道が設置しているとのことでありますが、こののぼり旗をJR駅周辺などにも設置し、多くの県内外の人々に宣伝し、国宝指定を盛り上げ、集客につなげてほしいと思います。このような広報活動は、本市も積極的に行ってほしいものであります。
そこでお伺いいたします。
さらなる集客のため、広報活動が必要であると思いますが、どのような取り組みが考えられますか、お答えください。
さきに述べました第4回議員研修会において、久能山東照宮の権祢宜の姫岡さんからお話を伺いました。お話の中で、皆さんにお願いしたいことは、市内外の友人知人の方に久能山東照宮の国宝指定とそのすばらしさをぜひ伝えていただきたい。また、県内、県外への出張の折はぜひとも久能山東照宮のすばらしさを自慢していただきたいということでありました。
お話の後に要望書もいただきました。鈴木和彦議員のときにも紹介されました。お話の後にいただいた要望書については、本会議第1日目に我が党の鈴木和彦議員からも紹介されましたが、この中で、参拝者の声としては、静岡駅から久能山下への直通便がないことや、静岡インターチェンジ、清水インターチェンジからの案内が不親切であること、また、動物園や国道150号沿いの渋滞についてのアクセスに関する苦言があります。
そのほかに、お年寄り、身体障害者にとって階段が急で、優しくない。また、久能山下については、駐車場が不足している。久能山下、山の上に設置されているトイレは参拝者が多い割に数は少ないという要望がありました。
トイレについては、数年前、国道150号沿いの観光トイレが廃止されましたが、国道の4車線化に伴い、道路わきに新たなトイレの設置の必要があると思います。
また、平成17年3月の日本平山頂部等活用基本計画では、久能方面から東照宮中腹までの新しい交通手段としてのエスカレーター、エレベーターや、ロープウエーなどの設置の検討も必要と記載されております。
そこでお伺いいたします。
久能山東照宮を活用した観光について、参道やトイレなど周辺の環境整備については市の支援も必要であると考えますが、どのようにお考えですか。また、今後、どのような整備が必要であると考えますか、お答えください。
平成27年は、久能山東照宮に徳川家康公がお祭りされてから400年目を迎えます。これを機に、徳川家康公や久能山東照宮を再認識してもらうため、徳川家康公顕彰400年の記念事業等を行うこととされております。
この事業は、久能山東照宮だけで開催することについては広がりに欠け、インパクトも弱いので、久能山東照宮の総代や静岡商工会議所なども含め、地域を挙げた開催となるよう、市議会の皆様にも御協力をお願いしたいと、さきの要望には記載をされておりました。
そこでお伺いをいたします。
国宝指定と相まって、5年後には400年祭を迎えます。これはまたとない集客のチャンスと考えますが、市としてはどのようにとらえておりますか、お答えください。
以上で1回目の質問を終了します。

◯経済局長(鈴木 孝君) 久能山東照宮を活用した観光についての御質問にお答えをいたします。
現在までの取り組みについての御質問にお答えをいたします。
久能山東照宮は、これまでも本市の有力な歴史文化的観光資源でありました。久能山に眠る徳川家康公は、戦国時代の争乱を終結させ、東アジアにかかわる国際的な平和秩序を確立した人物として、中国、韓国などにおいても知名度が高いものがあります。本市が家康公ゆかりの地であることは、今後、有望な海外シティプロモーション先である東アジアにおいて大きな優位性を持つものと考えられます。
そこで、推奨観光コースの造成や、観光パンフレット、ポスターに大々的に家康公を起用し、本市の主要な観光地として紹介しているところであります。
さらには、国内外の旅行エージェントやメディアの招請旅行の際にも、日本平の富士山眺望とともに本市の最も人気のある観光地として東照宮を紹介しております。
次に、国宝指定後の集客状況及びさらなる集客のための今後の広報活動について、あわせてお答えをいたします。
国宝指定が答申された10月15日以降、新聞、テレビ等で報道されましたことから、久能山東照宮を訪れる観光客の数は、例年と比較いたしまして、およそ平日は2倍、休日は2.5倍になっていると関係者から伺っております。
現在は、県内の個人客の増加が目立ちますが、旅行会社による団体客のツアーは3カ月前から募集するため、今後、県外の団体客の増加が具体的な数字にあらわれてくるものと見ております。
国宝指定により、久能山東照宮が我が国最古の東照宮であり、かつ各地にある東照宮の発祥地であることをアピールポイントとして、観光パンフレット、ホームページ、韓国国内での情報発信ブログの改訂や観光キャラバン活動などを通じまして、積極的にPRしていきたいと考えております。
さらに、国内外の観光事業者等に対しましても、商談会、観光展等のさまざまな機会をとらえて、周知を図ってまいります。
次に、久能山東照宮を活用した観光での人を集めるための周辺の環境整備についての御質問にお答えをいたします。
久能山東照宮の国宝指定により、東照宮を中心とした市内観光地をネットワークした商品開発が進むものと考えられますので、そういう中で、所要の整備やソフトの開発に努めるとともに、現地にありましては、増加が見込まれる観光客の皆さんがより快適に過ごせるよう、トイレや駐車場などの周辺整備が必要になってくるものと考えております。
整備に当たりましては、広範にわたる観光関連事業者や地域の方々との役割分担の中で、これを進めてまいりたいと考えております。
最後に、国宝指定と相まって5年後の400年大祭を集客のチャンスとしてどのようにとらえるかということの御質問にお答えいたします。
大御所家康公の駿府城入城を記念しまして、平成19年に開催した大御所400年祭では、家康公に愛されたまち静岡市として、本市と家康公の深いえにしを市民はもとより内外に示すことができました。
今般の国宝指定並びに5年後に迎えます家康公の御鎮座400年を記念しての大祭は、本市への観光客誘致にとりまして、大きなチャンスとしてとらえております。この機会をとらえまして、久能山東照宮の意向も踏まえて、周辺観光事業者や地域の方々など多くの市民の皆さんとともに、行政としてふさわしいかかわり方で、より多くの観光客誘致に生かしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

〔27番佐地茂人君登壇〕
◯27番(佐地茂人君) 集客を10倍にふやしていければというふうに強い意志を持って、当局の皆さんには臨んでいただきたく思います。
それでは次に、大きな2点目の項目として、中心市街地のまちづくりについて、初めに、ごみのポイ捨て対策について質問します。
私はまちづくりに参加する責任ある立場として、まちなかを歩く際は、可能な限り落ちているごみを拾うよう心がけております。しかし、人通りが多く、市内外の人々に対し、まち全体の印象をも左右しかねないまちなかで、頻繁にごみのポイ捨てが目につくというのはどういうことであろうかと思っております。
前述しました国宝久能山東照宮等静岡は、今後、市内外に対しさまざまな発信をしていこうとするさなか、それに水を差すような不心得な人がまだいるということは残念でなりません。市としても看過してほしくありません。
そこでお伺いいたします。
ごみのポイ捨て対策については、現在、どのような取り組みをされていますか、お答えください。
また、他市におきまして、さまざまなごみのポイ捨てを防止する条例が制定されているようであります。もちろん、この条例はまちをよくする目的で制定された条例であると認識しております。しかし、この条例がないとごみのポイ捨てを防止できないということなのでしょうか。法律や条例によってしかまちのごみのポイ捨てがなくならないという状況は、果たして健全な市民社会と言えるでしょうか。
少し話がそれますが、皆様は、サッカーの公式ルールが他のスポーツ競技に比べ非常にルールが少ないことを御存じでしょうか。公式ルールとして定められているのは、たったの17項目であります。ではどうしてサッカーのルールがこれほど少ないのでしょうか。実は、サッカーのルールには隠された18番目のルールがあると言われております。それは、コモンセンス、つまり常識であります。
選手をルールで縛りつけるのではなく、選手の自主性、道徳心を信じ、スポーツマンシップにのっとったプレーを求めるというものであります。現在もたった17項目のルールで競技が行われております。
法律や条例についても同じことが言えないでしょうか。本来、条例によってではなく、市民一人一人がごみのポイ捨てはいけないという当たり前の公共心を持つことで、まちのごみを減らすというのが健全な市民社会におけるまちの姿であります。
そこでお伺いいたします。
ごみのポイ捨てをなくすという公徳心や意識を醸成するため、どのような取り組みを実施していきますか、お答えください。
まちなかで私がごみを拾えども、コンビニやファストフード店の周辺において、一向に多くのごみを目にします。ごみ箱を設置していないコンビニ周辺では、明らかに空き缶やお菓子の空き袋等が落ちております。私はそれらのごみを拾いますが、捨てる場所がないことに困っております。
先ほどのルールの話とは別問題で、事業者の対応として、ごみ箱を置かないのはどういうことなのかを問いかけたいのであります。ごみ箱を設置していないコンビニは客が商品を買って、その後出たごみは、客が自分で始末してくださいということなのでしょうか。まちなかのコンビニすべてにごみ箱を設置していただきたく、強く思います。ごみ箱がないからごみを拾えない市民も多くいるのではないかと思うのです。
そこでお伺いいたします。
一部のコンビニエンスストアでは、ごみ箱を設置していないことによって、店舗の周辺にごみの散乱が見られます。ポイ捨て禁止の看板の設置や、公共のごみ箱の設置が考えられますが、どのような対策ができますか、お答えください。
蒲原地区のまち並みにはごみが落ちていなくて、加えて、道路沿いの窓ガラスがきれいに掃除されていて気持ちがよいと、以前、小嶋市長が感心されていたことを覚えております。
一方、ガンダムが設置されているホビーフェアオープン時や大道芸などをとらえて、庁内各局の職員の皆さんが朝早くから道路などのごみを拾っておられます。その職員の自主的な活動には頭が下がる思いです。
私の夢の1つは、市外からの本市への訪問者にごみ一つない静岡市のまち並みを見てもらい、いいまちだなと思っていただけることであります。ところが、現状はまだまだ言うに及ばす、残念ながら多くのごみが落ちております。行政が率先して、まずは中心市街地にごみが一つもないまちづくりができないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
市の玄関口である静岡駅周辺の市街地にポイ捨てされたごみが見受けられますが、どのような対策がとれますか、お答えください。
次に、中心市街地のまちづくりについて、路上喫煙による被害等防止について質問します。
路上喫煙による被害等の防止に関する条例が平成18年に可決、施行されてから4年がたちました。過料徴収のない周知期間を経て平成19年4月から過料徴収が始まり、その後、けやき通り地区、静岡駅北口広場地区、静岡駅地下道地区も喫煙禁止地区に拡大されました。過料徴収が始まってから、本年9月までの3年半で計6,145の指導件数が報告されております。
推移としましては、JR静岡駅北口広場地区が指定された一時期、指導件数が大きく伸びたこともありましたが、指導件数は減少傾向にあるようであります。
ところが、市民や事業者や本市、禁煙者もしくは喫煙者の喫煙への意識や本条例に対する認識など、指導件数の推移だけでは推しはかれない部分にも、何かしらの効果、影響があったのではないかと推察します。
そこでお伺いします。
路上喫煙被害防止条例を施行したことにより、どのような効果があったと考えていますか、お答えください。
現在、本条例におきまして職務に当たっている指導員は、6人おります。平成21年度で約1,200万円の人件費が使われており、当然のことながら、予算は無尽蔵にあるわけではなく、費用対効果を考えることは必須であります。
また、この条例第10条において、違反者への過料が5万円以下と明記されていても、実際は2,000円の過料であることの是非に加え、喫煙禁止地区、そこの往来人数、指導件数の推移などもかんがみて、現状の効果を適切に判断した上で、現在の指導員人数や指導体制を最善なものになるよう検討することを忘れてはなりません。
そこでお伺いいたします。
過料の徴収状況も含め、指導員の巡回指導による効果をどのようにとらえておりますか、お答えください。
先ほど申し上げましたとおり、指導件数は減少傾向にあり、一定の効果はあったものと考えております。しかし、市民の皆様の声には規制の強化を求める声もあり、例えば、先日の市民討議会においては、JR静岡駅南口を喫煙禁止区域にすべきといった声もありました。さらには、喫煙場所を設けた上で、市内全面禁煙にすべきといった意見も見受けられました。喫煙者の皆様を含めて、幅広い観点から話し合って決定することが大切だと思います。
しかし、やはり往来者数が既定の喫煙禁止区域と同様に非常に意見の多いJR静岡駅南口を初め、喫煙禁止区域拡大を求める声が多いと考えざるを得ません。
そこでお伺いをいたします。
市みずからが路上喫煙禁止区域を拡大することの必要性についてどのようにお考えですか、お答えください。
私は、本条例について1つ注意しなければならないと思うことがあります。それは、喫煙は決して非合法なことではなく、喫煙する権利は法律によって保障されているということであります。つまり、禁煙者による一方的な喫煙者の締め出し、もしくは一方的な喫煙行為の撲滅になってはならないということであります。
本条例の主旨は、路上喫煙による他人の身体、財産への被害や影響を防ぎ、禁煙者と喫煙者が共存を図ることであります。仮に規制を強くするばかりしたとしても、隠れた場所でこそこそと喫煙する人がふえるなど、せっかくの条例の効果を100%発揮させることが難しくなる可能性もあります。やはり分煙を上手に進めることが重要ではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
市民討議会でも意見として出ましたが、喫煙所の設置についてはどのようにお考えですか、お答えください。
以上で2回目の質問を終了します。

◯環境局長(関 清司君) ごみのポイ捨て対策に関します4点の御質問にお答えします。
最初に、ポイ捨て対策の現在の取り組みですが、本市では、これまでそもそもごみとなるものをもらわない、断る、つくらないという発生抑制を最優先に掲げた4R運動を展開してまいりました。
ポイ捨て禁止の対策としましては、何よりも市民一人一人の自覚が肝要であることから、この4R運動を展開することにより、おのずと市民意識の醸成が図られるものと考え取り組んできたところであります。なお、特にごみが散乱しやすい場所については看板を設置し、注意喚起に努めているところでございます。
続きまして、ポイ捨てをなくす意識を醸成する今後の取り組みでございますが、今後も市民、事業者、行政がそれぞれの役割分担と責任を認識して、これまで以上に4R運動を幅広くとらえ展開するとともに、廃棄物減量等推進員の皆様と連携し、地域における4R運動の展開を検討してまいりたいと考えております。
あわせて、平成23年3月に竣工予定の資源循環センター内に設けられる啓発施設を活用し、環境啓発リーダーを育成するとともに、市民講座や次世代を担う児童生徒への環境教育など、さまざまな機会をとらえ、意識の醸成に取り組んでまいります。
続きまして、啓発看板や公共のごみ箱の設置などの対策でございますが、公園などの公共施設では、ごみは持ち帰るという意識の醸成及び火災等治安上の観点から、ごみ箱は設置しない方向にあります。
一方、一部の店舗、周辺道路などではごみの散乱が見受けられることから、ごみ箱や看板の設置については、関係部局や商店街などの御意見を伺うなどして、今後対応を研究してまいりたいと考えております。
続きまして、静岡駅周辺市街地への対応でございますが、ポイ捨てされたごみについては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、土地または建物の管理者等が適正に処理することとなっており、道路については、大道芸ワールドカップなど、大規模イベントの開催前や道路愛護月間などの際に、建設局が主体となり、市職員のボランティアによる清掃活動に取り組んでおります。
今後につきましても、関係部局と連携を図りながら、機会をとらえ清掃活動に取り組んでまいります。
また、民間企業などによる自発的な清掃活動の取り組み事例もあることから、さらにその活動の輪を広げるための方策を検討してまいります。
以上でございます。

◯生活文化局長(久朗津雅敬君) 路上喫煙につきましての何点かの御質問にお答えをいたします。
条例施行後の効果あるいは過料の徴収状況を含め、指導員の巡回指導による効果についてでございます。
路上喫煙による被害等の防止に関する条例につきましては、18年10月に施行され4年が経過をしているところでございます。
なお、本年6月に市民討議会の実施にあわせアンケートを実施したところ、回答者中78%の市民が条例があることについて知っているとの回答がございました。
路上喫煙実態調査によりますと、条例施行前の路上喫煙率は2.26%であったのに対しまして、条例施行後は0.79%と減少しております。
また、指導員による路上喫煙禁止地区における指導件数も、当初は月300件程度あったものが、現在では月155件程度へと減少をいたしております。加えて、指導員が繁華街を巡回指導することによりまして、多くの人の目にとまり、条例の周知に役立っていると考えております。
条例及び規則では、路上喫煙禁止地区での喫煙に対し2,000円の過料を徴収できるとしておりますが、指導してもなお喫煙を続ける悪質な喫煙者がいないことや、現在の指導方法で成果が上がっていることから、これまでに過料を徴収した実績はございません。
次に、市みずから路上喫煙禁止地区を拡大することへの必要性でございますけれども、路上喫煙禁止地区は、通行量調査や路上喫煙実態調査の結果などをもとに、特に路上喫煙による被害が発生するおそれのある地域について指定をさせていただいております。路上喫煙禁止地区につきましては、呉服町通り地区ほか4地区を指定しているところでございます。
路上喫煙禁止地区の拡大につきましては、通行量調査や路上喫煙実態調査の結果、あるいはアンケートや市民討議会、近隣関係者の意見なども参考に検討していきたいと考えております。
次に、喫煙所の設置についてでございますけれども、市民討議会での意見も参考にいたしまして、路上喫煙実態調査の結果や指導員による指導件数の多い地区の状況、指導件数の約半数を占める来静者に対する周知なども考慮しながら、設置に向けて検討していきたいと考えております。
以上でございます。
〔27番佐地茂人君登壇〕
◯27番(佐地茂人君) 時間がないので進めたいと思いますが、発生抑制、予防という形とごみのポイ捨ては、やっぱりごみが出た後どうしましょうという形から、みんなで拾いましょうという形の啓発活動へと進めていくんであれば、やはり発生した後の対策を考えていく必要があるんではないかと私は思っております。それができなければ、他市では条例というような話をされてきているんではないかというふうに感じます。
続きまして、大きな3点目、静岡市歌の活用について質問します。
豊かな自然と歴史や文化に恵まれたまちという静岡市のイメージを内外にアピールするとともに、市民の皆さんに我がまちへの誇りや愛着、市民としての一体感を感じていただけるよう、平成17年4月の指定都市移行時に、新しい市歌が制定されました。
歌唱は、公募による241件の作品から、清水区出身の伊東恵里さんの作品で「わたしの街静岡」に決定したのであります。
市歌作成の予算規模は全体でおよそ800万円で、CDは1,000枚作成されました。市歌の普及のため、市内の学校や公共施設等へ配布し、そのほか、市歌の普及活動に役立てていただける団体にCDを配布したとのことであります。
その後、CDの在庫が残り少ない状況となり、新たなCDの作成が必要となりましたので、作曲者でもある小椋 桂氏に歌唱を依頼し、平成21年に約520万円の費用により、新たな小椋 桂バージョンのCD2,000枚が作成されました。
現在私が知る限り、庁舎内にて早朝ラジオ体操の音楽の後に、そして、17時15分に市歌が流れます。また、駿河区役所のエレベーター内では小椋 桂さんの歌声が聞こえてきますが、すべて聞き終わる前に3階についてしまいます。
11月23日に行われた静岡市功労者・有功者表彰式では、表彰名簿の最後のページに「わたしの街静岡」が掲載されていますが、残念ながら歌うことはありませんでした。
市歌の制定については、先ほども述べましたように、2回にわたりおよそ1,320万円という大きな予算を投じております。
大きな予算を投じたことを考え、多くの市民により親しまれ、愛される市歌に、ぜひともなってほしいものであります。
そこでお伺いいたしますが、市歌はどのような場所で活用されていますか、お答えください。
指定都市移行後5年と8カ月がたちました。市歌CDの活用については、この間、広報ビデオでの活用、また、市の施設における活用に加え、旧蒲原町、旧由比町への普及、また、シティプロモーションでの活用をされてきました。
現在の市歌の普及については、より多くの市民の皆さんに知ってもらい、愛着を持ってもらうという積極的な活動ではなく、受け身的な形での取り組みのように感じざるを得ません。
ことしの秋に、私の地元の学区運動会において市歌を流したところ、佐地君、市歌を初めて聞いたよとか、こんなにいい歌があるのに知らないのはもったいないねという意見をいただきました。市民は市歌について、または市歌の存在自体を知らない人も多いのではないかと改めて感じたところであります。
そこでお伺いいたします。
どの程度の市民が市歌を知っていますか、お答えください。
私は、市歌をすべての市民に知っていただき、その歌を歌うとき、静岡に住んで本当によかったなと感じていただき、すべての市民が同じ歌を歌えることにより、まちづくりに対する一体感や郷土愛をはぐくむことができるし、そうなってほしいと思います。
12月12日日曜日、清水文化センターホールにて行われます第20回市民による歓喜の歌大演奏会では、市の補助金313万円を投じて開催されますが、第1部冒頭で「わたしの街静岡」を熱唱していただきます。
このような市民参加の大会や市内におけるさまざまなイベント会場、はたまた地域の皆さんに御協力いただく商店街や地域のイベントなどで市歌を流し、市民の皆さんの耳に届く活動が必要ではないでしょうか。
また、学校にCDを配布したとのことでありますが、どの程度活用されているのでありましょうか。配布しただけではなく、学校に協力をお願いし、始業前の時間や昼休み、登下校時に市歌を流してもらい、児童生徒にも市歌に親しんでもらう活動ができないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
学校、商店街などさまざまなところで市歌が流れるようにしてほしいと思いますが、どのようにお考えですか、お答えください。
多くの費用が既に費やされ、費用対効果の観点からも、郷土への愛着を持ってもらうという観点からも、今後普及が進んでいない現状を適切に把握した上で、市歌を歌える市民を着実にふやすことを進めるべきだと考えます。
その際、これまでと同様に、目標のないまま普及を進めるよりも、明確で客観的な目標を設定したほうが、市としましても成果や改善が必要な点の把握が容易になるのではないでしょうか。
最近、事業を推進するときにPDCAサイクル事業という言葉を耳にします。
プラン・ドゥー・チェック・アクションといったものでありますが、明確で客観的な目標設定によりチェックの機能が高まり、その結果、PDCAの強化で今後の市歌普及事業をより強く推進できるのではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
目標数値を決めて市歌の普及を行うべきと思いますが、どのようにお考えですか、お答えください。
次に、大きな項目の4点目、市の小中学校の学校図書司書について質問します。
学校図書館法が規定している学校図書館の専門的職員を司書教諭といい、省令で定められた講習を終了した教諭に資格が与えられます。司書教諭は、一般的な教諭としての立場を踏まえつつ、学校図書館の専門的職務を行うものとされてきました。つまり、学校担任が司書教諭の職務を兼ねて、その事務に当たってきました。
しかし、司書教諭となる資格を有する教諭が不足してきたことから、その不足を補うために、本市では学校担任と兼ねない専任職員として学校司書を配置してきたのが現状です。
平成10年から本年度までの13年間、学校司書の配置について、小中学校129校のうち、中規模校と呼ばれる12学級以上の小中学校85校に非常勤職員として86名配置してきました。
私が学校司書に求めていることの1つに、本と子供たちをつなぐ役割を担う大人として子供に接していただき、子供たちが本を好きになって、言語理解能力が向上し、例えば、全国学力状況調査の国語Bの文章を理解する能力が高まるなどの学力の向上、学習意欲の向上につながることがあります。
そして、子供たちには多くの書物を読み、感性豊かな人間として育っていってほしいと思います。最近では、日本昔話やグリム童話、千夜一夜物語などをテレビで見ることも少なくなってきました。子供たちが多くの物語を通して、本の楽しさを知ってほしいと思います。そして、生涯を通じて長く本とつき合えるような本好きな子供がふえてほしいと思います。
まず、お伺いしますが、学校司書が配置され13年が経過しますが、改めて成果と現状をお聞かせください。
法律改正により、来年度から小学校の学習指導要領が新しくなり、再来年度には中学校の学習指導要領が新しくなります。小学校高学年では……

◯議長(安竹信男君) 残時間1分です。

◯27番(佐地茂人君)(続) 英語教育が始まり、中学校では剣道や柔道などの武道が必修科目になることは、皆さん御承知のとおりであります。
加えて、今度の新学習指導要領の特徴の1つに、小中学校ともに言語活動の重視が重点項目とされております。
言語活動の充実については、日本語について古文の取り組みも必要かと思いますが、読解力の向上などにおいて、図書館の存在は大変重要なポイントとなるのではないでしょうか。
前述した今年度の学校司書の配置は、中規模の小中学校85校に、5,300万円という大きな予算を投じ86名を配置しました。しかし、新しい学習指導要領を契機に、中規模校以下の小中学校についても学校司書を配置し、静岡市の未来を担う市内のすべての小中学校の児童生徒に本を通じて言語活動の充実を図ることはできないでしょうか。
そこでお伺いいたします。
学校司書の配置基準による12学級以上という基準を変えることは考えていませんか、お答えください。
以上で質問を終わります。

◯教育長(高木雅宏君) ただいまの学校司書についての質問にお答えをしたいと思います。
1点目、学校司書の成果と現状はどうなっているかという御質問でございます。
静岡市においては、平成10年度に学校司書を配置し13年目となります。学校司書は、学校図書館法に基づきまして12学級以上の小中学校に配置されている司書教諭の補助として、今年度市内85校の小中学校に配置されているところでございます。
学校司書は、本棚の配置や掲示等の工夫を初め、休み時間に昔話や紙芝居の読み聞かせなど、図書館にかかわるさまざまな仕事に取り組んでいるところでございます。
各学校からは、子供たちが図書館に足を運ぶ回数がふえ、貸出冊数もふえている等の報告を受けており、保護者からも子供が本をよく読んでいるという声を聞いております。
教職員からは、調べ学習等で図書館が使いやすくなり、授業に生かすことができるという喜びの声もあり、学校司書の配置の成果は十分に上がっているものと考えております。
一方、現状では未配置校が44校あり、貸し出し冊数を比較しますと、配置校では年間1人当たり37冊程度、それに対し、未配置校では年間25冊程度にとどまっております。未配置校でありましても、蔵書の数に大きな差はありません。図書館の運営には苦慮しているところがあります。このことから、学校司書の配置が強く求められていると感じております。
学校司書配置基準の見直しについてという御質問がありました。
小学校では平成23年度、中学校では平成24年度より新学習指導要領が完全実施となります。この学習指導要領においては、学校図書館を計画的に利用し、その機能の活用を図り、児童生徒の主体的、意欲的な学習活動や読書活動を充実することが新たに盛り込まれていることから、教育の機会均等や新学習指導要領の主旨を踏まえるためには、すべての学校で図書館機能の向上を図っていくことが重要となってまいります。
また、全国学力・学習状況調査の学習習慣の設問においては、読書が好きと回答している子供のほうが記述式問題の正答率が高いという傾向が見られることからも、学校図書館の果たす役割はますます高まってまいります。
このようなことから、学校司書の配置基準を段階的に緩和し、できるだけ早期に未配置校に学校司書を配置できるよう見直していきたいと考えております。
以上でございます。
◯経営管理局長(深津 薫君) 市歌に関する4点の質問にお答えをいたします。
まず、市歌の活用場所と市歌の認知度につきましての質問にあわせてお答えをいたします。
市では、市役所各庁舎で始業時、終業時等に庁内放送に使用したり、Hotひといきコンサートなど、市主催事業や市広報番組で使用しているほか、東京事務所で訪問先にCDを配布するなど、シティプロモーションにも活用しております。また、市民団体等では、町内会、老人会や子育て支援サークルなどで合唱用に使用されているほか、市民合唱団の演奏にも使用されております。
このようなことから、一定の周知は図られていると思いますが、具体的な調査は実施していないため、今後は市民意識調査等を利用し、状況を把握したいと考えております。
次に、学校、商店街での活用、普及の状況と目標数値による普及の御質問にあわせてお答えをいたします。
現在までに、市歌のCDを市内のすべての幼稚園、小中高校や静岡市合唱連盟などの文化団体等へ無償配布したほか、希望者には無償で提供や貸与をし、普及に取り組んでおります。また、平成21年には、一層の普及を図るため、市歌の作曲者であり補作詞者でもある小椋 桂氏の歌唱によるCDを改めて作成いたしました。
現時点では、具体的な目標数値を設定することは困難であり、今後の課題というふうにさせていただきたいと思いますが、市民がわがまち静岡への誇りや愛着、市民としてのより強い一体感を感じ、少しでも多くの市民に愛唱していただけるよう、今後も積極的な活用について関係機関等に働きかけ、普及を進めていきたいと考えております。
以上でございます。