平成23年2月定例会(第7日目)

2011年3月8日

質問内容

住宅政策による子育て支援・障害福祉サービスの利用状況について

◯27番(佐地茂人君) 私の質問を市長に聞いていただく最後になると思います。
それでは、通告に従いまして、大きく2点の質問をさせていただきます。
初めに、住宅政策による子育て支援についてであります。
我が会派代表質問では、牧田議員より年代別人口動態予測が問題提起されました。本市に、20代から50代の働く世代の人口減少、いわゆる担税力が弱まっていくことによる市政運営に関して危機を感じ、私は歯どめをかけていきたいという思いのもと、子育て世帯が本市にとどまっていただくための政策の必要性を訴えてまいりました。2月26日付の新聞報道では、平成22年国勢調査の人口速報集計結果が掲載されており、本市の人口は5年前より約7,000人の減少という結果を皆さんはどのようにとらえたでしょうか。ちなみに「静岡気分」、広報しずおかに掲載されている住民基本台帳による人口動態では、平成21年度の人口推移は1,280人の減少で、今年度、平成22年度は1月31日現在で人口72万5,344人、昨年度より716人の減少ということであります。
私の記憶によりますと、合併当初の人口減少は、年間約2,500人ぐらいという記憶もありますので、それよりは幾分か減少傾向は緩やかなのかとも思われますが、当局と議会とともに力を合わせ、地域主権が叫ばれる中、大きな問題意識として、この人口減少に果敢に立ち向かって行く必要もあろうかと思います。
そのために、第2次静岡市総合計画をもとに、静岡市の魅力を一層引き出していくことが求められるのであります。
人口について申し上げますと、交流人口の拡大については、小嶋市長の推進力によりかなりの効果が出てきているように感じますが、定住化促進という定住人口の拡大については、よりインセンティブを与えた施策が求められるのではないでしょうか。特に、今回の当初予算でもわかるとおり、医療費増による国保会計では、今年度の4万円上限アップに続き、次年度も上限を4万円アップするという異例の事態、また扶助費の増加による一般会計歳出についても心配しており、投資的経費確保のため市債等の借金がふえていくことについて、不安も正直かなりあるのであります。
先ほど担税力の重要さについて触れましたが、高所得者の減少や、働いて税金を納めてくれる中堅世代、はたまたこれから税金を納めてくれる若者世代の愛想が尽きることのないように、静岡市に生涯住んでくれるための安心感はもとより、より多くの若い世代が本市を選んで住んでもらえるように、本市独自の定住化促進の施策が求められてくると考えます。
そこで、住宅政策による子育て支援についてを切り口に、今回で何回目になるか覚えていませんが、子育て世帯への優良な住宅供給というテーマで質問したいと思います。
平成23年度当初予算案の概要の中の3つの事業について質問していきます。
初めに、特定優良賃貸住宅子育て支援事業であります。
特定優良賃貸住宅、特優賃というのは平成5年度からスタートした制度でありますが、優良な民間賃貸住宅ストックをたくさん蓄積していくという目的のもとにスタートした制度であります。特優賃の法律の第1条の目的には「中堅所得者等の居住の用に供する居住環境が良好な賃貸住宅の供給を促進するための措置を講ずることにより、優良な賃貸住宅の供給の拡大を図り、もって国民生活の安定と福祉の増進に寄与することを目的とする」とあります。したがって、本来、特優賃は、中堅所得層の家賃負担の軽減を主目的とした施策ではなく、優良な賃貸住宅の牽引役ということが1つの特徴であります。
また、入居者の負担額が管理開始時の入居者負担額を基準に毎年3.5%上昇するという傾斜型では、15年度程度で家賃補助がなくなってしまうことや、入居者の収入が上がらない時代には途中で部屋を出てしまうという課題があり、また補助期間が10年から15年のフラット型では、補助金は変動しませんが、補助期間が短く、契約家賃が変われば、それに伴い変動することも課題として指摘されてきました。何よりも、補助金がなくなった後の将来の空室が懸念され、入居者確保に不安があります。加えて、比較的地価の安い中心地から離れての建設ということも、都市計画的な視点が余りないのではないかということも述べられてきました。
本市においては、低所得者の上位を補完する中堅所得者を対象として、家賃補助を行い、事業を実施してきましたが、平成15年から17年ごろに空き家率増加問題が発生しました。私が議員になりたてのころは、この特優賃が中堅所得者層やファミリー向けの定住化の1つの方法と期待しましたが、その後、空き家増加のころは、本会議の質問で、建設補助や家賃補助に係る費用対効果について疑問がある旨の意見を申し上げた記憶があります。
平成19年度より、特定優良賃貸住宅及び高齢者向け優良賃貸住宅に対する助成が地域優良賃貸住宅による助成に統合・再編されました。また同時に、子育て世帯へ特化した、より特優賃にインセンティブを与えた助成制度が、平成19年度から始まった特定優良賃貸住宅子育て支援事業であります。小学生以下の子供を扶養する世帯で、新たに入居する者について、契約家賃の最大40%、上限月額4万円を補助するというものであります。
まず、お聞きしますが、特定優良賃貸住宅のうち子育て支援事業補助金を受けている世帯はどのようになっておりますか、お答えください。
次に、子育て世帯への優先宅地分譲事業であります。
小嶋市長の土地活用の方針では、まとまった市有地は有効に公共活用することに効果があるということ、また、分散した市有地に関しては適切に処分するという考えに共感しております。今年度から新規事業として始まりました子育て世帯への優先宅地分譲事業は、第2次静岡市総合計画の平成22年から26年までの5カ年計画で実施すると伺っております。市営住宅の長年の建てかえ等で生じた跡地の有効活用として、小学生以下の子供たちを扶養する子育て世帯へ、優先的に土地を売却するものであります。今年度は初年度であり、募集状況も心配でありますし、先月の2月15日に入札も終了したということであります。
そこで、お伺いをいたします。
子育て世帯への優先宅地分譲事業の実施状況についてはどのようになっておりますか、お答えください。
次に、子育て世帯住宅取得資金利子補給制度についてであります。
昨年の11月30日に新聞にて掲載されました内容では、子育て世帯住宅ローン補助について、静岡市の制度利用が低調とのことでありました。補助対象条件が予算枠内におさめられているような制度として設計された感がありました。補助額が最大6万円で、5年間ということで、例えば「たてものまるごと省エネ化促進事業」と比較しても、それほど大きな支援策ではないということも当初予算のときから気にはなっておりました。支援方法に問題があるから制度の利用者が少ないということでないことは、問い合わせの件数を考えても明らかでありますので、事業者が少なければ制度の内容を改めなければならないと、当時から当局サイドと話もさせていただいておりましたので、まず、状況についてお伺いをいたします。
子育て世帯住宅取得資金利子補給制度の申し込み状況はどのようになっておりますか、お答えください。
2点目の大きな質問の項目は、障害施策についてであります。
障害保健福祉施策は、平成15年から支援費制度へと移行し、平成18年4月には、障害のある人が地域で安心して暮らせる社会の実現を目指し、障害種別ごとに縦割りになっていたサービスの一元化や就労支援の抜本的強化などを骨子とする障害者自立支援法が施行されたことは、皆さん、記憶に新しいところであります。3障害が総合的に身近な事業所で、日中の生活と夜間の生活においてもきめ細やかに、自分に適した個別のサービスを選ぶことができることが法改正の大きなねらいであり、国の大きな方針転換とも言える制度であると言っても過言ではありません。
しかしながら、自立支援法の契約制度のもとでは、サービスを受ける側みずからが知識を得てサービスを利用するということになり、サービス内容を知っている人と知らない人との格差が生じることも考えられ、また、サービスに見合った負担をすることと、サービスの提供が多ければ、財政的負担が増加してしまうことや、身近な市町村が主体となって行うことにより、全国的な地域格差が生じるおそれもあるのではないかなどという課題も、私はあると考えております。
これらの諸問題を本市がどのようにとらえ、克服していくか、また、市民への理解を得て、よりよい静岡版障害施策として確立していくのか、当局の事業立案能力に期待しておりますし、私も汗を流しながら協力していきたいと思っております。
少しおさらいをさせていただきますが、障害者自立支援法による総合的な自立支援システムは、大きく自立支援給付と地域生活支援事業で構成されております。
自立支援給付については、介護給付と訓練等給付が主で、そのほか自立支援医療等がありますが、介護給付は、ホームヘルプや重度訪問介護、行動支援、重度障害者等包括支援、児童デイサービス、ショートステイ、療養介護、生活介護に施設入所とケアホームという介護支援を受けるサービスであります。訓練等給付については、自立訓練と就労移行支援、就労継続支援A型、B型に加え、グループホームがあります。簡単に言えば、生活のサポートサービスが介護給付で、働くためのサポートサービスが訓練等給付になるわけであります。
地域生活支援事業は、サービス内容が市町ごとに違ってきますが、本市では具体的な事業として、障害者や障害児の保護者の総合的相談窓口である相談支援事業所の運営、聴覚・言語機能・音声機能・視覚障害への手話通訳等派遣事業、補装具以外の用具の給付やレンタル、移動支援事業、地域活動支援センターの機能強化、福祉ホームなどが挙げられます。
最近、私の周りではやっている事業は日中一時支援でありますが、いわゆる一時預かりであります。これは地域生活支援事業に入りますが、この事業の中で児童を対象とした日中一時放課後支援がありまして、この日中一時支援事業と介護給付に入っている児童デイサービスは、どの辺がサービス内容に違いがあるのかわかりづらい状況です。何が言いたいかと言えば、サービスの内容が類似していることや、サービスの種類が多いこと、サービス事業者がふえていること、施設によってサービスの内容に少し違いがあることなど、すごくわかりにくくなってきているように感じております。また、介護保険のように、他の施設同士の連携や情報交換が余りなされていないようであるためか、施設のサービスの質や内容が明確に利用者に伝わっていないことや、サービス提供者の能力アップ等はどのように行っているかもよくわかりません。
では、利用者は市や相談支援事業者におんぶにだっこでいいのか。これでは利用者側に配慮したサービスが提供できるのか疑問の残るところであります。また、事業者がふえるということは、サービス提供がふえるということで、来年度も今年度以上の予算が必要となっているのではないか。年々ふえ続ける費用についてはどうなるのか。加えて、再来年には民主党政権が、障害者自立支援法を廃止し、新たな法律のもとで障害者施策を行うようでありますが、どうなっていくのかも気になるところであります。
そこで、お伺いをいたします。
障害者自立支援法施行後5年を経て、障害福祉サービスの利用状況についてはどのように評価をしておりますか、お答えください。
また、本市としては、課題をどのようにとらえ、今後はどのように取り組んでいきますか、お答えください。
障害者自立支援法施行後5年がたちましたが、確かに事業所がふえているので、サービス提供はふえております。先ほどは、今までの5年間は、本市のサービス提供に関する理念というか、方針というものが一本筋の通っていないまま事業者の数だけふえてきているようなことをお話しさせていただきましたが、それでも実際はまだサービス提供は足りていないことも事実であります。サービスを受けたいが、自分が受けたいサービスはいっぱいであるとか、サービスをどうやって受ければいいのか、自分、うちの子にはどういうサービスが必要で、どこにそれがあって、受けることができるのか、サービスを受けられること自体を知らない方々もまだまだ多く存在すると思います。
障害児に関して言えば、情報はまず学校で先生や他の保護者から得るということが通例で、施設の新設時にチラシを見て、施設へ連絡し、施設ではまず区役所で手続をしてから来てくれと言われ、区役所へ行き、サービス支給量を決定し、障害福祉サービス受給者証を交付され、施設での手続となることが多いようであります。見えない、埋もれている利用者をどのようにして掘り起こしていくのか、また自分でサービスを選ぶための訓練というか、知識をどうやって得ていくのか、当局の対応が気になるところであります。
そこで、お伺いをいたします。
障害福祉サービスの利用を促すために、どのような取り組みをしていますか、お答えください。
障害の中でも、特に重度心身障害児・障害者は、施設的には広いスペースが必要でありますし、設備も、医療を含めて対応しなければならないので、お金がかかるでしょうし、配置された従業員も、多くの負担がかかることが予想されますので、重労働で、人員も多く必要であることから、サービス提供をしてくれる事業者も少ないのではないかと考えます。施設の入所やショートステイ、日中一時支援や日中一時放課後支援等でサービスが欲しいけど、足りていない状況が出てきているのではないかと思います。
本来、障害福祉サービスは、より重度の方から支援されるべきものではないかと私は考えますが、いかがでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。
重度心身障害児・障害者が利用できる施設やサービスについてはどうなっておりますか。また、課題についてはどのようにとらえていますか、お答えください。
以上で、1回目の質問を終了します。

◯都市局長(藤浪芳朗君) 住宅政策に係る子育て支援につきまして3点の御質問にお答えします。
まず、特定優良賃貸住宅の入居者のうち、子育て支援事業補助金を受けている世帯数でございますけれども、平成23年1月現在、特定優良賃貸住宅に入居している136世帯のうち、子育て支援事業補助金を受けているのは30世帯でございます。
続きまして、子育て世帯への優先宅地分譲事業の実施状況でございますが、本年2月、葵区桜町一丁目の10区画につきまして1,380万円から1,550万円の予定価格で分譲したところ、30件の応募がありまして、現在9区画の売買契約の手続を行っているところでございます。残り1区画については、引き続き公募を行っております。
続きまして、子育て世帯住宅購入資金利子補給事業の申し込み状況でございますが、22年度中に住宅を購入した人を対象に、昨年9月より募集を始め、本年度20件の認定を予定していたところ、1月末現在で10件を決定し、3件を書類審査しているところでございます。この事業に対する問い合わせも多いため、今後の申し込みの増加を予想しているところでございます。
以上でございます。
◯保健福祉子ども局長(寺前泰男君) 障害者施策につきまして4点の御質問にお答えいたします。
最初に、障害福祉サービスの利用状況の評価でございますが、本市におけます障害福祉サービスの利用者数の推移を見ますと、障害者自立支援法が施行されました平成18年度の2,322人に対しまして、平成21年度では2,810人で、約500人、率にしまして21%増加しております。また、市内におけます障害福祉サービス事業所数は、平成18年度の71事業所に対しまして、平成21年度では126事業所で、55事業所、77%増加しております。
利用者数、事業所数ともに増加の傾向にありまして、障害福祉計画に基づき障害福祉サービスの提供基盤が着実に整備されてきたと考えております。
次に、障害者自立支援法施行後の課題と取り組みでございます。まず課題でございますが、地域での生活の場となりますグループホームやケアホームの整備と事業者の増加に伴うサービスの質の確保が必要だと考えております。
施設整備につきましては、補助制度の積極的な活用を事業者に働きかけながら障害福祉サービスの提供基盤の整備に努めてまいります。
また、サービスの質の確保につきましては、指導監査の機会をとらえまして、事業者指導を行ってまいります。
次に、障害福祉サービス利用促進のための取り組みでございますけれども、障害のある方が地域で安心・安全に暮らすことができるよう、障害福祉サービスの適切な利用を初め、日常生活の中で生ずるさまざまな課題に対してきめ細やかに対応できるよう、各区に相談窓口を設置しております。各区の福祉事務所では、障害福祉サービスの利用に関する相談や申請の受け付けを行っているほか、身体、知的及び精神の障害別に障害者相談支援事業者に委託して、相談窓口を各区に3カ所ずつ、重症心身障害児(者)に関する相談窓口を、全市を対象としまして1カ所設置し、合計10カ所で障害のある方やその御家族から相談に対応しております。
また、家族全体に支援が必要な事例や、医療との連携が必要な事例などのいわゆる困難事例につきましては、相談支援事業者を中心に、障害福祉に係る関係機関による検討会議を開催するなど、障害のある方とその御家族の支援に努めているところでございます。
最後に、重度心身障害児(者)が利用可能な施設などの現状と問題点でございます。市内には、医療的ケアの対応可能な児童福祉法に定めます重症心身障害児(者)施設として、つばさ静岡とてんかん・神経医療センターの2施設、定員合計で220名と、両施設内で日中に療育を行う重症心身障害児(者)通園事業が定員合計20名で実施されております。また、重度の身体障害者と知的障害者の通所施設としての重度障害者生活訓練ホーム4事業所、定員合計が90名です。これと障害者自立支援法の生活介護事業所や短期入所がございます。そのほかにも、訪問看護、居宅介護、重度訪問介護などの訪問系サービスがございます。
課題としましては、医療的ケアが可能な重症心身障害児(者)施設では、定員を超える利用希望がございまして、新たな受け入れが困難となっております。医療的ケアが必要な方に対するサービスは、医療職の不足もあり、利用できる事業所が限られ、特に短期入所については保護者の利用希望に十分対応できていない状況にあります。重度心身障害児(者)の利用できるサービス基盤の整備につきましては、医療との関連も深く、他市からの利用もあり、広域的な対応が必要となるため、今後とも県及び事業者等と必要な対応策を検討してまいります。
以上でございます。
〔27番佐地茂人君登壇〕
◯27番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございます。
2回目の質問に入ります。
特定優良賃貸住宅子育て支援事業は、子育て世帯の支援ということに関しては大変ありがたい制度ではありますが、一方、特優賃に入居する少人数だけ支援が得られるというのであれば、特優賃の法的根拠を考えるに当たっても、より子育て支援枠を広げ、特優賃以外でも、例えば子育て世帯専用の借り上げ方式での民間賃貸住宅への助成のほうが、効果があるのではないかと考えるのであります。
そこで、お伺いをいたします。
特定優良賃貸住宅の子育て支援事業は、今後どのようにしていきますか、お答えください。
今回の議会答弁の中でも、市長から、静岡市は地価が高いと述べられておりました。同意見でありますが、私は、それなら静岡に住むには、それ以上の魅力や愛着がなければ、焼津市や藤枝市に行ってしまうと思います。いや、魅力や愛着があっても、背に腹は変えられず、今では道路交通体系がしっかりしておりますので、静岡中心地から焼津や岡部地区まで車で30分かかりませんから、市外を選んでしまうということも、今後の景気変動や土地の下落を考えるとますますふえるのではないかと思うのです。
子育て世帯への優先宅地分譲事業は、不動産鑑定士が適切な鑑定評価により最低落札価格を決定しますので、それほど安く購入できるものではないと思いますが、今後の分譲地の売れ行き等も考慮して、土地の値段を安く見積もるとか、その他のインセンティブをつけてもよいのではないかと思います。例えば、市内の温泉宿泊無料券やエスパルス年間シートなど、家族で市内の魅力を満喫でき、経済効果もあるようなことがあってもいいのではないでしょうか。
また、せっかく土地を分譲するのですから、人口が確実にふえるように、市民の皆さんには怒られるかもしれませんが、市外の家族限定で売り払いを行うことも一案ではないでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。
子育て世帯への優先宅地分譲事業の今後の予定についてはどのようになりますか、お答えください。
子育て世帯住宅取得資金利子補給制度についてでありますが、まず、住宅取得資金というネーミングは一戸建ての購入を想像してしまう感じがします。マンションの購入や建売や中古住宅の購入についても適用されることを啓発する必要があるのではないでしょうか。また、融資利息が年利1%を超えることや、変額の融資利息は認められず、定額でなくてはならないことや、長期優良住宅の認定を受けた住宅でなければならないこと、そして、助成の金額が5年で最大30万円という金額は、果たしてインセンティブに値するのかと感じるのであります。
そこで、お伺いをいたします。
子育て世帯住宅取得資金利子補給制度をさらに活用してもらうためには、今後どのように工夫すべきと考えておりますか、お答えください。
以上で、2回目の質問を終了します。

◯都市局長(藤浪芳朗君) 3点の御質問にお答えします。
まず初めに、特定優良賃貸住宅の子育て支援事業の今後についてでございます。
特定優良賃貸住宅は、現在、8棟、151戸あり、平成24年度から26年度に毎年30戸ずつ建設する予定でございますが、これらの住宅を子育て支援事業の対象となる世帯に提供していきたいと考えております。
続きまして、子育て世帯への優先宅地分譲事業の今後の予定でございますが、26年度までの5年間、個人の住宅の建設に適した土地の分譲を毎年5から7区画程度行っていく予定でございますが、23年度は、桜町一丁目、秋山町、南八幡町など7区画を予定しております。
続きまして、子育て世帯住宅購入資金利子補給事業の活用を促すための今後の工夫でございます。現在、市広報紙や新聞での定期的な広報に努めておりますが、今後、不動産業者や金融機関などへの情報提供も含め、継続的な周知に努めてまいります。
以上でございます。
〔27番佐地茂人君登壇〕
◯27番(佐地茂人君) 御答弁をいただきありがとうございました。
特優賃に関しましては、現状の課題についても、法改正を含め、今後見直しもされるようでありますし、本市では特優賃本来の必要性があるという判断でもあると思いますので、その中で子育て世帯への支援については引き続きお願いしたいと思いますし、子育て世帯専用の特優賃についても研究してほしいと思います。
また、特優賃に関しては、県や他市において丸ごと借り上げ制度の活用もあるようでありますが、やはり補助金がなくなった後や、中古での空き家補償が課題となるようでありますので、慎重なる計画も必要だと思っております。
静岡市市営住宅整備計画(案)がことし1月に策定されました。高齢化の進展や人口の減少、税収の減少と自治体財政の悪化、また都市構造の変化や住宅余りという社会の構造的変化により、既存ストックの活用に重点を置き、修繕に力を入れ、新築は今後計画しないこと、老朽化し過ぎてしまったものについては解体し、借り上げ住宅で対応し、将来、本市のあるべき市営住宅のストックに押さえていくという大きな方針転換の計画であると理解しております。
この計画中の借り上げ住宅については、我が会派の鈴木会長と私が質問をしたことがありますが、借り上げ公営住宅とは、民間事業者が建設し、公営住宅等整備基準に適合する賃貸住宅を公営住宅として借り上げるというものであり、財産としては残りませんが、公営住宅の建築には莫大な資金がかかるというリスクを回避することが最大の利点ではないかと思います。
現在は新築での1棟丸ごとの借り上げという制度で他市では定着しつつありますが、今後は中古住宅の活用についても制度が検討されるようでありますが、現状はなかなか進んでいないようであります。
現在、本市においては、人口減少や核家族化の世帯増という現象の中でありますので、民間賃貸住宅のストックはあり余っている状態で、特にファミリー向けや中古の単身用アパートは、空き家が多く存在することは以前から申し上げたとおりで、最近は加速して多くなっているのではないかと思います。
以前、民間中古賃貸住宅の改造やファミリー向けの民間賃貸住宅を活用した助成制度について提案したことがありましたが、なかなか採用してもらえないのが現状です。新築の借り上げ住宅制度導入については、駅から遠ければ空き家になる可能性や、特優賃と同様に、中心市街地では、地価が高く、価格が高くなってしまうことにより、計画的に供給しづらいこと、経費が多くかかってしまうこと等が挙げられ、中古であれば、契約期間も長期的には及ばず、安く借り上げができるし、市の補助金も少なくて済むという多くの利点があります。財政的な観点から、中古の借り上げ住宅制度のほうが有効であります。この借り上げ制度の活用については、子育て世帯の定住化促進策について先行して行うべきではないでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。
静岡市市営住宅整備計画の中で、新築の借り上げ住宅の制度の導入も考慮しているようでありますが、子育て世帯に民間の中古住宅を借り上げて提供することについてはどのようにお考えですか、お答えください。
話が少し変わりますが、静岡市市営住宅整備計画では財政的な観点からの提案が中心であるように感じます。その他の公共施設についてもそうでありますが、建設費用はもとより、維持管理に多くの費用がかかってしまうことが懸念材料であります。市営住宅では家賃を管理経費に充てていますが、家賃の滞納も数億円と問題になっております。
そこで、提案でありますが、借り上げ住宅については、家賃の滞納を極力押さえるために、また効率的な管理運営が行えるように、委託などにより民間の専門家に任せてみるということはいかがでしょうか。先行して試験的に、ファミリー向けの子育て支援住宅の借り上げを行い実施してみてはいかがでしょうか。
そこで、お伺いをいたします。
現在、市営住宅の管理は静岡市振興公社が行っておりますが、借り上げ住宅については、民間の専門家などにより、管理、経営を行い、効率的なものにできないでしょうか、お答えください。
それでは、意見、要望を申し上げたいと思います。
利子補給制度に関してでありますが、核家族化防止やひとり暮らし予防対策としても有効であると思います。2世帯住宅を建設する場合は、利子補給の金額を2倍にする等の支援策もいかがでしょうか。
それから、先ほど御答弁の中にもありましたが、現在、少し手だてをして、定住化促進に力を入れている事業は、山間地域のほうもありますけれども、先ほど3事業の中で、30世帯が家賃補助、そして10区画が宅地分譲、そして利子補給制度は、20件認定予定のうち、10件の決定で3件を審査しているという形で、私は制度自体をまだ少し組みかえる必要があると感じておるんですけれども、全部足しても60件なんです。60件の少ない世帯に活用する制度という形。静岡市は取り組み始めていただいてきましたので、いいことではあるとは感じてはおるんですけれども、やはり今以上の多い若年世帯の支援策を今後考えていただきたいということを最後にお願いさせていただき、私の質問をすべて終了させていただきます。
ありがとうございました。

◯都市局長(藤浪芳朗君) 2点の御質問にお答えします。
子育て世帯に民間の中古住宅を借り上げることについての御質問でございますが、市営住宅整備計画の基本方針の1つとして、資産の保有を伴わない住宅の供給を推進するため、借り上げ住宅制度を導入する計画でございますが、中古住宅を借り上げることについても1つの方法であると認識しておりますので、導入の際には検討してまいります。
続きまして、借り上げ住宅の管理を民間に行わせる考えはないかとの御質問です。財政負担の軽減や効率的な維持管理が実施できることから、市営住宅の管理は指定管理者に委託したほうが有利と考えておりますが、借り上げ住宅については、今後導入する新たな制度であるため、他都市の状況を参考にしながら検討していきたいと考えております。
以上でございます。